ヤマカガシとは?
ヤマカガシとは、日本に古くから生息する毒蛇の一種です。本州から九州に広く分布しますが、小笠原諸島や北海道では確認されていません。
全長が60~120センチあり、橙と黒の模様があるものや、模様が薄く全体的に青緑色のものなど地域によって見た目が異なります。
こんな場所で遭遇しやすい
ヤマカガシは主にカエルを餌にしており、カエルの多い水辺を好みます。
田園はもちろん、釣り場となる湖沼や池、川など様々な場所で遭遇する可能性があり、筆者は溜池で釣りをしていた際に目撃した経験があります。
活発的になるシーズンは?
ヤマカガシは4~11月の間に活動し、特に4月末~梅雨明けまでと9月頃によく見られます。
暑い夏の時期には、朝夕の涼しい時間帯や雨の日に活動することが多いようです。
梅雨から初夏の時期に産卵し、8~9月頃にはヤマカガシの子供が孵化します。
ヤマカガシに咬まれたらどうなる?
ヤマカガシに咬まれてもすぐに症状が出ないことが多いため、毒蛇に咬まれたと思わない人もいるようです。
通常は1ヶ月程度で完治すると言われていますが、気付かずに治療が遅れると慢性化してしまうケースも……。
ヤマカガシの毒によって、どのような症状が出るのでしょうか?
出血や頭痛
咬まれてから10~60分の間に見られる症状として、患部からの出血や頭痛があります。頭痛が現れない場合もあるようです。
痛みや腫れ
患部の腫れや痛みもありますが、比較的軽い症状と言われています。
このため、「毒のない蛇に咬まれた」と勘違いしてしまうこともあり、注意が必要です。
全身症状
4~30時間が経過すると、歯肉や鼻、眼底など全身に出血が見られるようになり、吐血や血尿などが見られます。
脳出血を起こして、亡くなったケースもあります。その他に嘔吐や発熱、視力障害などを発症する場合も。
急性腎不全
ヤマカガシに咬まれた人の半数が急性腎不全を発症し、慢性化させてしまう恐れもあります。咬まれてしまったら早急の治療が必要です。
ヤマカガシに咬まれた際の処置
もしヤマカガシに咬まれてしまったらどうすれば良いのでしょうか。咬まれてしまった場合の対処法をご紹介します。
まず落ち着こう
咬まれてしまったときに慌ててしまうと、血流が良くなり毒が全身に回るのが早まってしまいます。まずは深呼吸を繰り返して気持ちを落ち着かせましょう。
また、ハチなどに刺された際、患部から毒を吸い出すポイズンリムーバーというアイテムで、応急処置を行うことも可能です。
速やかに病院を受診
「毒蛇に咬まれた時は、何もしないのが間違いではない」と言われます。これは、やるべきことよりも、やってはいけないことのほうが多いためです。
速やかに外科や総合病院などを受診し、蛇に咬まれたことを伝えましょう。
釣り場でのヤマカガシ対策
ヤマカガシはどちらかと言うと臆病で、自ら人間に近づいてくるようなことはありません。
ヤマカガシによる被害の多くが、ヤマカガシを捕まえようとして起きています。
ただし、状況によっては、意識しないタイミングでヤマカガシを刺激し、被害に会うケースもあるため、注意が必要です。
釣り場を選ぶ・移動する
釣り場に入る際や、移動する際には草陰や足元を注意深く確認しながら行いましょう。
振動や物音がすれば、ヤマカガシのほうから逃げていくことが殆どですが、ヤマカガシが逃げる前に動くことにより、余計な刺激を与えてしまうことがあります。
落ちている木の枝などを使って安全を確かめながら、移動するようにしましょう。
もしも遭遇したら
ヤマカガシが身の危険を感じると毒液を噴射する場合があります。
この毒液が目に入ると、酷い結膜炎を起こすことがあります。
ヤマカガシに遭遇しても、こちらから近付かないようにして、ゆっくりとその場から離れるようにしましょう。
ヤマカガシ対策グッズ
万が一の際に持っておけば安心の、ヤマカガシの対策グッズをご紹介します!
避ける・身を守る
▼ プロバスター モグラ・ヘビ 即効忌避スプレー
スプレータイプの忌避剤。即効タイプのため、釣りやアウトドアレジャーに最適です。
強力噴射ノズル搭載で、広範囲に散布し、蛇を遠ざけます。
▼ 住化エンバイロメンタルサイエンス SHE&YOU 屋外用ヘビ用エアゾール
万が一の為の蛇撃退スプレーです。敵意を持ったヤマカガシを前にしたら使用しましょう。
3メートル離れていても届く強力噴射で撃退することが出来ます。
応急処置
▼ エクストラクター ポイズンリムーバー 強力型 【2018年改良版】
ハチなどの虫に刺された時に、患部から毒を吸い取るキットです。
毒蛇の毒にはあまり効果は期待できないかもしれませんが、何もしないよりは安心でしょう。
ヤマカガシの毒は恐ろしい……。
ヤマカガシの毒はマムシの3倍ほどの強さがあり、さらに捕食したヒキガエルの持つ毒を貯蔵し、身を守るために再利用できるのだとか。
もし釣りの最中に出会っても、ヤマカガシとの距離は保っておきましょう。