レベルクランクゴリラーとは?
さてコレが何かというと、2020年の春にレイドジャパンから発売された、ひょっとしたら使わない人には一生縁のない“フルサイズクランクベイト”というカテゴリのルアー。
守備範囲は1m前後のシャローレンジなので、フルサイズ・シャロー・クランクベイトと言ってあげれば100点です。
発売直後に一瞬で市場から消え去ったのは意外でしたが、そこはレイドパワーおそるべしというところでしょうか……。
“小さいクランク”が売れる市場。一石を投じる存在か?
ともかく、一般的な日本のフィールドの、特にシャローレンジで絶対的な釣力を競うなら、どう考えても1/2oz以下のクランクに分があります。
実際問題、よく売れているシャロークランクなんてほとんどが3/8ozクラス。
なぜなら小さくて軽いクランクは、まず使いやすい。そもそもスポットに執着した魚を「アピール力で効率よく反応させる」というのが、クランクベイトの持つ長所。
キャスト数が稼げる、巻き重りの少ない小型のクランクベイトがアングラーにとっても扱いやすいわけです。
ところが“小ささ”では反応させきれないシチュエーションも、少なからずあります。そんなとき、魚を強引に反応させて引っ張り出すのが、フルサイズクランクベイトの役目というわけです。
スペック
☝︎よく見るとイケメンなレベルクランクゴリラー。
name | LEVEL CRANK GORILLER |
length | 66 mm |
weight | 5/8 oz. |
type | Floating |
price | ¥1,700(本体価格) |
レベルクランクゴリラーの特徴
特徴1:フルサイズクランクベイトであること
☝︎レベルクランクゴリラーと、3/8ozクラスのバレットヘッド(ミブロ)を比べてみるとこんな感じ。
何度もしつこいようだど、ゴリラーはフルサイズクランクです。
本来はこれが基準となる質量感なんですけど、スモールorタイニーなクランクの方が、間違いなく好まれています。
特徴2:緩やかな潜航角度
☝︎水平に近い角度で、緩やかに切れ込むようなスイム姿勢。
フルサイズ以前の特徴として、「潜航角がとても緩やか」というのもあります。レベルクランクゴリラーという名前にある通り、LEVEL=水平(と言えなくもない)姿勢がもたらす副次的な性質です。
これは良し悪しなんですが、欠点に目を瞑って長所を伸ばしてやるのが正しい教育。
特徴3:浮力と引き換えの「飛び」
☝︎まさにカッ飛びクランクです。
デブっとした外観からは「浮力の高さ」を連想しがちなんですが、同クラスのクランクと比べるとイマイチです。さらに浮上方向(背面)の投影断面積が大きく抵抗を受けるため、浮上スピードも遅い部類。
でもこれと引き換えに得られる性質が2つ。どちらも圧倒的なメリットとして働くところがミソ。
まず一つ目が、ぶっちぎりの“かっ飛び性能”。狙ったスポットやレンジに到達させる必要があるクランクベイトにとって、遠投性能はマジで大事。ボート・おかっぱり問わず、飛べば飛ぶだけ有能です。
特徴4:速巻きできる、“デカイ”クランク
☝︎よく使うフルサイズクランク群でいうとこのポジション。
僕がレベルクランクゴリラーを使用する最大の理由は、一定のレンジで「デカくて速い動き」を確実に演出できること。
☝︎ディープクランクと比較してもこの通り。ひときわボリューミーな造形。
冒頭にも書きましたが、クランクベイトはスポットに固執した魚を狙うルアー。引出したいのはバスの瞬発力です。そのスイッチを押すとき、インパクトとスピードが間違いなくキーになります。
フルサイズが有利な点はまさにこの部分。小さいクランクの水押しをバスの触覚に届けるためには、本当にバスの近くを通さなきゃいけない。
レベルクランクゴリラーのフィールドインプレ
こいつの登場以来、「フルサイズシャロークランクと言えばゴリラー」ってな具合で、かなり巻き倒しています。
緩やかな潜航角度は、おかっぱりで真価を発揮
自重からくるかっ飛び性能が有用なのは言うまでもなく、緩やかな潜航角度もおかっぱりのクランキングには求められる要素。
おかっぱりは通常、深いところから浅いところに向かってルアーが泳いできます。だから急潜航するクランクって使いにくいんですよね。気付いたらボトム舐めずってコースアウトしたり、根掛りしたり。ぜんぜん肝心なスポットを通過できてないなーっていう……。
デカさがもたらす、効率の高さ
☝︎だだっ広いフィールドを素早くチェックできるのも、アピール力の強さあってこそ。
ボートでの釣り、とくに広いリザーバーなどでは、広範囲に探ることのできるルアーが有効です。だからスピナーベイトをはじめとしたサーチベイトを使って、どんどんボートを進めていくのが僕のやり方。
だけど、いかにも「魚が点に執着している」状況ではクランクベイトを巻きたくなります。
小型のクランクベイトでは時間がかかってしまいがちですが、アピール力の高いゴリラーのようなフルサイズクランクベイトであれば、より効率よく魚の有無を確かめることができるというわけです。
レベルクランクゴリラーのタックル
ワイのクランキンタックル
ロッド:ファクトHFAC-66ML
リール:20カルカッタコンクエストDC100HG→15カルカッタコンクエスト101HG
ライン:フロロ12~14lb
まとめ
☝︎気に入ったね! レベルクランクゴリラー。
フルサイズクランクベイトは目的がはっきりしているだけに、「使いやすさ」を重視した製品よりは、「尖った性能」を持ったものが多いんですよね。
だから正直言って、「これさえあれば万事OK」……なんて甘っちょろいカテゴリではないんです。ところがレベルクランクゴリラーは、誰にでも使いやすく、それでいて目的を見失っていない。
自信をもっておすすめできるフルサイズクランクベイトです。
ライタープロフィール
MONSTER
大阪府大阪市在住。インテリバサーを志す、グランダー武蔵世代。関西を舞台に、「考えるバス釣り」を楽しむ理論派ブログ戦士。勢いあまって、机の上で釣りを終えることがほとんど。ボート、おかっぱり、どっちも好きです。バス釣りブログ「BassGo!」の管理者。