渓流竿

渓流竿おすすめ12選【2022年最新版】

涼しげな自然の流れに身を置いて、美しい渓流魚と戯れる至福のひと時が渓流釣りの醍醐味。

今シーズンこそ、自然に浸れる渓流釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

今回の記事では、渓流釣りを始めてみたい方へ渓流竿の選び方やオススメの製品をご紹介していきます。

目次

渓流竿の特徴|万能竿(のべ竿)やテンカラ竿との違いについて

渓流竿の特徴と役割について

渓流竿

渓流の餌釣りで使用する釣り竿は『渓流竿』『延べ竿』と呼ばれ、ルアーロッドやフライロッドと違ってリールを取り付ける部品が付いていません。

リールを使わずに遠くのポイントや深い淵に餌を送り込むために、渓流釣りで使用する竿には適材適所の長さと硬さが必要

また強い川の流れの中で仕掛けを留めたり、渓流魚のアタリを明快に感じることも渓流竿の重要な役割です。

万能竿じゃ駄目なの?

渓流魚

釣具店には、フナやモロコなどを釣る為の安価な延べ竿が「万能竿」などの呼び名で1,000円程度で販売されていたりします。

極論、安い万能竿でも3m以上の長さがあれば渓流で魚釣りはできますが、快適に楽しめるかといえば、必ずしもそうとは言えません。また、長さによっては釣り場が限定されてしまいます。

渓流竿も安い商品では数千円から入手できるものがありますので、余裕がある方はぜひ、渓流竿を購入されることをオススメします。

テンカラ竿と渓流竿の違いは?

テンカラ竿

日本の渓流では“テンカラ釣り”というリールを使わない毛鉤釣りが古くから行われており、テンカラ釣りにものべ竿が使用されます。

竿を振って軽い毛鉤を軽快に遠くへ飛ばすことを目的に作られたテンカラ竿に対し、竿の長さを利用して餌を投入し、微かな流れの変化や魚のアタリを感度よく拾っていく渓流竿では、竿が果たす役割が大きく異なります

簡単に両者の違いを表現すると、テンカラ竿は軽くて短い竿、渓流竿は感度が良くて長い竿ということが言えるでしょう。

ただし万能竿と同様に、テンカラ竿でも釣り場のシチュエーション次第では餌釣りも可能です。源流や藪沢など木々が覆いかぶさるような環境では、むしろ3m台の短いテンカラ竿や万能竿が有効になることも。

次にご紹介する渓流の環境について把握した上で、自分にあった渓流竿を選んでいきましょう。

渓流竿の選び方|調子・硬さ・長さについて

渓流釣りに適した竿の長さ

渓流竿の長さ

渓流竿とはとても広義なもので、長さひとつとっても4m程度のものから10mの長尺ものまで様々あります。

渓流竿の長さは、“短すぎるとポイントに餌が届かない、長すぎると操作性が失われる”というデメリットを考慮しながら、釣行する川の規模に合わせて選ぶと良いでしょう。

一般的に、5.4~6.3mが渓流竿としては汎用性の高い長さと言えます。つい長い竿が欲しくなってしまうかもしれませんが、初心者の方ほど5m前後の取り回しの良い長さを選んだ方が良いでしょう。

先調子と胴調子

渓流釣り

調子とは竿の曲がり方を示すもので、先調子の竿は穂先だけがしなやかに曲がるため竿全体は張りがありシャキっとしているのに対し、胴調子は竿全体がしっかり曲がり込み魚の引きを受け止めます。

先調子と胴調子の中間的な調子を「掛け調子」と呼ぶことがあり、初心者の方には、仕掛けをポイントに振り込みやすい先調子から掛け調子の竿が適しています

超硬、硬調、中硬調

渓流竿の調子

出典:ダイワ

曲がり方の他にも硬さを示す目安があり、「超硬・硬調・中硬調」といった形で表記されます。

もっとも硬い「超硬」は、急流の中でニジマスやサクラマスといった大物を狙う際に使用されることが多い調子。

しなやかな「中硬調」は極端に細いハリスを扱うことができるため、魚が警戒心を抱かずに餌を咥えてくれるというメリットがありますが、超硬と対照的に大物への対応力に欠けます。成魚放流などが盛んに行われるような釣り人の多い渓流でスレた魚を相手にする際に活躍する調子。

「硬超」は、硬さとしなやかさのバランスが良く、汎用性が高いのが特徴で初心者向けと言えます。

仕舞寸法やズーム機能も要チェック

山を歩く渓流釣りは仕舞寸法も重要!

渓流竿の仕舞寸法が大事な理由

渓流釣りは“河原に車を停めてすぐに釣りができるフィールド”から、“山道を何時間も歩き崖を降ってようやく釣りができる源流”まで様々です。

山歩きを伴う場合は、リュックに入る仕舞寸法を確認してから購入すると良いでしょう。

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ズーム機能の有無も確認しておきましょう

渓流竿のズーム機能

出典:がまかつ

1本の竿で、2通りの長さで使用できる“ズーム機能”を搭載した渓流竿も販売されています。

「頭上に木があるから竿を短くしよう」や「川幅が広くなったから竿を伸ばそう」など、ズーム機能はなにかと便利なので、予算に余裕があればズーム機能付きの渓流竿がオススメですよ。

釣り場の環境に合わせた竿選びのポイント|源流・渓流・本流

源流域|川幅が狭く、木々に覆われるような環境

源流域での渓流竿の選び方

水源に近い源流域では、川幅が狭く周囲を木々に囲まれていることが多いので、竿の長さは4m前後の短いものが扱いやすいと言えます。

また、源流釣りは車からポイントまでの道のりが山道を使ったり、崖を登り降りしたりすることが多いので、リュックに収納して両手を空けられる短い仕舞寸法の竿を選ぶと良いでしょう。

また、源流域では仕掛けを短くした「チョウチン釣り」という釣法も効果的で、手元で竿を畳むことで長い竿を短くしながら使用することもあります。

源流域|竿選びの目安

  1. ●長さ:3.0~5.6m
  2. ●調子:先調子
  3. ●硬さ:硬調

▼源流釣りにおすすめの渓流竿4選はこちら▼

渓流域|車からのアクセスも良く、開けた河原や水量があり、釣り人も多い環境

渓流域での渓流竿の選び方

渓流域と呼ばれる環境は里川から山岳渓流まで様々ですが、今回は車からアクセスが良く、頭上も開けているような渓流を想定してみましょう。

渓流域で迷うのは竿の硬さです。基本的には「硬調」が扱いやすいのですが、釣り人が多く渓魚にプレッシャーが掛かっているような釣り場では極端に細いハリスを扱える「軟調」、ニジマスなど大物が期待できる場合は「超硬」を選んでも良いでしょう。

渓流域|竿選びの目安

  1. ●長さ:4.5~7.0m
  2. ●調子:先調子
  3. ●硬さ:硬調

▼渓流釣りにおすすめの渓流竿5選はこちら▼

本流域|一発大物狙いが本流釣りの魅力

本流域での渓流竿の選び方

本流と呼ばれる環境は、川幅が広いため長い竿が必要です。

また掛かってくる魚も30cmを超えるようなヤマメやアマゴ、流域によってはニジマスやブラウントラウト、サクラマスやサツキマスといった大物も期待できるフィールドも。

そのため、本流で使用する竿に求められるレベルは高く、“長さ”と“強さ”、そして長時間持っていられる“軽さ”を高次元で実現する必要があります。

そのため、本流竿と呼ばれる専用竿は価格面で高額商品が多くなります。

本流域|竿選びの目安

  1. ●長さ:7.0~10m
  2. ●調子:同調子

▼本流釣りにおすすめの渓流竿3選はこちら▼

源流釣りにおすすめの渓流竿4選

ダイワ 小継 清瀬 30S

【1万円以下】

ダイワから発売されている清瀬シリーズは、実売価格1万円以下で購入できる源流釣行向けの渓流竿シリーズ。安価なモデルでありながら、上位モデルに匹敵するメガトップ(無垢素材)を搭載し、伸ばした竿をたためなくなる現象を防ぐ固着防止リングを採用しています。


また、仕舞寸法が39cmと短く、容易にリュックに仕舞うことができるため、メインロッドとしてだけでなく、万が一のトラブルに備えたスペアロッドとしても活躍します。

全長3.02m
自重59g
継数10本
仕舞寸法39cm
先径/元径0.7/18.6mm
適合ハリスナイロン0.4−0.8号

ダイワ 雪渓 硬調 39M・R

【1万円台】

雪渓シリーズは、仕舞寸法41cmという源流遡行に欠かせない携行しやすい小仕舞設計に加え、感度と食い込みに優れたメガトップを採用することで、源流域のイワナやヤマメを狙うのに最適な先調子タイプの渓流竿シリーズ。


また、伸縮自在な30cm1節マルチレングスを採用することで、1本の竿で2通りの長さの竿として使えるのも魅力です。


源流釣りに特化した3.9mのモデルから渓流釣りに丁度良い5.3mまで、豊富にラインナップされています。

全長3.9m
自重82g
継数11本
仕舞寸法41.2cm
先径/元径0.8/22.5mm
適合ハリスナイロン0.3−1.0号
マルチレングス3.9-3.6m

シマノ 源流峰 硬硬調44

【2~3万円台】

源流峰は、チョウチン釣りを多用する源流域のイワナ釣りを想定して作られた生粋のイワナ竿


短い仕掛けを振り込みやすい先調子でありながら、40cm近いイワナを引き抜くことを想定して作られているため大物が掛かると粘りながら曲がりが入り、立ち位置を変えることなく魚の走りを止め、一気に抜き上げることができます。


厚膜塗装のダブルコートを施すことでブランクスに傷が付きにくく、頻繁に節を出し入れするチョウチン釣りでも竿の表面をしっかりとガードします。

全長4.4m
自重105g
継数10本
仕舞寸法48.3cm
先径/元径1.0mm/22.5mm
適合ハリスナイロン0.4-0.8号

がまかつ がま渓流 幻我2 源流

【5万円台】

 幻我2 源流5.4は、源流域での使用を想定して作られた仕舞40cmの渓流竿。


ハードな遡行や覆いかぶさる木々の中を釣る源流釣行で、とくにトラブルが起こりやすい穂先に極硬スーパートップIIを採用することで破損のリスクを抑えています。


高弾性カーボンを適所に配置することにより操作性と感度に優れており、ブレずに振り込みやアワセが決まる竿です。


中型までの渓魚なら有無も言わさず取り込め、尺上クラスであっても余裕をもって対応できるパワーを持っていますよ。

全長5.4m
自重160g
継数17本
仕舞寸法39.5cm
先径/元径0.9mm/26.3mm
適合ハリスナイロン0.3-1.2号

渓流釣りにおすすめの渓流竿5選

アルファタックル WIZZ 翠渓 54

【1万円以下】

安価な渓流竿をお探しの方にオススメなのが、アルファタックルの翠渓シリーズ。


決して上位機種のような軽さや丈夫さを求めてはいけませんが、実売価格5,000円程度で購入できることが最大の強みでしょう。


一年に数回しか渓流釣りに行かない方や、万が一メインの竿を破損させてしまった時に備えた予備竿をお探しの方にオススメです。

全長5.4m
自重212g
継数12本
仕舞寸法56cm
先径/元径0.7mm/22.8mm

ダイワ 春渓 硬調 61M・V

【1~2万円台】

春渓はベテランの渓流師だけでなく、渓流釣りに入門した方からも支持されるダイワを代表する渓流竿シリーズです。


渓流域では釣り場の状況や環境によって様々な調子や硬さの渓流竿が必要になるため、自分の渓流釣りに合った調子の竿を選んで購入しましょう。


硬調(メガトップ)は、渓流から源流域までオールラウンドに使える、操作性に優れたシャープな7:3調子。


抜硬調(細径カーボンチューブラー)は、細糸の適応力に優れ、意のままのナチュラルドリフトを可能にしながらも、掛ければ瞬時に抜けるパワーと瞬発力が特徴です。


超硬(カーボンチューブラー)は、大き目のオモリに対応出来るパワーを備えたチューブラー穂先に、 掛けた渓魚との強引なやり取りを可能にする胴の張りとタメ性能を備えるパワーモデルです。

全長6.1m
自重150g
継数13本
仕舞寸法52.7cm
先径/元径0.7mm/24.5mm
適合ハリスナイロン0.2−0.8号
マルチレングス6.1-5.7-5.2m

がまかつ がま渓流 マルチフレックス春彩 硬中硬5.4

【1~2万円台】

春彩は、がまかつが長らく培ってきた小継渓流竿のノウハウを注ぎ込み、上位機種にも劣らないスペックで完成させたモデル


竿に負荷が掛かっていない状態では操作性と感度に優れる先調子、仕掛の投入の際には負荷に応じて自然と竿に曲がりが入り粘るため、コントロール良く振り込むことができます。


竿の長さを調整できる2段マルチを搭載していますので、様々な渓相で使用が可能です。


今回ご紹介している硬中硬は、エサを違和感なく喰い込ませる柔軟な穂先を装備したモデルで、しなやかでありながら適度に張りのある胴は、繊細な仕掛を自由自在に扱えますよ。

全長5.4m
自重104g
継数12本
仕舞寸法54.7cm
先径/元径0.8mm/23.0mm
適合ハリスナイロン0.15-0.8号

シマノ 渓峰尖 ZW 硬調 61

【3~4万円台】

通常のカーボンソリッドよりやや張りを持たせたハイレスポンスソリッドを採用し、穂先部の節を極めて短く設計することでチューブラーにはないしなやかさと、通常のソリッドにはない軽さを両立。


シマノ渓峰尖(けいほうせん) ZWは、優れた喰い込み性能と持ち重り感を抑えたシャープな振り感が特徴の竿です。


コンパクトな50cm仕舞と3WAYズームは渓流域から源流まで幅広くカバーするため、1本の竿で何役もこなしてくれますよ。

全長6.1m
自重140g
継数15本
仕舞寸法50.2cm
先径/元径0.7mm/22.8mm
適合ハリスナイロン0.175-0.8号
マルチレングス6.1-5.8-5.5m

ダイワ 鋭覇 硬調 60・Q

【5万円台】

鋭覇は、ダイワ独自の“華厳先調子”が最新ロッドテクノロジーとの融合により進化した小継渓流竿モデル


本穂先には感度、食い込み、ドリフト性能のバランス性に優れたメガトップ穂先を採用しながらも、交換可能な穂先としてパワータイプの超弾性チタン合金穂先「スーパーメタルトップ」を標準付属しています。


スーパーメタルトップではカーボン素材では感じることが困難な、目印に出ないような微かなアタリも手元にしっかりと伝達します。

全長5.99m
自重125g
継数11本
仕舞寸法64.5cm
先径/元径0.7(0.75)mm/24.6mm
適合ハリス0.15-0.8号

本流釣りにおすすめの渓流竿3選

ダイワ エキスパート本流 P-3 75M・R

【5万円台】

エキスパート本流シリーズは、本流の大型ヤマメ・マス類を仕留めるためにパワーと粘りを重視して開発された本流竿の中心的存在です。


また、魚のやり取り時や取り込み時に竿の長さを伸縮させられる伸縮自在の“50cm1節マルチ”を搭載しています。


P-3 75M・Rという機種は、パワー・粘り・操作性を高次元で実現し、25cmクラスのヤマメやアマゴから40cmを超えるような大型ヤマメやニジマス、サツキマスまで幅広く対応する、オールラウンドモデルですよ。

全長7.5m
自重215g
継数8本
仕舞寸法134.9cm
先径/元径1.6mm/23.7mm
適合ハリスナイロン0.3−1.5号
マルチレングス7.0-7.5m

がまかつ がま渓流 本流スペシャル2 マルチフレックスH-9.0(8.5)

【9万円台】

本流スペシャル2シリーズは中流から本流域において、サイズを問わず様々な状況に対応できるよう幅広くラインナップしている渓流竿シリーズです。


高弾性炭素繊維『トレカ(R)M40X』を採用し、徹底した品質管理のもとで生産された純国産竿です。


今回ご紹介するマルチフレックスH-9.0(8.5)というモデルは、竿の長さを変えられるマルチフレックスを搭載した万能モデルで、全国の本流域で活躍でき、細ハリスで尺物が狙えるといった特徴があります。

全長9.20m
自重390g
継数9本
仕舞寸法127.1cm
先径/元径2.1mm/26.6mm
適合ハリスナイロン1.0-4.0号
マルチレングス8.6-9.2m

シマノ スーパーゲーム スペシャル GOWAN ZW HHH86-92

【10万円以上】

終日振っても疲れなければ、本流竿は長いほど「遠くのスジを流せる」「流す距離を稼げる」といったメリットが大きくなります。


そこで、『細身で軽く、長くしたうえシャープであること』をテーマに掲げて開発された本流竿。


今回ご紹介するGOWAN ZW HHH86-92というモデルは、非回転式「超感」トップを搭載することで、不意に喰ってくる大物の引きをモノともしない屈強さを備えます。


7kgクラスのサーモンとも堂々と渡り合える、まさに本流のモンスターを手玉に取る剛腕竿ですよ。

全長9.20m
自重390g
継数9本
仕舞寸法127.1cm
先径/元径2.1mm/26.6mm
適合ハリスナイロン1.0-4.0号
マルチレングス9.2-8.6m

渓流竿はじつに多種多様

渓流釣り

今回は『渓流竿』と呼ばれるジャンルの釣り竿の選び方からおすすめモデルをご紹介しました。

おさらいになりますが、渓流釣りの“竿選び”はどんな釣り場に自分が釣行するか把握することが大切です。

色んな釣り場に行ってみたい方は、5~6m程度で可変することができる硬調の竿がオススメですし、1つの川に通い込む方は、その川にベストマッチする竿を探すのも渓流釣りの楽しみ方のひとつと言えるでしょう。

撮影:山根 央之

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