ハゼってどんな魚?
ハゼの特徴と種類
釣りの対象魚として人気の高いマハゼは、細長い円形の形と吸盤状の腹ビレが特徴の魚。
マハゼの一生はとても短く、1年で死んでしまうため釣れる季節が限られます。
またハゼ釣りをしていると、ウロハゼやチチブといった他のハゼの仲間も外道として釣れてきます。
ハゼの生息域と好む場所
ハゼは、北海道から鹿児島県にかけての汽水域や内湾の砂泥底に生息しています。
川の河口域がおもな釣り場になりますが、都市部の運河などでも釣ることができます。
ハゼはとにかく好奇心旺盛な魚
1年で一生を終えるハゼにとって、とくに夏から秋にかけては早く成長するためにとても大事な季節。
この時期のハゼたちは貪欲に餌を捕るため、魚釣り初心者の方でも簡単に釣ることができます。
ハゼ釣りの魅力
回遊魚と違って“釣果が安定”している
初心者向けの釣りといえば、アジやイワシを狙ったサビキ釣りというイメージがあるかと思います。
しかしこれら回遊魚たちは、群れがいなければまったく釣れなかったり、明け方と夕方しか釣れなかったり……と、釣果にムラがあるのが現実です。
それに対してハゼは、よく釣れる時期(夏から秋)こそ限られますが、生息場所から大きく移動することはありません。
ハゼは食べて美味しい!
釣りたて新鮮なハゼの天ぷらは、格別に美味いんです!
スーパーでは入手困難な食材でもあるため、ありがたみが倍増しますね。
工夫するとめちゃたくさん釣れる!
そんな簡単に釣れて美味しいハゼですが、ハゼ釣りを楽しんでいる釣り人は初心者だけではありません。
初心者の方が10匹釣っている間に、ハゼ釣り名人は100匹釣るなんてことも珍しくなく、ハゼ釣りのハマる玄人釣り師も多いんです。
ハゼ釣りのシーズンと釣りやすい時間帯
春(3~5月)のハゼ釣り
ハゼは冬から春にかけて産卵し、多くの個体が産卵後に死んでしまいます。
そのため、春は魚釣りの対象となる大きさのハゼが一時的にいない期間になるため、春はハゼ釣りのオフシーズンとも言われます。
夏(6~8月)のハゼ釣り
地域によって差がありますが、概ね6月後半から各地で5~7cm前後に育ったハゼが釣れるようになります。
シーズン序盤は、ハゼが小さいので釣り針の種類を『袖針』などの小さな物にすると釣果が伸びやすくなりますよ。
秋(9~11月)のハゼ釣り
秋はハゼ釣りのベストシーズンで、各地のハゼ釣りポイントは釣り人で賑わいます。
とくに9~10月は、しっかりと餌を食べて15cm前後にまで成長したハゼが浅場でたくさん釣れるので、魚釣り初心者の方でも充分楽しめます。
冬(12~2月)のハゼ釣り
一般的に冬はハゼ釣りのオフシーズンとされますが、居場所が夏と違うだけでポイントを見極めることができれば大きく育ったハゼを釣ることができます。
ただし、最盛期の秋に比べるとハゼの活性が低いため、ハゼ釣りの魅力にハマった玄人向きの釣りになります。
ハゼ釣りの代表的な場所(ポイント)
河川の河口|海水と淡水が混じり合う場所がおすすめ
ハゼ釣りは、川と海の水が混ざり合ういわゆる『河口域』が好スポットになります。
水深は1~2m程度。川底は砂泥、所々に大人が持ち上げられる程度の大きさの石が点在していれば、ハゼが好む環境としてはバッチリです!
防波堤|河川の流れ込み近くがおすすめ
ハゼ釣りは、河川の河口部が近くにある防波堤や運河などでも楽しめます。
とくに秋から冬にかけて、ハゼが水深の深い場所へ移動すると河口域よりも防波堤や水深の深い岸壁での釣果が増えてきます。
船から狙うハゼ
ハゼ釣りが盛んな地域では、レンタルボート店を利用したハゼの船釣りが楽しめます。
また、ハゼ釣り体験ツアーを開催している屋形船もあり、手ぶらで楽しめるアクティビティとしても人気です。
ハゼの代表的な釣り方|数釣りはミャク釣りがおすすめ!
ハゼのウキ釣り
水深が1m程度の浅い釣り場では、リールを使わない延べ竿を使用したウキ釣りが一般的。ハゼが岸近くに接岸する夏〜秋がとくにおすすめの釣り方です。
ウキ釣りのコツは、水深に合わせてウキの位置をこまめに調整すること。ハゼは川底に棲む魚なので、必ず餌が底に着くように心掛けましょう。
がまかつ うきまろ ハゼ玉ウキ仕掛 3.6m
ハゼのミャク釣り
ミャク釣りは、ウキ釣りからウキが無くなった仕掛けとイメージしましょう。ウキ釣り同様にハゼが接岸する初夏〜秋にマッチする釣法です。
ウキがないため常に竿を細かく操作する必要がありますが、水深の変化があるポイントを効率良く釣ることができるため、ハゼ釣りに慣れてきた方で数釣りに挑戦したい方におすすめですよ。
オーナー 袖糸付針 5号
この要領でどんどん探っていきましょう。群れに当たれば入れ喰いになりますよ!
ちなみにハゼ専用の針よりも「袖針」がおすすめ!
ハゼのちょい投げ釣り
堤防や運河など水深があったり、岸辺にハゼがいないような釣り場では、リール竿を使って仕掛けを投げ込む釣り方が適しています。
仕掛けを投げ込んだら放っておくのではなく、30秒から1分に一度数十cm仕掛けを動かすのがコツです。
がまかつ ちょい投げリグ キス・ハゼ
ルアー釣り(ハゼクラ)
ハゼは好奇心旺盛な魚のため、ルアー釣りの対象魚としても人気。
ゴカイ類を模したワームだけでなく、土煙を上げて川底を泳がすクランクベイトでも釣ることができます。
基本的には難しいことを考えずに、一定の速度で巻いてくることを心がけましょう。必ずクランクベイトが川底に当てながら引いてくることが重要ですよ。
ダイワ ハゼクランクMR
全長 | 32mm |
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自重 | 2.9g |
潜行深度 | 約1.3m |
ルアー釣りの強みである“機動力”を活かし、どんどん移動して広範囲を探ってみてくださいね!
▼釣具以外でハゼ釣りに必要な道具たち
必須 | □ハサミ
□フォーセップ (針はずし) |
あると便利 | □偏光グラス
□餌箱 □タオル |
ハゼ釣りに適したエサについて
ゴカイ・イソメ
ハゼはどんな餌でも選り好みせず食べてくれるので、餌の種類は食い込みの良さと針持ちの良さを考えて選ぶと良いでしょう。
アオイソメは大きくて値段も安いのですが、ハゼが小さい時には食い込みが悪くなる傾向があります。
針には縫い刺しで付け、3cm程度の長さで切って使うのがコツですよ。
ボイルホタテ
ホタテはボイルされたものを選び、繊維質の貝柱を1本ずつほぐして針につけます。
ゴカイなどの虫エサを触れない方にも、ボイルホタテはオススメです。
オキアミ
海釣りの定番エサであるオキアミでもハゼは釣れますが、ゴカイ類やホタテに比べると餌持ちや集魚力といった観点からやや劣る餌と覚えておきましょう。
ソーセージ
動物性の餌であれば比較的選り好みしないハゼは、さまざまな餌で釣ることができます。
身近な食材では、魚肉ソーセージなんかでもハゼは釣ることができますよ。
その他
他にも、釣ったハゼの切り身や仕掛けに付けたガン玉にも食らいついてくることがあります。
また、塩分が低い下流域ではミミズも効果的ですよ。
ハゼをたくさん釣るためのコツ!
潮汐を気にして釣行しよう
河口域では必ず潮汐による干満差が生じます。つまり、時間帯によって水位が変化するということ。
ハゼは水位の変化に合わせて干上がった岸に取り残されぬよう、細かな移動を繰り返します。
ハゼがもっとも餌に食いつきやすくなるタイミングは、満潮の2時間前から満潮までの間、次によく釣れるのが干潮から2時間の間。
こまめに移動して釣れる場所を探そう
満潮前2時間のゴールデンタイムであれば、ハゼはいれば食ってくるはずです。
着底させて5秒待って、アタリがなければオモリを持ち上げ10cm程仕掛けを移動させ着底させます。
身を隠せる石を見つけるべし
ハゼは砂泥が好きということはよく知られたことですが、砂地に石が混じった場所をとくに好む性質があります。
釣果に差が出るのは針の種類と大きさ
釣具店で見かけるハゼ用の釣り針は、軸が長いため餌がつけやすく、ハゼに飲み込まれにくいメリットがある一方。ハゼをたくさん釣るためには適していません。
ハゼの数釣りにチャレンジしてみたい方は、ぜひ軸が短い『袖針』を使ってみてください!
袖針の大きさは、その場のハゼの大きさに合わせて選びましょう。目安として12cm程度までは3~4号、それより大きいハゼは5号がオススメです。
とにかく手返しが大事!針持ちの良いエサがおすすめ!
ハゼをたくさん釣りたい方は、ぜひミャク釣りに挑戦してみましょう。
アタリが手元に伝わりづらいので、最初はやり辛く感じるかもしれませんが、手返しの良さはピカイチです。
ハゼ料理|絶品レシピをチェック
ハゼの下処理と捌き方
釣れたハゼはクーラーボックスで冷やして持ち帰り、ウロコと内臓を取り綺麗に洗います。
食べる時に背骨や中骨が気になる方は取り除きましょう。
ハゼの天ぷら
『釣って楽しく、食べて美味しい』……ハゼ釣りには魚釣りの醍醐味がギュっと詰まっています。
自分たちで釣り上げた新鮮なハゼの天ぷらは最高に美味なこと間違いなしです!
ハゼの唐揚げ
シーズン序盤の小さなハゼは、ウロコと内臓だけとって丸揚げにしても美味しく食べられますよ。
揚げたてのハゼを南蛮漬けにしても美味しくいただけますよ。
ハゼの甘露煮
下処理をしたハゼを酒・醤油・砂糖で甘辛く煮た甘露煮も美味しいですよ。
マハゼ以外にも、チチブ類など小型のハゼが沢山釣れたらぜひ試してみてください!
ハゼ釣りは奥深い
簡単に釣れて美味しいハゼですが、ハゼ釣りを楽しんでいる釣り人は初心者だけではありません。
始めやすくて、奥が深い。そして美味い魚……マハゼは魚釣りの醍醐味がギュッと詰まった身近な対象魚です。
ぜひ、この機会にハゼ釣りに出かけてみてはいかがでしょうか。