安価なリールの性能を検証します!
安い道具で釣れるとお得感も一入ですね
安価な釣具を使い、釣りを楽しむことを流儀としているため、今までも何度かコスパに優れたアイテムをTSURI HACKでご紹介をしてきました。
今回は編集部Tさんより、「プロックスのリールをレビューしてみてください」とのご依頼をいただきましたので、そのレビューをお届けしたいと思います。
プロックス(PROX)とは?
『釣りをもっとお手軽に』をコンセプトに、ロッドやリール、そしてウェーダーなど、“あると助かる”小物たちを安価に提供している日本の釣具メーカー。
日頃からプロックス製品を使っている読者の方も多いのではないかとお察します。
かくいう僕も、ウェーダーや小物まわりはプロックスの製品を愛用。安価ながらも価格以上のモノを提供してくれる信頼できるメーカーとして認識をしております。
プロックス ネロスト 2000S
今回レビューするリールは『ネロスト2000S』。2000番台のシャロースプールといったところでしょう。
リールのサイズ感とシャロースプールを考慮すると、ウルトラライトショアジギングやメバルやアジ、バスにも良さげです。
気になるギア比は6.2:1。ハイギアの部類に入るため、渓流やエギングなどにも活躍しそうですね。
破格の価格設定
なんと言ってもこのリールのセールスポイントは価格でしょう。流石プロックスといった所でしょうか?
通常メーカーでは考えられないような価格設定。Amazonではなんと、3,689円!(2021年07月15日現在)
嘘のような価格なのですがこれが真実。プロックスであれば少なからず安いことは期待はしますが……まさか3,000円台とは驚きです。
プロックス ネロスト 2000S
ギア比:6.2
標準自重(g):245
最大ドラグ力(kg):4
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):79
ハンドル長(mm):60
豊富な番手バリエーション
ネロストは2000S以外にも、1000S、3000、4000に加え、ライトショアジギング仕様、エギング仕様など、さまざまなバリエーションが展開されています。
それぞれの釣りのスタイルに合ったリールを選べるのは嬉しい限りですね。
プロックス ネロスト 3000SLJ
PEライン(号/m):1/200
最大ドラグ力(kg):4
最大巻上長(cm/ハンドル1回転):86
外観はマットブラックで◎
その価格設定に対し目を引くのがデザイン。マットブラックがひときわな存在感と高級感を醸し出します。
「これが本当に3,000円台か?」と確認したくなるほどです。
個人的にマットブラックは非常に好きなカラー。これだけでテンションが上がりますね。
ハンドルはEVAを使用しているため、グリッピングもなかなかに心地よいフィーリングです。
お世辞にも“軽い”とは言えない
このクラスのリールにしてはかなり重めと言えるでしょう。
最初に持ったときに、「あれ? リールってこんなに重かったっけ?」と体感で感じるほど。測ってみるとこの通り。
シマノやダイワなら、このくらいの番手ならだいたい190g前後が基本でしょう。
合わせるタックル
ロッドは鱒レンジャー
安価なリールには安価なロッドを合わせるのが一番。日頃から愛用している鱒レンジャーと組み合わせます。
これでトータル約6,000円のタックルが完成。
ラインはPE0.6号をチョイス
ラインはシマノのピットブルPE0.6号(ブルー)をチョイスして、100m巻いてみました。
海釣りをしていると思わぬ魚が掛かることもあるため、2000Sクラスのリールに対しては、0.6号ぐらいを巻いておくと安心です。
シマノ ピットブル4 200m 0.6号
号数:0.6号
最大強力(lb):12.5
サイズ0.6号
さて、実釣レビューです!
タックルセッティングも終わったので、いざ実釣
最近、近所の漁港でカマスがいい感じに釣れるので、夕マズメに狙ってみました。ライトなタックルのターゲットとしては非常に最適な魚です。
カマス釣りに最適な10g前後のメタルジグを中心に使ってみます。ウルトラライトショアジギングですね。
鱒レンジャーだと40〜50mぐらい飛ばせるので飛距離は申し分ありません。
快適な使い心地!
「ライントラブル続出!」なんてこともあるのが、安価なリール。
先ずは恐る恐るラインに水を吸わせつつ、様子をみながらキャストをしていきます。すると、早速ガツーンとカマスが。
鱒レンジャーのしなやかさで、バラしの心配もせずに問題なく釣り上げられました。
その後もリールの性能を程よく体感することができました。いや〜、必要十分な使い心地でちょっと驚きです。
短時間の使用ではハンドルのガタツキも特に感じず、飛距離も申し分なし。
ドラグ音が気持ち良い
また、ドラグ音は高めのカリカリとした音。個人的には好きなタイプです。
ドラグ調整も割と細かな設定が効かせられるので、それなりにドラグを出して楽しめます。安価なリールにしては性能は高いですね。
気になる点その①:巻き心地やベールがやや重い
一つ目のマイナス点は、巻き心地の重さ。ハイギアであることによって、ハンドルを巻く際に負担がかかっているのだと思います。
どうしてもギアのトルクの無さというか、パワーの無さは否めません。
なので、思わぬ大物が掛かった際にはパワー負けしてしまいそうです。他にも巻き抵抗の強いルアーは不向きかもしれません。
気になる点その②:サビや強度が心配
また、随所に“価格なり”が露呈しています。その質感から、強度の心配も否めません。
ネジはステンレスではない様子。なので一日使って水洗いして乾かしたらサビが発生していました(汗)
この感じだと内部もそれなりに安価な部品を使っているかもしれません。
総合的には★★★★☆
総合的には5つとはいかないまでも、星4つと高評価をあげたいリール
安価な割には使い心地は十分良いですし、見た目もマットブラックで個人的に好みです。
ただ、中級〜上級者の方には当然オススメは出できません(笑) そんな方が使っても、物足りなさを感じずにはいられないと思います。
これからライトゲームを始める方や、釣りを最近はじめた方への入門機種としては十分おすすめです。
まとめ
今回、プロックスのネロスト2000Sを使ってみましたが、ここまで安価なリールなのにこれほど使えるものなのかと正直驚きました。
一昔前、低価格帯のリールといえばハンドルのガタツキはひどく、ドラグ性能も大雑把、ライントラブルも多く、細いPEなどまともに巻けたものではありませんでしたからね(笑)
ライタープロフィール
小林大介
愛知県出身徳島県在住。映像クリエイター、フォトグラファーとして地方の限界集落で活動中。山の猟師でもあり、デジタルとアナログの両極端な生活を楽しんでいます。
海に川、ルアー、エサ釣りと限らず、楽しく美味しい釣りはなんでもトライするのが信条です。