ライトアジで釣果を伸ばしたいあなたに

東京湾で定番のライトアジ。
初心者でも楽しめる人気の釣りものですが、数を釣ろうとすると意外とテクニカルな奥深さがあります。
今回は20年にわたり釣ってきた筆者が、釣果を伸ばすためのタックル選びと実践的な8箇条を紹介します。
釣果を伸ばすためのタックル選び

釣果を伸ばすためにまず重要になるのがタックル選びです。
では、具体的にどんなタックルを選ぶべきか、アイテムごとに解説します。
感度が高いやや先調子のロッド

アジ釣りというと、口切れによるバラシを防げる柔らかいロッドをイメージする人も多いはず。
しかし、近年では、7:3や8:2のような先調子気味のロッドを使用する人が増えています。
その理由としては、アタリを捉えて積極的に掛けることを重視するため。
先調子のロッドであれば、穂先に「ブルブル」と震える前の、モタれるようなアタリを捉えやすくなります。
また、操作性にも優れ、小刻みな誘いを簡単に行えるのも長所です。
山下
ちなみに長さは1.7m前後がおすすめです。
取り込みや手返しの速さを重視するライトアジでは、このくらいの長さが最も効率的です。
ダイワ 極鋭 ライトアジ 165 テク
全長 | 1.65m |
---|---|
継数 | 2本 |
仕舞寸法 | 128cm |
自重 | 84g |
錘負荷 | 20-60号 |
ギア比が高いリール

数を狙うときに意識するべきポイントはズバリ手返し。
その手返しを少しでも良くするためには、素早くラインを巻き取れるギア比が高いリールを選ぶのがおすすめです。

また、カウンターについては、筆者的にはないほうがいいと考えています。
それは、カウンターを見ることでタナを取る動作が遅れてしまうからです。
最初の数投はラインのマーカーでタナを把握し、釣れ始めたら着底してからのハンドル回転数でタナを取るようにするとグッと効率が上がります。
ダイワ アドミラ A 150XH
自重 | 175g |
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巻き取り長さ | 81cm |
ギア比 | 8.1 |
標準巻糸量PE(号ーm) | 1.5-200/2-150 |
価格 | 38,000円 |
マーカーが見やすいライン

ラインからタナを把握するためには、マーカーが見えやすいものを選ぶのがマストです。
マーカー付きでも見えにくく、タナを把握しにくいラインもあります。
黒と黄色など、複数の色が組み合わさったマーカーが入っているものであれば視認しやすいのでおすすめです。
バリバス VARIVAS船 PE8 1.5号 200m
仕掛けは状況に合わせて使い分ける

仕掛けについては、状況に合わせて選択するのが基本です。
筆者的に中核を担うのがハリス2号の2本針。
食いが渋ければハリスを1.5号に落とし、食いが良ければ3本針に変更します。
山下
2号2本針、2号3本針、1.5号2本針、1.5号3本針の4パターンを用意しておくのがおすすめです!
ハヤブサ 船宿特製 アジビシ仕掛 ムツ白鈎 2本鈎2セット
ハヤブサ 船宿特製 アジビシ仕掛 ムツ金鈎 3本鈎2セット
釣果を伸ばすために重要な8箇条

ここからは、より数を釣るために意識したい8箇条を紹介します。
1. 釣り座を整える

船に乗り、まずやっておきたいのが釣り座を整えること。
竿受け、コマセ、クーラー、プライヤー、ハサミなど、すべてのアイテムを使いやすいように配置しておきます。
例えば、右舷に座った際には竿受けを左、ビシの置き場を右、その間にコマセを置けばコマセの入れ替えがスムーズに行えます。

また、数釣りもしたいけど、美味しく食べたい筆者は、釣れたらすぐにクーラーに入れるため、足元に置いています。
この配置はどこの船に乗っても基本的には変えません。
そうすることで、意識しなくても勝手に手が動いて次の動作ができるようになってきます。
山下
配置の一貫性がリズムを作る、これはほかの釣りにおいても同じことがいえるのではないでしょうか!
2. エサ付けは丁寧に

ライトアジでは、一部ではアオイソメを使う釣り船もありますが、大半はイカタンを使用します。
イカタンを針につけるときには、平たい面が上下になるようにすることが重要。

こうすることで水中で針先が上に向きやすく、硬い上顎に針が掛かりやすくなり、口切れによるバラシを軽減できます。
3. ポイント到着後はすぐに仕掛けを投入する

ポイントに着いて、まずやるべきことは仕掛けの投入です。
船長は魚探の反応を見てポイントに船をつけるため、最初の投入時はアジが船下に確実にいる状況と考えられます。
そのチャンスを最大限活かすためには、いかに早く仕掛けをアジがいるタナに入れられるかです。
ポイントが近づいてきて船速が落ちたらコマセをビシに詰め、いち早く投入できるように準備しましょう。
山下
仕掛けを投入する前にバケツで水を汲んでいると、その間にもう隣の人は釣っている、そんな状況は避けたいですね!
4. タナ取りは確実に

基本的なことですが、タナ取りは確実に行うことも数を釣るためには超重要です。
ポイントによっては着底したときにビシが底に埋まることがありますが、埋まった状態からタナを取るのはNG。
また、ラインが流されてテンションを張っていないところからタナを取っても、仕掛けはアジがいる層よりも下に留まってしまいます。
そんなことを避けるためにやりたいのが、着底後に一度ビシを持ち上げ、再度着底させたところからタナ取りをすること。
2回ほどビシが底をトントンするイメージで行うと確実。
こうすることでタナが正しく取れ、常にアジの層に仕掛けを置けます。
山下
潮が早くてラインが斜めに入っているときも、その角度を意識したタナ取りをすることが重要です。
5. ビシは細かくシャープに振る
ビシを振るときには、穂先を水面から腰の高さくらいまで持ち上げるようにしゃくるのがベスト。
穂先が頭の上を超えるような大きな動きをすると、アジがビシの動きを嫌うためか、なかなかヒットしなくなることがあります。
また、大きくしゃくりすぎると仕掛けがビシに絡まり、手返しが著しく悪くなることも。
山下
アジの食いが渋いときこそ、「細かく、シャープに」を意識すると釣果がついてきますよ!
6. ダブル・トリプルを狙う

数を伸ばすためには、ダブル・トリプルを狙うことも重要です。
ダブル、トリプルにするには、上針に一匹目を掛け、一匹目が掛かった層に下針を入れて追い食いするのを狙います。
これを読んで気がついた人もいるかもしれませんが、コマセと同調させるのは上針です。
7. 釣り方の引き出しをいくつか持っておく

ライトアジ釣りにもさまざまな釣り方が誕生しています。
基本となるのが、コマセを一回撒いてそのコマセに同調させる従来の釣り方。
それに加えて、仕掛けを30~50cm間隔と細かく撒くライン引きと呼ばれる釣り方も近年では定番です。
山下
また、コマセを撒いてから1分ほど置き竿にしてようやくアタリが出ることもあります。
どんな場面であっても釣れるように、釣り方のパターンはいくつか持っておくようにしましょう。
8. 残り時間わずかになったら集中力を高める

技術ではなくてメンタル的な部分になりますが、船長から「残りあと10分です」といったアナウンスがあったら、ここでさらに集中力を高めます。
とくに竿頭を狙う場合には、残り時間あとわずかで一匹、二匹の争いをすることがあります。
最後まで手返しを意識し、仕掛けが水中にある時間をできるだけ長く保ちましょう。
釣果を伸ばし、数釣りの奥深さを味わおう!

ライトアジは一見シンプルな釣りに見えますが、実際には「タックル選び」「釣り座の準備」「タナ取りの精度」「コマセワーク」など、細部にこだわることで釣果に大きな差が出ます。
数を釣るための8箇条と、効率を高めるタックルセッティングを意識すれば、同じ時間でも倍近い釣果を叩き出すことも可能です。
次の釣行では、ぜひ今回紹介したポイントを採り入れて、ライトアジの数釣りを存分に楽しんでみてください。
撮影:山下洋太