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スピナーベイトってどんなルアー?

一見すると「もっともエサからは遠い形」をしたルアー、スピナーベイト。複数のパーツで構成されていて、根がかりに強く、広範囲を素早くチェックすることを得意としています。
ブレード・ワイヤー・ヘッド・スカートで構成

おおよそ現在の市場でスピナーベイトと銘打って販売されているルアーは、ブレード・ワイヤー・ヘッド・スカートで構成されたものが一般的です。

ブレードはリトリーブやフォール(沈下)することで回転し、波動やフラッシングを生み出します。
ワイヤーはブレードからの振動をヘッドに伝え、障害物を乗り越える際にはフックをガードしてくれる機能も果たします。

また、鉛やタングステンで成形されたヘッドは、ジグヘッドとしての役割を果たすだけでなく、ブレードからの振動を受けることでバイブレーションを起こします。

揺らめきによるアピール力でバスを誘う、ラバースカート。「フックの存在を曖昧にする」そんな効果を口にするアングラーも。水中での艶かしさは、無機質な物体に生命感を与えます。

「バスがスピナーベイトというルアーをどのように捉えているか」……それはバスのみぞ知るところ。
いずれにせよ、スピナーベイトは魚を釣るための複合的な要素が一つに詰まった、他に類を見ないルアーと言えるでしょう。
スピナーベイトの特徴(強みと弱み)

スナッグレス性能が高く、ベジテーション(アシやガマ)攻略に向いている

スピナーベイト最大の特徴は、スナッグレス性能(根がかり回避)の高さ。特にアシやガマなどのベジテーション周りでその真価を発揮します。
シングルフックとワイヤーのコンビネーションにより、ごちゃごちゃしたカバーに投げ込み、魚を誘うことのできるサーチベイトです。
マルチレンジルアーとして使える

クランクベイトなど、ルアー自体に浮力があり、潜行深度がある程度決まっているルアーではできない芸当です。
風の影響を受けやすい
ブレードやスカートが大きな抵抗となってしまうため、じつは「風に弱い」という弱点を持っているスピナーベイト。実際にキャストしてみればわかりますが、逆風では飛距離を出すことが非常に難しいルアーです。風が吹いている場合は、追い風を上手く利用できる立ち位置に移動するなど、場合により対処する必要があります。
チャターベイトとの使い分け



最近よく見るガード付きのチャターベイトは、この欠点を補うために登場した新亜種と言えるでしょう。
チャターは表層〜中層をスピーディーに探るためのルアー

そもそもチャターベイトはカバーに絡めた使い方は向いておらず、表層や中層を手早く探ることに向いたルアーです。
本来の使い方である、ウィードフラットを広範囲に探る使い方においては、スピナーベイト以上の使用感の良さがあります。
なぜなら、チャターベイトのブレードはゴミ絡みにある程度強く、多少のゴミが絡んでも泳ぎが破綻しにくいという特性があるからです。スピナーベイトのブレードは少量のゴミが絡むだけで、回転性能を失ってしまいます。
スピナーベイトは倒木やハードボトムにコンタクトさせても根がかりしにくいため、よりオカッパリ向きのルアーとも言えるでしょう。初心者が最初に一匹を釣るために最適なルアーかもしれませんね。
スピナーベイトのブレードタイプと使い分け

以下に代表的なスピナーベイトのブレードタイプと使い分けについてまとめました。
ダブルウィロー

シャローレンジを素早く探るのであれば、ダブルウィローが使いやすいでしょう。また、抵抗の少なさは浮き上がりを抑えるため、モデルによってはディープレンジのスローロールにも使えます。
タンデムウィロー

フラッシングとバイブレーションのバランスが良く、巻きスピードも低速〜高速まで対応します。状況と使い方を問わず使えるため、初めてスピナーベイトを買う人にもおすすめです。
ダブルコロラド

強いアピール力でシャローレンジをゆっくり引くことができます。キワモノに見えますが、この動きにしか反応しないという日も存在するため、ボックスに忍ばせておくのもいいでしょう。
スピナーベイトの主な使い方
スピナーベイトは中層タダ巻きが基本で、それだけでも十分に釣果を得られます。初めのうちはキャストして一定の速度で巻くだけでOK。反応がない場合は下記の小技も織り交ぜることで、さらに釣果アップが期待できます。コツを掴む必要があるテクニックも一部ありますが、ぜひ覚えて使ってみてください。
ガーグリング
水面直下を早引きし、水面に波紋をモワモワと立てながら引いてくる使い方をガーグリングと呼びます。
ブレードが飛び出さないようにロッドの高さを調整しつつ、波紋が途絶えないように水面直下ギリギリを引いてくるのがコツです。
特にマズメや低気圧の時など、バスが水面を意識している活性の高い状況に有効です。
バジング
ブレードを水面から飛び出させ、ブレードのスクラッチ音や水しぶきでアピールする使い方。バスが水面でボイルしている時、ルアーを見切られがちなクリアウォーターで有効と言われているテクニックです。
バジングを続けた状態ではミスバイトも多いため、ガーグリングと組み合わせ、ここぞというスポットでアクセントとして使うのが基本です。
フォーリング
スピナーベイトを水中で沈下させながら、ブレードを回転させることで、バスを誘う使い方。ウィードエッジや杭の横を通り過ぎたところでフォールさせ、リアクションバイトさせることもできます。ただフォールさせるだけでなく、斜めに潜航させていく「カーブフォール」や、ロッドで上下させる「リフト&フォール」が時に効果的な状況もあります。
スローローリング
スローローリングとは、ブレードが回転する最低限のスピードを意識しつつ、ゆっくりとリトリーブするテクニック。中層からボトム付近を攻めるのに有効で、一定のレンジをキープしながら巻いてくるのがコツです。
最低限のスピードで巻くこと、一定レンジをキープすることが難しいテクニックですが、ターンオーバー等のバスが低活性な状況で爆発的釣果を得られることがある使い方と言われています。
スピナーベイトのタックル

ロッド
キャスティングのしやすい、6.6〜7フィートのML〜MHパワーのロッドがおすすめです。Mパワーを中心に、使うスピナーベイトのウェイトが1/4オンス(7g)など、軽めであればMLパワー。3/4オンス(21g)など重いウェイトを投げる場合はMHクラスのパワーが適しています。

リール

ライン
12〜16ポンドのナイロンライン、もしくはフロロラインを選びましょう。沈めて深いレンジを探る場合は、比重の高いフロロがおすすめ。初心者の方はトラブルの少ないナイロンラインが扱いやすいでしょう。
「トレーラー」と「トレーラーフック」についての考え方
スピナーベイトはトレーラーやトレーラーフックを取り付けて使われることも多いルアー。しかし、そのメリット・デメリットを知っておくことで、スピナーベイトを一段深く使いこなすことができます。トレーラーをつけることで飛距離・アピール力・浮き上がりが向上

ただしフォールスピードが落ちたり、浮き上がりやすくなるため、ディープレンジの攻略には不向き。トレーラーはシャローレンジを攻めるのであれば、そのメリットが存分に活かされるでしょう。
トレーラーフックはショートバイトを拾える

しかし、代償として根がかりが増えます。込み入ったカバーを攻められることがスピナーベイトの長所。必要無いというアングラーも多く、使い手の好みに左右されるメソッドです。
編集部厳選!おすすめスピナーベイト
編集部が厳選したおすすめのスピナーベイトをご紹介。人気・実績の高いアイテムを各メーカーからピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。ドーン(ジャッカル )
秦拓馬氏がプロデュースしたスピナーベイト。ウェイトごとに専用ブレードが設計されていて、波動は弱め。早巻きで強いフラッシングを発生させ、バスのリアクションバイトを誘うことを得意としています。弱い波動はハイプレッシャーフィールドでも効果的です。
クリアウォーターの河川や湖で使用しています。数種類他のスピナーベイトも使っていますが、これだと釣れるということが多々あります。このスピナーベイトの紹介通り、同じコースを通して釣れることもあります。50アップを掛けてもアームも変形することはほとんどありませんし、曲がったとしても曲げ直せばさほど問題はありません。
エンジェルスピナーベイト(ウォーターランド)
エンジェルスピナーベイトは、これぞスピナーベイトの王道と言える充実の基本性能が魅力。スカートは長さに段をもたせているほか、扁平で太めに設定されたスカートが水流を受けることで、トレーラーのように魅惑的なアクションを起こします。
Tボーンスピナーベイト(ケイテック)
カスタムスピナーベイトやミニスピンといった名作スピナーベイトを生み出して来たケイテック。最新作のTボーンスピナーベイトでは、T字型断面のヘッド形状が印象的。水平姿勢を保ちやすくフックをよりガードしやすいヘッド形状と、どこかアメリカンスタンダードを感じさせるオールドスクールな外観も魅力的なニューアイテムです。
クリスタルS(ノリーズ)
釣れるスピナーベイトとして、多くのバスアングラーに愛用されている逸品。発売から一度も形状を変えていないV–ブレードは、明確で強いフラッシングを発生。明滅効果でバスのスイッチを入れバイトに持ち込みます。
特にスローローリングと呼ばれる、ボトムにルアーを着底させてからロッドストロークでルアーを引っ張りブレードの振動を感じなからストラクチャーの真上を当てながらトレースさせるテクニックには無類の強さを誇り、これでいったい何本の40UPを釣り上げたかわかりません。マッディウォーターで釣りをするときに「スピナーベイトをひとつだけ持っていっていい」と言われたら間違いなくこのスピナーベイトを選択すると断言出来信頼のおけるルアーです。
クリスタルS ディーパーレンジ(ノリーズ)
クリスタルS ディーパーレンジは、オリジナルクリスタルSよりもアピール力を抑えた設計。タイトなバイブレーションでセレクティブなバスに警戒させないようにしつつ、バスのバイト範囲に入った時には強いフラッシングでリアクションバイトを誘えます。
クリスタルS シャローロール(ノリーズ)
ダブルコロラドとクランクされたアッパーアームにより、シャローをごくスローに引けるスピナーベイトです。ブレードの振動を感じながらゆっくり引くことで、低活性でルアーを追いにくいバスにもスイッチを入れることが可能です。
コロラド形状のブレードが2つ前後に配置されており、リトリーブしていると互いのブレードが邪魔し合うことなく強いバイブレーションでシャローのバスにアピールします。その強いバイブレーションは視界の狭いマッディウォーターのバスでも容易に食らいつかせることが可能で、まさに唯一無二の存在だと思います。
ハイピッチャー(O.S.P)
スピナーベイトの中でもトップクラスにブレード回転速度の早いハイピッチャー。その秘密はリア側のカップを深く設計したブレードにあります。全体的なサイズもコンパクトなため、スピナーベイトのボリューム感に抵抗がある人も使いやすいでしょう。
非常に薄くフラットなブレードを装着し、その名の通りとてもハイピッチなブレード回転でフラッシングが強いです。またブレードからヘッドへの振動の伝達がスムーズでリトリーブ中、決してノー感じにならない適度な巻き心地を感じとることが出来ます。
Dゾーン(エバーグリーン)
ワイヤーを極限まで細くし、強度と引き換えに、高い実釣性能を持たせたスピナーベイト。その設計から生まれる強烈なバイブレーションは、「でかいバス」が釣れるともっぱらの評判。レーシングマシンのようなスペックですが、「伸びる・壊れる」と言ったデメリットを持ってしても、多くのバスアングラーの心を鷲掴みにしているのは、何より“釣れる”からでしょう。
釣れるスピナべ何?と聞かれたらまず出てくるのがDゾーンです。サイズ問わず釣れます。10センチのバスが釣れたことも…w 50UPも何本も獲ってるので、いい思い出の多いスピナべです。
Bカスタム(デプス)
Bカスタムはビッグバスを獲ることだけに重点を置き、フッキング効率や強度、ヘッド形状を追求。こちらも古くから存在する名作スピナーベイトの一つです。ブレードタイプにシングルウィローや、ダブルコロラドまで広くラインナップされている製品は、現在Bカスタムくらいと言ってもいいでしょう。
水平姿勢を保てるように徹底的に研究されたヘッド形状に、比較的フラットなブレード、そして国内のスピナーベイトには珍しいシングルウィローリーフ、シングルコロラド、そしてダブルコロラドブレードのライナップで、クリアウォーターで、濃いウィードが群生するエリアでのスピナーベイトゲームではこのBカスタムの右に出るものはありません。
ビーブル(ボトムアップ)
水を受けるスプリッターを搭載した珍しいタイプのスピナーベイトです。このスプリッターが横揺れを発生させる仕組みで、ヘッド・スカートがより艶かしく動くと同時に、心地よい巻き抵抗を得られます。従来のスピナーベイトには無かった、横揺れアクションを生みだすルアーです。この横揺れにより、従来のスピナーベイトでは見切られてしまっていた魚でもバイトが多発!ナマズ、雷魚などフィッシュイーターの魚なら大抵釣れると思います。海で使用したところ、ヒラメ、マゴチなどのフラットフィッシュもキャッチ出来ました!
スティーズ スピナーベイト(ダイワ)
ブレード付近は細く、ヘッド付近は太いテーパーワイヤーを採用したスティーズ スピナーベイトは、振動の発生しやすさと強度をバランス良く兼ね備えたアイテム。フックはサクサス仕様の#4/0を装備。トレーラーフックなしでも多くのバイトを拾うことができる設計です。
スピナベらしく、投げ易い根掛かりもしない!濁りでもしっかりとアピールして魚を寄せてくれます。ワイヤーが伸びても簡単に修正可能でした!
困ったらスピナーベイトを投げよう
☝︎スモールマウスバスにも効果的なスピナーベイト。メインベイトがワカサギなどのフィールドであれば、サーチベイトとして活躍してくれます。スピナーベイトはその見た目やボリュームから、使うのを敬遠する人も多いルアーです。
しかし、一度そのスナッグレス性能、そして実釣力を体感すれば、いつもボックスに入れておくべきルアーであることが分かるでしょう。
ビッグバスのヒット率も非常に高いルアー。本記事を参考にぜひスピナーベイトを使ってみてはいかがでしょうか?
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