管釣り用ルアーって渓流でも釣れる?

管釣り用ルアー(エリアトラウト)って、数あるルアーの中でもかなり特殊な形をしたものが多いですよね。
「本当にこれで魚が食いつくの?」と疑いたくなるようなルックスなのに、なぜか釣れてしまう不思議な魅力があります。
そんな管釣りルアーを自然の渓流でも使ってみることに。
KOBAYASHI
湧き上がる疑問と少しの好奇心を胸に、いつもの渓流で試しに投げてみました。
すると、面白い結果に。
今回試すのは特殊形状のルアー

今回、渓流に持ち込んだ管釣り用ルアーは次の3つです。
セニョールトルネード(ザクトクラフト)

管釣りの世界では「反則級」とまで言われるルアー。
針金にビーズが通されたシンプルすぎる構造で、指に巻き付けてスプリング状にしてから使います。
水中でくるくると回転しながら泳ぐ独特のアクションが特徴で、管理釣り場によっては使用禁止にしているほどです。
ザクトクラフト セニョールトルネード
| 重量 | 1.7g |
|---|
鱒ノ小枝(DAIWA)

DAIWAの管釣り用ルアー。
上向きリップと4連結ジョイント構造を採用しており、ゆっくり巻くだけでミミズのようなクネクネアクションを演出します。
超小型のチャターベイトのような動きが特徴です。
DAIWA 鱒ノ小枝
| 重量 | 1.5g |
|---|
Xスティック(リセント)

最後は「Xスティック」という謎のルアー。
一見ただの棒にしか見えませんが、管釣りでは渋い状況で活躍する“お助けルアー”的存在。
沈下速度や巻き速度にコツがあるようです。
リセント Xスティック
| 重量 | 1.2g |
|---|
管釣りルアーを持って渓流へ

とある日に訪れた渓流。
この日は解禁直後ということもあり、まずは魚の反応を見るため、普段どおり渓流ルアーで釣りを開始しました。

開始早々、元気な小型のアマゴがヒット。
ネイティブの渓流魚は、やはりキビキビ動くミノーへの反応が良好です。

ある程度釣り歩いた先には堰堤が。
流れがヨレており、「ここぞ!」といったスポットだったのでこのタイミングで管釣りルアーを導入です。

一番釣れそうな「鱒ノ小枝」を投げてみるとまさかの一投目でヒット!
KOBAYASHI
半信半疑で投げていたので、「まさか本当に釣れるとは!」と正直かなり驚きました。
嬉しさも相まって大興奮です。
その後もチェイスが多く、バラしながらもコンスタントにヒット。
管釣りルアーの可能性を感じ始めていましたが……

「Xスティック」を投げてみるも反応はなし。

色々な意味で最も期待していた「セニョールトルネード」は、ラインに絡まって戻ってくることが多く、そもそも釣り場とルアーが噛み合わず、まともに釣りが成立しませんでした。

気を取り直して「鱒ノ小枝」に戻してみると、やはり反応が良好。
KOBAYASHI
結果的に、今回もっとも魚を連れてきたのは「鱒ノ小枝」でした。
渓流で管釣りルアーを使ってみて感じたこと
数釣り向きの可能性

まず率直に感じたのは、「数釣り向きなのでは?」という点です。
とにかくチェイスが多く、素早いミノーだと追いつけない小型の個体を拾っていける感覚があり、そうした魚をテンポ良く拾っていける感覚がありました。
ルアーの構造上、どうしても動きがスローになりがちで、見切られる場面もあります。
KOBAYASHI
そのため、キャストコースや流し方を工夫して食わせる面白さを感じました。
流れによる使用感の違い

渓流ミノーは流れがある前提に開発されていますが、管釣りルアーの多くは流れのない、もしくは非常に緩やかな止水域で使うことを前提に設計されています。
流芯に入れるとあっという間に流れに負けて、意図したアクションが出せなくなるのが弱点です。

一方で、流れにうまく乗せ、テンカラのようにフライ感覚で流してやると、魚が下から食い上げてきます。
時には魚体を水面から割って食ってくる個体もあり、非常にエキサイティング。
ミノーではなかなか味わえないタイプのバイトです。
KOBAYASHI
ミノーには反応しない魚を釣る可能性や、面白さがここにあるのではないか?
と感じつつ、まさにフライフィッシングをやっているかのような錯覚をしました。
餌の違いに注意

管理釣り場のトラウトは、基本的にペレット(人工飼料)で育った放流魚。
色や波動に反応しやすく、セニョールトルネードのような「自然界に存在しない動き」にも素直にバイトしてきます。
一方、渓流に棲むヤマメやアマゴ、イワナは自然の中で川虫や小魚を食べて育っています。
彼らが反応するのは「見慣れた餌に似た動き」。くるくる回転するワイヤーの塊が流れてきても、「何コレ?」で終わる可能性は十分にあります。
鱒ノ小枝の“ミミズ的アクション”は渓流魚にも通用しましたが、スローに見せすぎると見切られる場面も多くありました。
KOBAYASHI
ネイティブ生まれの魚を侮ってはいけないなと感じましたね。
飛距離が伸びない

これは使ってみるとすぐに実感するポイントです。
管釣りルアーは軽いモノが多いため、キャストすると思った以上に飛びません。渓流では対岸のピンスポットへ正確にルアーを送り込む場面が多いですが、そういった精密なキャストには向いていないのが正直なところ。
管釣りでは足元から数メートル先にキャストすれば十分ですが、渓流ではある程度の飛距離がないとスポットに届かないケースが出てきます。
KOBAYASHI
ですが、源流近くの小場所などでは逆に活きることもあるので、ポイントによって使い分けると良いように感じます。
フックはデフォルトではバーブレス

管釣りルアーのフックは基本的にデフォルトではバーブレス(カエシなし)です。
渓流では足場が不安定なうえ、魚に予想外の方向へ走られてバラすこともあります。
一方で、バーブレスは刺さりが良いというメリットもあり、積極的に掛けていく釣りには相性の良さも感じました。
KOBAYASHI
キャッチ&リリース主体であれば、魚へのダメージを抑えやすい点でもバーブレスは魅力的です。
メインにはならないが「秘密兵器」としてアリ!

今回、渓流で管釣りルアーを試した結果、全てが通用するわけではありませんでしたが、確かな可能性を感じる検証となりました。
とくに「鱒ノ小枝」のようなアクションは、ミノーを追いきれない小型魚の数釣りや、テンカラのように水面を割らせるエキサイティングな釣りに効果を発揮します。
一方で、止水域前提の設計ゆえに強い流れに弱く、軽量で飛距離が出ない点や、ネイティブな渓流魚には不自然な動きが見切られやすいといった課題も明確になりました。
KOBAYASHI
渓流ミノーの代役にはなりませんが、緩やかな流れや小場所での「秘密兵器」として忍ばせておけば、普段とは違うアプローチで渓流釣りをさらに楽しめそうです。
撮影:DAISUKE KOBAYASHI
