レンタルボートで使うエレキ用バッテリーの基本
こんにちは、ikahimeです。今回は、レンタルボートで使うバッテリーの基本についてお話していきたいと思います。
写真は、レンタルボートエレキでもっともよく使われているマリン用バッテリー、ACDelcoのM27MFになります。
これを使用した、レンタルボートでのバッテリーの扱い方をご紹介していきます。
12V or 24V or 36V
まず前提として、レンタルボート用エレキには12V or 24V or 36V、3種類の電圧のモデルが用意されています。
そして、レンタルボートで使われるバッテリーは12Vの電圧。
バッテリーを直列繋ぎすることで電圧を調整しますので、それぞれ必要となるバッテリーの数が1個 or 2個 or 3個となります。
モーターガイド X5 80lb(24V)の場合
例えば私が愛用しているエレキ、モーターガイド X5 80lb(24V)ですと、24Vモデルですので12Vのバッテリーが2個必要となります。
12V出力のバッテリーを2個直列繋ぎして、エレキの電圧(24V)に合わせます。
延長コード
バッテリーとエレキは延長コードを使用してつなぎます。バッテリーは、ボートの前後バランスを最適にする目的でボート後方に配置するため、エレキのコードのみだと届かないためです。
バッテリー同士の接続は「ジャンパーケーブル」と呼ばれる短いケーブルで接続します。
バッテリーの危険性について
ショート注意
バッテリーは大量の電気を蓄えており、ひとつ扱いを間違えると大変危険です。プラスとマイナスを直結させてしまうと「ショート」してしまうので要注意です。
延長コード接続時に注意
具体的には、延長コードを先にバッテリーに繋いでしまって、エレキ側につなぐプラスとマイナス端子が触れてしまう事故が起こりやすいです。
延長コードは必ずエレキ側から繋ぐようにしましょう。一方で、片付けのときは必ずバッテリー側から先に外します。
車載時に注意
また車載時にも注意が必要で、バッテリーの上に金属製のボート製品を乗せてショートさせてしまうリスクがあります。
積載時には必ずバッテリー純正の端子カバーを取り付けます。そして、基本的には上には何も載せません。
ショートさせた事例
実際に私がショートさせてしまった事例をお伝えしておきます。
房総リザーバーのボート屋さんにある「運搬用カート」(☝︎写真の白いカート)で荷物を運搬しているときに、バッテリーの上にボートラダーを乗せてショートさせてしまったことがありました。
火花が散って煙が出るので、すぐにマズい事に気がついて事なきを得ましたが冷や汗をかきました。
バッテリーの選び方
ACデルコ M27MF
多くのユーザーが選ぶスタンダードなバッテリーがACデルコのM27MFです。肌感では9割程度のユーザーがM27MFを選んでいるように思います。
選ばれる理由は、可搬性と出力のバランスに優れているからですね。ただし丸一日釣りをしていると、その日の終わりごろに出力低下が起こる事もあります。
ACデルコ M31MF
M27MFより一回り大きなM31MFを使われるユーザーもいらっしゃいます。容量が大きいので広大なリザーバーで終日釣りをする場合は選択肢に入ります。しかしとにかく重たいので運搬が大変です。
オプティマバッテリー【OPTIMA】イエロートップ D1400S
ACデルコの次にユーザーが多いのが、オプティマ イエロートップです。ACデルコよりも高出力、そして許容する充電回数が多く長寿命なのが魅力。
価格は高いですが、ACデルコを頻繁に買い換えることを考えるとさほどコスト増というわけではないようです。
ただしこちらも重量は重たいので、運搬は大変です。
リチウムイオンバッテリー
鉛バッテリーに比べて圧倒的に軽量、かつ高出力なリチウムイオンバッテリーも台頭してきています。しかしまだまだ高額なこともあり、一部のユーザーが使い始めているという段階です。
入手方法は、国内のメーカーさんが保証をつけて販売しているものを購入する場合と、中国のECサイト(アリエクスプレスなど)から個人輸入する場合があります。
レンタルボートへのバッテリー搬入
搬入の仕方
バッテリーのボートへの搬入のコツとしては、手順があります。
・一旦ボート手前の桟橋にバッテリーをおく
・自分がボートに乗り込む
・バッテリーを搬入する
このような手順で搬入すると安全です。バッテリーを抱えた状態でボートに乗り込むとバランスを崩しやすく大変危険です。
また、他の荷物よりも先にバッテリーを積むのがおすすめです。
最初にバッテリーを積み込むことでボートが安定するため、その後の準備がしやすくなります。
置き方
置き方は、ボートの後方に置くようにします。こうすることで、船首側に乗るアングラーとの重量バランスをとることが可能です。
船首側を可能な限り軽くすることで、ボートのスピードも出るようになります。
それから、きちんとボートの真ん中(左右方向)に置くこと。重たいバッテリーが左右どちらかに少しでも傾いていると、ボートはバランスが崩れてしまいます。
繋ぎ方
繋ぎ方は先述したように必ずエレキ側から行いましょう。そうすることでショート事故を防ぐことができます。
・エレキのコードと延長コードを接続
・24V以上のエレキであればジャンパーケーブルでバッテリー同士を接続
・バッテリーと延長ケーブルを接続(その際、マイナス端子から接続するとより安全です。)
バッテリーの充電や寿命について
充電
充電は必ず専用の充電器(チャージャー)を使用しましょう。出力が合わない充電器を使用すると「過充電」と呼ばれる危険な状態になる可能性があります。
充電器には充電のアンペア数を選べる機能が付いています。例えば私の持っている充電器ですと2A/6A/10A/12A/15Aを選べるようになっています。
充電時のアンペア数は、だいたいバッテリーのアンペア数の1/10を目安に、それを下回るよう設定するのが基本です。
低いアンペア数を選ぶと充電に時間がかかりますが、一方でバッテリーの負担を抑えることが可能です。
急速充電すればするほどバッテリーが痛む、という原則は覚えておいて損はありません。
とはいえ、2Aでの充電ですと半日〜1日ほどの時間がかかってしまうこともあるため、私は基本的には6Aでの充電をしています。
AD-2002 ACデルコ 全自動バッテリー充電器 12V専用
過充電には要注意
充電時のアンペア数がバッテリーのアンペア数の1/10を“極端”に上回ると「過充電」と呼ばれる状態になってしまいます。
私は過去に、容量17Ahの魚探用小型バッテリーを6Aで充電してしまい、過充電を起こしました。
本来は1.7Aが適切のところ、6Aという約3倍もの電流を流したのでマズかったというわけです。
※硫黄のような匂いが発生するのですぐわかりますが、もし過充電状態に陥ってしまった場合は落ち着いて充電を停止し、すぐさま換気しましょう。(火災の危険があるガスです)
寿命について
M27MFの寿命ですが、週末にバスフィッシングに行くよ、という使用頻度でだいたい2〜3年といったところ。使おうと思えば5年ぐらい使うことができますが、1日持たなくなってきます。
廃棄について
廃バッテリーの処分については、自動車ディーラーやガソリンスタンドで無料で引き取ってもらえます。事前に連絡を入れてみて確認し、持っていけばOKです。
安全に運用しよう
以上、レンタルボートにおけるエレキバッテリーの基礎でした。私の事故事例も交えてご紹介させていただきました。
普通に運用する分にはまず事故は起こりえないと思いますが、大量の電気を扱うという事を肝に命じて、安全な運用を心がけていただけると幸いです。
この記事が、皆様の楽しいレンタルボートライフの手助けになれれば嬉しいです。
ライタープロフィール
ikahime
「バス釣り情報発信サイトikahime(イカヒメ)」を運営するikahimeです。ザ・アマチュアアングラー目線で、釣行記や製品レビュー等を書いています。リールカスタム、レンタルボートが大好き。バスはあまり釣れない、いわゆる「道具バサー」。
アングラー取材の動画をブログ記事でもご紹介。
取材を始めた理由などを語りました?
取材させていただけるアングラーさん「ゆる募」してます〜?
相模湖 アングラー取材 自作ロッド&フルカスタムリールで巻き物を楽しむアングラー https://t.co/fmRNVzyXYR @@ikahime_netより
— ikahime (@ikahime_net) November 10, 2020
関連記事
▼まずは“レンタル”でエレキの世界を知ってみよう!
▼愛用エレキ「モーターガイド」について
▼初めてのエレキ購入で気をつけたいこと
▼カスタム・装備品を強化してレンタルボートフィッシングを充実させよう!