ファットイカについて
“バックスライド”という釣法を世に知らしめたと言っても過言ではない「ゲーリーヤマモト・ファットイカ」。
ゲーリーならではの高比重マテリアル+バルキーなボディーで、ワーム単体で12gものウェイトがあります。
ノーシンカーにおいてもベイトタックルで十分な飛距離を確保でき、陸っぱり・ボートと問わず、カバー攻略の切り札的存在として、多くのアングラーに慕われています。
ファットイカが釣れるワケ
抜群の飛距離
高比重ボディーと空気抵抗を受けにくいフォルムにより、抜群の飛距離を誇ります。
陸っぱりにおいては「プレッシャーの低い対岸のカバーを(ナチュラルに)攻めたい」といったようなシーンが意外とあるもの。
そんなとき、遠投が効くファットイカのノーシンカーはとても重宝します。
バックスライドアクション
逆刺しノーシンカーによるバックスライドセッティングでは、通常のルアーではアプローチできないオーバーハングの奥、護岸際のえぐれ等をタイトに攻めることが可能。
ノーシンカー特有のゆっくりとした(ナチュラルな)フォール速度+フラスカートの繊細な誘いでバスにアピールします。
フォール中のあたりも多いので、ラインの動きを注意して見ておきましょう。
フラスカートによるアピール力
わずかなカレント(水流)で動くスカートは、喰わせ能力を高めてくれる大事なパーツ。
放置、ズル引き、ボトムの障害物に当たったらシェイク、流に乗せてドリフトといった様々なアクションの中で、フラスカートがフワフワとアピールし続けてくれます。
意外とエコ
「塩分たっぷり」ゆえに、脆いイメージがつきまとうこの手の高比重ワーム。
ファットイカも耐久性に優れる訳ではありませんが、ボディに上下左右がないので、フックの位置が自由に変えられます。
ワームが裂けてきても、フックを別角度で刺し直せばこのとおり。1本のワームで複数回の使用が可能です。
ちなみに過去の実績では、一本のファットイカで3本まで釣り上げたことも。
ファットイカのセッティング例(リグ)
バックスライド
ファットイカで釣ってきた魚は、9割方バックスライドセッティングによるもの。
とくに夏〜秋はオーバーハングなどのカバーに対して、ファットイカを滑りこませるだけで、比較的イージーに釣ることが可能。
キャストさえ決まれば、後は自発的に魚を誘ってくれますので、初心者にも釣りやすいワームではないでしょうか。
ネイルリグ
ファットイカの飛距離は他の高比重系ワームの中でも抜群と言えますが、「もう少し飛距離が欲しい」シーンでは、ネイルシンカーをねじ込んでみましょう。
ファットイカに最適なフック
推奨フックサイズ:4/0~5/0
愛用しているのは、ザップから発売されているパイルドライバー。スクリュー式で、キャストによるズレと、ファイト中のロストをある程度防止してくれます。
ファットイカを使いこなす一工夫
フッキング率を上げる
ファットイカに限らず、バルキーなワームの欠点として挙げられる、フッキング時の『すっぽ抜け』。それを改善するチューンがこちら。
写真のように、フックゲイプ側に切り込みを入れます。(切る深さはボディの半分程度を目安に)
切り込みが下にくるように、フックをセットします。
上側は針先をワームに隠し、完成です。
バイト時にフックポイントが露出しやすくなり、フッキング率が上がるという仕組みです。
ファットイカのタックルセッティング
ベイトタックル
☝︎ロッド:ポイズンアルティマ174MH リール:アンタレスDC HG ライン:フロロカーボン14ポンド
カバーを中心に打っていくルアーのため、必然的にタックルも強めをチョイス。
ロッドはMクラス以上で、リールは手返しの良さとカバーから魚を寄せることを考慮し、ハイギアが好ましいでしょう。
スピニング(PEラインセッティング)
☝︎ロッド:ポイズンアアドレナ274MH リール:ヴァンキッシュ 3000HG ライン:PEライン0.8号×リーダー12ポンド
より遠くへ投げるためのスピニングセッティング。PEラインを使用しているため、遠方でもしっかりとフッキングを決めることができます。
ただし、ベイトタックルに比べるとやや手返しが悪いため、シャローカバーを延々と打っていくスタイルには不向きです。その辺りは状況により使い分けています。
ファットイカの種類
ファットイカの名を冠しているワームは、10本入りのノーマル版(ファットイカ)、5本入りのハードマテリアル版(ヘビーカバーファットイカ)、10本入りのサイズダウン版(ベビーファットイカ)の3種類。
ファットイカ
全長100mm、自重12g、スタンダードモデルのファットイカ。推奨フックサイズは♯4/0-5/0。
高いすり抜け性能を誇り、逆刺しのバックスライド、ノーマルセッティングでのダートアクション等、高い操作性を誇るワームです。
ヘビーカバーファットイカ
全長100mm、自重11g、耐久性を向上させたセミハードマテリアルモデル。推奨フックは♯4/0-5/0。
ヘビーカバーの奥に突っ込む時、陸っぱりからのフルキャストに最適なモデル。
ベビーファットイカ
全長80mm、自重6g、ファットイカのダウンサイズ版。推奨フックサイズは♯2/0。
スピニングやベイトフィネスタックルでも扱え、より喰わせに特化したアプローチが可能。
フラスカートの本数が12本とスタンダードモデルと比べ半分の本数となり、ボリューム、フォールスピードを抑えたいという場面で使用します。
信頼の『ファットイカ』をボックスに。
何年たっても、安定した釣果を出し続けることのできるルアーってすごいですよね。
喰わせの能力が高く、遠投ができるワームを使わないなんてもったいない!
みなさんもファットイカをカバーの最奥へバックスライドで送りこんでみてください。
狡猾なビックバスもイチコロ(?)になっちゃいますよ。
この記事を書いた人
むっちん
九州熊本県在住。毎日ウキウキしながらフィールドへ足を運びバス釣りしています。フィールドへ足を運ぶからこそ、感じること・学べることがあると思っています。
僕なりにバスフィッシングの楽しさ、魅力、素晴らしさをお伝えできればと思っています。