イカが釣りたいあなたへ

季節は冬。一般的にアオリイカのシーズンは終わり、エギングは閑散期を迎えてしまうことがほとんど。
冬でもめげずにエギングをする方や、中にはハイシーズンでもイカが釣れなくて、エギング自体を嫌いになる方もいるかもしれません。
それでも「イカが釣りたい!」と思うあなたへ、餌巻きエギングを提案します。
餌巻きエギングって?

読んで字のごとく、エギに餌を巻いて行うエギングのこと。
カスタマイズ方法は簡単。エギに餌となるものを背負わせるだけ。
フィッシュイーターであるイカ達はアミノ酸、つまりたんぱく質が大好物であり、捕食の判断基準の一つにしているといわれています。
つまり、たんぱく質豊富な鳥のササミなどをエギに背負わせ、より釣りやすくする……という魂胆なのです。
本当に釣れるのか

理屈は分かりました。でも、『エサ巻きエギング』は本当に効果があるのでしょうか?
今回は九州在住のパパアングラー「釣り好き!まっちゃん」が実際にチャレンジしてみました!
エサを自作

今回は定番エサである、鶏のささ身を自作で準備してみます。
もちろん釣具屋さんで購入することが出来ますが、自作することでコストを抑えられ、なおかつ自分で作ったエサで釣り上げる醍醐味を味わえますよ!
【材料】
鶏のささ身
塩
新聞紙
キッチンペーパー
①エギのサイズにカット

カットする際は、この後の工程で水分を抜くと身が縮んでしまいます。
エギの全長よりやや長くを意識してください。
またエギの背中に乗せた際、極力フォールバランスが崩れないよう、身の厚さを均等にすることもポイントですよ。
②水分をしっかり抜く

カットが終わったら新聞紙の上にキッチンペーパーを重ね、塩を多めに振っておきます。
更に上からサンドイッチするようにキッチンペーパーを乗せ、新聞紙でくるめばOKです。
水分が染み出てきますので、ビニール袋に入れて冷蔵庫で寝かせましょう。


2日経ったら濡れた新聞紙とキッチンペーパーを新しいものに取り換え、更に1~2日待ちましょう。
冷凍して完成


最後の仕上げとして1日程度、冷凍庫で眠らせれば日持ちが良く崩れにくいエサの完成です。
今回は鶏のささ身を行いましたが、アジやキビナゴなども同じ手順で塩締めすることが出来ます。
水分を抜くことが目的ですので、他にも干して水分を飛ばす方法や、喰いを良くする漬込み液や着色するといった方法もありますよ。
エサをセット

エサの準備が完了したらエサをセットしていきましょう。
今回使用するエギは、普段から愛用しているYAMASHITAの「エギ王K」にエサを巻いていきます。
シャロータイプがオススメ!

重いものを“おんぶ”させる状態となりますので、当然ながらフォールスピードは早くなってしまいます。
巻くエサの自重や形状によりますが、ベーシックタイプはファーストシンキングへ、シャロータイプはベーシックタイプへといったようにワンランクスピードが上がることを念頭に置き、現場で使い分けていきましょう。
針金を装備

0.3ミリ前後の針金をアイ部分、またはエギの重り部分を軸に針金を固定していきます。
手で作業を行うと上手く固定が出来ないことや、怪我に繋がる恐れがありますのでペンチを使用して下さい。
針金は釣具屋さんやホームセンターで購入することが出来ますが、100均製でも十分使えます。コストを抑えたい方はオススメですよ!
エサを固定して準備完了

針金の固定が終わったら、エギの背中にエサを乗せ針金でグルグル巻きにしていきます。
エギは水中でアクションしますので、しっかりとした固定がキーポイントです。
エギのフォール姿勢が極力変わらないよう、背中の全体と中心軸に乗せることを意識しましょう。

針金の固定がなかなか上手くいかない……という方は、結束バンドでの代用も可能ですよ!
実釣してみた

さぁ、いよいよ実践です。
運が良く風の無いナイトゲームとなりましたが寒波が到来しており、釣りをするには最悪のコンディション。
生命感を感じない海ですが、ささみを信じて実釣を開始します。
キャストの前にしておくこと

エギングで私が最も意識しているのは、フォールの姿勢です。
せっかくいいアクションをしても、喰わせ間であるフォールに違和感を与えてしまうとイカは抱いてくれず、離れてしまう場面も多いのです。
エサ巻きエギが完成したら、一度足元で真っ直ぐフォールしているかを確認してみて下さい。
エサを乗せすぎてフラついているようであれば、チャンスを逃す可能性がありますので面倒かも知れませんが惜しむことなくエサを付け直しましょう。
キャスト後はアタリに集中

エサ巻きエギングで思われがちなのが、エサに喰い付くためオートマチックに釣れるということです。
あくまでエギを抱かせる時間が伸びるだけであり、しっかりとしたアワセが釣果に差が付く重要事項となっていきます。
通常のエギング同様、ラインや微妙な変化に神経を研ぎ澄ませ、取りこぼしの無いよう集中して挑みましょう。
夜明けと同時にアオリイカが

夜が明けはじめ、ボトムステイを中心に探っていると、ラインに生命感のある変化が!
真冬の堤防に上がってきたのは、300グラムほどのアオリイカ。
リリースサイズのアオリイカでしたが、しっかりささ身部分に抱きついており、自分のカスタマイズで釣り上げた喜びに感無量です。
このあと同じサイズをもう一杯追加し、朝まずめが終わったところで納竿となりました。
ビギナーにもオススメ!

餌巻きエギングは、『イカのアタリがいまいち分からない』方や『最初の一杯をどうしても釣りたい』エギングビギナーさんの強力サポートアイテム。
状況によってはエサ巻きエギだけに反応するといったケースもありますので、“どうしても外したくない”そんな日のリーサルウエポンとして準備することもオススメします。
今回ご紹介したエサ巻きエギングはあくまでも一例ですので、固定概念に縛られる事無く色んな釣法にチャレンジしてみるのも楽しみ方の一つですよ。
今回使用した道具
エギ王Kシャロー 3.5号
安定したスローフォールでスレイカを攻略するシャロー・スーパーシャロータイプ。サイズ:3.5号 全長:105mm 自重:20g シャロー沈下速度:約6秒/m
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エギ王Kシャロー 3.5号