22 カルカッタコンクエストXGをインプレ!
バサーたるもの、愛さずにはいられない丸型リール。
ノスタルジーとラグジュアリーが同居する佇まいには、「こいつでバスを釣りたい!」と思わせる不思議な魅力がありますよね。
ところが「重い! 遅い! そして高い!」の三拍子がもれなく整う従来の丸型リールには、「ぶっちゃけ不思議な魅力ぐらいしかない」と言っても過言ではありません。
筆者MONSTERもアンバサダーモラム、旧カルカッタコンクエストなどの丸型リールをさんざん愛用してきましたが、悲しいかな、モダンなロープロファイルリールに勝るのはカッコよさのみ“だった”と断言できます。
丸型ファンの皆様、大変申し訳ありませんがこれが事実。
と言いたい気持ちはわかりますが、そんなもんは誤差です。はやく目を覚ましましょう!
でも安心してくださいね。
この度、ついに“超実用的”な丸型リール「22カルカッタコンクエスト200・201XG」が登場しました。
スペック
品番 | 自重(g) | ギア比 | 最大巻上長(cm) | 最大ドラグ力(kg) | ナイロン糸巻量(lb-m) | 本体価格(円) |
200XG | 235 | 7.1 | 89 | 6.0 | 12-165 14-145 16-120 20-100 | 59,500 |
201XG | 235 | 7.1 | 89 | 6.0 | 12-165 14-145 16-120 20-100 | 59,500 |
今回ご紹介するのはXGモデルのみ。
カルカッタコンクエストXG=掟破りの超スピード丸型リール
「え、エクストラハイギア……!?」と驚くのも無理はありません。
これまで丸型リールといえば、遅くて当たり前、なんならそれ自体が丸型リールの不思議な魅力をより高めている雰囲気さえありました。
ともかく、XGを冠したバス釣り用丸型リールは、もう掟破りと言ってしまっていいでしょう。
そもそも丸型リールはなぜ遅かったのか?
丸型=遅い。この掟が長らく破られずにいたことに対し、疑問に思う人も少なく無いかもしれません。
ひとつは思想上の理由。フルメタルフレーム&フルメタルハウジングに、贅肉の削ぎ落とされていない丸型ボディ、イコール、重くなるのは避けられず、巻き物の釣りにこそフィットするわけです。
そしてベイトリールのハイギア化がどれだけ進んでも、「巻き物はローギアで」というアングラーが常に一定数います。であれば、たしかに遅いままでも問題ないように見えます。
そしてもうひとつは設計上の理由。
ギアレシオを上げるには、ギアボックスをデカくしたり、スプール軸とハンドル軸の軸間距離を長くしたりという、“丸型らしからぬ異様な形状”を伴う設計が必然で、これをよく思わないアングラーもいることでしょう。
ですが、バス釣りが進化をし続ける中で、もはや「エクストラハイギアで巻く」は当たり前になりつつもあります。
ハイスピードリールの常識を覆すパワー
さて、ベイトリールのスピードとパワーは完全にトレードオフの関係にあります。
それがアングラーの身体やリールそのものに大きな負担をかける「巻き物」という釣りにおいて、ローギアリールが好まれている理由のひとつでもあります。
だから巻きのリズムが安定する! とか、よく言いますよね。もちろんその分ハンドルはたくさん回さなきゃいけませんが。
実際問題、抵抗の大きなルアーを、たとえばメタニウムXGのようなごくありふれたハイスピードリールで巻き通すには、かなりのフィジカルが要求されます。
ところがさすがはコンクエスト。ひと巻き89cmのまごうことなきハイスピードリールでありながら、それを忘れさせるパワフルさがあります。
丸型の堅牢性がロスなくパワーを伝達
「巻きの重さ」を決定するのは、実はギアレシオだけではありません。ハンドルに入力された力がロスなくスプールまで伝達されるか? ということが大きな問題となります。
スピードとパワーの相関関係は、ハンドル軸やスプール軸のブレ、ギアの噛み合い精度などによって、想像以上に影響を受けるということです。
22カルカッタコンクエスト200・201XGには軸受けを強力に保持するインフィニティドライブや、高密度に噛み合うマイクロモジュールギアなど、パワーロスを改善する技術特性がてんこ盛り。
もちろん同等の技術特性をもつリールはほかにもありますが、これらの技術は、そもそもボディがガッチガチにソリッドじゃないと機能しません。
このわずかな精度差が、まさか本当に生きてくるなんてなあ……。
でもぶっちゃけ、近年発売されたベイトリールは、エントリーグレードでさえとても良くできているので、ハイギア帯程度では入出力にほとんど差を感じないのも事実。
問題は、巻き上げるのにより大きな力を必要とするエクストラハイギアクラスぐらいなもんです。
これまで空想上の出来事としか言いようがなかった「丸型だからこそのパワー」は、XGでこそ輝くと言っていいでしょう。
これまで躊躇していたヘビーな巻き物全般にOK
では実際どのように運用していくのがベターなのかというと、それはこれまでハイスピードリールで扱うことを躊躇していたヘビー級のハードベイト全般に向いています。
とくにおすすめできる使用方法は、以下の通り。
リーリングで命を吹き込むジョイントベイト
まずは言わずもがな、リップ付きジョイントベイトや、S字系ジョイントベイトなどのビッグベイト。
昨今、ただ巻きもリーリングジャークもイケる器用なルアーが目白押しのカテゴリですが、タックル選びで難しいのが、パワーとスピードを兼ね備えたリールが要求されるところ。
そしてそんな都合のいいリールはジリオンHD TW 1000XHやアンタレスMDXGぐらいしかない!
当然釣れる魚もデカく、絵になることも間違いなし。
抵抗マックス級のビッグスピナーベイト
あえておすすめしたいのが、DEPSヒュージスピナーベイトやOSPタイフーンのようなジャンボ級スピナーベイト。
実はハイスピードリールは、リールそのものが受信できる情報量が多く、水中の様子やアタリを察知しやすいと言われており、実際その通りなんです。
ということは必然的に、レンジキープやトレースコースが重要なシンキングベイトに相性◎。
実際に使用している中でもとくにおすすめのカテゴリです。
命懸けの回収劇。羽根モノよ、帰ってこい!
そして極め付きはいわゆるデカ羽根とも呼ばれるビッグクローラーベイト。
長距離を巻き流すことがあまりなく、ピンスポットへ投げては回収を繰り返すこの釣りは、それでもアプローチがスローなためローギアが推奨されがち。
ところがやっていることは“ほぼ撃ち物”。とくに浮きゴミやブッシュをはじめとしたカバーを攻める際には、なんだかんだで回収力が要求されます。
「トップウォーターなのに根がかり」という謎の現象を回避するためにも、ハイスピードリールの使用に一票を投じます。
カルカッタコンクエストXGは嗜好品というより「至高品」
正直なところ、怖いもの見たさで使用してみた22カルカッタコンクエスト200XG。
堅牢さに裏付けされたスピードとパワーは、これまでのバス釣り用ベイトリールでは考えられないほど高い水準でバランスされており、嗜好品でありながらも実用性を兼ね備えた「至高品」と言うにふさわしいリールといった印象があります。
シマノ 22カルカッタコンクエスト200XG
ギア比 | 7.5 |
---|---|
最大ドラグ力 | 6kg |
最大巻上長 | 89cm |
糸巻量 ナイロン(lb-m) | 12-165、14-145、16-120、20-100 |
自重 | 235g |
シマノ 22カルカッタコンクエスト201XG
ギア比 | 7.5 |
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最大ドラグ力 | 6kg |
最大巻上長 | 89cm |
糸巻量 ナイロン(lb-m) | 12-165、14-145、16-120、20-100 |
自重 | 235g |