真夏の霞水系
こんにちは、霞ヶ浦ガイドの安江です。いよいよ真夏を迎える霞水系ですが、準備や対策はしていますか?
“流れ”のある場所が有力に
例年、7月の後半頃から霞ヶ浦の水温が一年を通して最も高い水温を迎えます。高水温になるとバスは暑さを避けるため、カレント(水の流れや動き)を求めたり、レンジ(水深)を下げます。
カレントを求めるという行動は、涼しさを求めてのことでしょう。この時期はカレントが強く発生する上流域を攻めることがキーとなります。
サーモクラインの発生で、1.0〜2.5mにバスが集中
高水温になると、霞水系でもハッキリと水のサーモクライン(暖かい水は表層に、冷たい水は深層に集まる現象)ができるため、バスも快適な水温を求めてレンジを下げて行動します。
しかし、水深が下がるほど酸素量も少なくなる為、水温と酸素量がバスにとって快適なバランスとなっているレンジを探す必要があるのです。
具体的に言うと、霞ヶ浦・北浦の本湖本流で1.0〜2.5m。(真夏のリザーバーでは4m以深など、深い水深を好むのに対して、霞水系ではやや浅いレンジを好む傾向にある)
水温が30℃を超えるようになった天候では、1.0〜2.5mのレンジがもっともバスの魚影が濃くなる傾向にあります。
表層〜1.0m以内のシャローは釣れないのか?
では、浅いレンジは待ったく釣れなくなるのかというと、そうでもありません。朝夕の涼しい時間帯やインレット回り、カレントの影響を受けている場所などは例外です。
夏の流入河川など、かなり浅い場所でもバスの魚影が濃いのはその為です。
真夏にオススメなエリア
水門
一口に水門と言っても、
・裏側が水路と繋がっていて水が動いている
・水を吸い込んでいる
・裏側がドッグになっている
など、種類はいろいろ。程度の差こそあれどの水門も水が動いていて、かつシェードを形成するという共通点があります。絶えずバスをストックしている一級スポットです。
その中でもとくに夏場に実績が高いのは、水路側から水が流れてくる水門でしょう。近年は水門周りのバスのプレッシャーが高く、バスが口を使いやすいタイミングに入る事や丁寧なアプローチが求められています。
テトラ帯
テトラは夏場の一級ポイント。なぜなら、カレントや波による護岸の浸食を抑えるために設置されているので、そもそも水の動きが起こりやすい場所に設置してあるからです。
穴打ちで釣れるバスのアベレージはやや小さい傾向にありますが、近年の釣れない霞ではそんなことは言っていられません(笑) 日中のお助けポイントです。
橋の下・橋脚
タイミングが重要になる橋の下の釣り。真夏の真昼間には、際立って良くなる貴重なエリアです。
ハッキリとしたシェードが形成されてから少し時間が経ったころ、時間帯にして11時〜14時ごろが狙い目。
橋脚周りでなくとも、シェードの中は魚影が濃くなるので、ライトリグなどで丁寧に探りましょう。
流入河川
注目すべき場所はインレット周りのカレントが効いている場所です。しかし、朝一、夕方などはカレントに執着しているバスが比較的少ないので、広くサーチする必要があります。
時間帯によって攻める場所を変えてみましょう。また、この時期は真昼間でも、インレット周りにフィーディングするタイミングが存在します。
こちらも時間帯にして11時〜14時ごろ。バスが流入河川に入ってきたばかりのタイミングは、比較的簡単に口を使いやすく、サイズも狙えます。厳しい昼間の時間帯に欠かせない釣りです。
真夏の霞水系で投げたいおすすめルアー
ハネモノ
少し深い場所からバスを引っ張れる水押しとアピール力が魅力。
マズメ時に活発に動き回っているバスを狙う釣りです。水門やドッグ周り、水通しの良い場所にあるアシ際、石積みなどが実績ポイントです。
夕方よりも表水温が低い、朝の時間帯に投げたいルアーです。
クランクベイト
産卵から回復して、巻物への反応も強くなってくる時期。風が吹き始めたタイミングで、石積み・テトラ・水門周り・ハードボトムなどを巻きます。
夏場は南方向の風が昼過ぎから吹く事が多いので、南風が当たるエリアや釣りが成立しやすい場所を覚えておくと良いでしょう。
小型でしっかりと水を掴み、ブリブリと動くウォブルが強いルアーが有効で、根がかりやすい場所ではスピナーベイトに変えるなど、臨機応変にローテーションしてみてください。
デプス EVOKE 1.2
フットボールジグ・テキサスリグ
この釣りは、表層付近の高水温を嫌ってやや下のレンジでフィーディングに入るバスを、強めの波動とポリューム感で狙う釣りです。
根掛りの多さや水の透明度によって、カラーやテキサスリグとのローテーション、ルアーのボリューム感を変えていきましょう。
基本的なアクションはズル引き&ステイ(引っ掛るものなどの周りで3秒程)や、ボトムで跳ねさせてステイさせても反応があります。
筆者はデプスのスリップヘッドジグをオススメします! 圧倒的な根掛りにくさが魅力的なジグです。
デプス スリップヘッドジグ 3/8oz
ノーシンカーリグ
夏場は水深の浅い流入河川や水路で出番の多いノーシンカー。見えバスやプレッシャーが高いエリアでは虫系、濁りが入っていたり、ちょっとした障害物などを攻めていく場合は、5インチクラスの高比重ノーシンカーといった具合に使い分けています。
高比重ワームと虫系ワームを、シチュエーションによって使い分けてみてください。
OSP HPバグ 1.5インチ
ダウンショットリグ
真夏の万能リグ、この時期に多いボトムにいるエビやゴリを意識したバスに有効です。
高水温でボリュームのあるルアーを嫌うバスにも有効なコンパクトなサイズ。また、フォールスピードの速さで、深いレンジのバスに素早くアプローチできるのも強みです。
ボトムも感じやすいので、1~2.5mのレンジを狙う際に重宝するリグです。
筆者も去年の夏の試合で多用し入賞。水中にいろいろな沈みものが存在する霞水系では、少しでも根がかりを防ぐため、マス針ではなくオフセットフックでのダウンショットをおすすめします。
流れとシェードと水温を意識して良い釣りを!
先日の大会でも1.0~1.5mのハードボトムをフットボールジグで攻略。キッカーとなるキロアップキャッチ!
霞水系のサーモクラインによるバスが好むレンジ(1.0〜2.5m)の話は、ボートフィッシングで経験してきた細かいデータ、他のロコアングラーの方との意見交換をし、今回算出させていただきました。
ちょっとマニアックな話になりましたが、真夏のバスの行動を把握し、立ち回りの参考になれば幸いです。
ライタープロフィール
安江 勇斗
霞ヶ浦をメインにバスボートでのガイド業を営んでいます。霞ヶ浦に魅了され、愛知県から茨城県に移住。釣りの勉強をしながら、7年間霞ヶ浦の漁業も経験しました。おかっぱり、レンタルボート、バスボートまで様々なスタイルでバス釣りを楽しんでいます。
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