エギングのしゃくり方について
数年前から爆発的に人口増加した日本古来の餌木を使用する人気のショアエギング。
手軽に食べておいしいアオリイカが釣れることから、エギングをきっかけに釣りを始めたアングラーの方も少なくありません。筆者も実際にエギングに行った際、エギをアクションさせる際に発生する風切り音は堤防でよく耳にするようになりましたが、そのしゃくり方は本当に正しいのでしょうか?
年々ハイプレッシャー傾向が見られるアオリイカを攻略できるよう『エギングのしゃくり方で意識するべき5つのポイント』を一緒にみていきましょう。
アオリイカは賢い!エギをよく見ている?
「しゃくり方はなんとなくでいいでしょ。」と思っていませんか?
諸説ありますが、イカの知能は高くエギをよく見ていると言われています。実際には、動物が鏡の中の自分を認識できるかどうかを調べるミラーテストをクリア。また胴体にくらべても脳と目は大きく、状況を目で判断できることが分かっています。
釣り人の中でもまことしやかにささやかれている『エギに騙されることなく一生を終えた警戒心の強い個体のDNAが次世代に受け継がれている』という説もあるほど。アオリイカはその目と頭脳でしっかりとエギを判断しているのかもしれませんね。
だからこそしゃくりはとっても大切な要素!
エギングのしゃくりはエギに生命感を吹き込む大切な動作。アオリイカがもしもエギをしっかり見て判断しているのだとしたら、しゃくり方の動作ひとつで釣果は大きく変わってしまいますよね。
「これって本当に正しいのかな?イカにはどう見えているのだろう?」と不安になる前に、エギの操作をマスターしておきましょう!
エギングの基本をおさらい
初心に戻り、まずはアオリイカを釣り上げる一連の流れ、基本テクニックを見ていきましょう。
キャスト
ストラクチャーや狙う場所が特になければ、エギを出来るだけ遠くにキャストして、イカに出会えるチャンスを増やしましょう。
※注意点※
キャスト前のたらしを短くしているエギンガーもいらっしゃいますよね。3.5号のエギは約20グラム超の重さがあり、たらしを短くしたままフルキャストするとロッドへの負担が大きく、最悪の場合折れることもあります。ロッドへの負担を軽減できるよう、グリップ側の元ガイド付近までたらしを取ることをおすすめします。
またキャスト時はティップ絡みがないか、後方に人がいないか、周囲確認を忘れずに行ってください。
着底/カウントダウン
キャスト後はラインが風の抵抗を受けないよう糸ふけを取り、エギを着底させましょう。エギの沈下速度に合わせ、放出されるラインが止まれば着底の合図です。キャストしてから着底までの秒数を数えておく(カウントダウン)と着底感知や水深の変化が分かり易くなります。
またラインストップが着底前に発生すればイカが抱いている可能性が高いので、一度合わせを行ってみて下さい。
しゃくりで誘う
着底後はエギングの代名詞的ロッドアクション“しゃくり”で、エギに生命感を吹き込みます。
一回のしゃくり動作はロッドを下から上に振り上げる→しゃくり時に発生した糸ふけを回収するまでが一連の流れとなります。この動作を連続で行い、2段しゃくり、3段しゃくりと、その日のイカに反応がいいパターンを取り入れていきます。
フォールで抱かせる
エギをしゃくり上げた後はフォール姿勢へと移行します。イカはフォール中にエギを抱くことが多く、フォール中は、アタリを見逃さないよう神経を研ぎ澄ませてください。
フォールのスタイルはラインテンションをかけずエギを真っ直ぐ落とすフリーフォールと、ラインテンションをかけエギを落とすテンションフォールの大きく二種類に分けられます。
エギングに不慣れな場合は、アタリを感知し易いテンションフォールから取り入れてみましょう。他の釣りと比べてアタリの出方は繊細です。弾くような感覚やラインを引っ張られているような感じなど、違和感があった際は、恥ずかしがらずにアワセをいれてみましょう。
ランディング
足元までイカを寄せたら、いよいよランディングです。足元まで浮いてきてもジェット噴射で抵抗することが多くありますので、針外れに注意し、最後まで油断しないで下さい。イカが大きくなればなるほど取り込み時のラインブレイクや身切れの可能性が出てくるので、イカを取り込むアイテム『ギャフ』の使用をおすすめします。
リリースボタンでロックされたキャップが開く新構造を採用。使用感、取り回しもよく、エギンガー一押しのアイテムです。
第一精工 オートキングギャフ 500
重量:500g
カーボン含有率:80%
ハンガー、ストラップ付
しゃくりで意識するべき5つのポイント
アングラーによってしゃくり方が様々。形は違えど基本のポイントをしっかり抑えたエギングが、やはりいい結果に結びつきやすいはずです。しゃくり時に意識する5つの基本ポイントとは?
自分とエギを直線にする
比較的ライトタックルとなるエギングでは、風の影響を受けやすい釣種です。ラインが横に大きく膨らむような横風では、エギが真っ直ぐ沈下せず、違和感を感じたイカは警戒モードに入ってしまいます。もし横風になる場合は立ち位置をずらしたりラインを海面につけ、影響を最小限に抑えましょう。
それでも難しければ思い切って移動! キャストする方向に対して風向きが正面もしくは背面から吹く、ポイント選びを行うのもひとつの手段ですよ。
12時の方向を意識する
しゃくり時のロッド可動域は、おおよそ8~12時方向となります。エギが遠くにあるときは、この可動域をフルに使った『大きいしゃくり』を意識して下さい。エギは遠くにあるほど動きが伝わりにくく、小さいしゃくりではほとんどアクションしていません。
同じペースでしゃくり続け、エギが水面から飛び出してきた経験はないでしょうか? 近くにあるエギは動きが伝わり易く、小さな力でもしっかり動かすことが出来ます。この原理をしっかりと理解し、しゃくりの力加減をマスターしましょう!
エギの位置を意識する
海中にあるエギが今どのあたりにあるか位置を把握することも大事なポイント。位置を意識することで、アタリがあった場所や見えないストラクチャー位置を確認でき、何度も攻めることが可能となります。
10メートル刻みのマーカー入りラインや、オレンジ色など視認性の高いラインを使うとエギの位置がより分かり易くなります。
ラインメンディング
イカに違和感を与えない真っすぐなフォールを目指すには、ラインメンディングが重要不可欠になります。キャスト時はラインスラック(糸ふけ)を極力少なくし、自分とエギを繋ぐラインを真っすぐメンディングしながら安定したフォール姿勢をキープしましょう。
エギが常に自分の方向を向くようコントロールすることも、姿勢を保った自然なフォールに繋げるコツですよ!
縦と横の使い分け
しゃくり=エギを下から上に跳ね上がるイメージがありますよね。しかし、横にダートするアクションも状況によって大きな力を発揮することがあります。特に高活性な新子が多い、夏~秋にかけては有効的なアクションとなります。
またアマモの上や水深がない場所でも根掛かりしないよう横の動きが活きてくる場面。状況に合わせて縦方向と横方向アクションの使い分けを意識しましょう。
フィールドで実践してみよう
″百聞は一見に如かず″とことわざがあるように、フィールドにて5つのポイントを意識したしゃくり、エギングを実践してみて下さい。自分が描いた狙い通りの展開でターゲットに出会うことが出来れば、より一層エギングが楽しくなること間違いありません! 是非ともフィールドへ足を運び、サイズや重量に関係ない価値のある一杯を狙ってみて下さい。
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