イサキを釣ってみよう
イサキは全国の沿岸部に広く生息する魚です。潮通しの良い岩礁域を好む外洋性の魚で、沖合や磯場などを多く回遊します。
コマセを使うとたくさん釣れ、食味も良いことから、古くから船釣りの好ターゲットとしてポピュラーな存在です。
本記事では、元釣具屋の筆者がイサキ釣りの仕掛けや釣り方を紹介します。
イサキ釣りの時期
イサキ釣りのハイシーズンは6〜7月頃です。
産卵のために浅場へと回遊してくるのと同時に、荒喰いをするため、このシーズンがもっとも釣りやすくなります。
脂が乗る旬の時期とも重なるため、狙うなら梅雨〜初夏にかけてがおすすめです。地域によっては年中狙える魚でもあります。
イサキ釣りのタックル
次はイサキ釣りに適したタックルを解説します。
竿
アルファタックル ショートアームGS 73 170M
自重:208g
継数:2本
仕舞寸法:108cm
オモリ負荷:40-120号
コマセカゴを振りやすく、掛かったイサキをバラさない柔軟性を備えた、2m程度の7:3調子の竿がおすすめです。
号数(竿の硬さ)は、オモリに合わせたものを選んでください。地域によって使うオモリは異なるため、遊漁船に確認しておきましょう。
関西方面(おもに和歌山)では、100〜120号程度の重たいオモリを使うため、120号程度まで対応する竿がおすすめです。
関東方面では、関西に比べて軽い60〜80号程度のオモリを使うことが多いため、少し柔らかめの竿でも問題ありません。
リール
ダイワ レオブリッツ 200J
ギア比:4.8
最大ドラグ力:8kg
PE糸巻量:2号-300m
ベアリング数:10/1
重たいコマセカゴを使うため、回収作業が楽な電動リールを使うのがおすすめ。
シマノ製なら400〜2000番程度、ダイワ製なら200〜300番程度が適切なサイズです。
水深が浅くてコマセカゴが軽い場合は、手巻きのベイトリール(両軸リール)でも問題ありませんが、カウンターは付いている方が便利でしょう。
ライン
PEラインは200m以上巻いておきましょう。
遊漁船によって号数の指定がありますので、事前に確認して巻いてください。
周りと極端に違う太さの糸を使うと、オマツリの原因になります。
イサキ釣りの仕掛け
ここからは仕掛けの詳細を解説します。
天秤
天秤は30〜50cm程度のものがおすすめです。
2m以下の短い仕掛けには30cm、4m以上の長い仕掛けには50cmと、仕掛けの長さにあった天秤を選びましょう。
ワイヤーの太さは2mm程度で十分です。
コマセカゴ(鉄仮面)
関東方面ではビシカゴと呼ばれるプラスチック製のカゴ、関西(おもに和歌山)では鉄仮面と呼ばれるステンレス製のカゴが使われます。
どちらもオモリとカゴが一体になっているので、遊漁船で指定する号数を選びましょう。
オモリを付け変えられるプラカゴもあり、便利ですが、潮流の抵抗を受けやすくて姿勢が安定しにくい点が難点です。
クッションゴム
イサキの口は柔らかく、口切れを防止するためにクッションゴムを天秤に接続します。
長さは30cm前後、太さは1.5〜2mm程度が適切です。
無くても釣りはできますが、バラシを確実に減らせるので用意しておくことをおすすめします。
仕掛け
2〜3本針のイサキ専用仕掛けが市販されているので、それらを購入しましょう。
専用仕掛けの中にも、カラバリタイプやサビキタイプ、短い仕掛けから長い仕掛けなど、いろいろなものがあります。
潮流や魚の活性、コマセの撒き方などによって適した仕掛けは異なるので、いくつかのパターンを用意しておいてください。
仕掛けの扱いに慣れていない初心者の方は、2m以下の短い仕掛けを中心に揃えるのがおすすめです。
イサキ釣りのエサ
イサキ釣りで使用するエサを解説します。
コマセ
イサキを狙う場合は、アミエビをコマセに使う船が多いです。
遊漁船が用意していることが多いため、基本的に準備していく必要はありません。
マダイなども含めて五目狙いの場合は、オキアミを使うこともあります。
刺しエサ
サビキ仕掛けでも十分釣れますが、喰いが悪い時は刺しエサを付けるのが効果的です。
オキアミやイカの切り身、青イソメなどがおすすめ。エサ取りが多い場合は、擬似餌も有効です。
イサキの釣り方
エサを詰めたコマセカゴを投入し、“船長の指示ダナ+仕掛けの長さ分”まで沈めましょう。
狙いのタナに到達したら、絡みを防止するために仕掛けが落ち着くまで少し待ち、仕掛けの長さ分の糸を巻き取ってからコマセを振ります。
竿を下げた状態から水平になるまで上げて止め、そこから竿先を下げながらリールを巻き取る誘いを2〜3回繰り返してください。
コマセを振る時はしっかり動かすのを意識し、アタリを待つ時はできるだけ動かさないようにしましょう。
アタればそのまま一定の速度でゆっくり巻き上げ、取り込み時は、コマセカゴを掴んでからハリスを持って一気に抜き上げてください。
針は天秤側から外し、船の外側に出していくと絡みにくいですよ。
例えば、指示ダナが40m前後の場合は、43m程度まで仕掛けを下ろしましょう。
シャクリを3回ほど繰り返すとコマセが撒かれ、40m程度の位置でアタリを待てます。
アタリがなければ再度シャクリを3回ほど繰り返し、それでもアタリがなければ一旦回収して投入し直してください。
イサキ釣りのコツ
イサキをたくさん釣るコツ上で大事なポイントを紹介します。
エサの詰めすぎに注意
コマセカゴにエサを詰めすぎると、目詰まりを起こしてエサが出なくなることがあります。
入れる量は6〜7分目程度を目安にしてください。
仕掛けを回収した時に、少しだけエサが残っていればエサの量と誘いの間隔が合っています。
タナを把握
イサキ釣りはタナが非常に重要で、タナがズレるとまったく反応しません。
底についている外道や群れの下にいる小さなイサキが喰ってくる場合は、タナが下過ぎるので少し上げるのがセオリーです。
逆に、アタリがない場合は狙うタナを下げましょう。
追い喰いを狙う
イサキが掛かった場合は、ゆっくりと巻きながらやりとりをし、追い喰いを狙ってみましょう。
やりとり中にコマセカゴが振られることで、他のイサキの活性が上がって喰ってくる場合もあります。
追い喰いを狙うのは“指示タナ+3m程度”を目安にし、あまり長く追い喰いを狙い過ぎるとバラすリスクが高まるので注意してください。
タックルは風上(ミヨシ)側に
作業性を上げて効率よく釣果を伸ばすには、竿受けなどをエサ入れより風上側に配置するようにしてください。
イサキ釣りはイカリを降ろすかかり釣りスタイルが多く、ミヨシ側(船首側)が風上になることがほとんどです。
こうすることで、仕掛けが竿に絡むトラブルなどを防止できます。
釣り座はトモ側が有利(な場合が多い)
アンカーを降ろしたかかり釣りの場合は、トモ側(船尾側)が潮下になり、これが有利に働くことが多くなります。
潮上(ミヨシ側)から同船者のコマセが流れてきて、魚も潮下から泳いでくるのでよく釣れます。
潮や風の向きによっても変わるので一概には言えませんが、かかり釣りで釣り座が選べる場合は、トモ側を選ぶのがおすすめです。
絶品イサキをたくさん釣ろう!
イサキ釣りは、初心者の方でもコツを掴めばたくさん釣れます。
脂の乗った旬のイサキは絶品で、どんな料理にしても美味しいです。
船釣りが好きな方は、ぜひイサキ釣りにチャレンジしてみてくださいね!