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22ジリオン TW HD

ダイワ ’22 ジリオン TW HDをマジインプレ。巻く釣りに特化したハイスピード・ストロング!

2021年12月人知れず(?)デビューし、とくにこれといった騒ぎを起こすこともないまま、ただただ沈黙を守り続けるダイワ '22 ジリオン TW HD。

読者の皆さんはご存知だろうか? このベイトリールこそが現代バスフィッシングにおけるファストムービングスペシャルだということを!

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目次

出典表記のない画像撮影:MONSTER

’22 ジリオン TW HDをインプレ

22 ジリオン TW HD
人知れずデビューした’22 ジリオンTW HD

速い! 軽い! 飛ぶ! といった“わかりやすい個性”が持て囃(はや)されるベイトリール界隈。

工業製品がゆえに数値化しやすいスペックばかりに目がいくのは、もはや避けようがないことだというのもわかります。

でもねでもね、筆者がかつて掘り下げたアルデバランMGLのように、真の名機というものは決して多くを語らないわけですよ

スペック

品番自重(g)ギア比最大巻上長(cm)最大ドラグ力(kg)ナイロン糸巻量(lb-m)本体価格(円)
1000H2007.1756.016-100 20-8051,700
1000HL2007.1756.016-100 20-8051,700
1000XH2008.1866.016-100 20-8051,700
1000XHL2008.1866.016-100 20-8051,700

 

スペック、外観を見るに、“HDじゃないほうのジリオン”との違いが本当にわかりにくいHD。

はっきり言ってしまうと、ただ重くなっただけという印象のほかに、カラーリングが“14歳前後から心が成長していない大人”向けになった感があるのみ……。

MONSTER
さしずめ野池という戦場に降り立った黒騎士。

HDたるや?

22 ジリオン TW HD・ヘビーデューティーの意味

Heavy Duty (ヘビーデューティー)。

つまり一般的な解釈では「激しい使用に耐えうるジリオン」というのが名称の由来なんですが、ベースにあたる21ジリオンSV TWが既に究極と言って差し支えない耐久性能だったことから、正直言っていまいちピンときません。

MONSTER
過去に21ジリオンSV TWのガチインプレを掲載しているので、合わせて読んでくれよな。

しかも2018年に発売された同名機種(18ジリオンTW HD)が、「より重量級のルアーが扱いやすいジリオン」というシンプルなコンセプトのリールだったため、“HD”のもつ意味合いに、やや行方不明感が拭えないのも事実です。

でも安心してください! 発売後即入手して使い込みましたが、今回のHDは「めっちゃHDやん!」というのが結論

「リールに大きな負荷がかかる釣りへの適性にステータスを極振りしたジリオン」という新たな解釈が筆者にはしっくりときていることも書き添えておきます。

そもそも、ヘビーな釣りとはなんなのか?

それはシンプルな話、リールやロッド、アングラーに対して、「より大きな負荷をかけ続ける釣り」です。

MONSTER
これについて異論を唱える人はほとんどいないでしょう。

ところがそう考えると、まさにいまみなさんが思い浮かべているような釣り……たとえばラバージグやテキサスリグによるカバー撃ちや、2oz超の操作系ビッグベイトよりも、スピナーベイトやクランクベイトに代表される“巻きっぱなしの釣りの方が、はるかにヘビー”ということができます。

瞬間的にかかる負荷というのは、ライン強度やドラグ強度の上限を超えることはありません。

リールのもつ機械的な耐久性も、この上限に余裕をもって耐えるよう設定されているため、たとえそれが「ヘビーカバーからブチ抜く釣り」であっても、リールに深刻なダメージを与えるには至りません。

一方で、負荷がかかり続ける巻き物では、知らず知らずのうちにギアをはじめとしたリールのパーツやにダメージが蓄積していきます。

MAXドラグの負荷で粉々になるリールやギアなんて存在しません。普通の使い方をしている限り、ギアがどうこうなる前にドラグが滑ります。

だから撃ち物向けのリールには、はっきり言って軽くて硬いジュラルミンギアが向いているんですよ。真鍮(ブラス)のほうが“より上等”というイメージを持っている人が多いですが、それは耐摩耗性能に関してのみ。

MONSTER
だからギアに負荷をかけ続ける釣りには、真鍮ギアの方が初期性能を維持しやすいのは間違いありません。

巻く釣りに特化したハイスピード・ストロング

筆者が何を言いたいのか、既にお気づきの人が大半かと思います。

そうです。’22 ジリオンTW HDは、グリグリ巻く釣りに使うのが正解です。

というのも、HD化に伴ってチューニングされたすべてのフィーチャーが、巻き物をやりきるうえで非常に有利に働くからです。

ポイント①:待望の“Φ34 MAG-Z BOOSTスプール搭載”

Φ34 MAG-Z BOOSTスプール

出典:ダイワ

’22 ジリオンTW HDには、2022年5月現在ダイワがラインナップするベイトリールの中で唯一、34mm径MAG-Z BOOSTスプールが搭載されています。

“ブースト”といえば21スティーズLTD SV TW、21ジリオンSV TWに搭載されたSV BOOSTスプールのインパクトが強く、「なんだかすげえスプールが出たなあ」程度には、ほぼすべてのバスアングラーに周知されているものだと思います。

MONSTER
詳しくは21スティーズLTD SV TWのインプレを見てくれよな。

MAG-Z BOOSTスプールは、インダクトローターが2段階に……とか、ややこしい話はこの際ナシにして、ただ「入力した分だけ飛ぶ!」シンプルなスプールと考えてもらってOK。

初出はダイワが誇るカッ飛びベイトリール、2021年発売の21スティーズA TW HLCなのですが、こいつのMAG-Z BOOSTスプールはΦ36とややデカめ。

MONSTER
扱うルアーがそもそも重く、よく飛んで当たり前といった印象。

そして、待ちに待ったΦ34がはじめてかつ、唯一搭載されたのが’22 ジリオンTW HDというわけ。

34mm径スプールが得意とするのは、言うまでもなくバス釣りにおいてもっとも使用頻度の高いウェイトレンジです。

そしてそのウェイトレンジの大半を占めるのは、スピナーベイトやクランクベイト、チャターベイトなど、「探れる範囲が飛距離に依存するルアー」たち。

22 ジリオン TW HD とファーストムービングルアー
飛距離よりも重要なことはたくさんあるが、飛べば飛ぶだけチャンスが増えるルアーは非常に多い。

’22 ジリオンTW HDはカッ飛び性能を備えたレギュラーサイズ・ベイトリールというだけで、ほとんどすべてのバスアングラーにとって主力となり得る素質を備えているといえます。

ポイント②:現代のファストムーブを象徴するギア比

22 ジリオン TW HD のギア比
22ジリオンTW HDにはH(ハイギア)モデル、XH(エクストラハイギア)モデルがラインナップされています。

ここでジッと目を凝らして注目してほしいのは、XHモデルのギアレシオが8.1ということ。

ベースモデルにあたる21ジリオンSV TWのXHモデルは8.5ですよね?

はい、同じフレームを採用しているにもかかわらず、ドライブギアがわざわざダウンスケールされているんです。

その理由をふたつ推測してみました。

22 ジリオン TW HD の真鍮ドライブギア

出典:ダイワ

ひとつは、重量への配慮。

22ジリオンTW HDには、真鍮製のドライブギアが搭載されています。

ジュラルミンと真鍮の比重はおよそ1対3の関係にあるため、ジュラルミンギア採用の21ジリオンSV TWと同じギアサイズにした場合、総重量が10g以上も重くなってしまいます。

MONSTER
レギュラーサイズのロープロ機、しかも定価50,000円超のリールとしてはさすがに重すぎる印象があるため、あえてギアをダウンスケールしたのかもしれません。

そしてもうひとつは、今や常識となりつつある高ギア比の巻き物スペシャルに仕上げるため

後者は筆者の好みが滲み出たこじつけに近い理屈ですが、いずれにしても、“速さ”と“力強さ”がちょうどいい具合で均衡し、昨今定着しきった感のある「デジ巻き」や「リーリングジャーク」を駆使した「ただ巻くだけじゃない巻き物」にウルトラフィットします。

MONSTER
リップ付きジョイントベイト専用に1台! のベストな選択といえます。

ポイント③:ロングハンドルを標準装備でウインチ力がケタ違い

22 ジリオン TW HD のハンドル
リールにとって、スピードとパワーはトレードオフの関係にあります。

MONSTER
ドライブギアとスプール径は小さければ小さいほど、ラインを巻き取るのに必要な力も小さくなりますが、その分“速さ”が失われていきます。

ピニオンギアの径はギア同士の軸間距離に依存しているのでドライブギア径と反比例関係にあります。

速さを失うことなく、軽い力で巻くことができるようにするには、ハンドルを長くすればいい!

というわけで、’22 ジリオンTW HDには100mmのスーパーロングハンドルが標準装備

ノブも握り込みやすいロングノブでパワー全開。巻き抵抗MAXレベルのルアーがグリグリ巻けてしまいます

これはリーリングのみでクイックなジャークアクションを繰り出したい、ギルロイドやタイニークラッシュクラスのリップベイトを好んで使用する人にとっては超吉報

MONSTER
実際僕ももっぱらギルベイトのリーリングジャークに使っています。こういう使い方をする人ならXH一択。

もちろんスイムベイトやアラバマ系リグなど、移動速度を一定かつ繊細にコントロールしたいリグにもドンズバです。

まさにビッグバス刈り取り機

22 ジリオン TW HD

油断した隙に「頑丈なだけのリール」というレッテルを貼られてしまいかねない’22 ジリオンTW HDですが、もしそう思っていた人がいるならぜひ考えを改めてください。

21ジリオンSV TWや20メタニウム、スティーズシリーズなど強力なライバルの多いΦ34スプール機の中でも、各種サーチベイトやリップ付きビッグベイトの釣りには’22 ジリオンTW HDが完全にリードしていると言ってしまっていいでしょう。

MONSTER
ひとつだけ言える心理がある。男は黒に染まれ!

ダイワ 22 ジリオン TW HD 1000H

ギア比:7.1 自重:200g 最大ドラグ力:6kg 巻取り長さ:75cm ナイロン・フロロ糸巻量(lb-m):16-100/20-80 PE糸巻量(号-m):1.5-200/2-155

ダイワ 22 ジリオン TW HD 1000HL

ギア比:7.1 自重:200g 最大ドラグ力:6kg 巻取り長さ:75cm ナイロン・フロロ糸巻量(lb-m):16-100/20-80 PE糸巻量(号-m):1.5-200/2-155

ダイワ 22 ジリオン TW HD 1000XH

ギア比:8.1 自重:200g 最大ドラグ力:6kg 巻取り長さ:86cm ナイロン・フロロ糸巻量(lb-m):16-100/20-80 PE糸巻量(号-m):1.5-200/2-155

ダイワ 22 ジリオン TW HD 1000XHL

ギア比:8.1 自重:200g 最大ドラグ力:6kg 巻取り長さ:86cm ナイロン・フロロ糸巻量(lb-m):16-100/20-80 PE糸巻量(号-m):1.5-200/2-155

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