安くて軽い!
2022年にシマノから発売された汎用スピニングリール、ミラベル。
12,000円前後で購入できてなおかつ軽いということで、発売前から「コスパ凄いんじゃないの!?」と話題になっていました。
そんなミラベルを発売後すぐに購入し、ガッツリ使いこんだのでインプレします!
ラインナップ
品番 | 自重(g) | ギア比 | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg) | PE糸巻量(号-m) | 本体価格(円) |
1000 | 175 | 5 | 66 | 2.0/3.0 | 0.8-240、1-190 | 14,400 |
C2000S | 180 | 5 | 66 | 2.0/3.0 | 0.6-150、0.8-110、1-80 | 14,400 |
C2000SHG | 180 | 6 | 79 | 2.0/3.0 | 0.6-150、0.8-110、1-80 | 14,400 |
2500 | 205 | 5 | 73 | 3.5/9.0 | 1-320、1.2-270、1.5-220 | 15,700 |
2500S | 205 | 5 | 73 | 2.5/4.0 | 0.6-200、0.8-150、1-120 | 15,700 |
2500SHG | 205 | 6.2 | 91 | 2.5/4.0 | 0.6-200、0.8-150、1-120 | 15,700 |
C3000 | 205 | 5 | 73 | 3.5/9.0 | 1-400、1.5-270、2-200 | 15,700 |
C3000HG | 205 | 6.2 | 91 | 3.5/9.0 | 1-400、1.5-270、2-200 | 15,700 |
4000 | 245 | 4.7 | 75 | 6.0/11.0 | 1-490、1.5-320、2-240 | 17,000 |
4000XG | 245 | 6.2 | 99 | 6.0/11.0 | 1-490、1.5-320、2-240 | 17,000 |
C5000XG | 270 | 6.2 | 105 | 6.0/11.0 | 1.5-400、2-300、3-200 | 18,000 |
ミラベルの特徴
ミラベルは2022年時点では最安となるMGLシリーズ(旧クイックレスポンスシリーズ)です。
つまり、ヴァンキッシュやヴァンフォードの弟に当たるシリーズというわけです。
まずはそんなミラベルのスペック的な特徴から解説します。
フルCI4+のボディ&ローター
ミラベル最大の特徴が、CI4+製のボディとローター!
CI4+とは、いわゆる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と呼ばれる素材で、軽くて強いことが特徴。
これまで低価格帯のリールには強化プラスチック(FRP)が用いられてきましたが、それらよりも軽くて強いのがミラベルってことです!
ヴァンキッシュやヴァンフォードにも採用されている、CI4+製のマグナムライトローターを搭載していることも見逃せません。
ローターの軽量化は、巻き始めが軽くなったり、回転中のムラが小さくなったりと、非常にメリットが多いのです。
ちなみ、マグナムライトローターという名前で一括りにされていますが、ヴァンキッシュやヴァンフォードと同じクオリティのものではありません。“同じ系統”という解釈ですね。
サイレントドライブ
滑らかな回転性能を追求するために、ギアなどの各パーツ間のクリアランスは可能な限り詰められています。
これはサイレントドライブと呼ばれるコンセプトで、最上位機種のステラやツインパワーにも共通します。
ねじ込み式ハンドル
低価格帯のリールは、シャフトが付いたハンドルを差し込んで逆側からネジで固定する、供回り式が主流でした。
しかし、ミラベルはねじ込み式ハンドルを採用しています!
ねじ込み式は供回り式よりも“遊び”が少なく、リトリーブ中のガタやノイズが少なく、リトリーブを止める際にもピタッと安定するので、ルアーフィッシングでのアドバンテージは大きいですね。
ギア
ドライブギアは、シマノ名物のHAGANEギアです。
このHAGANEギアは、低価格帯のリールに多い亜鉛製ではなく、ジュラルミンで作られています。
ジュラルミンは強度が高くて粘り強く、大きな負荷が掛かるドライブギアをジュラルミン製にすることで、耐久性・パワー・滑らかさが向上します。
防水性能
防水性能に関しては、シマノ独自のコアプロテクトを導入しています。
これはボディに水玉撥水処理を施すことで、内部への侵水を防ぐというもの。もちろん、海水にも対応します。
ただし、シマノにはS-ARBと呼ばれる防錆仕様のベアリングがあるのですが、これはミラベルに採用されていません。
AR-Cスプール
今やシマノ製スピニングリールのアイコンともなっている、AR-Cスプールももちろん搭載されています。
ラインの放出性能を高めつつも適度に抵抗を掛けてくれるので、飛距離とトラブルレス性能を両立していることが特徴です。
ミラベル 2500SHGをインプレ
スペック的には「おお〜」と思わされましたが、一番大切なのは実釣での使い心地。
ということで、2500SHGを購入してライトショアジギングやライトゲームで使い込んでみました!
使う前に思ったのですが、デザインがなかなかイケていますね。
今までこの価格帯は「デザインが……」と思うことが多かったのですが、深みのある落ち着いたカラーリングが個人的に◯。
スプールのデザイン・配色も精悍です。
1タックルでいろいろな釣りをしたかったので、汎用性の高いエギングロッドを合わせてみました。
リール単体でも軽く感じましたが、軽量なエギングロッドにセットするとさらに軽く感じますね。
ちなみにロッドがアンダー100gなので、タックル全体でもわずか300gです!
PE0.8号でキャストしてみると、ラインがスムーズに放出されていきます。
これはミラベルに限ったことではありませんが、さすがAR-Cスプール。安定感があります。
ライントラブルは一度も起こりません。
そして、軽いとロッドアクションが非常に楽ですね!
エギやジグをジャークしてみましたが、1.2万円の軽さじゃありません。
軽さだけならステラ(約7万円)とまったく同じですからね(笑)
そうこうしているとナブラが起こり始めたので、30gのジグをキャストしてみると……
50cmほどのサゴシがヒット!
回遊魚特有の走りにもしっかりドラグが追従し、巻き上げパワーにも不安がなく、楽しみながらファイトできました。
これぐらいの魚なら、ライトショアジギングタックルよりもエギングタックルの方が楽しいですね!
続いてタックルはそのままにライトゲームへ。
3gのジグヘッドにシャッドテールワームを装着し、ストップ&ゴーやリフト&フォールで誘うとカサゴがヒット!
軽くてしっかり感もあるので、2500番でちょっとヘビーな釣りもライトな釣りも両方楽しめちゃいますね!
ミラベルの使用感を総括します!
軽さはさすが!
やはり、ミラベル最大の魅力は軽さでしょう!
試しに、どれぐらい軽いのかを表にまとめてみました。
ミラベルが“どれだけ安くて軽いか”がよくわかると思います!
機種名 | 2500Sの自重(g) | 本体価格 |
17セドナ | 245 | バリュープライス |
21ネクサーブ | 265 | バリュープライス |
22サハラ | 240 | 9,300 |
21ナスキー | 240 | 12,900 |
22ミラベル | 205 | 15,700 |
21アルテグラ | 220 | 17,800 |
19ストラディック | 220 | 27,100 |
20ヴァンフォード | 175 | 32,400 |
20ツインパワー | 210 | 47,100 |
21ツインパワーXD※ | 200 | 50,300 |
19ヴァンキッシュ | 165 | 62,100 |
22ステラ | 205 | 87,600 |
軽さの恩恵はあらゆる面であるのですが、それを一番感じたのはバックハンドやシングルハンドキャストのしやすさ!
ピンスポットを狙ったり、橋の下へルアーを滑り込ませたりするに、軽さからくるハンドリングの良さが助けてくれます。
とくにバス釣りや湾奥・都市部のシーバスフィッシングでは障害物等によってキャストに制限が掛かることも多いので、抜群に良いと思います!
ノイズの無いスムーズな回転
リーリング中のノイズの無さは「本当に1.2万円!?」ってレベルです!
コロコロやシャリシャリ感が無いのは当然、止めた際にもガタがありません。
サイレントドライブやねじ込み式ハンドルの精密さ、CI4+の剛性が効いているのでしょう。
とくにライトロックフィッシュやエギング、アジングはリトリーブを止めて当たりを待つので、ピタッと止められるのはメリットが大きいと思います。
リトリーブを止めた瞬間にアタリが出ることは凄く多いのですが、この一瞬にガタがあるか無いかで、アタリに備える集中力やアタリを取る感度が違ってくる。
と、筆者は思っています!
剛性と巻き上げパワーも十分
軽いリールは弱いと思われがちですが……
サゴシがヒットした際や、メタルジグをジャカジャカ巻いた際にも、リールが捻れたり撓んだりする感触はありません。
また、引き抵抗の大きなバイブレーションやシンキングミノーを巻いてもしんどさはなく、ゴリゴリ巻けちゃいます。
「軽くて強い」が遂にこの価格帯にも降りてきましたね!
価格も考慮して「従来の同価格帯と比べて」という意味です!
ハイギアはちょっと巻き重りする
ある程度のスピードで巻き続けていればストレスはないのですが、低速時や初動がやや重く感じます。
価格を考えれば当然ともいえますが、上位機種との一番わかりやすい差ともいえるでしょう。
例えば、抵抗の大きなバイブレーションやロングビルミノーをスローに巻くと、それがよくわかります。
一定のスピードを超えて回転慣性が働くとスムーズなのですが、そこに至るまでの領域がややモッサリとしているのは否めませんね。
ドラグは普通
ドラグに関しては普通、値段相応ですね。
サゴシとのファイト中にドラグの動きを観察していましたが、特別優れているわけでもなく、変な挙動をするわけでもありません。
つまり、安心して使えるレベルです!
耐久性はまだ不明
リールの耐久性に関しては、ある程度使い込まないとわかりません。
そのため、半年を目安に使い込んでその結果を追記したいと思います!(2023年6月頃を予定)
防錆ベアリングではないので、そこがちょっと不安なところですね。
21ナスキーと比較
では最後に、ミラベルの兄弟機種ともいえる21ナスキーと比較してみます。
ナスキーはミラベルよりも3,000円ほど安いのですが、その違いはボディとローターの素材。
ミラベルがCI4+(CFRP)なのに対し、ナスキーはボディ・ローターともに高強度樹脂(FRP)です。
つまり、ミラベルの方が“かなり軽いしちょっと強い”ということ。それを踏まえると……
軽さを重視したい人はミラベル。3,000円安い方がよい人はナスキー。
シンプルにこんな選び方になると思います!
ミラベルの軽量さには驚かされました!
リールは軽ければなんでも良いというわけではありませんが、軽いに越したことはありません。
そういった意味では、今までは3万円ぐらい出さないと手に入らなかった軽さが、1.2万円で手に入るのは魅力的です。
「1万円台で軽いリールがほしい」という方には、ドンピシャのリールだと思いますよ!
シマノ ミラベル 1000
自重 | 175g |
---|---|
ギア比 | 5 |
最大ドラグ力 | 3kg |
巻き取り長さ | 66cm |
PE糸巻き量 | 0.8-240,1-190 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル C2000S
自重 | 180g |
---|---|
ギア比 | 5 |
最大ドラグ力 | 3kg |
巻き取り長さ | 66cm |
PE糸巻き量 | 0.6-150,0.8-110,1-80 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル C2000SHG
自重 | 180g |
---|---|
ギア比 | 6 |
最大ドラグ力 | 3kg |
巻き取り長さ | 79cm |
PE糸巻き量 | 0.6-150,0.8-110,1-80 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル 2500
自重 | 205g |
---|---|
ギア比 | 5 |
最大ドラグ力 | 9kg |
巻き取り長さ | 73cm |
PE糸巻き量 | 1-320,1.2-270,1.5-220 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル 2500S
自重 | 205g |
---|---|
ギア比 | 5 |
最大ドラグ力 | 4kg |
巻き取り長さ | 73cm |
PE糸巻き量 | 0.6-200,0.8-150,1-120 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル 2500SHG
自重 | 205g |
---|---|
ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力 | 4kg |
巻き取り長さ | 91cm |
PE糸巻き量 | 0.6-200,0.8-150,1-120 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル C3000
自重 | 205g |
---|---|
ギア比 | 5 |
最大ドラグ力 | 9g |
巻き取り長さ | 73cm |
PE糸巻き量 | 1-400,1.5-270,2-200 |
ベアリング数 BB/ローラー |
シマノ ミラベル C3000HG
自重 | 205g |
---|---|
ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力 | 9kg |
巻き取り長さ | 91cm |
PE糸巻き量 | 1-400,1.5-270,2-200 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル 4000
自重 | 245g |
---|---|
ギア比 | 4.7 |
最大ドラグ力 | 11kg |
巻き取り長さ | 75cm |
PE糸巻き量 | 1-490,1.5-320,2-240 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル 4000XG
自重 | 245g |
---|---|
ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力 | 11kg |
巻き取り長さ | 99cm |
PE糸巻き量 | 1-490,1.5-320,2-240 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |
シマノ ミラベル C5000XG
自重 | 270g |
---|---|
ギア比 | 6.2 |
最大ドラグ力 | 11kg |
巻き取り長さ | 105cm |
PE糸巻き量 | 1.5-400,2-300,3-200 |
ベアリング数 BB/ローラー | 5/1 |