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アカヒレタビラ 雄

アカヒレタビラを探して北関東へ。生態や特徴、キタノアカヒレやミナミアカヒレとの違いについて

日本の川にもめちゃくちゃ綺麗な小魚が住んでいます。なかなか見つけられないけど、手にした瞬間に全ての苦労が報われる……そんな小さな宝石『アカヒレタビラ』を求めた釣行記です。

目次

極美な川魚“タナゴの仲間”を求めて日本を旅する

タナゴという魚をご存知でしょうか

タナゴ

日本の川には繁殖期にだけ、目を見張る美しい婚姻色に染まるコイの仲間が生息しています。

普段は銀色で地味な色ですし、大きくてもせいぜい10cm前後と目立たない小魚なんですけどね。

婚姻色の美しさを知って欲しい

タナゴ 婚姻色

タナゴの仲間は、おもに春に産卵期を迎え2~3カ月という短い間、雌にアピールするために雄たちは競って綺麗な色に発色します。

こんなにも綺麗な川魚ですが、河川環境や生態系の変化によって多くの種類で絶滅の危機に瀕していると言われています。

タナゴを求めて日本中何処へでも行きますッ

タナゴ釣り

タナゴの仲間は、外来種2種を含めて日本には18種類生息しています。

生息範囲は比較的狭く、日本全域に分布する種類はいません。

つまり全種類のタナゴと出会うためには、日本中を旅することになるんですが、これがメチャ楽しいんです!

じつは僕。日本に留まらず、韓国や台湾にも通ってまだ見ぬタナゴを探しています。

今回の旅のターゲット『アカヒレタビラ』について

アカヒレタビラってどんなタナゴ?

アカヒレタビラ

栃木・茨木・千葉・東京・宮城に自然分布するタナゴの仲間で、国内外来種として青森にも生息しているとされるアカヒレタビラ。

産卵期は春で、他のタナゴと同様に二枚貝に産卵します。

アカヒレタビラには亜種がいます

ミナミアカヒレタビラ

少しマニアックなお話になりますが。アカヒレタビラには、「キタノアカヒレタビラ」「ミナミアカヒレタビラ」を合わせて3種類の亜種がいます。

それぞれ生息域が異なっており、名前の通りキタノアカヒレタビラは秋田・山形・新潟・福島に自然分布し、ミナミアカヒレタビラは富山・石川・福井・鳥取・島根に自然分布しています。

キタノアカヒレタビラやミナミアカヒレタビラとの違いは?

キタノアカヒレタビラ

アカヒレタビラ3亜種の見分け方はとても難しく、僕も婚姻色が出たオスの尻ビレを見比べないと何とも分かりません。

それぞれの特徴を書き出すと、以下の通りです。

キタノアカヒレアカヒレミナミアカヒレ
尾ビレの発色赤色ピンク薄ピンク
ヒゲの長さ他よりやや短い長い長いもしくはやや短い
体高高いやや低い高い

はじめてのアカヒレタビラを求めて。北関東を旅する

タナゴ探しは予習が大切です

タナゴ探しの旅に出かける際に、もっとも重要なのが情報収集です。今回も冬の間から入念に釣れそうなポイントを調べあげました。

種類にもよりますが、残念なことに多くのタナゴの仲間は、ちょろっと川釣りに出かけてひょいっと釣れるほど生き残っていないんですね。

まずは、釣ってみたいタナゴが採集して良い種類なのか調べ、県や市町村レベルの生息状況を把握しましょう。

※「イタセンパラ」や「ミヤコタナゴ」など、種類によっては捕獲すると罰せられるタナゴもいるので必ず事前に調べましょう。

さっそく国内外来種の猛攻を受ける……

桜も咲き、いよいよアカヒレタビラを求めて実釣です。地図アプリにたくさん保存したポイントを足早に回っていきますが。

どこでも我先に釣り針に掛かってくる魚がいます。そう、川の雑魚(ザコ)とも呼ばれるカワムツです。

今回釣行したエリアでは、カワムツは国内外来種です。残念なことにタナゴの仲間がカワムツに置き換わってしまっている印象を受けました。

▼カワムツ釣りの記事はコチラ!

幸先よく、雌のアカヒレタビラが釣れた

アカヒレタビラ 雌

川を変えること5か所目。カワムツを50匹程釣りあげた頃、平たい魚が掛かってきました。

紛れもなくアカヒレタビラの雌です!

ついに見つけました……この瞬間がタナゴ探しの旅最大の醍醐味です!

思わず1人で「ヨッシャー!」と叫んでしまいました。

雌がいるならその内。と期待して川を釣り上がって行きますが。

雄のアカヒレタビラが釣れる場所はどこだ?!

1泊2日、ランガンするも雄が釣れませんでした。

アカヒレタビラ 釣り メス

カワムツ20匹に対して、アカヒレタビラの雌1匹の割合でポツポツと釣れますが……一向に雄は釣れません。

2日目は場所を大きく変えてみるものの、他のタナゴは釣れましたがアカヒレタビラは釣れず。無念のタイムアップ。

セボシタビラの釣行を思い出す

タナゴ釣り

帰りの車内、ひとり反省会で思い出したのが、セボシタビラを狙った九州釣行(※2017年に釣行)です。

あの時は雄が目の前に見えているのに、繁殖に夢中でまったく口を使ってくれなかったんです。

リベンジマッチは一か所で粘ることに

初日に雌のアカヒレタビラを釣った川の支流を歩き回っていると、カワムツが極端に少なくタナゴらしい魚がヒラを打つ小さな小川に行きつきました。

竿を出せるのは1人くらいの小さなスペースに腰を下ろし、4時間粘ると心に決めました。

相変わらず雌のアカヒレタビラは、ポツリポツリと釣れてきます。餌を黄身練からミミズに変えたり、赤虫にしたり。誘ったり、止めたり……試行錯誤をしながら雄を狙います。

やっと手にしたアカヒレタビラの雄は淡くって綺麗だった

諦めかけたその時に…

アカヒレタビラ 雄

やっぱり雄は餌を食ってくれない。タモもウェーダーも車に積んであることだし、ガサガサにシフトするかなぁ。と弱気になっていた時でした。

スゥ~っと入る目印を見て竿を上げる、と青と紫が水中で光っています!

キタゾッ! ついに雄きたぁー!

小魚でも大魚でも感動は同じ

アカヒレタビラ 雄

小さいケド、紛れもなくアカヒレタビラの雄です!

タナゴは、釣れた瞬間が一番きれいに発色しています。10秒単位でどんどん色が褪せていってしまうので、目の前にある宝石のような美しさをしっかり目に焼きつけます。

雌を釣った時も嬉しかったケド、やっぱりタナゴは婚姻色の出た雄も釣りたくなちゃうんだよなぁって、大きな独り言もここなら誰にも聞こえないはずです。

めちゃくちゃ綺麗だ

アカヒレタビラ 雄

しばし、写真撮影タイムが続きます。今後何度も釣るであろうアカヒレタビラですが、一番嬉しいのはきっとこのイッピキですからね。

国内外来種の存在についても考えさせられましたが、「やっぱり日本の川魚って良いなぁ~」っと改めて実感する釣り旅となりました。

最後にタナゴ釣りの仕掛けと餌をご紹介

竿は万能竿でOK!針はタナゴ針を用意しよう

タナゴ釣り 道具

タナゴ釣りは、リール不要の延べ竿で狙います。タナゴ釣りは道具を集める楽しさもありますので、専用竿を探すと案外高額です。

入門者の方は、一般的に「万能竿」や「延べ竿」と呼ばれる安い竿で充分! 適した竿の長さは、釣り場によって異なるので2.1~3.6mを購入しましょう。

竿尻のキャップを外して、使いたい分の節を継げば長い竿も短くして使えます。

仕掛けは、タナゴ用のセット商品が販売されていますので、それを選べばOK。タナゴは口が小さい魚なので、専用針を使用した方が釣果UPしますよ!

がまかつ 簡単タナゴ仕掛 改

全長:2.1m
針:新半月
入り数:1セット

餌は黄身練と赤虫があれば対応できる

タナゴ釣り エサ

タナゴの仲間は基本的に雑食性ですが、種類や時期によって動物食性や植物食性に嗜好が傾くことがあります。

動物性の餌として万能なのが、活きた赤虫です。入手できなければ細いミミズを千切って使っても大丈夫。

植物性の餌は小麦粉と卵黄を混ぜて作る黄身練やタナゴ用のグルテンが適していますよ。

マルキュー タナゴグルテン

スタンダートなタナゴ専用グルテン
・内容量:45g

奥の深いタナゴ釣り。ぜひみなさんもチャレンジしてみてください!

撮影・文:山根 央之

筆者紹介

山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。

テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活動中。

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