シマノ随一の”廉価良品リール”が2022にモデルチェンジ
シマノの低価格帯モデルとして人気の「サハラ」が、2022にフルモデルチェンジされました。
21年にモデルチェンジしたばかりの兄弟機であるナスキーと、パッと見の搭載技術には遜色なし。
一体どのくらいの実力を秘めているのか、実釣を交えてインプレッションしていきます!
22サハラのラインナップ
機種の展開は500〜5000番。バスやトラウト、ライトショアジギング程度までの釣りに対応します。
価格はナスキーより1段安く、実売では7,000円を切る事も珍しくないリーズナブルなリールです。
品番 | 自重(g) | ギア比 | 最大巻上長(cm/ハンドル1回転) | 実用ドラグ力/最大ドラグ力(kg) | PE糸巻量(号-m) | 本体価格(円) |
500 | 170 | 5.6 | 69 | 2.0/3.0 | 0.6-185、0.8-140、1-110 | 8,700 |
1000 | 205 | 5 | 66 | 2.0/3.0 | 0.8-240、1-190 | 8,700 |
C2000S | 210 | 5 | 66 | 2.0/3.0 | 0.6-150、0.8-110、1-80 | 8,700 |
C2000SHG | 210 | 6 | 79 | 2.0/3.0 | 0.6-150、0.8-110、1-80 | 8,700 |
2500 | 240 | 5 | 73 | 3.5/9.0 | 1-320、1.2-270、1.5-220 | 9,300 |
2500SHG | 240 | 6.2 | 91 | 2.5/4.0 | 0.6-200、0.8-150、1-120 | 9,300 |
C3000 | 240 | 5 | 73 | 3.5/9.0 | 1-400、1.5-270、2-200 | 9,300 |
C3000DH | 265 | 5 | 73 | 3.5/9.0 | 1-400、1.5-270、2-200 | 9,800 |
C3000HG | 240 | 6.2 | 91 | 3.5/9.0 | 1-400、1.5-270、2-200 | 9,300 |
4000 | 280 | 4.7 | 75 | 6.0/11.0 | 1-490、1.5-320、2-240 | 9,800 |
4000XG | 280 | 6.2 | 99 | 6.0/11.0 | 1-490、1.5-320、2-240 | 9,800 |
C5000XG | 305 | 6.2 | 105 | 6.0/11.0 | 1.5-400、2-300、3-200 | 10,500 |
22サハラの搭載技術・特徴をおさらい
22年モデルで、新たに採用された仕様・テクノロジーを改めて紹介します。
大口径ドラグノブ
ドラグノブは、近年のシマノスピニングのスタンダードである大口径型ノブへ進化。
つまみやすく、やり取り中のドラグ調整が容易になっています。
ねじ込み式ハンドル
旧モデルまでシャフト一体型の共周り式だったハンドルは、ハンドル単体のねじ込み型へ。
ガタや緩みが軽減されて巻き上げ剛性がアップするほか、軽量化にも貢献します。
サイレントドライブ
シマノスピニングの十八番であるサイレントドライブも、ついにエントリー機にまで搭載されました。
滑らかで力強い回転性能に一役買ってくれるでしょう。
基本スペックは旧モデルから変更なし
「HAGANEギア」「Xシップ」「Gフリーボディ」「AR-Cスプール」は、旧モデルから引き続き搭載。
巻き心地から操作性、ライントラブルの回避性能に至るまで、エントリークラスながら抜かりのない基本性能が伺えます。
22サハラを実釣インプレ!
進化して、シマノスピニングの基礎テクノロジーが詰め込まれた22サハラ。
一体どれほどの実力があるのか、2500SHGを実釣でインプレッションしていきます。
釣り物はボートシーバス。番手的には若干オーバーパワー気味の魚を相手に、真価を見定めていきます!
高見えするデザイン
ロッドに装着してみると、7,000円で買えるリールにはちょっと見えない高見えデザイン。
ガンメタベースのボディに控えめなゴールドで、落ち着いた印象すら漂っています。
実売7000円らしからぬ軽い巻き心地
あまり負荷が掛からない状態で巻くと、想像以上に軽くカッチリとした巻き心地。
ハンドルのガタもなく、ねじ込み式ハンドルらしい遊びのない挙動です。
感動するほどではないものの、この値段なら十分合格点でしょう。
ライン放出もスムーズ!
この日巻いたメインラインはPEの0.8号。
14〜30g前後のルアーをキャストしてみましたが、特段ライントラブルもなく放出も滑らか。
ルアーフィッシングでも問題なく使えるリールと断言できます。
必要十分な滑らかドラグ
実釣でメインターゲットになったのは、50〜70cmクラスのシーバス。
2500番で掛けるにはやや大きめの魚でしたが、ドラグの挙動は至ってスムーズで不安感なくキャッチできました。
ハイエンドモデルのドラグのような、繊細さや機敏な挙動はないものの、必要な分だけきっちりラインが出るドラグです。
負荷がかかるとどうかな?
一方でちょっと気になったのが、大型サイズをかけた時の巻き上げ力。
ボディやローターにたわみが出ているのか、やや大きめの負荷がかかるともたつく感じがあります。
ストラディックから上のクラスになると、同番手/同負荷でも巻き感は損なわれにくいですが、この部分は価格なりという印象でした。
22サハラのインプレを総括します
ライト〜ミドル級の魚相手なら十分な基本性能
実釣では50〜70cmまでのシーバスをおおよそ15匹前後掛けましたが、高負荷で巻きが重くなる以外の不便はとくになし。
2500番だとバス、メバル、チヌ、ライトロックフィッシュあたりがメインになるので、そういった釣りで不意に掛かる大物クラスの魚を相手にしていた事になります。
メインになる魚種を考慮すれば、22サハラには必要十分な巻き上げ性能があると言って差し支えないでしょう。
旧式ベールとベアリングなしラインローラーが残念ポイント
約5時間の実釣中に、ラインローラーやベールが原因のトラブルは起きませんでしたが、旧来のベール構造は細めのPEを使う釣りでは不安が残る部分です。
もう一つ残念なのが、ラインローラーにベアリングが非搭載であること。
PEはもちろん、とくにナイロンやフロロを22サハラに組み合わせるなら、糸よれによるトラブルを考慮しておいた方がいいかもしれません。
耐久性は未知数だけど
あくまで構造や機構から見た推察にはなりますが、すぐに壊れる事は無いにしろ、長期に渡る耐久性は期待できないでしょう。
コアプロテクトなどの防水・撥水技術が非搭載なこと、さらに逆転切り替えレバーがあることが主な要因。
内部への浸水リスクは今どきのリールにしては高めで、とくに海水を被るような釣りで長く使うのは難しいかもしれません。
余談だけど逆転レバーありは今や希少種
22サハラは、モデルチェンジ後も逆転切り替えレバーが装備されています。
防水性能や軽量化の一途を辿る汎用スピニングリールの中では、今や貴重な存在。
仕掛けを静かに落としたいエサ釣りや、港でのサビキ釣りでじつは重宝する機能だったりします。
21ナスキーと比較して
「ちょっとだけ兄貴分」にあたる21ナスキー。サハラとの一番の違いはコアプロテクトを採用している事でしょう。
1,000〜3,000円ほどナスキーの方が価格は高いものの、浸水リスクも低く耐久性ではナスキーに軍配が上がります。
海での釣りを想定するならナスキー、淡水オンリーならサハラも選択肢に入れるという具合で選ぶといいかもしれません。
▼21ナスキーの実釣インプレはこちら
20レブロスLTと比較して
ダイワで競合モデルにあたるのが20レブロスLT。
今までこのクラスではレブロス一強な時代が続いていましたが、22サハラの登場で風向きが変わるかもしれません。
搭載技術や重量、価格も含め、モデルチェンジで正真正銘のライバル機にサハラが進化しています。
シマノが誇る高い工作技術が投入されていると考えると……シェアがサハラ優勢に変わる可能性も十分にあるでしょう。
▼20レブロスLTのインプレはこちら
22サハラはこんな人におすすめ
小難しいことを色々書いてきましたが、22サハラはこんな人におすすめ!
購入を検討する際の参考にしてみてください。
- ・短期間でもいいからまともに使えるリールを安く買いたい
- ・メインリールが壊れた時のピンチヒッターが欲しい
- ・淡水の釣りオンリーで使う
- ・サビキなどの餌釣りで使いたい
- ・子供用や初心者への貸し出し用に1台欲しい
低価格リールの戦国時代突入か
モデルチェンジを果たした22サハラは、1万円を大きく下回る実売価格ながら、シマノらしい堅実な性能を有している事がわかりました。
またこのリールの登場によって、低価格エントリークラスの勢力分布が変わってくるのも予期できます。
決まった予算内でリールを揃えたい! みたいなアングラーには、間違いなく強い味方になってくれるリールでしょう。
シマノ 22サハラ 500
シマノ 22サハラ 1000
シマノ 22サハラ C2000S
シマノ 22サハラ C2000SHG
シマノ 22サハラ 2500
シマノ 22サハラ 2500SHG
シマノ 22サハラ C3000
シマノ 22サハラ C3000DH
シマノ 22サハラ C3000HG
シマノ 22サハラ 4000
シマノ 22 サハラ 4000XG
シマノ 22サハラ C5000XG
関連記事