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アルデバランMGL【長期愛用レビュー】このリール軽量ルアー用にあらず。じつはビッグベイトもいけちゃうバーサタイルリールなのです。

アルデバランMGLを長期愛用レビュー。バーサタイル・ベイトリールの小型軽量化が推し進められる昨今で、その先駆け?とも言える使い心地のリールです。2018年登場以来、ちょっぴり影の薄い存在ではありますが、言うならば早すぎた天才。言葉を選ばずに言うならば“不遇の名機”。使い込むこと3年目、今こそ、その魅力をここに書き記します!

目次

アルデバランMGLとは?

アルデバラン MGL2018年に発売されたシマノ渾身の小型軽量ベイトリール、アルデバランMGL

同年登場した18アンタレスDC MD、18バンタムMGL、18ステラというビッグネーム御三家に押されてしまったせいか、あまり話題にならなかった(?)という印象を受けます。

2018年に発売されてから今日に至るまで、現代バスフィッシングにおける「ベイトリールのニューノーマル」としてごく一部のインテリバサーからは高く信頼されているものの、まだまだ納得の評価には程遠いことでしょう……。

MONSTER
“リールにトコトン厳しい男”こと、わたくしMONSTER。使い込んで3年目となる、この“不遇の名機”にスポットライトを当てます。迷っているならとにかくおすすめの一言です。

スペック

アルデバランMGL

品番自重(g)ギア比スプール寸法(径mm/幅mm)最大巻上長(cm/ハンドル1回転)最大ドラグ力(kg)ナイロン糸巻量(lb-m)本体価格(円)
30 RIGHT1356.532/22654.58-100、10-90
12-65
45,300
31 LEFT1356.532/22654.58-100、10-90
12-65
45,300
30HG RIGHT1357.432/22744.58-100、10-90
12-65
45,300
31HG LEFT1357.432/22744.58-100、10-90
12-65
45,300

 

12lb-65mというドンピシャなラインキャパ、かつあらゆるリグを受け止める32mm径MGLスプールと、まさに“待望のスペック”を備えている本機。

MONSTER
ちなみにこのスペックは、14lb-55m、16lb-48mに相当するということを念頭に、当記事を読み進めてくださいね。

2018年においては、早すぎた天才だった?

アルデバランMGL

ダイワのCTシリーズに代表されるような、「小型軽量×バーサタイル」というコンセプトが浸透しつつある2021年現在。アルデバランMGLはむしろボリュームゾーンとさえ言えるカタログスペックです。

文字通り、あらゆるリグを幅広く、かつ軽快に扱うことを本懐としたこのコンセプトは、全国のタフフィールドでのおかっぱり……つまりこの記事の読者層、多くのアングラーが直面している、極めてシビアなコンディションでのバス釣りにウルトラフィット!

MONSTER
とはいえ発売時は2018年。「パワーフィネス」や「ジャイアントベイト」に代表されるキテレツな釣りで色めきだったバス釣り界にとって、アルデバランMGLの登場は少し早すぎたのかもしれません。

フィネス系リールと思うべからず

シマノ リールスペックからすれば、ベイトフィネスとレギュラークラスの間を埋める存在と思われがち。しかし、そういうわけでもないのがこのリール

前述のとおり、同時に登場したリールがバケモノ揃いなせいで、いまいち目立たなかったというのも確かです。

しかし個人的には、アルデバランMGLの人気に影を差した最大の原因は、魅力が間違った方向でユーザーに伝わってしまったことだと分析しています。

皮肉なことに、アルデバランMGLは「軽量ルアーをさらに遠くへ」、「軽量ルアー専用モデル」のキャッチコピーとともに登場しました。

このフレーズによって、「どうやらベイトフィネスリールと、そうでないリールとの間を埋める存在か?」と、多くの人に誤解されてしまったと見るのが妥当です。

MONSTER
ズバリ言います。アルデバランMGLは、軽量リグの扱いに特化したリールでは決してありません

アルデバランMGLの魅力

1/4〜2ozまで快適に扱えるバーサタイル性

アルデバランMGL ビッグベイト

小難しい話はあえてせず、経験を基にお話しします。

アルデバランMGLは総重量1/4oz程度から、かつてはスプールの過回転によるバックラッシュが頻発していた2ozクラスまでのルアーを、外部ブレーキダイアルの調整のみで扱い切れてしまうという、適応レベルの高さを有しています。

しかもよく飛ぶ。もちろん、メカニカルブレーキにはノータッチです。「投げられる」というレベルではなく、ライトリグからビッグベイトまで「快適に扱える」。

MONSTER
「いくらなんでも2ozはやりすぎ!」と思う人がいるのもわかりますが、マジです。BIG 2-WAYの3.5gヘビダンからダウズスイマー180SFまで。若林源三顔負けの守備範囲を誇ります。

スピニングリールなら2500番、ベイトリールなら34mm径スプール。長い間、これがバス釣り用リールのど真ん中とされてきたわけですが、そんな考え方はもはや時代遅れなのかもしれませんね。

32mmスプール×NEW SVSインフィニティ

アルデバランMGL スプール
たしかにアルデバランMGLは32mm径スプールを搭載した、フィネス路線に見えなくもないベイトリール。しかし、そこが大きな落とし穴。

そもそもベイトリールは、スプール径やラインを含んだスプールの総重量によって、扱いやすいウェイトが上下します。

スプール径が大きく、ラインのストック量が多くなればなるほど、重いルアーの扱いに長ける一方で、軽量ルアーが扱いにくくなるのは周知の事実ですね。

MONSTER
実際問題、いくら最新鋭のベイトリールでも、スプール径36mmでわずか数グラムのフィネス系リグを扱うのは無理があります。仮にできても快適なはずがありません。

SVSインフィニティ

ベイトリールはスプールの軽量化と回転性能の向上による、「軽量ルアーに対する適性」というトピックにばかり目が行きがちですね。

でも同時に注目したいのは、ブレーキの制動性・安定性が向上したことにより、重いルアー対する適性も大幅に上がっている(バックラッシュなどのトラブルの軽減)ということ。これはアルデバランMGLも例外ではありません。

MONSTER
例外でないどころか、遠心ブレーキの制動力は回転数の2乗に比例するため、なんなら回転数の上がりやすい、32mm小径スプール+ヘビーウェイトリグでこそ強いシステムと言えます。

 

アルデバランMGLの実用的な使い方

MONSTER
ではここからが本題。アルデバランMGLはどのように使うのが正解なのか? 僕なりのセッティング方法を解説していきます。

ポスト34mm。ド直球のスーパーバーサタイルとして

アルデバラン ビッグベイト一見アンバランスに見える組み合わせですが、これこそが令和のバスフィッシングを象徴するコンボ(下がアルデバランMGL)

ロッド:グランドコブラGT IGTC-611XMH
リール:アルデバランMGL HG
ライン:フロロ14〜16lb

MONSTER
写真はボートですが、おかっぱりと同じく、積載する本数を削減できるバーサタイル性が大きな魅力です。軽装が信条のおかっぱりランガンスタイルにおいても、いかに守備範囲の広いタックルを用意できるかが重要です。

「スモラバもベイトフィネスのように使いたいし、ビッグベイトを背負いたい」そんな無理難題にも見える要望を、ナチュラルに叶えてくれます。

14lb〜16lbクラスのフロロカーボンラインを巻いておけば、下限は3/16oz程度のコンパクトラバージグから、2ozクラスのビッグベイトをタイト、かつフィネスにオペレーションできるトンデモタックルの完成。

ビッグベイトを操るのに相応しい太糸を十分にストックしつつ、有り余る回転性能でフィネス系リグも扱える。それがいずれも、「なんとかやれる」レベルではなく、「快適にやれる」というのがすごい。

MONSTER
一見華奢そうに見えるアルデバランMGLですが、マグネシウム製HAGANEボディでパワーゲームにも耐える剛性感を兼ね備えています。

軽さは感度。究極の底物マシーンとして

アルデバランMGL

ロッド:ファクトHFAC-70HST
リール:アルデバランMGL XGカスタム
ライン:フロロ12〜14lb

テキサスリグ、フットボールジグをはじめとした、ボトムを感じる釣りに求められる性能は、何を差し置いても軽さが重要です。

タックル全体が軽ければ軽いほど、リグがスタックした時の違和感や、手元に伝わりきらないアタリが「重さ」として認識しやすくなります。

にもかかわらず、リグの総重量がそこそこヘビーなことから、思考停止状態でレギュラーサイズのベイトリールを選択しがちなのがこの釣り。

ですが、いくら軽くなったとはいえ180g前後のリールと、135gという驚異的な軽さのアルデバランMGLとでは、感じ取ることができる情報量にかなりの差があります。

また34mm径スプールでは太刀打ちできない次元の回転性能で、フィネスの領域からヘビーリグまで網羅する汎用性は唯一無二。

5inクラスのベイトネコに始まり、1/8〜1/2ozクラスのシンカーを用いたテキサスリグやキャロライナリグ、また同様のウェイトクラスのヘビーダウンショットリグやフットボールジグまで幅広く使えます。

MONSTER
こんなスーパーなリール他にあるか? スティーズシリーズやメタニウムシリーズなど、最新鋭のベイトリールを複数台所持していますが、「2021年現在、アルデバランMGLを超える底物マシーンはない」と言い切れます。

底物スペシャルとして使うならXGカスタムを

アルデバランMGL XGセルフメンテナンスに自信のある人はぜひチャレンジしてほしいXG化

アルデバランMGLは、ノーマルギアとハイギアのラインナップ。基本的にはHGモデルを購入すれば事足りると言いたいところなんですが、底物や撃ち物により特化して使うなら、巻き取りに物足りなさを感じるのも事実。

でも安心してください。アルデバランMGLは、ギアレシオ8.0、最大巻上長80cmまで追い込むことができます。

やり方は簡単。16アルデバランBFS XGのギア、ドラグワッシャーを移植するだけ。

MONSTER
僕もやった上でおすすめしているんですが、くれぐれも自己責任でお願いしますね。

まとめ

アルデバランMGL 釣果ますますタフ化する日本のバスフィッシングシーンにおいて、有効なメソッドは強弱二極化の一途

アルデバランMGLは、まるでそれを予見したかのようなベイトリールです。

「軽量かつバーサタイルなリールが欲しいんだけど、おいらシマノ派なんだよな……」なんて人にはまさにうってつけ。

MONSTER
値段も小慣れてきたいまこそ、購入のチャンスではないでしょうか。

 

シマノ アルデバランMGL 31HG

ギア比:7.4:1
自重:135g
最大ドラグ力:4.5kg
巻取り長さ:74cm
ナイロン糸巻量(lb-m):8-100、10-90、12-65
撮影:文:MONSTER

ライタープロフィール

MONSTER
大阪府大阪市在住。インテリバサーを志す、グランダー武蔵世代。関西を舞台に、「考えるバス釣り」を楽しむ理論派ブログ戦士。勢いあまって、机の上で釣りを終えることがほとんど。ボート、おかっぱり、どっちも好きです。バス釣りブログ「BassGo!」の管理者。

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