スモールマウスに有効な4つの巻きモノ
前回はスモールマウスで有効なベイトタックルの釣りを紹介しましたが、今回はその中から「巻きモノ」をクローズアップ。
スモールマウスの釣りで登場機会が多い、スピナーベイト、クランクベイト、スイムジグ、スイムベイトについて詳しく紹介してみようと思います。
▼前回の記事はこちら
スピナーベイト
水面直下から1.5mくらいまでがよく使うレンジ。(ボトムの水深はフラットなら3mくらいまで。急深バンクなら問わず)
表層高速巻きや中層をノーマルリトリーブ〜スローロールまで。巻きかたはそのときよって様々です。
ウィードやスタンプ(立木)周りでの使用が多く、特に濁りが入っているときや、しっかり風が吹いているときには出番。
初秋〜中秋(8月下旬〜10月中旬頃)の水温が冷込んだ際に、もっとも効果を発揮するのがスピナーベイト。
着水後カーブフォールさせ(ゆっくり巻きながらのカーブロール)、スローロールに寄せた遅めのリトリーブで使います。
カーブロール中に、リアクションバイトが現れることも多い釣りです。
春のプリスポーン期も濁りさえ入れば釣れますが、シャッドやジャークベイト、クランクベイト、スイムジグを上回る釣果が出ることは稀。
おすすめスピナーベイト
写真左)ハイピッチャー(OSP)
写真右上)スティーズスピナーベイト(ダイワ)
写真右下)ジンクスミニスーパーブレード(イマカツ)
より弱く、超ハイピッチなジンクスミニスーパーブレードは、唯一無二のスピナーベイト。そのアクションの弱さは、極端に言えばシャッドに近いかもしれません。
スティーズスピナーベイトとハイピッチャーは、同じくらいの強さやピッチと言えるので、お好きな方を使えばで良いと思います。
ハイピッチャーの方が少しコンパクトですが、ブレードの回転のインパクトは僅かに上といった印象です。
例えば水面直下高速巻きなら、より速く巻けて飛び出しを抑えられる、1/2オンスが使い易いでしょう。
また、同じスピナーベイトでもブレードの種類によって全く別物のルアーとして機能します。(ウィローリーフが“弱”、コロラドが“強”、インディアナが“中”)
クランクベイト
桧原湖の巻きモノにおいて、最も出番が多いのがクランクベイト。真夏の高水温期を除いた、およそ全てのシーズンで活躍します。
シャローフラットからミドルフラット、ディープのド中層、バンクなど……濁りや波風があり、「魚が中層を巻いてバイトしてくる状況」であればチャンスです。
おすすめクランクベイト
クランクベイトはかなり種類も多く、動きや水深別に星の数ほど存在します。
ここでは桧原湖で良く釣れて、入手しやすい代表的なクランクベイトを大まかな水深別に紹介します。
シャローランナー
①チッパワRBブレード(ニシネルアーワークス)
②LC MTO 0.7(ラッキークラフト)
③DT4(ラパラ)
ミッドダイバー
①ブリッツMR〜DR(OSP)
②チッパワDDブレード(ニシネルアーワークス)
③ウィグルワート(ラパラストーム)
ディープダイバー
①ブリッツEXDR(OSP)
②マッドペッパーマグナム(ティムコ)
③Bスイッチャー4.0(ジップベイツ)
クランクベイトもアクションは弱めがキー
シャロークランクからディープクランクまで、やはり比較的アクションが弱めで、軽快な巻き心地のクランクベイトが並びます。
特にディープクランクはマッドペッパーマグナム、Bスイッチャー4.0と「大きなシャッド」とも言えるような、タイトな動きの物の出番が多いです。
異質なのは“暴れ馬系のクランクベイト”である、ウィグルワート。早春の深いレンジにいる魚を、持ち前のワイドウォブリングによる強烈なアピール力で、引っ張ってきてくれます。
また、チッパワRBブレード、DDブレードともに、その名の通りブレードが付いています。その恩恵もあるのか、非常に良く釣れるクランクベイトです。
動きそのものはタイトで大人しいのですが、そこにハイピッチなブレードの波動が重なり、バスのスイッチを入れてくれる気がします。
スイムジグ(ジグヘッド)
水深2.5mから、深くて6〜7mまでが守備範囲。ミドル〜ディープレンジを、強過ぎないアピール力で広く探れるのがスイムジグの強みです。
これまでスモールマウスを狙うルアーとして、メジャーとは言えなかったジャンルのルアー。その使い勝手の良さから、ここ数年で使用率が上がっています。
出番が多いのは春と晩秋。春はシーズンオフ中に狙われていなかった魚を釣ることが可能です。
おすすめスイムジグ
写真上)スメルトヘッド(ニシネルアーワークス)
写真下)ウィードライダー(OSP)
この2つの使い分けは簡単。ウィードやゴミを拾って来るような場所ではウィードライダー。
それ以外の場所、特にゴツゴツの岩場でスタックさせず巻いてくるならスメルトヘッド。という具合に使い分けます。
合わせるトレーラーはスイングインパクト4やドライブシャッド4、ヴァラップスイマー4.2、3.5、アンモナイトシャッドなど。
それぞれのアクションの質で、そのとき釣れそうな物を適材適所にセレクトします。
スイムベイト
スイムベイトとありますが、一般的なトリプルフックが付いたスイムベイトに加え、オフセットフックにセットする「大きめのシャッドテールワーム」も加えて紹介します。
15cm以上のサイズが大きなスイムベイトは、早春と晩秋が出番です。
いずれも低水温期ゆえに、「ボリューム感からくるリアクションバイト」を期待できます(小さなルアーではスイッチを入れられない魚にスイッチを入れてバイトさせる)。
タダ巻きだけではなく、ジャークベイトのようにジャークさせるアクションも効果的です。そのルアーパワーにつられ、ディープから水面付近まで一気に突き上げてきます。
一方、4インチ前後のシャッドテールの出番はほぼオールシーズン。年間最高水温時の真夏と、水温が10℃以下まで下がった晩秋以外ならいつでも出番あり。
特に春のサイズ狙いの水面下10〜50cm、晩夏〜中秋の水面まで伸びたウィードエリアで最も威力を発揮します。
スピナーベイトすら巻けない、水面まで伸び切ったウィードトップを臆せず巻けるルアー。この釣りで釣れる魚は多いですよ。
おすすめスイムベイト
写真上)ユニオンスイマー155(フラッシュユニオン)
写真中)ビビッドクルーズ150(フィッシュアロー)
写真下)ヴァラップスイマー4.2(ボトムアップ)
ユニオンスイマーはフローティングスイムベイト。デッドスローでも水面直下を巻けるのが強みで、ジャーキングでのダートアクションも特徴的です。
ビビッドクルーズはタダ巻き時に、ボディーを揺らす大きなウォブルアクションが特徴。こちらもゆっくり巻け、深い所の魚を中層までライズアップさせて食わせられるルアー。
ジャーキングにより、ユニオンスイマーより強いテールアクションを生み出せたりと、アクションの幅が広いスイムベイトです。
ヴァラップスイマーはハイピッチアクションが特徴の「釣れるシャッドテールワーム」の代表格ですね。加えて、オフセットフックの針先を隠しやすいのが素晴らしい所。
この手の「よく動き、よく釣れる高比重シャッドテールワーム」は、使っているうちにワームが裂けてきて、フックポイントが露出してしまうのが“珠にキズ”。
まとめ
前回の記事から続き、巻きモノにフォーカスして少し詳しく書いてみました。
チェイスからバイトの出方まで、ラージよりもスピード感のあるアグレッシブなスモールマウス。とくに巻きの釣りでは、その違いが顕著に感じられ、アングラーを楽しませてくれます。
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