鮮度の良いタチウオの刺身は旨いゾ!
魚釣りの人気対象魚“タチウオ”

タチウオ(太刀魚)は岸からでも船からでも釣れる美味しい魚として近年、釣り人の間で人気急上昇中の魚です。
餌釣りだけでなく、ルアーを使って手軽に狙え、大きいものでは1mを超える魚です。
▼タチウオの釣り方についてはコチラの記事で詳しくご紹介
タチウオの旬は夏|鮮魚売り場でも見かける魚です

タチウオの旬は産卵期である夏から秋。7月ごろから10月ごろに脂が乗るとされていますが、周年漁獲される魚で味、価格ともに一年を通して安定しています。
タチウオは鮮魚売り場に力を入れているスーパーではよく見かける魚ですが、アジやブリのようにどこでも売っている大衆魚ではありません。
また、タチウオはおもに「曳縄漁」か「底曳網漁」によって漁獲されますが、曳縄漁で1本釣りのように漁獲された個体の方が傷が少なく高値で取引されます。
タチウオの刺身を美味しく食べるには鮮度にこだわるべし

タチウオの刺身を美味しく食べるためには、鮮度が高いことだけでなく、保存状態にも気を使いましょう。
釣れたタチウオを持ち帰る場合は、氷が解けた時に出る真水に魚体が触れると身に水分が入ってしまい鮮度も味もガタ落ちになるので、ビニール袋に入れると良いでしょう。
鮮魚売り場でタチウオの品定めをする時は、体表のスレや傷に加えて目やエラの色に注目し、透き通った黒い目と真っ赤なエラが確認できれば購入しましょう。
▼タチウオの鮮度を保持するための締め方&持ち帰り方はコチラ
タチウオをさばく前に2つの注意点を確認しよう
タチウオの歯は鋭い!触れただけで出血します

タチウオを捌いていく前に、タチウオならではの注意点を抑えておきましょう。
タチウオは触れただけでもスパっと切れるほどの鋭い牙を持っているため、誤って魚の口元を触ってしまわないように気を付けましょう。
ちなみに、タチウオのエラを抜く機会はあまりありませんが、エラについている鰓耙(さいは)も鋭いのでご注意ください。
タチウオの皮は銀ピカであって欲しい|強くこすると見た目が落ちてしまいます

タチウオは、ウロコを持たない代わりに体表が銀色のグアニン層で覆われており、指で擦っただけでも簡単に剥がれ落ちてしまいます。
タチウオの刺身は皮を残したまま盛り付けていくことが多いので、できるだけグアニン層が残るように優しく扱いましょう。
とくに流水で洗ったり、水気をふき取る際に擦らないように注意しましょう。
タチウオの捌き方|腸炎ビブリオ菌対策も忘れずに
腸炎ビブリオ菌対策のために水洗いを行う

まずはタチウオを流水で洗い流します。
タチウオに限らず海産魚には、真水に弱い腸炎ビブリオ菌が付着しているので水道水で洗うという工程を必ず行いましょう。
タチウオの頭を落とし、内臓を引き抜く

タチウオの背骨をパッツンと落とし、内臓を引き抜きながら頭を取ります。
この時も鋭い牙で手を怪我しないように注意してください。
まな板の長さに合わせて切り分ける

タチウオは長い魚ですので、まな板の大きさにあわせて切り分けてしまいます。
総排泄孔(お尻の穴)の辺りか、それよりも少し後ろで切り分けるのがオススメです。
腹を切り開き、内臓の残りや血合いを洗い流す

続いて包丁でお腹を切り開き、残った内臓や血合いを取ります。
流水で血が残らないように綺麗に流して3枚おろしに移っていきます。
タチウオの3枚おろし
タチウオの3枚おろしは一般的な魚と同じです

タチウオの骨の入り方は、アジやタイといった一般的な魚と似ているので気負わずいつも通りの3枚おろしでOK。
骨も硬くありませんので、出刃包丁でなくても家庭用の包丁でもおろせます。
腹骨をすき取り、タチウオの3枚おろし完成

腹骨をすき取れば、3枚おろしの完成です。
腹骨は背骨とあわせて骨せんべいで美味しく食べられるので、捨てずにとっておきましょう。
タチウオの刺身を切る前に、食べ方をイメージしよう
タチウオの薄造り

タチウオは皮を引くことが難しい魚ですので、写真のように皮ごと刺身にするのが一般的です。
刺身を大きく切り分けると、タチウオの皮が口に残るので薄造りにしていきます。
タチウオの糸造り

同じ理由で皮を細く切るために、糸造りにすることもあります。
紅葉おろしとネギを混ぜて、ポン酢で食べるととても美味ですよ。
タチウオの炙り

タチウオの皮をバーナーで炙ることで、少し硬かった皮がフワっと柔らかくなり、炙りならではの香りが引き立ちまさに絶品です。
ガスバーナーを1台持っておく魚料理の幅が広がりますよ!
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皮に切れ目を入れたタチウオの刺身

「やっぱり大ぶりに切り分けた刺身が好き!」という方は、皮に切れ込みをいれると舌ざわりよく食べられますよ。
タチウオの刺身を切る時のコツ
薄造り&糸造り|皮を切ってから身を薄く引き切る

タチウオの身を薄造りに切り分けていく時は、皮と身を分けて切るイメージを持つと上手くいきます。
包丁に角度をつけて皮を引き切ろうとすると上手に切れないので、まずは包丁を立てて皮だけを押すようにして切りましょう。

皮に切れ込みが入ったところで、包丁に角度をつけて薄く引いて切り分けます。
糸造りにする場合は、包丁を立てたまま引き切ってみてください。
炙り&刺身|タチウオの皮に切れ目を入れる

タチウオの炙りや刺身を大きく切り分けたい場合は、皮に切れ込みを入れていきます。

バーナーで焦げ目がつく程度に炙り、氷水にいれて締めましょう。
タチウオの漬けも旨いですよ

少しもったいないかもしれませんが、タチウオの漬けもとても美味しいのでオススメです。
ごま油と醤油をお好みの割合で混ぜて数時間漬けるだけ。とっても簡単でご飯もお酒も進む一品ができちゃいます。
タチウオの皮は〇〇を使えば簡単に剥がせる
タチウオの皮が苦手という人へ

薄造りにしても、やっぱり口に当たるタチウオの皮が苦手……そんな方もいらっしゃることでしょう。
炙りや湯引きにすることで皮が柔らかくなりますが、それでも刺身で食べたい! そんな場合はカッターナイフを使うことで綺麗に皮をとることができますよ。
カッターナイフを使えば皮と身を剥がせます

包丁よりも刃の薄いカッターナイフ使用し、皮を下にして皮をまな板に残すように身を切り分けていきましょう。

皮を引くのではなく、まな板に残すことを意識して切り分けていただくと、タチウオの皮無しの刺身もつくることができますよ。
タチウオの塩焼きを食べやすくするための一工夫
タチウオの背ビレの骨の取り方

タチウオはお刺身だけでなく加熱調理でも美味しく食べられる魚です。
塩焼きや煮つけなどにする際に、背ビレを抜いておくと食べやすくなりますよ。
まずは、両側から背ビレに沿って切れ込みを入れます。

両側から切れ込みを入れたら、包丁で背ビレをまな板に押し当てながら、身を引っ張れば簡単に背ビレを抜くことができます。
ちょっとしたひと手間ですが、家族にタチウオをふるまう時に好評間違いなしですよ。
タチウオの刺身をつくってみていかがでしょうか

今回はタチウオの刺身の切り方や皮の取り方をご紹介いたしました。
海釣りでタチウオが釣れたり、スーパーで銀色のグアニン層が剥がれていない鮮度も見た目も綺麗なタチウオを見かけたら、ぜひ美味しいタチウオの造りを楽しんでみてください。
「近所のスーパーではタチウオなんて見たことがない!」という方は、通販でお取り寄せすることもできますので、試してみてはいかがでしょうか。