LINE公式アカウント 最新の釣り情報をチェック! 友だち追加はこちら
釣り場でトラブルが起きるとき、必ず起きていること

釣り場でトラブルが起きるとき、必ず起きていること

最近、釣り場でのトラブルや言い争いを目にする機会が増えたと感じませんか。

マナーの問題、SNSによる情報拡散、釣り人の増加——理由はいくつも語られてきました。

けれど、それだけでは説明しきれない場面もあります。

僕自身の体験を交えながら、その違和感の正体を考えていきます。

目次

本記事で使用されている画像は、画像生成AIを使用して生成されたものでありフィクションです。登場する人物、団体、名称、場所などはすべて架空のものであり、実在するものとは一切関係ありません。

釣り場でのトラブルや問題ってなぜ起こってしまうのか?

近ごろ、釣り場の閉鎖や釣り人同士のトラブルを見聞きする機会が増えたように感じませんか。

「釣り場って、こんなに摩擦が多かったっけ?」——そんな違和感を覚えている方も多いはずです。

僕のよく行く釣り場は、一年ほど前にローカルアングラーと遠方からの常連アングラーとの争いがあり、遠方の常連アングラーが一切来なくなったといった出来事がありました。

その背景には、マナーの悪さ、SNSによる情報拡散によるポイントの過密化、コロナ期の釣りブームによる参入者の増加、初心者と経験者のあいだにある常識やモラルの違いなど、いくつもの理由が考えられます。

——ここまでは、よく言われている話です。

ただ、僕はそれだけでは説明しきれない、根の深い要因があるのではないかと感じています。

それは「ドーパミン」という神経物質の存在です。

KOBAYASHI

釣り人はみな“自分が一番釣りたい”と心のどこかで思っているため、こうした神経物質が、考え方の違いなどにより、時には争いの火種となってしまうのです。

ドーパミンとは?

ドーパミンとは「報酬への期待」で分泌される神経物質です。

「報酬への期待」とは、「もうすぐ良いことが起きるぞ」という予感で脳がワクワクする状態のことです。

釣りにおいては、例えば魚が釣れそうな瞬間や、次の一投に期待が高まる時に強く働きます。

つまりドーパミンとは、本来は行動のエンジンとして役に立つものです。

ですが、過剰になると視野が狭まり、周囲への配慮が薄れやすくなります。

KOBAYASHI

「自分が釣りたい!」という気持ちが昂ぶるほど、他者との距離感を見失い、摩擦のきっかけを生んでしまうのです。

ドーパミンが過剰になっている一例

ドーパミンが過剰に分泌されてしまっていると考えられる状況や、それによって起こりうる事象の例をまとめてみました。

状況働いている心理行動パターン結果
隣の人が釣った瞬間「負けたくない」「次は自分も」と期待距離を詰める・キャスト位置が近くなる摩擦・ラインクロス・軽い口論
爆釣情報をSNSで見た「今行けば自分も釣れる」と興奮が先行無理に出撃無計画釣行 → 事故・トラブルリスク
有名ポイントで空きが出た「ここに入れれば釣れるはず」と期待走って入る・周囲を見ずにポイント確保周囲と衝突・順番トラブル
自分だけ釣れていない焦りと劣等感でドーパミン・アドレナリン混合状態投げ急ぎ・攻めすぎるストレス増 → 釣れない悪循環
魚がヒットしそうな雰囲気「もうすぐ来る」という予期的報酬で興奮が増幅無意識に近距離キャスト・他人の前に投げる横取り疑惑が生まれトラブルに
帰り際に常連が釣っているのを見た「続けたら自分も…」という未練釣れなくても粘りすぎて判断力低下夜間・天候悪化での危険増

「魚を釣りたい!」という気持ちは時には危険であり、誰かを巻き込んでしまうことで、迷惑行為になりかねないのです。

以前、僕自身も少し酷い体験をしました。

サーフでブリを狙っていた時、僕の目の前にナブラが立ちました。見事ヒットさせてファイトに入ると、横から10人ほどの釣り人が寄ってきます。

次々とキャストが始まり、そのうちのひとりのラインが、僕のラインと完全にクロスしてしまいました。

魚がかかっている状態でしたが、僕はなんとかラインを解き、無事にブリを釣り上げることができました。

とはいえ、さすがにそのアングラーの行為はあまりに酷かったため、注意をせずにはいられませんでした。

ブリを釣り上げても、楽しい気持ちにはなれず……。逃げるように、僕は釣り場を後にしたのです。

KOBAYASHI

このエピソードもまさに、「自分も魚が釣れるかもしれない」という期待が、人に迷惑をかける行動につながってしまった一例だと言えるでしょう。

その他の神経物質との違い

一方で脳内にはドーパミン以外にも、身体を動かすアドレナリンや心を整えるセロトニンがあります。

それぞれの役割を理解することで、釣りの体験がより深く豊かになると感じますのでご紹介です。

興奮物質アドレナリン

アドレナリンは、魚がかかった瞬間に一気に高まる「戦いの興奮物質」です。

瞬間的に集中力を引き上げてくれますが、その効果は長くは続きません。興奮そのものを楽しみつつ、過信しない感覚が重要になります。

武者震えが出たり、寒かったはずなのにヒットした途端、寒さを感じなくなったりする現象も、アドレナリン作用の一例でしょう。

KOBAYASHI

その後になって「なんだか急に疲れたな……」と感じた経験がある方も多いと思いますが、持続性に欠ける点こそが、この物質の特徴です。

幸せ物質セロトニン

セロトニンは心に落ち着きと安心感を作る幸せの土台のような物質です。

アドレナリンやドーパミンが一気に出たあと、体と心をゆっくり元のリズムへ戻し、あの一瞬は良かったと静かに味わえる状態を作ります。

釣りの満足感が後からじわっと広がるのは、このセロトニンが記憶と感情を整理してくれるためです。

大物を取り込んだ直後はアドレナリンによって手が震えていても、帰り道にふと手応えを思い返すと「やっぱりあの瞬間は格別だったな」としみじみ感じられることがありますよね。

KOBAYASHI

釣果そのものよりも、思い返した時に心が温かくなるあの感覚こそが、セロトニンなのです。

これら神経物質は栄養素からも作られています

神経物質の多くは、まずタンパク質を分解して得られるアミノ酸から作られます。

ドーパミンの原料であるチロシン、セロトニンの原料であるトリプトファン、アドレナリンの合成に必要なフェニルアラニンなど、すべてタンパク質をしっかり摂れてこそ手に入るものです。

タンパク質が不足すると、神経物質そのものが作れず、気分の安定・集中力・回復力が落ちてしまいます。つまり体の疲れや自律神経の乱れにも大きく関係してくるのです。

KOBAYASHI

ですので、魚(タンパク質)をしっかり摂り、バランスを整えることが、より良いフィッシングライフを続けるためのコツと言えるでしょう。

僕はこうしてセロトニンを意識するようにしています

釣りは興奮も多い遊びですが、じつは一番幸せを感じさせてくれるのはセロトニンだと僕は感じています。

そこで釣果よりも朝の光を浴びながらポイントへ歩く時間、波の音を聞きながら一定のリズムで巻き続ける時間、釣れた後にゆっくり余韻を味わう時間。

どれもセロトニンが整う大切な瞬間です。興奮のドーパミンやアドレナリンは一時的ですが、セロトニンは釣行全体に幸福感を残してくれます。

釣果がどうであれ「今日もいい時間だったな」と思える感覚こそ、僕が釣りで一番大切にしていることです。

また、隣で釣れていない方にポイントを譲ることも、僕にとっての大切なセロトニン行動です。譲るだけで場の空気がやわらぎ、自分の心も穏やかになります。

KOBAYASHI

釣果以上の満足がそこにありますので、もしそういったシチュエーションに出くわしたら是非やってみてください。

バランスを大切に

釣りには、ドーパミンが生む「期待」、アドレナリンによる「興奮」、そしてセロトニンがもたらす「落ち着き」という、三つのリズムがあります。

いずれかが悪いわけではありませんが、どれか一つに偏りすぎると、視野が狭くなったり、疲れやすくなったり、周囲との摩擦を生みやすくなるものです。

だからこそ、自分は今どの状態にいるのかを少しだけ意識し、必要に応じてペースを整えていく。その姿勢が大切なのだと思います。

よく釣れた日も、釣れない日も、この三つがうまく巡った時に「今日の釣りは良かった」と心から思える。

釣果だけでは測れない豊かさは、脳のバランスにも支えられているのです。

KOBAYASHI

釣りで得たこのバランス感覚は、隣の釣り人はもちろん、家族や仲間と過ごす時間にもきっと役立つはずです。

ぜひみなさん、意識してみてください。

関連記事