目次
堤防や磯の定番エサ取り『スズメダイ』について
スズメダイについて

スズメダイは、スズキ目ベラ亜目スズメダイ科に分類される魚で、スズメダイの仲間にはオヤビッチャやソラスズメダイなど約300種類が知られています。
一般的にスズメダイの仲間は、熱帯から亜熱帯域のサンゴ礁や岩礁帯に生息していますが、今回ご紹介するスズメダイは沖縄から東北地方まで広く生息しています。
スズメダイは最大でも15cm程度と小さく、食材としての認知度が低いためリリースされることが多い魚です。僕も今までずっと逃がしていました!
スズメダイの旬について

春から秋にかけて、スズメダイは堤防や磯際に群れで姿を現します。
コマセを撒くと水面にまで上がって餌を食べ、グレ釣りなどでは“厄介なエサ取り”として嫌われていますね。
繁殖期は夏で、最も脂が乗るのは初夏と言われています。
スズメダイの釣り方

まずは、スズメダイの群れがいるかコマセを撒いて確認してみましょう。堤防やテトラの際から群れで集まってきたらチャンスです。
トリックサビキにコマセを付けても良いですし、小さな袖針(3号前後)を使ったウキ釣りでも良いでしょう。餌はアミエビやオキアミを小さく付けましょう。
スズメダイは口が小さいので、細いハリス(0.4号前後)と小さな針(サビキ2~3号)を使用するのがコツですよ!
▼トリックサビキの使い方はこちら
初夏のスズメダイがめちゃくちゃ旨いらしいが、本当か?!
アジとイワシを狙いに来ましたが……撃沈です(汗

「夏らしくなってきたし、釣りたてのアジで南蛮漬けを作って食べたいね!」と言うことで、奥さんと一緒にサビキ釣りに出かけてみました。
普段、珍しい魚や巨大な魚を釣り歩いている僕ですが、庶民的なサビキ釣りも大好きなんです!
が、この日は何かがおかしい。小サバが一瞬回って来ましたが、アジやイワシは全然いません。
スズメダイがポツポツ釣れます

足元には、たくさんのスズメダイがコマセを撒いてくれと言わんばかりに群れています。
忘れたころに投げサビキにスズメダイが掛かってきてくれますが、いつものようにリリースします。
スズメダイって食べられないの?

「スズメダイ食べてみない?」と、あまりにアジが釣れない状況で奥さんから面白い提案がありました。
初夏のスズメダイは美味しいと聞いたことがあったのを思い出し、「試しに食べてみるか!」とターゲットを変更することにしました。
アジを夢見た投げサビキをやめ、足元に群れるスズメダイをトリックサビキで狙ってみると簡単に釣れます! 大きい物を選んで10尾程キープしてみました。
美味しいと噂のスズメダイを調理してみます
スズメダイで何を作ろうかな

小さな魚ですが、10尾も集まればなんとか晩御飯の主菜になりそうです。
スズメダイについて調べて気になったのが、骨や皮ごと生で食べる『せごし』と呼ばれる料理。これはぜひ食べてみたい!
他にも、素材のポテンシャルを味わえる塩焼きや煮つけも作ってみましょう。
スズメダイはウロコが多いが剥ぎやすい

これだけ小さな魚を捌くことは心が引けますが、スズメダイは最大でも15cmと小型の魚なので気にしないことにします。
ウロコは大きいですが、案外薄くて剥ぎやすいですね。皮がしっかりしているので捌きやすいと感じました。
6月のスズメダイは卵を持っている

お腹を割いてみると黄色い卵を持っていました。これは煮つけたら美味しそう!
肝も魚体の割には大きく、10尾分集めたら一品できそうなので丁寧に取り出します。
スズメダイ料理を5品作ってみました
スズメダイのお刺身

魚体が小さいので、1尾から6枚しかお刺身が取れませんでした。それもかなり小さいですね(笑)
でも、刺身を切った包丁にはベッタリと脂がついてました。これは期待大です!
スズメダイのせごし

スズメダイの背ビレと尻ビレを切り落とし、薄く輪切りにしてみました。

魚の旨味は骨や皮と身の間にあることは知っていますが、骨や皮が硬そうなスズメダイ……期待と不安が半々です。
スズメダイの塩焼き

ウロコ付きとウロコ無しの2タイプの塩焼きを作ってみました!
ジュージューと脂が滴っていましたので、食べる前から美味そうと感じます。
スズメダイの煮つけ

万が一磯臭かったりしたときのために唐揚げに逃げようか迷いましたが、捌いた段階では磯臭さはまったくゼロでしたので、卵と一緒に煮つけにしてみました。
スズメダイの肝吸い

お刺身を作った際に出たアラからお出汁をとって、スズメダイの肝吸いを作ってみました。
鍋にはたくさんの脂が浮いています。香りもとっても良いです!

黄色いお出汁からも脂の乗りがハッキリ分かります。
肝が小さいのが少し物足りない感じもしますが、きっと美味しいはずです!
旬のスズメダイ!気になるお味は?!
脂の乗り方半端ない!甘くって旨すぎ

捌いた段階で感じた匂いゼロと脂の乗り、調理で感じた香り……正直言って今回の食レポは勝ち戦で間違いないでしょう!
満を持してお刺身からいただきますッ!

「んんんーッ!コレは美味いぞ!甘いッ!濃い!」文句なしの味です!
白身魚としてはトップクラスの美味。クセも無く万人受けすること間違いなしの味です。
皆さん食べてみた方が良いですよ。マジで!
塩焼きは香ばしくって箸が止まらない

暖かいうちに塩焼きを頬張ってみます。
皮に香りと旨味が凝縮して、何とも濃厚な味わい。刺身に劣らず大変美味です!
僕はあまりお酒を飲みませんが、これは日本酒に合いそうですよ!
初めて食べるせごしは?

骨を心配しながらせごしを食べてみます。

噛めば噛むほど、ジュワァ~っと口の中に旨味が広がります。思ったほど骨は気になりません。
お刺身よりも更に濃い旨味を味わいたい方は、せごしがオススメです!
肝は小さいながらも濃厚で美味

スズメダイの肝吸をすすってみます。やはり、脂を多く感じられるお出汁が出ています。メチャ旨い……もはや非の打ちどころが無い。
肝は小さく、あまり期待していませんでしたが、カワハギにも似た濃厚な味わいです! これを捨てるのはもったいない!
小骨にご注意を!

塩焼きやせごしで意外とスズメダイの骨食べられるやん!って油断していました。
煮つけも骨ごとガブリッとかぶりついたら、鋭い背ビレにやられました。
各ヒレの骨は鋭く硬いので、スズメダイを食べる際は気を付けて下さいね。
結論!スズメダイは堤防で釣れる魚の中でもトップクラスの美味

小さな魚なので、調理が少し面倒ですが、10尾も釣れば美味しい晩御飯になること間違いなしですよ!
初夏が旬とも言われるスズメダイ、釣って食べてみてはいかがでしょうか。
筆者紹介

初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活動中。
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どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017
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