シマノ「20ツインパワー」をリールマニアがインプレ。賛否両論の軽量化はいかに!?

2020/03/17 更新

満を持して5年ぶりにモデルチェンジが行われたシマノの20ツインパワー。前作の15ツインパワーから比べて大幅な軽量化が行われましたが、その結果はいかに。ショアジギングやフラットフィッシュでの注目度が高い4000XGを用いてインプレしました!


アイキャッチ画像撮影:TSURI HACK編集部

32年の歴史

20ツインパワーの画像
1987年に登場した「チタノスツインパワーGT」から数えて、今年でなんと32年の歴史になるツインパワーシリーズ。

オリンピックイヤーである2020年に、満を持して5年ぶりのモデルチェンジを果たしました。

チタノスツインパワーGTの画像
出典:シマノ チタノスツインパワーGT
ツインパワーといえば強さの象徴でもありますが、今回は大幅な軽量化を実現。そんな20ツインパワーをリールマニアがインプレします。

20ツインパワーの5大進化

シリーズ史上最軽量

20ツインパワーの画像
スピニングリールの軽量化が大幅に進む近年。前作15ツインパワーの最大のネック、それが自重の重さでした。

そんな中、今回の20ツインパワーは歴代最軽量を達成。2500Sの自重は210グラムとなり、前作比でなんと30グラムも軽量化されています。

ボディ部を19ヴァンキッシュと共通の設計にすることにより、この軽さを実現することができました。※
※ボディ素材は、19ヴァンキッシュがマグネシウム、20ツインパワーがアルミです。

待望の金属ローター

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15ツインパワーで使用されていたローター素材は高強度樹脂です。これはストラディックのローターと同等の素材で、CI4+よりも重く、巻き上げの際にたわむことがネガティブ要素でした。

ところが、今回の20ツインパワーは待望の金属ローターを採用。ベール素材とラインローラー部の差別化が図られていますが、ローター本体は18ステラと共通の素材です。

たわみや歪みが抑制されることで、巻上げ力やドラグ性能の向上に繋がるため、非常に大きな進化といえます。

スプールがロングストローク化

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2018年までは“ステラだけの特権”だったロングストロークスプールですが、2019年からヴァンキッシュ・ストラディックにも相次いで採用され、今回の20ツインパワーにも搭載されました。

従来のスプールよりも糸の放出がスムーズで飛距離が伸びるため、遠投系の釣りで用いられることの多いツインパワーでは、待望の進化と言えるでしょう。

駆動系の刷新

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18ステラの系譜通り、駆動系にはマイクロモジュールギア2とサイレントドライブが導入されました。

ステラに近いシルキーな巻き心地とガタの少なさは、釣具店で手に取ればすぐに体感できるはずです。

防水性が向上

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15ツインパワーで用いられていたコアプロテクトから、18ステラや19ヴァンキッシュと同じXプロテクトに進化しています。

さらに、18ステラから改良された新設計のラインローラーを搭載するなど、現時点で最新の防水機構が投入されています。


20ツインパワーを100投インプレッション

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今回は、シーバス・ショアジギング・フラットフィッシュでの注目度が高い4000XGを用いてインプレッションしてみました。

鉄板バイブレーションやジグヘッドワーム、ミノーを投げ倒した所感をそのままお伝えします。

ただし、“使い込んだ”わけではないので、耐久性への言及は避けさせていただきます。

軽さ

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まず、ロッドにつけて持った瞬間に体感するのが軽さです。さすがにヴァンキッシュとまではいきませんが、十分すぎる軽さを感じます。

特に、投げ続け、巻き続け、ロッドをシャクリ続けるショアジギングにおいては絶大なアドバンテージでしょう。

リリース時には、軽くなったことを批判されもしましたが、大半のアングラーが「軽くなって良かったな」と、実感するはずです。

また、従来は重さがネックになってエギングやライトゲームでの人気がイマイチでしたが、軽量化によってこの辺りの釣りとの相性がかなり良くなっているはずです。

今まで通り、ヘビーな釣りをメインとしつつも、ライト(繊細)な方向への汎用性が広がっているのは間違いありません。

巻上げトルク

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金属ローターと駆動系の刷新が大きな役割を果たしているからか、大型鉄板バイブやミノーなどを軽々巻ける感覚は病みつきです。

メタルジグに加えて、3フックの鉄板バイブや大型ミノー、ジグミノーの速巻きが定番化しつつある近年のショアジギング事情を踏まえると、かなり評価が高いポイントです。

引き抵抗が大きなルアーを楽に巻けるということは、巻上げトルクが増大しているわけですから、魚とのファイトも楽になるのは言うまでもないでしょう。

楽に釣りができて、楽に魚をキャッチできると言うことは、ビギナーの方にもとても優しいリールだと言うことです。

巻き感

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サイレントドライブとマイクロモジュールギア2により大きく変化を遂げており、ギアが噛み合っている感を感じさせず、ハンドルへの入力に対して素直に回る感覚が非常に魅力です。

巻き物の釣りではリールの存在を感じさせず、巻きスピードや流れの変化などに集中できると思います。

巻きトルクも含め、巻く釣りとは“滅法相性が良い”と言うのが20ツインパワーの印象です。

キャストフィール

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20ツインパワーを購入する人の中には、「重たいルアーを遠投したい」と言う方が多いと思います。

そのことを踏まえると、個人的に、ロングストロークスプールの恩恵を最も感じられるのが20ツインパワーなのではないかと思います。

既存の搭載機種でも実証されている通り、糸抜けが良く、飛距離は間違いなく向上します。また、キャスト時には糸の初速が速くなったからか、高い音がスプールエッジから奏でられていました。

重たいルアーをキャストしていたので当然ですが、今回の試釣時にはライントラブルは一切発生していません。

20ツインパワーのココが気になる……

初動の重さ

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ステラと同等のローターを積んでいるのにもかかわらず、初動の重さを感じます。そして、その理由は2つあると推測します。

1つはベアリングの数。18ステラが12個入っている一方で、20ツインパワーは9個。このうち2個は、ウォームシャフトとローターナット部なので、ベアリングの有無の差が巻きの軽さに直結していると思います。

もう1つの理由が、ギアの表面加工の差。どちらも超超ジュラルミンのハガネギアを採用しており、ステラには特殊表面処理(ひと昔前でいうバリアギア)が施されていますが、20ツインパワーはされていません。

この2つがステラよりも初動が重く感じる原因として考えられ、同じ理由で巻き感度も劣っていると感じました。

特にエクストラハイギアは初動の重さが顕著なので、巻き重りが気になる方はハイギアかノーマルギアを検討してもいいかもしれません。

メンテナンスの頻度

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ツインパワーシリーズに初めて採用されたマイクロモジュールギアですが、ギアの歯面が細かいことにより、グリスの保持量が減ってしまうことがデメリットとして挙げられます。

グリスが切れると特有のコロコロ感が出るため、旧モデルに比べてオーバーホールによるグリスアップの頻度が上がると思います。


17ツインパワーXDとの比較

20ツインパワーの画像
シリーズの中でも屈指の人気機種となった17ツインパワーと、20ツインパワーを使い比べました。

レスポンスはXD

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2機種の大きな違いとして、ツインパワーXDはMGLローター(CI4+素材)を搭載していることが挙げられます。ローター自体は16ヴァンキッシュと同等のものですが、金属ローターと比較すると軽さは段違いです。

そのため、2機種を比較するとツインパワーXDの方が圧倒的に初動が軽く、ストップ&ゴーやリフト&フォールを繰り返す、レスポンスの良さが求められる釣りではXDに軍配が上がります。

もし、レスポンスの良さを求めるのであれば、次期XDを待った方がいいかもしれません。

巻上げの強さは20ツインパワー

20ツインパワーの画像
ローターの剛性と駆動系の改良の影響からか、同じルアーを巻き比べてみると、20ツインパワーの方がより楽に巻き上げることができました。

巻き上げトルクを比べれば20ツインパワーが優っているので、負荷が大きな釣りや巻き続ける釣り、大型魚とのファイトを優先する方は、間違いなく20ツインパワーがおすすめ。

単純に「少しでも強い方がいい」と言うならば、20ツインパワーを選択することになるでしょう。

信頼の証、ツインパワー

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5年越しの進化を果たした20ツインパワー。まさに32年の歴史に恥じない進化といえるでしょう。

リリースが発表された時には“半プラボディー”との批判もありましたが、実釣における強さは十分すぎると言えます。これ以上の強さが必要ならば、ステラかSWシリーズを求めればいいでしょう。

多くのアングラーにとって最適なスペックとなった。それが20ツインパワーの素晴らしさだと思います。
撮影:TSURI HACK編集部
ITEM
ツインパワー 4000XG
ギア比:6.2:1
最大ドラグ力:11.0kg
自重:260g
巻取り長:101cm
ナイロン糸巻き量(号-m):3.5-170/4-150/5-125
フロロ糸巻き量(号-m):3-190/4-145/5-115
PE糸巻き量(号-m):1-490、1.5-320、2-240

筆者について

佐藤稜真

某リールチューンメーカー在籍時、Facebook・Instagram運営を手がけながら全国のイベントで年間100台以上のリールをメンテナンスしていた経験を持つ。

中学生の頃からカタログのスペックを暗記するほどのリール好き。関東のフィールドでのエリアトラウト・シーバスフィッシングをメインにしている。

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佐藤 稜真
佐藤 稜真

TSURI HACK随一のリールマニア。特にスピニングリールをこよなく愛する気鋭の若手ライター。

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