22クラドDCが新登場!
実売価格2万円台のDCブレーキリール
2022年秋、シマノから22クラドDC200が4機種(200HG, 200XG, 201HG, 201XG)発売されました!
まず特筆すべき点が価格の安さ! メーカー希望小売価格は35,200円(税込)、店頭やネットで散見する実売価格は22,000円~26,000円(税込)という安価っぷりです。
DCブレーキが搭載されたベイトリールとしては、SLX DC(メーカー希望小売価格30,250円)に次ぐ2番目の安さですね!
▼SLX DCについては、コチラの記事でご紹介!
DCブレーキについておさらい!
DC(デジタルコントロール)ブレーキは、マイクロコンピュータを用いたシマノ独自のブレーキシステム。
キャスト時にスプールの回転数に合わせ、自動で必要最低限度のブレーキをかけてくれるため、バックラッシュのリスクを下げながら飛距離を向上してくれます。
一昔前までは価格が高い上位機種にしか搭載されていませんでしたが、時代が変わりましたね!
クラドDCの基本情報
DCブレーキの他に、クラドDCに採用されているシマノの技術として、マイクロモジュールギア、Xシップ、HAGANEボディなどが挙げられます。
ちなみに、クラドDCに採用されているブレーキシステムは『I-DC4』であり、DCブレーキシステムの中では最もシンプルかつ下位モデルとなります。
シマノ 22 クラドDC 200XG
ギア比 | 8.5 |
---|---|
自重 | 230g |
最大ドラグ力 | 5kg |
最大巻上長(ハンドル一回転) | 93cm |
ナイロン糸巻量(lb-m) | 12-165、14-145、16-120、20-100 |
ベアリング数(BB/ローラー) | 6/1 |
22クラドDCを買おうと決意した理由
DC機が“2万円前半”で買える点
購入すると決めた一番の理由は、22,176円という価格の安さです。
大きな声では言いませんが、お財布に余裕があればアンタレスDC MDを買いたいところでしたが……。
サイズ感|200番のリールが欲しかった
10年以上愛用してきたスピードマスター200がついに壊れてしまい、200番台のリールが手元に無かったのも購入理由のひとつ。
300番や150番のベイトリールを持っていたので焦ることはなく、つぎにアメリカへ行く時にでも「USクラド200XG Kを購入しよう」と思っていたら、今年日本でDC機が発売されると知ってテンションが上がりました!
糸巻量とギア比|PE4号100m、 最大93cm/1回転
今まではPE4号を100m巻けて、幅広いウェイトのルアーを扱えるシマノ製ハイギアリールとなると、アンタレスDC MDやカルカッタコンクエスト200HGしかなく、どちらも隣国へフライトできるくらいお高い訳です……。
そんな中、今年発売されたクラドDC200は、35/28(径/幅 mm)という大きなスプールが採用されているため、ナイロン20lb/PE4号が100m巻ける仕様に。
また、XG(エキストラハイギア)モデルでは、ハンドル1回転当り、最大で93cmの巻き取り量があり、アンタレスDC MDと同じ値なんです。
スピードマスターからの進化について
スピードマスターから大きな進化を感じた部分は、最大巻き上げ量。当時、アンタレスを上回る75cmという最大巻き上げ量を誇ったスピードマスターですが、クラドDCは93cmという進化っぷりです。
キャストフィールについては、遠心ブレーキとDCブレーキという大きな違いがあるので、一概には言えませんが、ベイトキャストをこれから始めたいという方には嬉しい進化と言えるでしょう。
やっぱり、時代が変わると道具も良くなっているなと実感できます。
22クラドDC200XGを使って色々な釣りをしてみました
シーバス|トラブル無し、巻き感良し
まずはロングキャストやリールを巻く動作の多い、干潟や河川のシーバス釣りでPE2号を巻いたクラドDC200XGを使用してみました。
夕マヅメはビッグバンディット(80g)を投げ、下げ潮でモンスターウェイク156F(40g)を投げ……。
最終的にシーバスと出会えたのは明暗。イギータ3in(3g)と静ヘッド(7g)の組み合わせを投げて巻くだけというバリカタ釣法でした(笑)。
巻き感もスムーズで、ジグヘッドに出る小さなアタリやウェイクベイトから感じる流れの変化も巻き心地から察知することができましたよ。
ロックフィッシュ|スプールの回転良し
続いて、テキサスリグやフリーリグを多用する堤防からのロックフィッシュゲームに、PE3号を巻いたクラドDC200XGを使用してみました。
ウサギアイナメやカジカ類、エゾメバルなど沢山の魚たちと出会うことができましたよ!
エサ釣りでも“ドラグ、巻き上げ力”ともに想像通り
ブッコミ釣りにも使ってみました! この日はPE5号を約80m巻いてメーター級のダイナンアナゴ狙い。
根に潜られないようにドラグを締めこんだ強引なファイトにも、安心感を持ちながら対応できました。
ドラグの滑りもスムーズ
北海道の海でコマイを狙っていてアキアジ(サケ)が掛かった時、フロロ3号とアキアジには細いハリスでしたが、ドラグの滑りがスムーズだったので無事キャッチすることができました。
22クラドDC200XGのメリットは明快だった
I-DC4でもバックラッシュは軽減する
冒頭でクラドDCに搭載されているブレーキは、DCブレーキの中で最下級のI-DC4であるとご紹介しましたが、“バックラッシュを減らす”という意味ではしっかりと役目を果たしてくれます。
ベイトキャストに不慣れな方ほど、遠心ブレーキを採用しているベイトリールよりもI-DC4を搭載したクラドDCのほうがバックラッシュは減るはず。
とくに、ビッグベイトやビッグペンシルをロングキャストするような場面では、太糸の使用とバックラッシュ軽減によってキャスト切れのリスクが減るため安心感が高まりますよ。
ハンドル一回転、最大93cmの恩恵は大きい
ハンドル1回転当りの巻き上げ量が多いということは、ルアーを素早く動かしたり、回収することができます。
メタルジグを素早くアクションさせたり、S字系ルアーをリーリングで動かしたりと巻き上げ長の大きなリールのメリットは偉大です。
パーミングしやすい形状
200番というサイズですが、ロッドにつけて握り込んでみるとさほど大きく感じません。
ロープロリールらしく、とても握りやすい形状です。
使って感じたクラドDCの気になる点
ルアーの飛距離に難ありか?
クラドDCのを使ってみて『もうちょっと……』と感じたのは、ズバリ“飛距離”です。
決して飛ばないリールではないんですが「DCブレーキだからメッチャ飛ぶんでしょ?」って期待すると残念感が大きいかもしれません。
飛距離に関しては、あくまでも値段相応のリールと思っておいた方が良いでしょう。
ほんの僅かですが、使用しているルアーが持つ理想の飛距離が出ていないような感覚がありました。
スプールが重たい
僕はとりわけリールに詳しいアングラーではありませんが、キャストフィールの悪さは恐らくスプールの重さが関係しているのだろうなと想像しています。
DCブレーキを搭載したリールは、スプールに磁石が着いているためどうしても重たくなりがちです。
さらに、糸巻量を多くしてくれているワイドなスプールも重量UPに繋がっているのでしょう。
細かいブレーキ設定はできません
クラドDCに採用されているI-DC4は、ブレーキ設定が外部ダイヤルによる4段階しかありません。
一方で、フラッグシップモデルであるアンタレスDC MDに搭載されている4x8DCでは、32通りのブレーキ設定を使用できます。
クラドDCは、細かいブレーキ設定ができないリールだということを覚えておきましょう。
クラドDCはフリースタイルアングラーにオススメ!
まだ買って1ヶ月で10魚種くらいしか釣っていませんが、既に現時点でクラドDC200XGを買って良かったなって僕は思っています。
最後に、クラドDCを買って良かったと思える人と、後悔してしまう人に当てはまりそうなことを僕の勝手な主観でまとめてみますので、参考にしていただければ幸いです!
▼クラドDCがオススメな方
- ●様々な太さのラインを使って、10gから100g程度のルアーや仕掛けを幅広く扱いたい方
- ●とにかくバックラッシュが起きにくい安価なDCリールを探している方
- ●海外でのルアーゲームを視野に入れている方
▼クラドDCを買ってガッカリしそうな方
- ●飛距離を重視したい方
- ●ナイロン20lbやPE4号以上を使わない方
- ●価格を気にしない方
ですが、どっちつかずな面もあり日本ではあまり受け入れられないのかな……と思っていました。
このリールをキッカケにもっと選択肢が増えて欲しいなって思います!