水難事故の生存率は“ライフジャケット”の有無で大きく左右する
上記のグラフは、国土交通省が公開しているライフジャケットの着用の有無によって、生存率・死亡率がどの程度変わるのか表したグラフです。
このデータを見るとライフジャケットを着用することにより、なんと2倍以上生存率が高くなるというデータ。
これだけでもライフジャケットの必要性は十分に伝わってきますね。
ライフジャケットはどのような場所でつけるべきか?
■死者・行方不明者(子供)の場所別数
平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | ||
人数 | 人数 | 人数 | 人数 | 人数 | 構成比 | |
海 | 2 | 4 | 3 | 9 | 5 | 17.9% |
河川 | 20 | 17 | 10 | 15 | 18 | 64.3% |
湖沼池 | 3 | 3 | 3 | 2 | 1 | 3.6% |
用水路 | 3 | 1 | 4 | 2 | 3 | 10.7% |
プール | 3 | 1 | 1 | 2 | ||
その他 | 1 | 1 | 3.6% | |||
合計 | 31 | 26 | 22 | 30 | 28 | ― |
ライフジャケットが必要になるのは、海だけではありません。河川や湖沼などの浅瀬であっても必ず着用するようにしましょう。
警察庁の「令和2年における水難の概況」に記載されている上の表を見ると、子供が水難事故により死者・行方不明として発見される場所の約64%が河川であるという事実。次いで、海、湖沼となりますが、その差は約14%ほど。
たとえ海釣り公園やキャンプ場といった整備された環境であったとしても、ライフジャケットは必ず着用するようにしましょう。
子供用ライフジャケットの選び方
子供用ライフジャケットもタイプやメーカーなど、様々なものがラインナップされています。
より安全な製品を選ぶためにも、以下のポイントを押さえてライフジャケットを購入するようにしましょう。
幼児用のライフジャケットは“浮力体式”を選ぼう!
▼浮力体式(個形式)
▼膨張式
ライフジャケットは、おもに2種類のタイプに分類されます。
お子様におすすめなのが「浮力体式(固形式)」、浮力体がそのまま生地の下に埋め込まれているタイプで、水に落ちてもそのまま浮き上がることができるタイプ。
近年主流となりつつある種類は「膨張式」、落水時にボンベから空気が出ることにより、浮力体を膨らませるタイプです。
膨張式は収納性に優れ利便性が高いものの、扱い方によっては誤作動を起こしてしまうことも……。
浮力体が予期せぬタイミングで膨らんでしまうことがあるため、幼児用としては不向きと言えるでしょう。
お子さんの成長に合わせて“膨張式”を選ぶ際の注意点
お子様の成長に合わせて、船釣りなどに行けるようになれば膨張式ライフジャケットを検討してもよいでしょう。
膨張式には、紐を引っ張ると浮力体が膨張する手動膨張式と、水に濡れた際自動的に浮力体が膨らむ自動膨張式の2種類があります。
落水した時に慌ててしまい、手動膨張の紐を冷静に引けない可能性があるため、自動膨張がおすすめですよ。
遊漁船での釣りを楽しむためには『桜マーク付き』が必須
平成30年2月1日より遊漁船に乗船する際は、桜マーク付きのライフジャケットの着用が義務化されました。
桜マークとは、国土交通省が設けた試験に合格した製品のみに押される桜型の証印。
ライフジャケットを購入する際は、遊漁船での利用も視野に入れ桜マークが付いている製品か、よく確認をしてから購入するようにしましょう。
また、桜マークの中でもタイプが別れており、使用可能な船舶が限られることもあります。
釣りで使用する場合は『タイプA』を選んでおけば間違いありません。
子供の大きさにあったサイズを見極めよう
大人向けのライフジャケットの多くはフリーサイズですが、子供の場合年齢によって身長のバラつきが多いため、身長やウェストサイズにあった製品を選ぶのがポイントです。
衣類は「成長を見越して少し大き目のサイズを買う」という方も多いかもしれませんが、ライフジャケットはサイズが合っていないと、落水時にすっぽ抜けてしまう可能性もあります。
すっぽ抜けを防ぐためにも、「股ベルト」があるタイプを選ぶのも重要な点。
おもに浮力体式(個形式)は身長表記、膨張式はウェストサイズでサイズが記載されていますので、購入時に必ずチェックするようにしてみてください。
またライフジャケットには推奨体重があり、子供の体重に応じたライフジャケットを選ぶ必要があります。
【身長別】おすすめの子供用ライフジャケット10選
こちらでは様々なメーカーの製品の中から、おすすめのライフジャケットを身長別でご紹介します。
■80~100cm前後の子供向けライフジャケット
身長80〜100cmは、おおよそ2〜4才児(幼児)の平均的な身長にあたります。
まだ足元もおぼつかない年齢なので、水場に遊びに行く時は、個形式ライフジャケットを必ず着用するようにしましょう。
ブルーストーム BSJ-212I
1935年に創業以来ライフジャケットや救命胴衣など、救命器具の販売を一貫して行ってきたブルーストームが販売するライフジャケット「ヒューぺ」。
可愛らしいデザインで、肩には視認性が高い反射布をは使用しているので夜でも安心。
万が一、うつ伏せのまま落水しても反転して浮くよう設計されています。
キャプテンスタッグ MC-2554
キャンプ用品などをメイン取り扱っているキャプテンスタッグの「MC-2554」。
視認性の高い黄色いベストに、落水時に脱げを防止するレッグストラップがついています。
■100~120cm前後の子供用ライフジャケット
身長100〜120cmは、4〜7才児の平均的な身長。
デザインも80〜100cm向けのライフジャケットと比較すると、本格的なライフジャケットに近いデザインのものが増えてきますね。
ブルーストーム BSJ-212C
「ブルーストーム BSJ-212C」は桜マークタイプA付きなので、堤防釣りや水遊びから船釣りまで対応するライフジャケット。
ライフジャケットを着るときはバックルを留めてからベルトを締めるだけの簡単操作で、動き回るお子様にもスムーズに着させてあげることができます。
もちろん、すっぽ抜け防止の股ベルトも採用されていますよ。
キャプテンスタッグ MC-2501
キャプテンスタッグから販売されている「MC-2501」。
視認性の高い黄色とオレンジ色を使ったデザインで、肩部は子供の体型に合わせて調整が可能な調整ベルト&股ベルトも採用されています。
ちょっとした小物を入れられるポケット付きも嬉しいポイントですね。
■120~140cm前後の子供用ライフジャケット
身長120〜140cmは、7〜10才児の平均的な身長にあたります。この頃になると活発に行動をするため、ライフジャケットの着用を嫌がるかもしれません。
しかしながら、水難事故は予期せぬタイミングで起きることも。ライフジャケットを脱がせないように徹底しましょう。
ブルーストーム BSJ-212Y
「ブルーストーム BSJ-210Y」はベルトの調整幅が広く、成長の早い子供にも幅広く対応するライフジャケット。
ベスト内側には笛を内蔵しており、万が一のときに使用することができます。
国土交通省型式承認桜マーク(タイプA)を取得しており、浮力はもちろん強度もあるため、水遊びから船釣りまで安心して使用することができます。
プロックス マリンベストDX 笛付(PX3893J)
視認性の高いポップなカラー全3色から選べるフローティングベスト。
肩とウェストは調整ベルト付きで子供の身体に合わせてサイズ調整し、着用可能。
緊急ホイッスルや救助把手付きと万が一の備えも充実しています。
他にも落水時のすっぽ抜けを防いでくれる股ベルトや夜でも視認性が高い、リフレクターなどを備えたフローティングベストです。
■子供が大きくなったら膨張式ライフジャケットも視野に
膨張式ライフジャケットの最小サイズは、ウェスト55cm程度となるため年齢によっては、サイズが合わないこともあります。
ウェストサイズ55cmは、身長約100cmの平均的なウェストサイズなので、早くても身長が100cm以上になる頃から購入を検討してみてください。
また膨張式ライフジャケットには、遊漁船に乗船できる桜マーク付きライフジャケットも豊富です。
ダイワ DF-2608(インフレーダブルライフジャケット 肩掛けタイプ)
国土交通省型式承認品 桜マークタイプA取得品で、レジャーから船釣りまで対応するライフジャケット。
ウェストは55〜140cmまで調節可能で、子供はもちろん大人でも着用可能です。
また立体裁断設計になっており、ゴワツキが抑えられており、不快感が少なく快適に使うことができる膨張式ライフジャケットですよ。
ダイワ DF-2709(インフレーダブルライフジャケット ウェストタイプ)
軽量・スリムタイプの膨張式ライフジャケット。
ウェストタイプで釣りの邪魔にならずに動きやすく、立体裁断を採用しているので腰回りにぴったりフィットするように設計されています。
桜マークタイプAを取得しているので、船釣りにも使用することができますよ。
ダイワ DF-2709
ウエスト:55 - 140cm
浮力:7.5kg
■ルアーフィッシングなら子供用フローティングベストを選ぼう
子供用のライフジャケットにも、本格的なルアーフィッシング向けのライフジャケット(フローティングベスト)が販売されています。
大人用の製品のように、ルアーケースをライフジャケットに入れるポケットが豊富なので、利便性が高いのが特徴です。
タカミヤ Jr.フローティングベストDX
前面に大型のファスナー付きピケットを備え、釣り小物などを収納することができるフローティングベスト。
十分な浮力を持ち緊急ホイッスルや股ベルト付きで、万が一の落水時にも安心です。
他にも落水時に引き上げやすい背面ハンドルや肩への負担を軽減するウエストベルトなどを備えており、親子でルアーフィッシングを楽しみたい方におすすめのフローティングベストですよ。
タカミヤ Jr.フローティングベストSS
落水時に水に浮くための浮力はもちろん、転倒時の衝撃吸収にも役立つフローティングベスト。
衝撃に強いYKK製バックルを採用しており、万が一のときも安心の強度を備えています。
ベスト前面には夜間でも視認性の高い反射板や、ファスナー付きのポケットが大小合わせて6つもあるので、様々な小物をたっぷり収納することができます。
子供と船に乗る時のライフジャケットの選び方
船釣りや沖堤防など、遊漁船に乗る場合は国の安全基準を満たしている「桜マーク」の付いたライフジャケットが必要です。
桜マークにも用途に応じて種類が4種類あり、使用可能な船舶がそれぞれ違ってきます。
ここではそれぞれの桜マークの違いについてご説明します。
桜マークタイプAについて
表:タイプ別ライフジャケット使用基準
タイプ | 使用可能な船舶 |
A | すべての小型船舶 |
D | 陸岸から近い水域のみを航行する旅客船・漁船以外の小型船舶 |
F | 陸岸から近い水域のみを航行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等でかつ旅客戦・漁船以外のもの) |
G | 湾内や湖川のみを運行する不沈性能、緊急エンジン停止スイッチ、ホーンを有した小型船舶(水上バイク等)でかつ旅客船・漁船以外のもの |
船釣りで遊漁船に乗りたい場合は国土交通省が示す、上記表で分かるように「タイプA」の桜マークが付いたライフジャケットの着用が義務付けられています。
船釣りも視野に入れてライフジャケットを探している人は必ず、「桜マーク タイプA付きのライフジャケット」を探すようにしましょう。
桜マーク付き|子供におすすめのライフジャケット5選
ダイワ DF-3921(チャイルドフローティングベスト)
安心の釣り具メーカー、ダイワから販売されているライフジャケット。
国土交通省型式承認品(桜マーク)タイプAなので、水辺のレジャーから船釣りまでこれ一つで全て対応可能。
着るときはバックルを留めて、ベルトを締め付けるだけで簡単装備!
安心股ベルト付きで、万が一の時のために笛も付いたライフジャケットです。
シマノ キッズボートベスト
大手釣り具メーカーシマノから発売されている、桜マークタイプA付きのキッズボートベスト。
調整しやすく、着せつけが簡単なフロントバックルを採用。
肩部には大きく反射材を使用し、夜間でも視認性が高く万が一の落水を想定したホイッスル付きです。
ダイワ DF-2822(チャイルドライフジャケット)
ダイワから発売されている、肩掛け自動・手動膨張タイプのチャイルドライフジャケット。
肩掛けタイプなので動きやすく、ウエストベルトは44〜90cmまで調整可能で、成長の早い子供にも対応することができます。
ベルトを留めて、ベルトを締める付けるだけの簡単着用が可能。
2本の股ベルトが付いており、落水時のすっぽ抜けを防止し、引き上げ用のベルトも付いています。
プロックス 小型船舶用救命胴衣(型式認定)子供用 TK13B2S
桜マークタイプAのオーソドックスなライフジャケット。
肩部分には夜間でも光に反射する反射材を採用し、緊急時用のホイッスル付きです。
オーシャンライフ オーシャンJr-1S&1M型 TYPE A
オーシャンライフから発売されているライフジャケットは視認性の高い、イエローとレッドの2色が展開されています。
落水時のすっぽ抜けを防止する股ベルトや、子供の身体にぴったいフィットさせることができる「3点バックル」などを採用。
他にも反射材や緊急ホイッスルなど、万が一に備えて装備が充実しているベストです。
ライフジャケットを着せて安全に釣りを楽しもう!
水深がある海などでは、ライフジャケットを着用する方が多いと思いますが、河川や湖沼、浅瀬などでも水難事故にあう可能性は十分にあります。
釣りや水泳などのレジャーを楽しむ時は、最新の子供に合ったライフジャケットを購入しておきましょう。