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腫れ物に触る? タブー視されるブラックバスの「ネスト」の話

腫れ物に触る? タブー視されるブラックバスの「ネスト」の話

春のバス釣りで頻繁に耳にする「プリ」「アフター」「ネスト」。

しかし、その関係を正しく理解している人は意外と多くありません。

この記事では、ネストフィッシングを推奨するのではなく、ブラックバスの産卵行動を知ることで見えてくる“春バスの本質”をわかりやすく解説します。

目次

ブラックバスのネストって知ってる?

ブラックバスは産卵のためにネスト(産卵床)を作ります。

アメリカでは「ベッド」と呼ばれることもあります。

水底を円形に整地した場所へ卵を産み、オスが外敵から守る——それがブラックバスの持つ代表的な繁殖行動です。

ただし、日本ではネストを狙った釣りはタブー視されることも多く、情報もあまり表には出てきません。いわば“腫れ物に触る”ような領域でもあります。

ビックリマン高田

筆者としては、ネストフィッシングのハウツーを積極的に発信するべきではないと考えています。

本記事はネストの釣りを推奨も否定もしません

この記事は、ネストの釣り方を解説するものではなく、ネストフィッシングを肯定・否定するものでもありません。

では、なぜネストの話をするのか。

それは、ネストという習性とその場所を知ることで、冬から夏にかけてのバスの動きが驚くほど理解しやすくなるからです。

2月から7月にかけて、ブラックバスは産卵というイベントを軸にポジションを変えていきます。言い換えれば、一年の半分近くはスポーニングを基準に行動しているということ。

ビックリマン高田

もちろん、「産卵絡みの魚は釣りたくない」という考え方もあります。

その場合は、8月〜1月をメインシーズンとして楽しむのも一つの選択でしょう。

プリスポーンもアフタースポーンも産卵基準で考える

プリスポーンは産卵前、アフタースポーンは産卵後。

言葉にすると単純ですが、その意味を本当に理解するには、“産卵そのもの”を知る必要があります。

つまり、ネストに関する知識は、春のバスフィッシングを理解するうえで避けて通れない要素なのです。

ネストを知る

ネストの位置を知る

ネストはどこに作られるのか。

基本となるのはシャロー(水深の浅い場所)です。フィールドによって感覚は異なりますが、浅い場所では水深30cm前後でも産卵が行われます。

多くの場合、ネストが作られるのは2mより浅いレンジ。ただし、平均水深の深いリザーバーなどでは2〜4m、場合によっては6m付近で確認されるケースもあります。

さらに稀な例では、7m以深でそれらしい行動が見られることもあります。ただ、その環境で卵が正常に孵化しているかについては、疑問視する声も少なくありません。

ブラックバスがシャローで産卵する理由は、卵の孵化に太陽光と水温上昇が重要だからだと考えられています。

ネストは“賃貸住宅”?

ブラックバスは、一から場所を作るというより、条件の整った場所を利用する傾向があります。

前年に他の魚が使ったスポットをそのまま使うケースも多く、結果として毎年似たような場所にネストが作られやすくなります。

流れや冷たさを避けられる場所を好む

ワンドの奥や岩場など、水温が上がりやすく冷えにくい場所は、ネストの候補地として選ばれやすい傾向があります。

とくにワンド最奥は条件が揃いやすく、多くの個体が集まる一級スポット

そのため、場所を取れなかった個体は、少し沖側や周辺エリアにネストを構えることもあります。

ビックリマン高田

近年はプレッシャーを避けるためか、あえて沖にネストを作る個体も一定数確認されています。

硬いボトムに産む

ネストは、基本的にハードボトムに作られます。

バスはベッドを綺麗に整地する行動が多く見られ、泥底ではほとんど産卵しません。

“硬い水底”であることが重要な条件のひとつです。

プリスポーンの狙い所

初期プリは「越冬場所とネストの中間」

プリスポーン初期のバスは、越冬場所からネストへ向かう移動の途中にいます。

多くの場合、いきなりシャローへ差すのではなく、一段下のレンジで止まる習性があります。

このタイミングの個体は積極的にエサを食うため、非常に狙い目。

いわゆる「セカンダリースポット」がこれに該当し、ミオ筋、水門、リップラップ、マンメイドストラクチャーなどが代表的です。

産卵直前はネスト近くで浮く

スポーン直前になると、バスは体を温めるためか、中層〜表層に浮きやすくなります。

縦ストラクチャーやオーバーハングにサスペンドする個体も多く、この段階の魚はセレクティブながらもルアーに反応します。

ペア=ネストとは限らない

ペアで行動しているからといって、必ずしも産卵しているとは限りません。

ネスト付近にいても、まだ産卵前というケースは多く、この状態では威嚇バイトもほとんど見られません。

口を使うことはありますが、非常に繊細な状態です。

ビックリマン高田

スポーニングの進行段階は複雑で、人間が思っている以上にさまざまな状態が存在します。

とても興味深いアフタースポーニング

稚魚を守り終えたオスの行動

フライガード(稚魚を守る状態)のオスは、あるタイミングで急にモードが切り替わり、自分の子を捕食し始めることがあります。

それを合図にするように、稚魚たちは一斉に巣立っていきます。すべての個体で見られるわけではありませんが、決して珍しい現象ではありません。

一度産卵したメスが再びスポーンへ向かうことも

産卵を終えたメスの中には、一度回復して再びスポーニングに向かう個体もいます。

いわゆる「半プリ」と呼ばれる状態で、威嚇と捕食が混在する非常に複雑なフェーズです。

直後はネスト周辺から大きく動かない

産卵直後の個体は、基本的にネスト周辺に留まります。

素早く追わなくても捕食できるエビなどを食べていることが多いです。

さらに、回復途中は水面に浮く個体も多いですが、体力が低いためスローな展開が鍵になります。

回復後は広く動き、群れることも

体力を回復したバスは、徐々にベイトを追い始めます。

シャローを広く回遊したり、個体によっては少しずつディープへ落ちていったりします。

ビックリマン高田

基本的には、産卵場所の近くから徐々に行動範囲を広げていくため、回復度合いを想像しながら追うのが面白いタイミングです。

バスは生き物。マニュアル通りにはいかない

ここまでスポーニングに関する習性を解説してきましたが、すべての個体がマニュアル通りに動くわけではありません。

例えば、他のペアのネスト付近に居着く半プリのメスなど、一見すると理解しづらい行動も珍しくありません。

あくまで傾向として捉えつつ、実際にフィールドで観察することで理解は深まっていきます。

ビックリマン高田

ネストという知識を持って水辺に立つと、これまでとは違う景色が見えてくるはずです。

撮影:ビックリマン高田

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