20年以上愛される、ワンテン
2000年、B.A.S.Sバスマスタークラシックで活躍し、メガバスUSAから日本に逆輸入されたというルーツを持つワンテン。
バスフィッシングを長く楽しまれている方にとっては「いまさら」と思われることもあるかもしれませんが、ビギナーの方にこそ使ってもらいたい“釣れるルアー”なので、改めて説明します。
ワンテンの形状をおさらい
110mmというサイズながら、ジャークやトゥイッチをすればリニアに反応し、キレのあるスライドアクションを見せてくれます。
重さは1/2oz。重心移動システムを搭載しているため、飛距離も十分。ストレスなくキャストできることもワンテンの魅力です。
力強く水を押すアクション
ワンテンは水を切る(逃がす)タイプのジャークベイトではなく、グッと水を掴み、力強く水を押すジャークベイト。
水面付近でジャークをさせてみると、ルアーの後方に「もわっ」と水流が生まれていることがわかります。しっかりとした引き重り感があるので、水流の変化にも気付くことができます。
ワンテンのタックルセッティング
6ft前半から7ftまでのMかMHクラスのベイトロッドが、使いやすいセッティングです。
リールは、ローギヤでもハイギヤでもお好みで。ジャークを多用する方は、ハイギヤのほうがリズムを取りやすいでしょう。
ラインは、12lbから16lbまでのフロロラインを使う方が多いと感じます。
使い手によって姿を変える、万能ミノー
ジャークだけじゃない、タダ巻きもこなす芸達者
ジャークベイトとして名高いワンテン。アクションの基本は、やはりジャーク。2、3度ジャークを入れて、数秒ステイの繰り返し。
ステイ中にひったくるようなアタリが出ることが多いので、しっかりと止めて、食わせの間をつくることが大切です。
アクションの基本はジャーク、なのですが、私はタダ巻きでも愛用しています。それも、かなりの「速い」。
具体的に言えば、力の限り、手首が動く限界レベルの速巻きです。はたから見れば、「毎回ルアーを回収している?」と、感じさせるくらいの早さ。
「そんなに早くて釣れるの?」と思われるかもしれませんが、魚の遊泳スピードは想像以上に早いもの。まったく問題なく食いついてくるので安心してください。
全アングラーにオススメしたい、速巻きのストップ&ゴー
とはいえ、そんな速巻きをしていると、バスが食いつくまでに人間が疲れ果ててしまうのが難点。
ですので、ハンドル5回転ほど速巻きをして、ステイを繰り返す。いわゆる「ストップ&ゴー」で使ってみてください。この方法なら疲れすぎませんし、テンポ良く釣りをすることができます。
オリジナルで狙う水深は1.5m付近
オリジナルのワンテンで狙えるレンジは、使用するラインの太さによっても変わりますが、だいたいジャークをすれば水面から1.6mほど、タダ巻きなら1m強という認識で使っています。
私は大規模な河川のおかっぱりで使うことが多いのですが、手前のブレイクを探る際に、この潜航深度がピッタリなのです。
カンタンにできるフローティングチューン
オリジナルの初代ワンテンは、スローフローティング設定。ただ、水温によってサスペンド状態になることもありますし、塗装の乗り具合での個体差もあります。
方法は、スプリットリングの番手を小さくすること。純正からDUO 平打強化スプリットリングの#1に変更。加えてトレブルフックも細軸のものに換装することで、浮力を高めています。
中古のワンテンを購入する際の注意点
大人気のルアーですので、中古品も割と多く流通しています。ワンテンは定価が2,000円程度と高価な部類に入るルアー。中古で安く探すのも手です。
しかし、中古のワンテンを購入する際の注意点が2つあります。まずは、重心移動のオモリが内部で固着していないかどうか。上下に振り、ちゃんと動くことを確かめましょう。
もうひとつは、リップの付け根あたりにキズがないか。ワンテンはリップがくびれた形状をしているため、どうしても付け根に負荷がかかりやすく、折れやすいので注意してください。
ワンテンのラインナップ
フローティングチューンを紹介しましたが、ワンテンには「ハイフロート」というモデルもあります。また、より深いレンジを通せる「+1」、130mmにサイズアップした「マグナム」など、枚挙にいとまがないほどのシリーズがあります。
まずはオリジナルのワンテンを使った上で、もう少し潜らせたい、ダートの質を変えたい、もっと飛ばしたい、といった気持ちに合わせて、豊富なシリーズの中からあなたに合うワンテンを探してみてくださいね。
ビジョンワンテン
まずはスタンダードモデルのワンテン。110.5mm、1/2oz(14g)とベイトタックルで使いやすいサイズです。日本だけで無く、北米やヨーロッパで抜群の人気を誇り、このサイズのジャークベイトを「ワンテン」と呼ぶほど浸透しています。
ワンテン LBO
重心瞬間移動システム「LBOⅡ」を搭載したワンテンLBO。アクションまでの立ち上がりが早く、キャスタビリティが向上したモデルです。
ワンテン MAX LBO
ワンテンマグナムより5mm長い135mmのボディサイズながら、鋭いキレを見せるビッグジャークベイト。「LBOⅡ」を搭載し、初動の遅れやモタツキを排除。
ワンテン R
キレのあるダートアクションはそのままに、リトリーブ時にはナチュラルタイトアクションに設定することで、タフ化したバスにも効くワンテンR。
ワンテン R+1
1.5mから2mのレンジを効率よく攻めることができる、ワンテンR+1。メインウェイトが1個になっていることも特徴の一つです。
ワンテン R+2
2mから2.5mをメインターゲットとしたモデルが、ワンテンR+2。従来のワンテンでは届かなかったレンジを攻略できます。
ワンテン R+3
Rシリーズ最高の深度を誇るR+3。4mという、いままでディープクランクでしか届かなかったレンジまで到達します。モデルを使い分けることで、泳層を的確に調整できます。
ビジョンワンテン +1
オリジナルよりもワンランク深く潜るモデルです。1.8mまでのミッドレンジ攻略のために開発された、ロングビル・ジャークベイト。
ビジョンワンテンマグナム
130mmのボディサイズを持つ、ワンテンマグナム。従来の大型ミノーと比較して、スイミングレスポンスを格段に向上させるセッティングを施してあります。
ビジョンワンテンJr.
ワンテンのダウンサイジングモデル。ただ小さくするだけではなく、リップ形状と位置や角度を再設定。野池や小規模フィールドによりマッチします。
ビジョンワンテン+1 Jr.
ワンテン+1同様のダートレスポンスを持たせるため、+1 Jr.独自のボディフォルムで調整。タフフィッシュが躊躇なく丸呑みにしてしまうルアーに。
釣れるルアーは、場所を選びません
ブラックバスがメインターゲットですが、淡水だけではなく、海水でもその威力は健在。
ワンテンをお持ちで、ソルトにも興味がある方は、ぜひ投げてみてください。私はシーバスを狙う際に使っています。
なお、余談ですが、ワンテンには「SW」という海用のシリーズもあります。海用のワンテンなのですが、ブラックバスを狙う際に、あえて「SW」を愛用する友人もいます。