チャーターボートとは

チャーターボートとは、その名の通り一隻を丸ごと貸し切って利用できる船のことです。
20〜40ftほどの比較的小型船が多く、人数や釣り物に合わせて選ぶことで、快適に釣りを楽しめます。
乗合船との違い

乗合船はその名の通り、知らない人たちと同じ船に乗って釣りを楽しむスタイルです。
一人でも気軽かつリーズナブルに参加できますが、釣り物や出船時間を自由に選ぶことは難しいのが特徴です。
仕立て船との違い

仕立て船とチャーターボートの仕組みに大きな違いはありません。
どちらも貸切で釣りを楽しむことができますが、比較的「仕立て」と呼ばれる船は大型で、最低でも7〜8人が集まらないと貸し切るのが難しい場合が多いです。
チャーターボートのメリット
チャーターボートには、乗合船とはひと味違う楽しみ方があります。
ここでは、意外と知られていないチャーターボートならではの魅力やメリットを紹介します。
仲間だけで楽しめる

気心知れた友人や家族、同僚と気兼ねなく釣りを楽しめます。
多少の迷惑も仲間内なら問題なし。
初心者でも知らない人に気を使わず、リラックスして釣りに集中できます。
やりたい釣り・チャーターならではの釣りができる

通常、船宿では釣り物が決まっていますが、チャーターボートなら自分たちの希望に合わせて自由に選択できます。
シーバスキャスティングやチニングなど、乗合船では味わえない釣りを楽しめるのも魅力。
こだわりの釣り方で釣りたいなどのリクエストもできるので、是非船長に相談してみてください。
▶︎リレーもできる

リレーとは1日に2魚種以上の釣り物を狙うことです。
例えばお土産のアジを狙ってからタチウオへというように、複数の釣り物を楽しむことができる点もチャーターボートのメリットです。
とはいえ詰め込みすぎると釣れるタイミングを外しますので、船長と相談して決めましょう。
船長に直接釣りを教えてもらえる

釣りには先生がいないのが難点ですが、毎日のように現場に出ている船長はまさに先生に近い存在。
チャーターした際は、上達の近道として思う存分質問してみましょう。
好きな時間に行ける

予約状況や船にもよりますが、基本的には乗合船と違って出船時間の自由度が高いのがチャーターボートの特徴です。
代表的な例で言うと「朝の始発に合わせて○時出船で」と言うような融通がきくのもチャーターボートのメリットです。
須江
このようにチャーターボートには、仲間だけで気兼ねなく楽しめる自由度や、釣り方のリクエスト、リレーまで幅広い魅力があります。
自分たちだけの特別な時間を過ごせるのも、チャーターボートならではの大きな魅力といえるでしょう。
チャーターボートの選び方
チャーターボートを選ぶ際は、料金や場所だけでなくポイントがあります。
美容師や医者を選ぶように、自分に合ったボートを見つければ、釣りそのものが楽しくなり、釣果アップにもつながります。
やりたい釣りがしやすいボートを選ぶ

例えばシーバスの穴撃ちをしたいと考えた場合、40ftの大きな船をチャーターしても釣りづらいだけです。
穴撃ちには、30ft前後までの比較的小型の船の方が釣りやすく、このようにボートの大きさによって適した釣りの種類が決まってきます。
人数で選ぶ

一般的にチャーターボートには最低人数が設定されています。
例えば2人で利用したいのに、最低人数5人の大型船を選んでしまうと費用が割高に。
2人なら最低人数が3人の船を選ぶことで、コストを抑えてチャーターできます。
船長で選ぶ

人柄、釣りのスタイルなど、船長がやはり自分に合っていると感じるボートに乗ると1日を楽しく過ごすことができます。
結局休日は楽しく過ごすのが一番です。
ストレスなく船に乗れるという観点でボートを選ぶのもありだと思います。
須江
このようにチャーターボート選びには、ボートの大きさや人数条件だけでなく、船長との相性まで大切なポイントがあります。
自分たちの釣りに合ったボートを選べば、釣果はもちろん、1日そのものがより充実した時間になるでしょう!
チャーターボートの1日の流れ

チャーターボートの1日は、集合から解散までシンプルな流れで進みます。
集合
集合は指定された駐車場や乗船場。
集合時間の指定がない場合でも、出船の30分前には到着しておきましょう。
チャーターボートは乗合船のように場所取りの必要はありませんが、乗船前の準備は欠かせません。
出船
出船時間になったらいよいよ出発です。
走行中は必ず所定の位置に座り、ポイントまで向かいます。
立ち上がると危険なうえ、船長の視界を妨げることもあります。
ちなみに船は後方に行くほど揺れが少なく、快適に過ごせます。
ポイント到着(釣り開始)
ポイントに着いたら、いよいよ釣り開始。大好きな釣りを思い切り楽しみましょう。
仲間と一緒なら釣れなくても十分楽しいものですが、もちろん釣れるのが一番です。
船長に聞いたり仲間と情報を共有できるのも、チャーターボートならではの魅力です。
釣り終了(帰港)
時間になったら釣りを終了し帰港します。
帰港時間が気になる場合は、予約時に確認しておくと船長も調整しやすく、お互いに安心です。
時間やコースに余裕があれば、ナイトクルーズをお願いできることもあります。
解散
桟橋に帰ったら片付けをして解散です。
チャーターボートの場合は1日に何便も出船する可能性がありますので、片付けは手早く行うと船長が喜びます。
須江
特別な決まりごとはなく、ゴミを捨てない・遅刻しないといった基本的なマナーを守れば、誰でも安心して楽しめます。
チャーターボートの注意点

仲間で楽しめる、好きな釣りを楽しめるなど、良いことずくめのチャーターボートですが、やはり注意点やデメリットは存在します。
中止率が高い
乗合船に比べると船が小さいため、荒天時は中止になる可能性がやや高めです。
ただし沖に出ず近場や風裏で楽しんだり、釣れない魚種を別のターゲットに切り替えるなど、状況に応じた対応ができる場合もあります。
まずは船長に相談してみましょう。
大人数が無理
チャーターボートの多くは定員10人以下です。
また実際は快適に釣りができる人数というのは定員よりはるかに少ないのが実際です。
大人数の場合は大型船を仕立てるか、2艇に分けてチャーターするという選択肢もあります。
好き勝手なことはできない
自由度の高いチャーターボートですが、必ず守るべきルールがあります。
それらは船長が定めており、安全のためにも指示には従いましょう。
ルールやマナーを守らなければ、せっかくの釣りも台無しになってしまいます。
須江
チャーターボートには自由度や楽しさがある一方で、中止リスクや人数制限、ルール遵守といった注意点もあります。
とはいえ、こうした点を理解し、船長とコミュニケーションを取りながら利用すれば、安心して快適な釣りを満喫できます。
釣りを楽しむならチャーターボート

チャーターボートなら、気心知れた仲間と好きな釣りを思う存分楽しめます。
自由な時間設定で釣りを重ねれば、自然と釣果も伸び、腕も上達するはず。
魚を釣るための最良の選択肢——それがチャーターボートです。
撮影:須江一樹