21ジリオンSV TW
付き合いはじめはよかったのに、一緒に暮らしだすと嫌なところばかりが目に付く。そんな経験はありませんか?
新しいもの好きで飽きっぽい、僕たちバスアングラーにとって、恋人や釣り道具に馳せる想いは似たり寄ったり。
どちらも手に入れるまでは相応の努力と並々ならぬ期待をし、さらには対価まで支払うもんですから、はじめのうちは過剰評価しがち。しかし、次第にネガが浮き彫りになってくるというお決まりのパターンです。
ところが、長い時間をともにするほど、ますます好きになってしまう釣り道具。噛めば噛むほど味わい深い、スルメのようなリールと出会えることもあります。
それが、今回紹介する21ジリオン SV TW。2020年12月、発売と同時に購入し、これを書いている時点で2台所有。
歴戦のスーパーミドル
シリーズの歴史は古く、初出は2006年。バス釣りをやる上でもっとも実用的とも言える、ミドルクラスとして登場しました。
エントリークラスを全面的に凌駕しつつも、フラッグシップには今一歩及ばない……と見せかけて、超ハイスピードギアに代表される“キワモノ番手”を取り揃えることから、より専門性の高いタックルを組む上では欠かせない存在。
21ジリオンSV TWはさらに煮詰められたラインナップ
パワーギアからエクストラハイギアまで、4つのギアスピードが選べるラインナップ。
2021年5月現在、現行かつスプール径34mmのベイトリールで、これだけ多くの選択肢を有するのは17スティーズA TW、18バンタムMGLを加えた3シリーズのみ。
直系の旧モデル、16ジリオンSV TWを含めてもたった4シリーズしかないことに驚きです。
品名 | 巻取り長さ (cm/ハンドル1回転) | ギア比 | 自重(g) | 最大ドラグ力(kg) | 標準糸巻量 ナイロン(lb-m) | スプール径(mm) | ハンドル長さ(mm) | ベアリング(ボール/ローラー) | 価格(¥) |
1000P | 59 | 5.5 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000PL | 59 | 5.5 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000 | 67 | 6.3 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000L | 67 | 6.3 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000H | 75 | 7.1 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000HL | 75 | 7.1 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000HL | 75 | 7.1 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000XH | 90 | 8.5 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
1000XHL | 90 | 8.5 | 175 | 5 | 14lb-45-90m 16lb-40-80m | 34 | 90 | 8/1 | 42,800 |
16ジリオンSV TWとはまったくの別物に
定番製品のインプレは普通、旧モデルと比べてどうか? という点にフォーカスされがちですが、もはやこのジリオンに過去の面影はありません。
古参のジリオンファンのなかには、「この男らしいデザインこそジリオン」と、今回のモディファイを望んでいなかった人もいるかもしれません。しかし、紛れもなく正当進化です。
前置きが長くなってしまったので、筆者がとくに気に入っているポイントを2つに絞って紹介していきます。