BIG 2WAY
虫系ルアー=表層の釣り……そんな前時代的な常識を覆した「沈む虫」または「沈める虫」。
この知る人ぞ知るカテゴリが、ついに爆発的な人気を得たのは2019年ごろ。各社申し合わせをしたかのように、沈む虫系ルアーを世に送り出したことに発端します。
そんな中、同年レイドジャパンからも「サイト専用ワーム」と銘打って「2WAY」が登場。
ブームに乗ってあっという間に市民権を得たかと思いきや、翌2020年には「BIG 2WAY」、「MAGNUM 2WAY」という2種のサイズアップ版が発売されました。
スペック
一応他のバリエーションのスペックも載せておきます。
BIG2WAY | MAGNUM2WAY | 2WAY | |
---|---|---|---|
入数 | 6 | 5 | 8 |
サイズ | 75.0mm | 100mm | 50.0mm |
自重 | 約8g | 約18.5g | 約3g |
定価 | 935円(税込) | 935円(税込) | 935円(税込) |
フィールドを選ばないボリューム感
オリジナルサイズ(写真右)と比べればバケモノのよう
小さすぎず、デカすぎず、しかもベイトタックルで使用するのに十分な自重を備えたBIG2WAY。
オリジナルサイズはアピール力の低さゆえに、「おかっぱりでのサイト」「ボートでもやっぱりサイト」など、リグをちょこまか操作することで、“アングラー自らがバスに歩み寄る釣り”を余儀なくされていました。
寄せるフィネス・モンスター
BIG2WAYのボリュームがもたらす、他のフィネス系ワームを退けるメリットは、とにかくバスに発見してもらいやすいということに尽きます。
アングラーがバスを見つけていない状況でも、バスを探しながら釣りができる。それは初めて訪れるフィールドはもちろん、通い慣れたフィールドでも大きな状況の変化があった時などに威力を発揮するということです。
虫系ワーム特有のムーブを生かして水中を釣る
この得体の知れない動きは、さすがのバスも見て見ぬふりできません
それでもBIG2WAYの素性は虫系ワームであることに変わりはありません。そのフォルムは水を噛みやすく、移動距離を最小限に抑えたアクションを発生させやすいのもポイント。
つまりBIG2WAYは、ストレート系、クローラー系などに比べて、なんの工夫もなく、よりしつこい誘いが可能というわけです。
BIG2WAYのおすすめリグ
オリジナルサイズやマグナムサイズに比べて、フィットするリグが多彩であることもビッグサイズの特徴です。
筆者も色々な使い方を模索しましたが、ツーウェイどころかスリーウェイ、フォーウェイ……挙げるとキリがありません。
使用率ナンバーワンのネコリグ
見よ! このしつこさ!
今やフィネスの代名詞的リグの「ネコリグ」ですが、BIG2WAYのフィニッシュ技と言ってもいいほど相性のいいリグです。
“脇差し”もOK(というかむしろ推奨)
そもそもクローラー系のワームを使用することが多いネコリグは、チェックが速く、かつ食わせ能力に長けたリグとして人気ですが、その速さゆえに一点をネチネチし続けるのには限界があります。
たとえばバスがある点を中心に、広範囲をウロウロしていることが予想される場合。
BIG2WAYにスイッチすることで、より一点に留まってアクションをし続けられ、かつ遠くからでも発見してもらいやすいことから、同じスポットへのアプローチ回数を減らすことができます。
往年のベイトフィネス用マスバリを使用
ハヤブサ パワーワッキーガード #2
ノガレス ワイルドモスキート ダブルガード 1/0号
いわゆるPBF(パワーベイトフィネス)がこの釣りにはベストマッチ
ロッド:ヘラクレスファクトHFAC-511MHST
リール:16アルデバランBFS XG
ヘビーダウンショット(ダウンヒル用)
遠くなればなるほど、深くなればなるほど、釣りはアバウトになります。
だから筆者の場合、よほどコンフィデンスのあるポイントでの釣りや、魚探を用いたシューティングの釣りを除いて、オリジナル2WAYのようなか細いルアーを、遠投したり深く沈めたりということはしません。
ですが、バスの索敵網に十分引っかかってくれるBIG2WAYなら話は別。リザーバーのボート釣りでも、バンク際からディープまでトコトン勝負に出ることができます。
そこでぶっちぎりのおすすめリグはヘビーダウンショットリグ。フックはネコリグで使用するものと同じで、シンカーは5g〜10g程度がフィット。
水噛みが良すぎるため、オープンスイベルを用いてラインのヨレを軽減するのがポイントです。
スイベルヘビダンにはデコイ・オープンスイベルMサイズを使用。使用タックルはフットボールのダウンヒルで使っている「いつものやつ」。
ロッド:ヘラクレスファクトHFAC-67MHST
リール:お好みでOK
オフセットフック&フットボールヘッド
2WAYのシリーズはそもそも、半分にちぎっていかにも虫系ワームとして使用することもできるので、当然オフセットフックがセットしやすくなっています。
ということはもちろん、ちぎらなくてもオフセットフックがバシッとキマるわけです。
そこでオフセットフックを使用したリグをずいぶんたくさん試したんですが、その中でもっとも感触がよかったのがフットボールヘッドリグ。
持ち前のアピール力と定位性を生かしたネコリグとは打って変わって、スピーディーに水をかき回すことができるのが特徴。
また、ヘビダンに並んで深場が攻めやすく、さらにそれを上回る遠投性で広範囲を探るのにも適しています。
オフセットフックはLDマスター#1/0、フットボールヘッドは好みに応じてウェイト調整してください。
がまかつ ワームフック LDマスター 1/0
まとめ
謙虚に2WAYなんて言っていますが、ところがどっこい、無限の可能性を秘めている代物。
「BIG2WAY」は、“虫系ワーム”という枠に囚われず、アングラーのアイデア次第で何にだって化けることができます。
限られたタックルで最大の釣果に挑むおかっぱりはもちろん、可能な限り手数を用意したいボート釣りにも、ぜひともタックルボックスに忍ばせておきたいワームの筆頭候補。
ライタープロフィール
MONSTER
大阪府大阪市在住。インテリバサーを志す、グランダー武蔵世代。関西を舞台に「考えるバス釣り」を楽しむ理論派ブログ戦士です。勢いあまって、机の上で釣りを終えることがほとんど。ボート、おかっぱり、どっちも好きです。バス釣りブログ「BassGo!」の管理者。