“明日”は○℃だから釣れる(活性が高い)だろう……

「その考え、間違いです!」
待ちに待った週末。明日の気温から、水温を予想して“明日は○℃”だから釣れる(バスの活性も高い)だろうと考えている方はいませんか?
実際の所「100%間違いだ!」と言い切れるものでもありません。(注目して欲しいが為に強い表現になってしまった事、お許しください)
ですが、ここまでして、みなさんには釣行日の当日よりも見て欲しい数字があるのです。それが……
釣行日の3日、2日、1日前の気温(水温)!!!
バスと水温の関係について、じっくりと解説していきます!
そもそもバスは“変温動物”

水温は私達が過ごしている地上の温度と同じように日光や寒波などの影響を受けて変動します。
人間は気温によって「暖かい」「寒い」と感じます。冬は寒いですし、夏は暑いですよね。気温によって動きやすさ、食べたくなるもの、居心地のいい場所も違ってくるでしょう。
それと同じ…否、それ以上にブラックバスは水温の変化を大きく感じ取ります。
同時に動きやすさ、食べたくなるもの、居心地のいい場所も水温によって大きく変わってくるのです。そのため水温というのはとても重要なファクターとなります。

わたしたち人間は恒温動物で、寒い0℃の環境にいても、暑い35℃の環境にいても体温はある程度一定に保つことができます。冬に体温計で体温を測ったら2℃しかなかった、なんてことはありえませんよね。
一方バスを含む魚類は、体温が一定でなく周りの水温によって変化する変温動物。
バスの適水温は18〜27度!って言われているケド…

ブラックバス釣りのムック本などを見ているとブラックバスの適水温はおおよそ18〜27℃(22〜27℃としていることも)と言われています。
ではその適水温以外ではバスは釣れないのか?と言われるとそういうわけではなく、水温が一桁まで下がる真冬も、30℃を超えるような真夏でも魚は釣れてくれます。
ただし言われている適水温であれば魚は動きやすく、小さなバスの活性があがるのは確かだと感じます。
適水温とは「バスにとって快適な水温」ではあるけど
「適水温を外すと釣れない訳ではない」ことを、覚えておいてください。
【小話し】大型の個体は低水温に可能性が!?
先日、編集部0氏がこんな事を言っていました。
もちろん、私の腕の問題もあるかもしれませんが、平均気温が12℃くらいの時期まで(12月くらい)が釣れるギリギリのラインかなって感じで
1〜2月はまずバス釣りに行きません。バチ抜け(シーバス)やりますwww

確かに、秋〜冬に向かうにつれて10℃を下回ってくると見えバスが激減します。
活性も下がるので、イージーに釣るのはなかなか難しくなってきますよね。
確かに、バチ抜けシーバスも面白いですが、冬の大型狙いも面白いですよ!

じつは低水温期は大型の魚が狙いやすくなる側面もあります。
写真は真冬2月上旬の水温8℃で釣れた59cmブラックバスです。結論からいうと大型のブラックバスを狙う上では水温10℃以下はむしろチャンスと言えるでしょう。
小さい魚が動きづらくなるため、問題なく餌を捕食できる大型のバスに狙いを絞り込めるからです。
ただ6℃を下回ってきてしまうと実際かなりシビアな釣りになってくるイメージはあります。まったく釣れない事もないんですけどね!
▼冬はどうして釣れないのか

また春先、水温が13℃を超えるとバスはスポーニング(産卵)を意識した行動を取ると言われています。
具体的には浅場(シャロー)を目指して、越冬していたポイントから移動して、産卵相手を探します。

多くの春バス狙いの方が、この水温(3月あたり)を狙って釣りに出かけると思うのですが、10度以下でもスポーニングを意識する個体がいるのも事実なんです。
▼春のバス釣り関連記事
【最も重要】水温変化に着目すべし!

ここまで、○℃が適水温、○℃以下が釣りづらいといった”絶対的な温度”について触れましたが
絶対的な温度は「目安にしかならない」と考えています。
筆者が最も重要だと考える水温の要素は”相対的な水温変化”。
バスは変温動物で、急激な水温低下には滅法弱く、それがたとえ1℃でも、バスの活性に大きな影響を与えます。
適水温と呼ばれる間の水温での変化も同じで、例えば26℃の水温が、冷たい雨などの影響で24℃まで下がったとしましょう。ここで……
今日は「24℃」だから「適水温」で「活性が高いだろう」と考えるか
昨日から「−2℃」も下がったから「活性も下がったかもしれない」と考えるかでは
アプローチの仕方が全然変わってきてしまうのです。
変化した水温にバスが慣れると反応はまるで違う
急激な冷え込みなどで1〜2℃水温がガクッ!と落ちた後に数日経って安定すると、タフだった魚も次第に口を使うようになります。
バス釣りと水温を考える上で最も重要なのは、水温の安定。
バスは週末の1日だけではなく、それよりもずっと前からその湖にいて、その水温の変化を感じているのです。
水温を意識してバスフィッシングをより深く楽しもう

水の中で生活するバスを狙うバスフィッシング。水の温度を知ることは彼らの動きやすさ、食べたくなるもの、居心地のいい場所を知ることに繋がります。
水温を色んな方向から意識することでバスフィッシングをより深く楽しみましょう。
ライタープロフィール
Always had high hopes.
I wanted Monsters,I want Monsters…
Put my past Trophy’s .I vie for new Trophy’s.2019:5100g
2020:5110g
2008:4800g
2019:4600g#sences#transcendencejp pic.twitter.com/DbNIWc6LNH— ビックリマン高田雄介 (@bikkurimantkd) April 7, 2020
海外釣行ツアーChillTrip所属のプロガイドであり、Transcendenceのロッドデザイナー。年間釣行日数は300日ほど。GTから近所の小魚まで淡水海水問わずになんでも釣ります。
国内での釣行はバスフィッシングがメイン。琵琶湖のモンスターバスフィッシングが得意分野です。