現代社会はストレスのバーゲンセール!

仕事終わり、なんとなく水辺に行きたくなる。
そんな衝動を感じたことはありませんか?
理由はうまく言語化できないけれど、釣りに行くと不思議と気分が楽になる。この感覚、釣り人なら多かれ少なかれ心当たりがあるのではないでしょうか。
じつはこれ、「気のせい」でも「ただの現実逃避」でもありません。脳やストレスホルモン、自律神経が、科学的に反応しているのです。
そこで今回は、学術論文を読み漁るのが趣味の私が、釣りとメンタルの深い関係を徹底解剖します。
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釣りが「最高のメンタルケア」である理由を、データとともに見ていきましょう!
水辺で過ごすだけでストレスが下がる。釣りとメンタルの関係

釣りに行くとストレスが消える、とずっと感じていました。
仕事や人間関係がモヤモヤするとき、とにかく釣りに行く。それが、最近の私のルーティンです。
あるとき、その理由を調べたくなって、釣りやアウトドアに関する学術論文を調べまくってみたのです。すると、釣りとメンタルに関する研究データが数多く見つかりました。
自然の中にいるだけでストレスホルモンが下がる

出典:PIXTA
まずは、自然そのものとストレスの関係について調べた研究を紹介します。
ミシガン大学のHunterらが2019年に発表した研究では、自然の中で過ごす時間とストレスホルモン「コルチゾール」の変化を8週間にわたって追跡しました。
その結果、自然の中で過ごすだけで、1時間あたり約21%のコルチゾール低下が示唆されており、その効率が最も高かったのは「20〜30分」の滞在時間だったことがわかったのです。
つまり、仕事帰りに立ち寄る1時間弱の釣行でも、釣り場にいるだけでストレスは下がり始めている可能性がある。「釣れたかどうか」とは関係なく、自然の中に身を置いた時点で、すでに癒やしは始まっているのです。
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ちょっと疲れたな、と感じたときこそ、近場の釣り場へ足を向けてみてください。
遠征しなくても、長時間粘らなくても、近場の水辺で釣りをするだけで心が晴れやかになっていくはずです。
海・川・湖の「水辺環境」はより高い回復効果が期待できる

撮影:山根央之
自然にリラクゼーション効果があることは、前のセクションでお伝えした通りです。
では、さらに「釣り場ならでは」のリラクゼーション効果についてもご紹介します。
近年の研究により、海・川・湖などの水辺環境「ブルースペース(Blue Space)」は、一般的な自然環境と比べてもメンタルへの回復効果がとりわけ高いことが報告されています。
その理由として同論文では、直接的なストレス軽減、自然の中での身体活動促進、そして都市の騒音や大気汚染といった環境ストレスからの隔離、この3つの相乗作用を指摘しています。
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水の揺らぎ、光の反射、波音のリズム。
これらは視覚・聴覚・嗅覚の複数チャンネルを通じて同時に脳へ働きかけ、日々のストレスから私たちを切り離してくれるようです。
集中する対象があるから、釣りは脳のリセットに効く

撮影:Ricordo 鈴木孝寿(SUU)
さらに、釣りならではのメンタルケア効果も明らかになっています。
釣りがユニークなのは、「集中する対象がある」という点。
ウキを見つめる、ラインの張りを感じる、潮の変化を読む。これらは「今この瞬間に意識を向ける」マインドフルネスと同じ構造を持ちます。
しかし、通常のマインドフルネスのような練習や知識を一切必要としません。心を無にしてじっとしている「瞑想」は難しいと感じる方でも、釣りなら雑念をそぎ落として「今ここ」に集中できるはずです。
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ブルーライトやSNS、仕事、人間関係など……さまざまな雑念で飽和した脳が、釣りに集中することでリセットされていく。
これが、釣りならではのすっきり感をもたらしてくれるのかもしれません。
セロトニン大放出!「早起き&日光浴」の強制コンボ

撮影:TSURI HACK編集部
休日の朝、多くの現代人はお昼まで寝ていたいところですが、釣り人は違います。
まだ星が瞬く暗いうちから起き出し、意気揚々と水辺へ向かう。そして、釣り場で迎える美しい朝焼け。
じつはこの「朝の光を浴びる」という行為こそが、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を促すのです。
セロトニンは精神の安定に直結する、メンタルケアにおける重要物質。釣果がどうであれ、朝日を浴びて深呼吸した時点で、心は自然と整い、幸せホルモンに満たされていきます。
セロトニンは、夜になると睡眠ホルモン「メラトニン」に変換されるため、朝日をしっかり浴びた日は睡眠の質も高まりやすくなります。朝から全力で釣りを楽しみ、疲労感+ホルモン分泌の影響で夜はぐっすり眠る。その相乗効果で、メンタルがより整っていくのです。
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ただ、前夜のワクワクで一睡もできず、ただの睡眠不足でフラフラになるのは釣り人の悲しい性。
できるだけ睡眠時間をしっかり確保しつつ、釣り場に向かう運転では安全運転第一で、水辺の朝焼けを堪能してくださいね!
水辺の音にも癒される

出典:pixabay
波の音や川のせせらぎを聴いていると、なんだか癒やされる感覚はありませんか?
寝るときや仕事中に、自然音をBGMにしている方も多いでしょう。
波音が心地よく感じられるのは、音の中に含まれる「1/fゆらぎ」というリズムの影響と考えられています。
一定のようでいて、決して同じではない不規則なゆらぎが、人間の自律神経と共鳴するように働きかけるのです。
そして、じつは釣り場にはもう一段上の効果があります。
近年の研究(Fukushima et al., 2019)により、“現場の自然音”に含まれる「人間の耳には聞こえない超高周波」が、私たちの自律神経を深くリラックスさせてくれることが分かりました。
波の音、風の揺らぎ、木々のざわめき、鳥の鳴き声が混ざり合う水辺。こうした超高周波を含む自然音も、メンタル回復を促してくれるのです。
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釣り人はもともと、水や風のちょっとした変化を感じ取るために、無意識のうちに音に耳を澄ませている人が多いはず。
だからこそ、音の作用も相まって釣りの癒し効果が高まるのかもしれません。
ソロか仲間とか?スタイルで得られる癒やしが変わる

ソロ釣行派、仲間と賑やかに行く派、あなたはどちらでしょうか?
メンタルケアの観点でどちらが効果的かを考えるなら、「どちらにも異なるメリットがある」というのが、研究から見えてきた答えです。
ソロ釣行は「自分で選んだ孤独」だから心の充電になる

撮影:Ricordo 鈴木孝寿(SUU)
誰にも気を遣わず、自分のペースで動けること。ソロ釣行の魅力は、まさにそこに尽きます。
Weinsteinらが2021年に発表した研究では、「自分の意志で選んだ孤独な時間(自律的孤独)」について報告されています。
他者への気遣いといった社会的役割から解放されることで、リラクゼーションや感情の調整、自己との対話といった恩恵をもたらすというものです。
さらに同研究チームが2023年に発表した調査では、興味深いことが示されました。
一人でいる時間は寂しさを生むリスクがある一方で、「自らの意志で選んだ孤独」であればそのネガティブな影響は打ち消される。むしろ日々のストレスを明確に軽減し、自由な感覚を高める効果が期待できると、データで裏付けられています。
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一人で水辺に向かい、誰の目も気にせず静かに糸を垂らす時間は、まさにこの「自律的な孤独」そのもの。
仕事や人間関係で人に気を遣いすぎて疲れたとき、ソロ釣行が無性にしたくなるのは、本能的に極めて正しい判断なのです。
一緒に釣りをすると絆が深まり、幸福感が上がる

出典:PIXTA
一方、複数人での釣りには、また別の効果があります。
オックスフォード大学のCohenらが2022年に発表した研究では、屋外でのチームアクティビティに参加したグループは終了後の主観的幸福感が有意に向上し、とくに「チームとしての絆(social bonding)」の感覚が幸福感の上昇を強く予測したと報告されています。
これを釣りに当てはめると、「同じ目標(魚を釣る)に向かって一緒に水辺に立つ」という構造そのものが、仲間との絆を強める機能を持つということ。
誰かが釣れたときに一緒に喜び、ボウズのときに一緒に慰め合う。そのやり取りが、日常の人間関係では得にくい種類の「相互依存の喜び」を生み出しています。
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父と子で、夫婦で、あるいは久しぶりに会う旧友と。
言葉が少なくても、並んで同じ水面を眺めるだけで、何かが深まっている感覚がある。あれは気のせいではなかったようです。
さあ、メンタルケアのために釣りに出かけよう!

釣りが「メンタルケア」に効果的であることが、さまざまな学術研究から分かりました。
これほど有意義なヘルスケア・アクティビティに出会えたことは、釣り人にとって何よりの幸せかもしれません。
週末の予定がまだ決まっていないなら、ぜひ近所の釣具屋さんを、そして川や海を覗いてみてください。
釣り場には、ストレス社会を生き抜くための「最高の癒し」が、あなたを待っています!
本記事で使用されている一部の画像は、画像生成AIを使用して生成されたものでありフィクションです。登場する人物、団体、名称、場所などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。
