ありのままの生き物との距離が近い“磯遊び”
タイドプールで楽しむ磯遊びとは
手軽に自然の中で遊べるアウトドアレジャーのひとつ“磯遊び”。
磯場の潮が引くことで一時的にできる「タイドプール(潮だまり)」と呼ばれる水辺には、カニやエビ、小魚などたくさんの生き物が生息しています。
磯遊びの魅力
磯遊びの醍醐味は、なんといっても生き物たちの距離の近さでしょう。
ビーチでの海水浴とは一味違った海遊びを体験できますよ!
【大前提】磯遊びは自然に一歩踏み入れる遊びで危険が伴う
ライフセーバーが見守ってくれている管理された海水浴場とは違い、磯場には危険がつきものです。
生き物たちが棲む世界に自分たちが一歩踏み込んでいるということを忘れずに、自然をリスペクトしながら以下のことなどに気をつけて服装や履物をしっかり準備して安全に楽しみましょう。
▼磯遊びでの注意点▼
- ●高波のときは遊べません(遠くに台風が発生している時はとくに注意)
- ●水深は一定ではありません
- ●転んで裂傷を負われる方が非常に多いこと
- ●毒や牙、棘を持つ生き物もいます
- ●熱中症にご注意ください
磯遊びに必要な服装や道具
▼磯遊びに必要な服装や道具▼
- ●マリンシューズ
- ●グローブ
- ●帽子
- ●ラッシュガードや速乾ロングTシャツ
- ●水中メガネ
- ●網・釣具など生き物を捕まえる道具
- ●バケツ・生物観察キット
グローブ&滑りにくい靴
安全に生き物を捕まえたり、岩場に手をついたりするためにグローブを着用するようにしましょう。
また、砂浜のビーチと違って磯場はとても滑りやすいのでサンダルではなく、滑りにくい靴底のマリンシューズなどを履くと良いでしょう。
岩についたカキやフジツボなどが原因で転倒すると、思わぬ大怪我に繋がる場合がありますので、安全対策万全で楽しみましょう。
リーフツアラー 子供用マリングローブ
マジックテープタイプで子供でも付けやすいマリングローブ。
伸縮性に優れた素材ですよ。
サイズ | S, M |
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カラー | ブルー, ピンク |
リーフツアラー 子ども用ハイカットマリンシューズ
くるぶしまで保護するハイカットタイプ。
お子様の磯遊びやシュノーケリングに最適なシューズです。
サイズ | 15~22cm |
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カラー | ブルー/レッド |
磯遊びの服装は帽子&長袖長ズボンがオススメ
怪我と日焼け対策として、服装は長袖長ズボンが良いでしょう。
ラッシュガードだけでも着ておくと、思わぬ転倒の際に裂傷を軽度にできたりします。
また、水深が深い場所や小さなお子さんと一緒の場合は、必ずライフジャケットを用意しましょう。
浮き輪よりもライフジャケットの方が安全。手足を自由に動かせるので、磯遊びの楽しさも倍増しますよ!
リーフツアラー 子ども用シュノーケリングベスト
お子さんには、ライフジャケットを着せてあげましょう。
ライフジャケットは水難事故を防ぐだけでなく、転倒した際のクッションとしても役立ちます。
サイズ | S(身長95~135cm / 胸囲49~67cm / 浮力3.4kg), M(身長125~165cm / 胸囲61~84cm / 浮力5.4kg) |
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暑さ対策と思わぬ怪我に対応できるようにしましょう
真夏の海はとにかく暑いので注意が必要です! でも、楽しいからついつい水分補給を忘れがち。子どもたちに意識的に水分を取らせてあげましょう。
他にも紫外線対策やイソブヨ、藪蚊といった虫刺され対策も取りましょう。
また磯場では、ウニやカキなどを誤って触ってしまい刺さったり切ったり、ちょっとした怪我を負うことがあるので救急セットもあると良いでしょう。
▼磯遊びに用意しておきたいもの▼
- ●飲み物(多めに用意)
- ●日焼け止め
- ●虫よけスプレー
- ●救急セット(消毒液、絆創膏、毛抜きなど)
“潮位が引いている時間帯”を把握してから出かけましょう
潮が引いているときに遊びましょう
タイドプール(潮だまり)は、海の水が引くことで姿を現します。
そのため磯遊びに出掛ける場合は、干潮の時刻を把握することが重要です。
潮の引き方は日々変化する
気象庁のHPや各種アプリなどで、行き先の干潮時刻を調べてみましょう。
例えば、正午に干潮をむかえる大潮の場合は、9時ごろに現場につくと3~4時間程度楽しむことができるでしょう。
満ち潮にご注意ください
干潮時刻を過ぎると満ち潮に変わり、みるみる内に水位が上昇してきます。
1日の潮位の変化は地域によって様々ですが、関東近郊では最大で2m近く変化しますので、満ち潮に変わったら片付けを開始して、いつでも海から上がれるようにしましょう。
磯遊びの醍醐味は生き物探しだ!
カニの仲間
磯遊びで一番捕まえやすいのは、ヤドカリやカニの仲間です。
干上がった場所の石をひっくり返すと飛び出してくるので、素早く捕まえてみましょう。
ヒトデの仲間
水の中をジックリ探してみると、ヒトデやアメフラシといった動きの遅い生き物を見つけることができます。
魚の仲間
まるで水溜まりのような場所にも、意外と思えるくらい色々な魚が泳いでいます。
ハゼやボラの仲間、カワハギやフグの仲間などが定番キャラクターと言えるでしょう。
生き物を実際に捕まえて観察してみましょう
ガサガサ用の網がオススメ
生き物を実際に捕まえてみたい方は、ガサガサ用の網や金魚網の大きめの物を用意すると良いでしょう。
網は2本あると、逃げようとする生き物を挟み撃ちのようにして捕まえることができますよ。
魚の切り身を持っておくと、より一層楽しめますよ
追いかけて捕まえられない生き物は、餌を使っておびき寄せてみてはいかがでしょうか。
サンマやサバなど魚の切り身を少し持っていくと、魚だけでなくカニやヒトデが集まってきます。
凧糸などで縛って餌を沈め、静かに5分程待ってみましょう。
集まってきた生き物を、そうっと静かに、時に素早く、生き物の動きに合わせて網ですくい上げましょう。
割りばしと釣り針だけで魚が釣れちゃうことも
タイドプールの岩の隙間には、なかなか姿を見せないカサゴやムラソイ、ギンポといった大物が潜んでいることがあります。
そんな生き物は釣り針を使って、“魚釣り”に挑戦してみましょう。
竿やリールといった道具は無くっても大丈夫! 割りばしや木の枝に釣り糸と針があればOKですよ。
▼石の間に棲むギンポの釣り方はコチラ
漁業権対象生物に注意しましょう
磯遊びでは、サザエやワカメといった食材として身近な生き物や海藻もタイドプールで見つけることができます。
しかし、これらの生き物や海藻に漁業権が設定されている場合、知らずに獲ってしまっても“密漁”になってしまいます。
漁業権に設定されているものは自治体によって異なりますので確認が必要ですが、基本的に磯遊びではキャッチ&リリースで楽しむと良いでしょう。
磯遊びで気をつけたい毒や棘を持った生物たち
ゴンズイ
毒や棘、牙などで身を守っている生き物もタイドプールに棲んでいます。
ゴンズイは背ビレと胸ビレに毒針を持つナマズの仲間で、幼魚は写真のように綺麗な群れを作って暮らしています。
玉のように群れている魚を見つけたら、捕まえずに観察に留めましょう。
▼ゴンズイに刺された時の対処法はコチラ
ハオコゼ
成魚でも8cm前後と小さな魚ですが、ヒレに毒をもつハオコゼという魚にも注意しましょう。
日中は岩陰に隠れていることが多く、岩の間などに素手を突っ込んで刺されないように注意しましょう。
▼注意したいハオコゼの詳しい記事はコチラ
ウニの仲間
タイドプールには、ウニの仲間がたくさん棲んでいます。
触らないように気を付けていても、うっかり刺されてしまう……ウニはそんな存在なので注意しましょう。
他にも遭遇率の高さに差はありますが、以下のような生き物には注意が必要です。
生き物から攻撃を仕掛けてくることはほとんどありませんので、磯遊びに行く前に図鑑などで触ってはいけない生き物を予習しておくと良いでしょう。
▼要注意な水辺の生物たち▼
- ●ミノカサゴの仲間
- ●オニオコゼの仲間
- ●アイゴの仲間
- ●クラゲの仲間
- ●イソギンチャクの仲間
- ●ヒョウモンダコ
- ●エイの仲間
- ●ウツボの仲間
- ●ウミヘビの仲間
- ●イモガイなど
無理せず“安全第一”で磯遊びを満喫しましょう
今回の記事では子どもが喜ぶことはもちろん、気が付けば大人も一緒に夢中になれる“磯遊び”について持ち物や注意点、いっそう楽しむためのコツをご紹介しました。
実際に水辺で生き物を捕まえようとしてみると、上手に捕まえられなかったりするかもしれませんが、じっくり動きを観察しながら親子で作戦を考えてみましょう。
工夫したり苦労した末に捕まえられた瞬間の喜びは格別ですよ!