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22 SLX DC XTをインプレ!ただのハイコスパリールではない。最安DCリールの真価はいかに

お小遣いアングラーの強い味方、SLXシリーズの最上位モデルにあたるSLX DC XT。

カルコンDCと同じI-DC5、さらにはMGLスプールⅢが搭載され、上位機種に劣らない機能を纏って22年に発売されました。

そんな22 SLX DC XTを発売から約10ヶ月程使い込んだので、23 SLX DCとの比較も交えながらインプレしていきます!

目次

22 SLX DC XTとは

22SLXDCXT

エントリークラスの価格帯ながら、確かな実力とハイコスパで人気のSLXシリーズ。

22 SLX DC XTは、シリーズ最上位モデルにあたり、性能面はもはやミドルクラスに迫るリールとも言われています。

2023年にモデルチェンジした23 SLX DCなど、他のSLXシリーズとの比較も交えながら、その特徴を解説していきます!

福永

即予約し、到着までかなり楽しみにしていたリールです!

ラインナップ

70XGを購入!

70XG

筆者はギア比8.1、最大巻上長84cmのXGモデルを購入

これまでメインで使っていたカルコン200HGより、もっと軽いルアーを安心して投げられて、ミノーのジャーキングや、トップウォータープラグでの糸ふけ回収がより速くできるリールが欲しかったからです。

福永

カルコン200HGでは、ジャーキングの際にリズムが合わず、わざわざスピニングタックルを用意していました。
 
もちろん、ロッドの長さやリズム感はアングラーごとに違うので、あくまで個人的な理由です。

22 SLX DC XTの特徴

カルコンと同じI-DC5

IDC-5

22 SLX DC XTの大きな特徴の一つが、カルカッタコンクエストDCと同等のDCブレーキ「I-DC5」を搭載しているところです。

23 SLX DCは、外部ダイヤル調整4段階のみの「I-DC4」なので、DC XTの方がより調整幅が広く様々なルアーに対応できるブレーキになっています。

P(PE)、N(ナイロン)、F(フロロ)の3つの内部設定と、1・2・3・4・W(wind)の5つの外部ダイヤルで調整が可能です。

福永

基本的にあまり開け閉めするものではありませんが、サイドプレートがポロッとはずれる設計なので注意しましょう。
 
釣り場で落としてしまうと大変ですよ!

ブレーキ

調整は1・2・3・4・Wと設定が可能

1がブレーキ力最弱で飛距離優先、Wがブレーキ力最強で向かい風などでもバックラッシュを回避できるような設定になっています。

ダイヤル変更時の操作感は少し固い印象で、グローブを付けていると操作しづらいかも……。とはいえ素手ならまったく問題なく、違う見方をすれば、ちょっと触れただけでダイヤルが動いてしまうことがないので安心ともいえます。

軽さがウリのMGLスプールⅢ

MGLスプール3

ベイトリールの心臓部といえるスプールは、軽量なMGLスプールⅢを採用

23 SLX DCにも採用されており、スプール重量約17g、径33mm、幅21mmとスペックもほぼ同じです。

ちなみに、20 SLX DCのスプール重量は約21g、スプール径34mm、幅22mm。大きくサイズダウンされていることから、今作は回転の立ち上がりが良くなり、軽量ルアーへの適性がアップしていることが伺えます。

福永

バス釣り用ベイトリールのど真ん中となる、スプール径34mmから1mm小径化されており、バーサタイル性能を確保しつつ、若干ライト寄りの味付けがされた仕様といえますね。

マイクロモジュールギアを採用

マイクロモジュールギア

22 SLX DC XTは、マイクロモジュールギアを搭載しています。

23 SLX DCはマイクロモジュールギア未搭載。

どちらも耐久性に優れた真鍮製のギアとはいえ、やはり巻き心地が良いマイクロモジュールギアを使いたいのがアングラーの本音といったところでしょうか。

メカニカルブレーキの緩みが対策されていた!

メカニカルブレーキ
上:19 SLX MGL/下:22 SLX DC XT

以前から使用している19 SLX MGLは、使用中にメカニカルブレーキが緩んできて不意のバックラッシュをくらうことが増えてきました。

経年劣化や個体差なのかもしれませんが、安心してフルキャストできず出番も減少……。

しかし、SLX DC XTはキャップ内側にスプリングを設置。これでキャップが緩まず、安定してブレーキがかかってくれます。

福永

あくまで筆者が所有している19 SLX MGLの話で、20 SLX DCなどほかのモデルは未確認。
 
ここにスプリングを入れる理由とは……と考えると、おそらく緩み防止対策ですよね。

SLXシリーズ共通のブルーがアクセントに

SLXブルー

ブラックとガンメタを基調に、ブルーが入ったカラーリング。無類の青色好きの筆者には、とてもカッコよく見えます。

もしも、ブルーが嫌いだったり、手持ちのロッドが赤系だったりしても、ちょっとしたパーツ交換でイメチェン可能です。

福永

メタリックなブルーが入ったロッドとの相性はバッチリです!

パーミングしやすいコンパクトなボディ

コンパクトなボディ

身長の割に手だけはデカい筆者の特徴を差し引いても、コンパクトなボディでパーミング性はまったく問題なし

自重の軽さとも相まって、ワンハンドでのキャストも快適です。

22 SLX DC XTと23 SLX DCのスペックを比較

ここで一度、22 SLX DC XTと23 SLX DCの違いを整理しておきます。

モデル名22 SLX DC XT23 SLX DC
自重195g200g
最大ドラグ力5.5kg5.5kg(XGのみ5kg)
ベアリング数BB/ローラー7/16/1
糸巻量ナイロン(lb-m)12-100/14-90/16-80/20-6512-100/14-90/16-80/20-65
海水使用OKOK
ハンドル長さ42mm42mm(XGのみ45mm)
本体価格(定価)35,000円27,500円
DCブレーキI-DC5I-DC4
マイクロモジュールギア

こうしてスペックを比べてみると、基本的なスペックには似通った部分が多いのがわかります。

DCブレーキの仕様やマイクロモジュールギアの有無と、約7000円の価格差をどう捉えるかがポイントになりそうですね。

福永

ソルトで使うアングラーが一番知りたいPEラインの糸巻量ですが、2号を150m巻いてちょうどくらいでしたよ。

22 SLX DC XTをインプレ

気になる飛距離をあらゆるルアーで検証

飛距離テストで使用したルアー

まずは、皆さん気になるであろう飛距離を検証してきました!

ロッドはすべて青いワールドシャウラ1652R-2で統一。

ラインもPE2号にリーダーがフロロの5号で統一し、チニングやシーバスのルアーを中心に投げ倒してきました。

福永

テストは風速0.5~1m、やや斜めから向かい風の状況で行いました。
 
もっと長いロッドを使ったり、もっと最適化したラインセッティングにしたりすれば、飛距離は伸びるでしょう。
 
あくまで参考としてお考えください。

直リグ(7g+ワーム)

直リグ

ブレーキ設定:1

チニングでよく使用する7gシンカーの直リグは、35m前後の飛距離を確保。

一般的なチニング専用ロッドは7.5ftくらいなので、それらを使えば40mは超えられそうです。

アイマ エアラコブラ(7g)

エアラコブラ

ブレーキ設定:1~2

こちらもチニングで人気の小型ポッパー。

平均して30m以上の飛距離でしたが、向かい風が強いタイミングではブレーキ設定を2に変更しました。

ブレーキ設定1では、バックラッシュまではいきませんが少しラインが浮きがちになります。

ダイワ チヌ魂(9g)

チヌ魂

ブレーキ設定:1

チニング専用に開発されたチヌ魂は35m前後。

実釣には十分な飛距離です。

コアマン VJ-16(16g)

VJ-16

ブレーキ設定:1

シーバス用ワームの定番VJ-16。

飛行中にクルクル回ってしまった場合を除けば、毎投45m以上は飛びました。

測定値を見るとあまり飛んでいないように感じますが、気持ちよく飛んでいくので数字以上のキャストフィールの良さです。

シマノ サイレントアサシン 120F(19g)

サイレントアサシン120F

ブレーキ設定:1~2

基本的に飛距離が出にくいフローティングミノーながら、優れた重心移動システムを備えるサイレントアサシンをテスト。

少々の向かい風ならブレーキ1+サミングで対応可能ですが、2に変更した方がよりイージーで無難な印象です。

ダイワ スイッチヒッター85S (20g)

スイッチヒッター85S

ブレーキ設定:1

シーバス用シンペンの代表格スイッチヒッター。85Sは固定重心タイプです。

体感的にはもっと飛んでいるような感覚でしたが、測定値は50m弱。

空気抵抗が少ないフォルムのおかげで、向かい風でもバックラッシュの気配を感じることなくフルキャストできました。

メガバス オニマル30g

オニマル30g

ブレーキ設定:1

飛距離が出やすい鉄板バイブの中でも重めな30gのオニマルをチョイス。

期待通りかなり飛んでくれた印象でしたが、測定してみると60m弱。

もう少し最後の一伸びがあればと感じたのが正直なところ。

ダイソー メタルジグフラット 40g

メタルジグフラット40g

ブレーキ設定:1

飛距離÷価格で考えると、圧倒的な数値を叩き出すダイソーのメタルジグ40g。

一瞬あった追い風の状況では70m以上の飛距離も記録しました。

シマノ アーマジョイント190F (51g)

アーマジョイント190F

ブレーキ設定:1~3

飛行中にボディがパタッと折りたたまれることで、ビッグベイトらしからぬ飛距離が出るアーマジョイント190F。

スプール径やロッドの適性など、不向きなのは承知でテストしてみました。

小径スプールゆえ、回転が上がりすぎてのバックラッシュが不安でしたが、無風に近い状況ならブレーキ1でもキャスト可能でした。

【飛距離テストの感想】:「1」より下がほしい!

飛距離テスト

飛距離テストをしてみて驚いたのは、微風の状況とはいえ全てのルアーがブレーキ設定1でキャストできたこと。

ベイトリールに慣れている方なら、1を基準にしてルアーや風向きによって2を使う、もしくはサミングかメカニカルブレーキの微調整で対応できるはずです。

ピーキーな特性ではなく、誰にでも扱いやすいブレーキ設定といえるでしょう。

ブレーキダイヤル

逆にいえば、最弱設定の1でも、DCによる介入が大きいのかなと感じました。

対バックラッシュ性能を犠牲にしてでも、もう少し遠投に振った設定があればもっと飛距離が出そうなのですが……。

福永

体感的には一切不満なく、気持ちよくキャストできました。
 
飛距離を測定しなければ「よく飛ぶリールだな」という印象で終わったはずですが、数字は正直ですね。
 
100m飛ぶような、いわゆる超遠投型の設定ではありませんが、とてもバックラッシュしにくいリールに仕上がっています。

レベルワインドのノット抜けは問題なし!

レベルワインド

SLX DC XT購入前に不安だった点が、レベルワインド。

ブレーキにPEモードの設定があるので、当然PEラインが使えるはず……なのですが、レベルワインドがメガホン形状ではなく穴も小さめなので、PEライン使用時にノット部が引っかからないか心配でした。

しかし、使ってみた結果、それが杞憂だったと判明しました。

今まで一度もノットがレベルワインドに引っかかることによるトラブルは起こっていません

スプールからレベルワインドまで距離が、丸型とくらべて確保しやすいロープロ型であることもプラスに働いているようです。

福永

PEライン2号にフロロ5号のリーダーを3ヒロほど、FGノットで結束。スプールまでノットを巻きこむセッティングです。

HAGANEボディの剛性を実感

シーバス

アルミやマグネシウムなどの軽量・高剛性の金属で構成される主要部は、ゆがみやネジレに強い「HAGANEボディ」

実際に、シーバスを中心にそこそこ良型サイズの魚も釣りましたが、剛性・強度面での不安は感じたことがありません。

SLX DC XTユーザーのおもなターゲットになるであろうバス・シーバス・チヌなどで使用する限り、ボディ剛性への不満を感じることはないでしょう。

日頃のメンテナンスはお手軽

メンテナンス

筆者の場合、海のカヤックフィッシングでの使用がメイン。

海水を浴びてしまうことが多い使用環境ですが、耐久性の面で今のところ大きな問題はありません。

もちろん、釣行後にはしっかりと水洗い&注油をしています。

スプールをはずしたり、注油したりするくらいの日常整備であれば、一切工具を使わずおこなえるので、メンテナンス性は良好といえます。

気になるところ&惜しいところ

シーバス

入手してからしばらく使用し、気になるところや改善してほしいところも出てきました。

どれも欠点というほどではありませんが、贅沢をいえば……というレベルです。

巻き心地は良好だけど……

巻き心地は、マイクロモジュールギア採用のおかげでいたってスムーズ。

とはいえ、SLX DC XTからカルカッタコンクエストに持ち替えた際は、ヌルヌル感の違いにちょっとびっくりしました。

価格差を考えると仕方ない部分ですが、やはり、上位機種と比べてしまうと劣る印象はあります。

福永

ベアリング数の違いによるところでしょうか。
 
ハンドルノブにベアリングを追加するだけでも、かなり改善しそうです。

ドラグ音があればもっと素敵

ナイトゲームやソルトの使用ではドラグ音が欲しいところ。ドラグを使って魚とやりとりする際、音で判断できるのは大きなメリットです。

福永

ドラグ音が鳴ると、なにより気分が盛り上がりますよね!

「音」関連でいえば、メカニカルブレーキにもカチカチと鳴るクリック音があるとうれしいですね。

ゼロ調整したところから、少しだけ締めたり緩めたりするときに加減がわかりやすくて便利です。

巻き心地維持には早めのメンテが必要かも

良好な巻き心地のマイクロモジュールギアですが、スムーズな感触を維持できる期間が短いように感じます。

これは、筆者が毎釣行後に必ず水洗いしているため、グリスの流出が多いのが原因だと考えています。

ギアのグリスアップ

また、噛み合わせが精密なマイクロモジュールギアだけに、グリスを保持する隙間が少ないのも一因かもしれません。

グリスアップした後は、元の巻き心地が復活します。

福永

これは、SLX DC XTに限らず、カルカッタコンクエストでも同じでした。メーカーのオーバーホールに出すか、自分でやるか……。
 
決して難しい作業ではありませんが、自信がない方はメーカーにお任せしましょう。

22 SLX DC XTは誰もが納得のハイコスパリール

SLX DC XT

SLX DC XTを使ってみてほしい釣り人は以下のとおりです。

  • 7g〜25gくらいのルアーが投げやすい、ライトバーサタイルなリールが欲しい
  • 飛距離よりもバックラッシュしない方を優先したい
  • 少し価格が高くても今後も長く使えるリールが欲しい
  • DCブレーキのリールをはじめて使ってみたい

たしかに、巻き心地や飛距離に関して、ハイエンドモデルと比較すると多少見劣りする部分はあります。

ですが、実釣において不満を感じる点はほぼなく、長所であるI-DC5やマイクロモジュールギアの恩恵を感じる場面の方が目立ちました。

今回は、23 SLX DCとのスペック比較もしてみましたが、インプレしてみて確信したのは、約7000円差ならSLX DC XTの方が間違いなくおすすめということ。

SLX DC XTはベイトリール初心者の方の入門用としてはもちろん、その後ステップアップしても不満なく使える性能があり、ベテランアングラーのサブ機としてもおすすめです。

バス・シーバス・チニングなどでオールマイティに使えるベイトリールをお探しの方は、ぜひ検討してみてください!

シマノ SLX DC XT 70

ギア比6.2
最大ドラグ力(kg)5.5
自重(g)195
スプール径/幅(mm)33/21
糸巻量ナイロン(lb-m)12-100, 14-90, 16-80, 20-65
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)64
ハンドル長さ(mm)42
ベアリング数BB/ローラー7/1

シマノ SLX DC XT 71

ギア比6.2
最大ドラグ力(kg)5.5
自重(g)195
スプール径/幅(mm)33/21
糸巻量ナイロン(lb-m)12-100, 14-90, 16-80, 20-65
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)64
ハンドル長さ(mm)42
ベアリング数BB/ローラー7/1

シマノ SLX DC XT 70HG

ギア比7.4
最大ドラグ力(kg)5.5
自重(g)195
スプール径/幅(mm)33/21
糸巻量ナイロン(lb-m)12-100, 14-90, 16-80, 20-65
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)77
ハンドル長さ(mm)42
ベアリング数BB/ローラー7/1

シマノ SLX DC XT 71HG

ギア比7.4
最大ドラグ力(kg)5.5
自重(g)195
スプール径/幅(mm)33/21
糸巻量ナイロン(lb-m)12-100, 14-90, 16-80, 20-65
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)77
ハンドル長さ(mm)42
ベアリング数BB/ローラー7/1

シマノ SLX DC XT 70XG

ギア比8.1
最大ドラグ力(kg)5.5
自重(g)195
スプール径/幅(mm)33/21
糸巻量ナイロン(lb-m)12-100, 14-90, 16-80, 20-65
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)84
ハンドル長さ(mm)42
ベアリング数BB/ローラー7/1

シマノ SLX DC XT 71XG

ギア比8.1
最大ドラグ力(kg)5.5
自重(g)195
スプール径/幅(mm)33/21
糸巻量ナイロン(lb-m)12-100, 14-90, 16-80, 20-65
最大巻上長(cm/ハンドル1回転)84
ハンドル長さ(mm)42
ベアリング数BB/ローラー7/1

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