本記事で使用されている一部の画像は、画像生成AIを使用して生成されたものでありフィクションです。登場する人物、団体、名称、場所などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
半額の誘惑から──トイレの住人となった3日間

あの日、閉店間際のスーパーで、妙にキラキラ輝くお刺身を見つけました。
見た目は完璧、しかも“半額シール”という禁断の輝き。
「これは掘り出しものやないか」と、迷わずカゴに入れてしまいました。
家に帰って、さっそく実食。

ひと口目で「ん?ちょっと生臭い……?」と違和感。
それでも、美味しさと幸福感が勝って、ぺろりと完食してしまいました。
そして翌朝——在宅ワーク中に突如、胃腸が大暴走。
腹痛も熱もないのに、明らかにおかしい。とにかく止まりません。

そして、トイレに住民票を移そうかと思うほどの日々が、3日ほど続いたのです。
幸い在宅勤務でしたが、これがもし外勤の日だったら、完全に社会的に終わっていたことでしょう。
思い返してみると、トレーも生臭くて、明らかに危ない状態でした。
それでも、そのときは食い意地が勝ってしまったんです……。

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ちょっとした油断が生んだ、食いしん坊の“お魚事件簿”。
この出来事をきっかけに、「どんな魚がどう危ないのか」、そして「美味しく安全に食べるにはどうすればいいのか」を調べてみました。
食中毒を起こしやすい魚4選

魚を愛する釣り人にとって、「食中毒」は絶対に避けたい敵です。
「釣りたてだから安全」と油断するのは危険。
鮮度・温度・処理のタイミングを少しでも誤ると、思わぬ魚が食中毒の原因になることがあります。
ここでは、とくに注意したい“リスクの高い魚”を紹介します。
サバ|“ヒスタミン食中毒”の代表格

撮影:tsuki
サバは釣っても食べても人気の魚ですが、じつは“食中毒リスクの代表格”でもあります。
代表的なのが「ヒスタミン食中毒」。これはサバの筋肉中でヒスチジンという成分が増えすぎ、常温放置などで細菌が繁殖することで発生します。
見た目や匂いに異常がなくても、加熱しても毒は消えません。釣ったサバは一気に冷やし、できるだけ早く内臓を取ることが大切です。
さらに注意したいのが「アニサキス」。アニサキスは胃壁に刺さると激しい痛みを引き起こす寄生虫で、サバを生で食べるときの天敵です。
こちらは冷凍や加熱で死滅しますが、釣った直後に刺身で食べる場合は、目視でのチェックと自己責任を忘れずに。
カツオ|足が速く、常温放置は即アウト

カツオも食べるときは要注意の魚の代表格。
釣り上げたらすぐに氷で冷やし、内臓を早めに処理することが鉄則です。
また、カツオにもアニサキスが寄生することがあります。内臓に多く、時間が経つと筋肉に移動します。
釣ったその場で刺身にするなら、光に透かして白い線状の虫がいないかを必ず確認しましょう。
冷凍や加熱で死滅しますが、自己処理の生食はリスクが高めです。
参考:食中毒にご注意ください!肉や魚介類を安全に食べるためのポイント(政府広報オンライン)
アジ|腸炎ビブリオの温床

釣り人にとってはおなじみのアジですが、じつは油断しがちな魚。
代表的なのは、新鮮なアジの内臓や筋肉に潜むアニサキス。
釣ってすぐに内臓を取ればリスクは下がりますが、時間が経つと体内を移動するため要注意。
刺身やなめろうにする場合は、必ず目視でチェックしましょう。
冷凍(−20℃以下で24時間以上)や加熱(60℃以上)で死滅します。
アジは沿岸部の水質や保存状態によって腸炎ビブリオ菌が繁殖しやすく、こちらも食中毒の原因になります。
真夏の堤防で釣ったアジは、クーラーボックスの氷を惜しまないようにしてください。
参考:豪雨が腸炎ビブリオ食中毒の発生を誘発する可能性について
フグ|素人調理は絶対NG

撮影:山根央之
フグは、プロの免許を持つ調理師だけが捌ける魚です。
フグ毒(テトロドトキシン)は肝臓や卵巣、皮、腸などに多く含まれ、たった1匹でも致死量に達するほど強力。
興味本位で「毒があるのは分かってるけど、少し味見を」というのは絶対にNGです。
毒の量は種類によって異なり、外見では判断できないため、釣れてもリリースしてください。
フグを食べたいなら、フグ調理師免許を持つ人が在籍する店舗で、提供されるものを味わいましょう。
自分で釣った魚を食べるのは最高の贅沢ですが、フグだけは別格。命あっての釣りです。
釣った魚を“安全に美味しく”食べるための3つの鉄則

撮影:DAISUKE KOBAYASHI
せっかく釣った魚、最後まで美味しく食べたいですよね。
でも、鮮度管理を少しでもミスると、せっかくの釣果が台なしになることも。
魚は釣った瞬間から鮮度との戦いが始まります。
ここでは、キャッチ&イート派の釣り人が絶対に押さえておきたい3つの基本を紹介します。
1. 鮮度の命は“即締め”にあり

撮影:tsuki
釣れた魚を美味しく、安全に食べたいなら、「締め」の早さがすべてです。
魚は釣り上げた直後から自己分解が始まり、放置すれば血液中のアンモニアが身に回り、風味も食感も劣化します。
サイズの大きい魚は血抜き、小さい魚は氷締め。その後はしっかり保冷——これが基本です。
2. 内臓は早めに処理し、残りは−20℃で24時間以上冷凍

撮影:DAISUKE KOBAYASHI
魚の内臓は、釣り上げた瞬間から細菌と酵素の活動が活発になり、放置すれば食中毒の温床になります。
とくにアニサキスは内臓から筋肉に移動するため、早めの処理が重要。帰港後すぐに内臓を抜いて軽く洗い、クーラーボックスに戻しましょう。
刺身で食べる場合は、冷凍処理も忘れずに。厚生労働省の基準では、−20℃以下で24時間以上の冷凍でアニサキスが死滅します。
一般家庭用の冷凍庫でも対応可能ですが、詰め込みすぎずに温度を一定に保つことがポイントです。
3. 夏の釣りは「持ち帰らない勇気」を持つことも大切

撮影:山根央之
真夏の炎天下で釣った魚を安全に持ち帰るのは、想像以上に難しいこと。
どれだけ氷を詰めても、車内温度や移動時間によっては鮮度が急落します。
釣果を誇りたい気持ちは分かりますが、釣り人にとって本当に大事なのは「命を無駄にしないこと」です。
保存に不安がある日は、リリースするのも立派な選択です。
釣果を“量”ではなく“質”で楽しめる人こそ上級者。安全とマナーを守る判断力こそ、夏場の釣りで最も光るスキルです。
キャッチ&イート派の釣り人におすすめのアイテム
ハピソン 津本式血抜きポンプ
ハピソン アニサキスライト YF-980
シマノ フィクセル プレミアム 120 ZF-012R
油断ひとつで天国と地獄

撮影:山下 洋太
魚を食べるのも、釣りの楽しみのひとつ。
でも、新鮮そうに見えても扱いをミスれば、地獄の食中毒ライフが待っています。
釣ってきた新鮮な魚だとしても、ちょっとした冷却や下処理の差で、天国にも地獄にもなってしまうんです。

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次に魚を手にしたときは、油断せず適切に処理して、美味しくいただきましょう。
そしてなによりも、命をいただく感謝も忘れずに!





