ワインドゲームの相棒「ワインドロッド」について
ルアーを左右にダートさせて、タチウオやフラットフィッシュなどを狙う「ワインド釣法」。
専用のジグヘッドとワームを使って独特のロッド操作をするため、ロッドも専用のものが各メーカーから販売されています。
そんなワインド専用ロッドの特徴や、他のロッドとの違い、おすすめのワインドロッドを紹介していきます!
そもそもワインド釣法ってどんな釣り?
ワインド釣法とは、ワインド専用ワームとジグヘッドを使い、ロッドをテンポ良くシャクってルアーを左右にダートさせて魚を誘う釣り方。
ショアからの太刀魚ゲームが盛んなエリアでは、秋頃に最盛期を迎える堤防タチウオゲームの定番テクニックとして用いられています。
また、ボートから狙うフラットフィッシュゲームでも、ただ巻きで喰わない時のテクニックとしてワインドの釣りが取り入れられていたりも。
他にも青物やロックフィッシュなど、フィッシュイーター狙いであれば魚種を問わず有効な釣りとして楽しまれています。
ワインド専用ロッドは「しゃくり続けやすい」のが特徴
ワインド専用ロッドの多くは、重めのジグヘッドをしゃくり続けても疲れにくい長さや硬さ、調子、バランスで設計されているのが特徴です。
タチウオゲームで用いられているワインドロッドを例にすると、ロッドを縦にさばく事を考慮して長さは8ft前後と比較的短く、ジグヘッドをテンポよくダートさせるためにベリーからバットに張りを持たせたものが多い傾向にあります。
ボートゲーム用も同じく、ロッド操作がしやすい短めのレングスかつ、ジグヘッドをダートさせやすい張りがあるロッドを選ぶと良いでしょう。
ジグヘッド+ワームのダートアクションの操作に特化し、独特のレングスと調子を持ったワインド専用ロッドは、使うシチュエーションによって適したスペックが変わります。
堤防からのタチウオ狙いに使うケースと、ボートからのフラットフィッシュゲームで使うケースに分け、ワインド専用ロッドを選ぶ時のポイントをご紹介しましょう。
堤防からのタチウオ狙いに適したワインドロッド
堤防や岸壁など、比較的足場がよく穏やかな場所からワインドでタチウオ狙う時には、飛距離を出しつつ、ジグヘッドの操作性も考慮した長さとパワーのロッドを選ぶ必要があります。
▼タチウオワインドなら長さは8ft台が王道
堤防からのタチウオ狙いでは飛距離が必要な一方で、ルアーの操作性も求められるため、それらを両立できる8ftから8ft6in程度までのロッドが最適。
基本的にロッドは短いほど操作が軽快になるので、ルアー操作に困らない範囲で可能な限り長いロッドを選んでみましょう。
選べる範囲で長いロッドを選ぶと遠くまでルアーを飛ばせるようになり、竿抜けを狙えたりタチウオを誘う距離が長く取れるため、釣果を伸ばしやすくなります。
▼パワーはやや重めのジグヘッドの使用を考慮してM以上を
堤防からのタチウオ狙いでは、15〜28g程度のジグヘッドを使用することが多いので、それに対応したパワーのロッドを選びましょう。
表記で言うとM〜MHパワーが該当します。
一方で、パワーを上げると当たりの拾いやすさは落ちる傾向にあり、とくに渋い状況下ではMLクラスの柔らかめの竿が有利な場面もあります。
釣り場や使うルアー次第なところはあるものの、最初の1本を選ぶのであれば、パワーとある程度の繊細さも持ったMパワーが無難な選択肢と言えるでしょう。
ボートからのマゴチ/ヒラメ狙いに適したワインドロッド
ボートからヒラメやマゴチなどのフラットフィッシュを狙うワインドゲームは、比較的岸に近い浅場を小型のガイドボートで攻める事が多い釣り。
使うロッドは、ボートシーバスゲームと同様に小型船でも扱いやすい長さと、重めのジグヘッドをキビキビ操作できるパワーを両立したものを選びます。
▼長さは取り回しの良い「6〜7ft前半」を基準に
フラットフィッシュゲームが楽しめるのは小型のガイドボートがメイン。
狭い船内でキャストやルアー操作がしやすい6〜7ftのボートシーバスロッド、他にはボートロックフィッシュロッドも適しています。
8ft前半の長さであればショア用ロッドでもできない事はありませんが、ボートはボート用のレングスでロッドを揃えておくと快適さが段違いです。
▼パワーはヘビー級ジグヘッドの操作もできる「M以上」を選ぼう
近海の浅場とはいえ、潮の速い場所や水深の深いポイント、船が風に流されやすい状況で釣りをすることもあり、30〜40gの重いジグヘッドを使用する場合も。
こういった状況に対応するためには、重いヘッド+ワーム重量に対応したパワーのロッドがベスト。
具体的にはM〜MHクラスのボートロッドがそれに該当してくるでしょう。
タチウオ狙いにおすすめのワインドロッド11選
プロマリン グランダーワインド 83
最初の1本におすすめ!激安ワインドロッド
1万円以下で購入可能で、タチウオ狙いのワインド釣法入門に最適なエントリーモデル。
8ft3inの長さがあるので飛距離も出しやすく、かつワインドルアーの操作性も高め。
堤防からタチウオをワインド釣法で狙う時の最初の1本にもおすすめです。
全長 | 8ft3in |
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自重 | 179g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 131cm |
ルアーウェイト | 5g-35g |
PEライン | 0.6号-1.5号 |
大阪漁具(OGK) サーベルワインド SW83
とりあえず専用ロッドを、というアングラーにおすすめ
激安ロッドを数多く販売しているメーカー大阪漁具(OGK)の、コストパフォーマンスに優れたタチウオワインド専用ロッド。
1万円以下の実売価格で、21gまでのジグヘッドに対応していて操作性もばっちり!
ビギナーはもちろん、タチウオワインドをシーズン中に少しだけやるというアングラーにもイチ押しです。
全長 | 8ft3in |
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自重 | 136g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 130cm |
ルアーウェイト | 7g-21g |
PEライン | 0.8号-1.5号 |
メジャークラフト ソルパラ タチウオ 832MW
定番エントリーロッドだけど性能は堅実
定番のエントリーロッドとして大人気な、ソルパラシリーズのタチウオワインド専用モデル。
軽い力でダートアクションを生み出せるアクション設計がされており、初心者でも釣れるアクションが出しやすいのが特徴。
こちらも低価格なので初心者におすすめですが、中上級者でも納得の性能でなかなか侮れない1本です。
全長 | 8ft3in |
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自重 | - |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | - |
ルアーウェイト | 7g-21g |
PEライン | 0.6号-1.5号 |
ダイワ ワインドX 83M
大手メーカーの技術が光るハイコスパロッド
ダイワの入門シリーズ「Xシリーズ」にラインナップされている、堤防からのタチウオワインド専用モデル。
バット部分はダイワのブランクス強化技術「ブレーディングX」によって強化されており、大型タチウオの強い引きにも対応する強さがあります。
トップガイドがSiC仕様なのも、ラインに負荷が掛かりやすいワインド釣法には嬉しいポイントでしょう。
全長 | 8ft3in |
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自重 | 135g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 131cm |
ルアーウェイト | 7g-21g |
PEライン | 0.8号-1.2号 |
シマノ ソルティーアドバンス タチウオワインド S86M
シマノらしいシャキッとブランクスで操作性◎
シマノのエントリーロッドシリーズ「ソルティーアドバンス」のタチウオワインド専用モデル。
シマノロッドならではの張りのあるブランクスでルアーをダートさせやすく、大型タチウオにも対応可能なパワーも兼備。
ガイドはステンレスフレームのKガイドで、スラックが出やすいワインド釣法を快適にこなせます。
全長 | 8ft6in |
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自重 | 122g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 133.3cm |
ルアーウェイト | 6g-32g |
PEライン | 0.6号-1.5号 |
メジャークラフト 三代目クロステージ タチウオ CRX-862MW
細身で軽量で操作性抜群のワインドロッド
釣り人からの評価も高く、コスパ最強ロッドとして人気のクロステージシリーズが送り出すタチウオワインド特化モデル。
ブランクスにはマイクロピッチクロスフォースによる補強が施されており、細身&軽量でありながらパワーも兼ね備えています。
CRX-862MWは、8ft6inのレングスを活かして遠くを狙う、沖堤防からのドラゴン狙いにも最適なロッドです。
全長 | 8ft6in |
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自重 | - |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | - |
ルアーウェイト | 7g-21g |
PEライン | 0.6号-1.5号 |
シマノ ダイナダート S80M
ダートアクションを極めたシマノ渾身のワインド専用ロッド
シマノの技術力を集め、ワインドゲームのために開発された専用ロッド。
ロッドの反発力を活かす調子や専用設計のグリップで、ルアーを綺麗にダートさせるための工夫がたくさん詰め込まれています。
S80Mは堤防からのタチウオ狙いを主として、サワラや青物など、ワインド釣法で狙える魚を幅広く狙えるオールマイティなモデルです。
全長 | 8ft |
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自重 | 119g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 125.7cm |
ルアーウェイト | 10g-30g |
PEライン | 0.8号-1.5号 |
アブガルシア ソルティースタイル ワインド 822M-KR
しゃくりやすさを考え抜いたグリップ構造がキモ
アブのエントリークラスロッド「ソルティースタイルシリーズ」の。ワインド釣法専用モデル。
長めのフロントグリップで長時間シャクり続けても疲れにくく、ワインド釣法のアクションに不慣れなビギナーにも最適です。
ワインド専用モデルの3機種中、822Mは一般的なワインドロッドよりも短めの8ft2inの設定で、操作性もかなり高いのがポイント。
全長 | 8ft2in |
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自重 | 148g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 128cm |
ルアーウェイト | 10g-17g |
PEライン | 0.6号-1.2号 |
ジャストエース ショアワインダー 832KM Z
チタンフレームガイド搭載でワインドに最高のバランス
ロッドカスタムメーカーのジャストエースとオンスタックルの共同開発で生まれたから販売されている、ハイスペックワインドロッド。
テーパーやレングスはもちろん、ガイドに至るまでワインド釣法に最適なバランスとパワーで設計され、アクション時の快適さは特筆もの。
グリップにはコルクが使用された高級感のあるデザインで、ワインドゲームを極めたいアングラーにイチ押しの1本です。
全長 | 8ft3in |
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自重 | 157g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | - |
ルアーウェイト | 10g-17g |
PEライン | 0.6号-1.2号 |
メジャークラフト トリプルクロス タチウオ TCX-862MW
4軸カーボン+クロスフォースでパワフルさ満点
メジャークラフトのロッドの中では上位機種にあたる、トリプルクロスシリーズのタチウオワインド専用モデル。
バット部分は4軸カーボンをクロスフォースで補強されていて、ベリーからティップの柔らかさと相まって剛と柔のバランスに優れています。
さらにガイドにはステンレスフレームの軽量「SiC-Sガイド」が採用されているので、糸抜けの良さも抜群です。
全長 | 8ft6in |
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自重 | - |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | - |
ルアーウェイト | 7g-21g |
PEライン | 0.6号-1.5号 |
がまかつ ラグゼ ワインドマスターR S86MH
トレカT1100G採用!ハイスペックワインドロッドの雄
がまかつラグゼから販売されている、タチウオワインドを極めしアングラーにおすすめのハイスペックモデル。
ブランクス素材には軽量&高感度な東レ「トレカT1100G」が採用され、非常に軽いにも関わらず軽い力で大きなダートアクションを生み出すことが可能。
軽量ブランクスの恩恵で感度も高く、フォール中の小さなアタリもしっかりと感じられ、状況の悪い時でも当たりを拾う頻度が上げられます。
全長 | 8ft6in |
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自重 | 106g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 134cm |
ルアーウェイト | 14g-35g |
PEライン | 0.6号-1号 |
ボートゲームにおすすめのワインドロッド4選
天龍 ベイブレイズ BBZ702S-M
オープンエリアを広く探れるレングスが魅力
ボートシーバスロッドとしては長めのレングスと、MAX40gのキャストが可能なボートフラットフィッシュに適したモデル。
やや長めなので広大なオープンウォーターを広く探る事に長け、ジグヘッドを操作する時のラインスラック管理も楽にできます。
天龍のブランクスらしくバットパワーも申し分なく、キレのあるダートで誘ってしっかり魚を掛けられる1本です。
全長 | 7ft |
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自重 | 134g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 180cm |
ルアーウェイト | MAX40g |
PEライン | MAX1.5号 |
テイルウォーク ボートゲーマーSSD S610M+
ボトムワインドだけじゃないマルチパーパスロッド
ボートからのルアーフィッシングに適したボートゲーマーシリーズの中でも、万能モデルとして位置付けられたモデル。
スムーズに曲がるレギュラーテーパーなので、ワインドだけではなく、ミノーやメタルジグなど様々なルアーを快適に使えます。
ボートワインドからボートシーバスまで、ボートでの近海フィッシングを1本のロッドで満喫したい方におすすめです。
全長 | 6ft10in |
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自重 | 112g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 108cm |
ルアーウェイト | MAX40g |
PEライン | MAX2号 |
シマノ ディアルーナBS S610M
ボートシーバスロッドと侮れない!ワインドも得意なロッド
シマノが販売しているボートシーバスロッド「ディアルーナBS」の中で、ワインドにも対応したバーサタイルモデル。
「スパイラルX」に補強構造「ハイパワーX」が組み合わされ、ハリのあるベリー〜バットセクションでキレのあるダートを繰り出せます。
ボートワインドでのフラットフィッシュ狙いに愛用している釣り人も多く、専用ロッドとして充分に通用するロッドです。
全長 | 6ft10in |
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自重 | 107g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 106.5cm |
ルアーウェイト | 7g-30g |
PEライン | 0.8号-2号 |
ダイワ ラテオBS 63MS
激しくアクションさせる釣りに特化したBSロッド
ダイワのボートシーバスロッド「ラテオBS」の中でも、ジャーキングなどのロッドをしゃくる動きに特化したモデル。
張りのあるブランクスはダートアクションもさせやすく、ボートワインドでのマゴチやヒラメ狙いにも最適。
ステンレスフレームのSiCガイドや、強度に優れた基本構造「X45」など、定価約3万円のボートロッドとしてはトップクラスの性能を持っています。
全長 | 6ft3in |
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自重 | 100g |
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 100cm |
ルアーウェイト | 7g-35g |
PEライン | 0.8号-1.5号 |
ワインドロッドと他のロッドの違い
ワインドの釣りは、エギングロッドやシーバスロッドで代用してやる事も可能です。
一方で、ワインドロッドとそれらのロッドには様々な違いがあり、ワインドロッドがジグヘッドのダート操作に適した理由があるのも事実。
他のロッドとワインドロッドが異なるポイントを解説していきます。
エギングロッドでの代用は軽めのジグヘッド限定ならOK
レングスやルアーの操作方法など、類似点が多いエギングロッドですが、ワインドロッドとの顕著な違いがバットパワーです。
エギングロッドは、ワインド専用ルアーよりも小さな入力で動くエギや、魚のように引かないイカに特化したパワー設定なので、大きな魚が掛かった時の力不足感が否めません。
ルアー操作においても同様で、重いジグヘッドを使う時にロッドのパワー不足で軽快なダートが難しくなるでしょう。
逆に15g程度までの軽いジグヘッドなら、代用も可能です。
シーバスロッドでの代用はルアー操作にやや難あり
ワインドロッドに似たロッドのもう一つがシーバスロッド。違いとして大きいのは、長さと調子(テーパー)です。
ショア用のシーバスロッドは9ftから10ft前後と長いものが標準的で、ワインド釣法では操作性の面でデメリットになってきます。
また、シーバスゲームではリーリング(巻く)アクションが基本となっていることもあり、ティップからベリーにかけてしなやかに曲がるロッドが一般的。
これがルアーを弾くように操作するワインド釣法では、アングラーがロッドに入力した力をロッドが吸収し、結果アクションを妨げる原因になってしまいます。
シーバスロッドでやってやれない事はありませんが、ワインド専用ルアーの操作が難しくなるのは覚悟しておきましょう。
ワインドロッドでダートの釣りを極めよう
ワインド釣法は堤防からのタチウオ狙いやボートからのフラットフィッシュ狙いなど、さまざまな魚に応用できる釣り方。
ワインド専用ロッドを使用すれば、アクションの質をアップすることも可能で、結果釣果を伸ばすこともできるでしょう。