渓流釣りの天敵。最も警戒すべき存在『熊』
人里を離れた山奥に分け入る事もある渓流釣り。日常を抜け出し、豊かな自然の中でリフレッシュできる絶好の機会と言えます。
しかし、街中では滅多に出会わない存在との思いがけない遭遇もあるでしょう。例えば熊は、渓流釣りの際に最も警戒すべき存在ではないでしょうか。
熊が活発に活動する時期
北海道にはヒグマ、本州から四国にかけてツキノワグマが生息しており、春から秋の季節は主に山の中で活動しています。
冬になると冬眠するため遭遇率は0に近付きますが、それ以外の季節は常に熊との遭遇の可能性が否定できません。
特に早朝や夕方の時間帯は要注意です。
油断は禁物。広がる熊の生息域
2018年の夏、宮城県の離島で、以前はいないとされていたツキノワグマが生息していることが確認されました。
また、北海道の離島にもヒグマの生息が確認され、熊の生息域は広がっている可能性があると考えられてます。
クマがいない、もしくは少ないとされている地域での釣行の際も、想定外な熊との遭遇に備えておく必要がありそうです。
釣り人が遭遇した実際の事件
【秋田県】クマよけ鈴効果なし。渓流釣り中に悲劇起きる
渓流釣りに訪れ、山林の沢沿いを歩いていた夫婦。
2人は熊避けの鈴を携帯していましたが、突如前方の茂みから熊1頭が現れ、のどや腕、顔などを襲われて大怪我を負いました。
2人は自力で下山し、病院で手当を受けました。
遭遇日:6月24日午前10時ごろ
遭遇場所:秋田県藤里町の素波里湖付近の山林
【島根県】川を横断!熊がアユ釣り師を襲う
友人と鮎釣りに訪れた男性が、河川敷で仕掛けを組んでいた時のことです。
山の中から体長1.5メートルの大きなツキノワグマが現れて川を渡り、対岸にいた男性を襲いました。男性は重傷を負ったそうです。
熊の目撃情報が増え、市街地付近でも熊出没が相次いだ矢先の出来事でした。
遭遇日:6月15日 出没時刻不明
遭遇場所:島根県浜田市の八戸川河川敷
【京都府】親子の熊が渓流釣りを楽しむ2人を襲う
会社員の男性2人組が、熊の目撃情報が数年の間なかった河川敷で釣りをしていました。
すると、2匹の子連れの熊に遭遇。子連れの熊は、子供を守るために攻撃的になると考えられています。
体長約1メートルほどの親熊が襲い掛かり、1人が撃退しましたが左手を負傷しました。
遭遇日:9月11日午後7時ごろ
遭遇場所:京都府綾部市位田町の由良川河川敷
必ず持っていおきたい熊対策グッズ
熊にできる限り合わないようにするための対策グッズや熊に遭遇してしまった時に撃退するためのグッズなど、様々なアイテムがあります。熊の出没が考えられる地域での釣りやアウトドアアクティビティの際には、もしもの事態に備えて、これらのアイテムを揃えておくようにしましょう。
クマ鈴
熊は基本的に臆病なため、音のする場所には近寄らないと言われています。
ばったり出会ってしまう前に熊が気付けるよう、できるだけ目立つ音の熊よけ鈴を携行しましょう。
▼ ハイマウント マジックベアベル
山の中を歩くときは鳴る状態、駅や街などでは音が鳴らないように切り替えることのできる、使い勝手の良さそうな熊よけの鈴です。
▼ナチュラルスピリット 南部熊鈴 3連型
レザーのホルダーに鈴が3つもついたアイテム。
遠くまで鈴の音色が響きやすい南部熊鈴製で、出来るだけ大きな音を求める方におすすめのアイテムです。
クマスプレー
万が一、熊と遭遇してしまい襲われそうになった時のためのアイテムが熊スプレーです。
もし熊に出会ってしまったら、熊に背を向けずに静かにその場を立ち去るのが一番。しかし、万が一熊が襲ってきた場合に役立つはずです。
▼ UDAP 熊撃退スプレー ホルスター付
不燃性ガスを使用した、ヒグマ対応可能な強力熊スプレー。
イエローストーン国立公園推奨品でもあり、アメリカ森林警備隊や日本国内でも広く採用される本格仕様。
▼ OUTBACK 熊撃退スプレー カウンターアソールト・ストロンガー
唐辛子の辛味成分カプサイシンを採用した、アメリカ製の熊撃退スプレー。
噴射距離と、噴射秒数が長めの物を選びたい人にオススメです。
クマの被害にあった体験談も読んで備える
いざというとき、気が動転して頭が真っ白になってしまうものです。もしも自分が熊と遭遇してしまった時のために、体験談を読んで備えておくのもひとつの方法かもしれません。
▼ 【釣り人社】熊!に出会った襲われた
釣りやスキーなど、アウトドアを楽しんでいる人々を突然襲った恐怖の瞬間。
数々の体験談を収録した「クマ・サバイバル」の第2弾です。
▼ 【釣り人社】人狩り熊 十和利山熊襲撃事件
2016年5~6月に秋田県鹿角市郊外で起きた、ツキノワグマによる死傷事件。
熊追い暦46年の著者、米田一彦氏が事件の真相に迫った読み応えのある1冊です。
備えあれば憂いなし
自然に生息する動物との遭遇は、予測不可能である場合が殆どです。
過去のケースを振り返ってみれば、例え安全と考えられていた場所であっても、突然、危機に晒される可能性がゼロではないことが分かります。
釣りへお出掛けの際は、熊との遭遇に備えておく必要があるでしょう。