巻き物にこの一台。‘19アンタレス。
’19アンタレスのスペック
名称 | 19アンタレス HG |
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ギア比 | 7.4:1 |
スプール径 | 34mm |
最大巻き上げ長 | 79cm |
ラインキャパシティ | 12lb-100m(70番) |
リール重量 | 220g |
ハンドル長 | 84mm |
発売から約一年。すでにご存知だとは思いますが、あらためて’19アンタレスのスペックをおさらいしておきましょう。
最大の特徴は、34mm径のMGLⅢスプールを搭載したことにより「バーサタイルなアンタレス」に仕上がっているということ。
歴代アンタレスは、一部モデル(アンタレスAR=33mm)を除いて、基本的には37mm以上の大径スプールを搭載したモデルが伝統でした。
大径スプールは「回り出しのレスポンスは軽くないものの、一旦回り始めれば、ずっと回ろうとする」性質があります。これは主に遠投重視、大型ルアー向けという性格を表しています。
34mm径のMGLⅢスプール
☝︎自重は中華製スケールで計測。ややファジーな事、ご了承ください。
こちらが34mm径のMGLⅢスプールです。自重を計測してみると13g強。ベイトフィネス機などと比べると、圧倒的に軽いという数値ではありませんね。
それでも素晴らしいキャストフィールが味わえるのは、素材の薄肉化によるところが大きいはず。というのも、キャストフィールに影響する「慣性力」は、スプール外側の自重が大きく関係します。
つまり薄肉化によってスプール外側が軽くなっているので、素晴らしいフィーリングを生み出してくれるということです。
また、ナロー(幅が狭い)な事でレベルワインドへ抜けるラインの角度が浅くなり、キャスト時の抵抗が少なく仕上がっているのも注目すべき点でしょう。
モジュール値の小さいマイクロモジュールギアを搭載
カルカッタコンクエストなどと同様の、モジュール値の小さい(ギアの歯が細かい)マイクロモジュールギアを採用。
今では中価格帯のリールまでマイクロモジュールギアが搭載されていますが、じつは同名称のマイクロモジュールギアでも、ハイエンドモデルのギアは明確な差別化がなされています。
ギアの歯一枚一枚の大きさがより細いものが搭載されており、よりしっとりとした巻き心地に仕上がっています。
20メタとの使い分け
’20メタニウムには’19アンタレスと同様に、MGLⅢスプールが搭載されました。アンタレスのみで味わえたとろけるキャストフィールが’20メタニウムでも味わえるということです。
しかし、先述したようにMMギアについては’19アンタレスの方がワンランク上のものが使われています。巻き物をしっとりとした巻き心地でやりこみたい、という場合はアンタレスが良いですね。
一方で20メタは非常に軽量な仕上がりです。ワーミングが主体の場合は20メタに軍配が上がるでしょう。
’19アンタレスを1年使ってみて
ブレーキはこんな設定がおすすめ
’19アンタレスは、最新の「SVSインフィニティ」を搭載。ブレーキシューを4つ立てたまま(ON)でもスプールの失速を感じにくいのが特徴。
上の写真は1世代前の「SVSインフィニティ」。ブレーキシューを4つONにすると、ブレーキがかかりすぎる感じを受けました。それが最新のブレーキユニットでは解消されています。
つまり、実用的に使えるブレーキ設定の範囲が大幅に広くなったという印象ですね。トラブルレスに使いたい場合は、ブレーキシューを4つONでもOK。
飛距離をしっかり伸ばしたい時は、1つずつブレーキシューをOFFにして調整していくと良いですよ。
個人的には内部ダイヤルは4つONに。外側のブレーキダイヤルで微調整するのがおすすめです。十分に気持ちいいフィーリングですし、なによりトラブルが少なく快適。
重さからくるリーリングの安定感が巻き物に◎
「重さからくるリーリングの安定感」「ノイズレスな巻き心地」で、リーリング中の違和感の捉えやすさは非常にハイレベル。
巻き物を扱うには至高のフィーリングだと言えるでしょう。丸型リール(カルカッタコンクエスト)なんかと比べても、なんら遜色ありません。
ただし、70サイズのラインキャパということで太糸には不向き。そのため巻き物主体、かつヘビーバーサタイルを想定している方は、カルコンがマッチするでしょう。
丸型リールならではの巻き取りトルクも有ります。(とは言えアンタレスも極めて近いトルク感は持っています)
圧巻のフィネス性能
一般的にベイトリールで扱えるギリギリの軽量ルアーをも、スパスパ投げることができます。(写真はミブロのデリンジャー。全長48mm、重量7.7g)
「適合する」というレベルではなく、「気持ちよく投げる」ことができるのは驚きました。
その際はラインをやや少なめに巻くのがコツ。ベイトフィネスリールに迫るフィーリングで、MGLⅢスプールのすごさを実感できると思います。
ガチガチの剛性感
「これぞ、アンタレスの血統」と言った具合の剛性感はやはり特筆すべきところ。マグネシウムとアルミのハイブリッドボディで、特別な素材を使っているわけではありません。(メタニウムもマグネシム製ボディ)
さらに、作りも一般的なロープロファイルリールと大きな違いはない……それなのに、ものすごい安定感があります。
分解してみたところ、ボディフレーム自体がなんとなく分厚いように感じました。これが’19アンタレスならではの剛性感を生み出している秘密だと思っています。
’19アンタレスだけの優位性は多い
クランクベイトやスピナーベイトなどの巻き物が楽しくなるリールです。官能的なキャストフィールや巻き心地によって、魚が釣れていない時間も魅せてくれます。
もちろん楽しいだけでなく、巻き感の違和感も捉えやすい。安定したリーリングは、魚に近づくために大事な要素ですよね。
スピニングリールのハイエンドモデルに比べれば安価ですし、リセールバリューも最高ランク。気になっている場合はぜひ試してみてほしい、そんなリールに仕上がっています。
シマノ SHIMANO 19 アンタレス HG 右ハンドル
最大ドラグ力:5.0kg
自重:220g
ライタープロフィール
ikahime
「バス釣り情報発信サイトikahime(イカヒメ)」を運営するikahimeです。ザ・アマチュアアングラー目線で、釣行記や製品レビュー等を書いています。リールカスタム、レンタルボートが大好き。バスはあまり釣れない、いわゆる「道具バサー」。
復刻されたT.Dハイパークランクを投げてみました?
モグリなのでオリジナルは使ったことが無いですが…
ギュンと潜って、タフなチタンリップも良い感じ‼️
[復刻]DAIWA T.D.ハイパークランク1066Ti インプレ。そそるチタンリップ。 https://t.co/XtDlno2rLx @@ikahime_netより
— ikahime (@ikahime_net) April 16, 2020