マハゼとよく似た『ウロハゼ』という魚について
夏から秋は“ハゼ釣りのシーズン”ですね!
夏休み頃から始まるハゼ釣りシーズン。初心者や家族連れからベテラン釣り師まで手軽に楽しめる釣り物として親しまれています。
釣りたてのハゼの天ぷらって美味しいんですよね! 僕もこの時期になると毎年ハゼ釣りに出掛けています。
そんなハゼ釣りを楽しんでいると、やたら大きなハゼが釣れることがありませんか?
もしかしたら……その大きなハゼはマハゼじゃないかもしれません。
やたら大きなハゼが釣れたことありませんか?
じつは、マハゼとそっくりな『ウロハゼ』という魚がいるんです。釣り上げた時はマハゼそっくりな模様と色なので、釣り人を喜ばしてくれるのですが……。
マハゼと勘違いして家に持ち帰ると、真っ黒に黒化していて「アレ?ちょっと違う魚かも!」って気づく方もいらっしゃるかと思います。
それでは、きっと多くの釣り人が見分けていないであろう『ウロハゼ』という、いわば偽者的なハゼの見分け方や食味についてご紹介していきますね!
ウロハゼの特徴や生態について
ウロハゼの生息域と習性
ウロハゼは、新潟および茨城県以南の本州、四国、九州に生息するハゼ科の魚です。
汽水域や内湾を好む点ではマハゼと同じですが、群れではなく単独で行動することや、産卵期が夏という性質がマハゼと異なります。
ウロハゼの大きさについて
ウロハゼは最大で25cm前後まで成長し、よく釣れるウロハゼのサイズとしては10~15cm程度が一般的です。
10cm前後のマハゼを釣っていて15cmのウロハゼが掛かると、そのサイズ感の違いにビックリそして嬉しくなりますが……じつは種類が違うんですね。
ウロハゼの生息環境
ウロハゼは汽水域の中でも、岩陰やテトラの陰、捨てられた自転車やタイヤなどとにかく身を隠せる物陰が大好きです。
洞(うろ:岩や樹木にできた空洞やほら穴という意味)に棲んでいるハゼということで、ウロハゼと名付けられたとも言われます。
マハゼとウロハゼの違いと見分け方
マハゼとウロハゼの明確な違い①|口の形状に注目しよう
マハゼとウロハゼでは口の形が明確に違います。
マハゼは上唇が長いのに対して、ウロハゼは下唇が長いという違いがあり、ウロハゼの方がウケクチ状の口をしていることが分かります。
マハゼとウロハゼの明確な違い②|舌の形状に注目しよう
マハゼとウロハゼは、舌の形がまったく違います。
ウロハゼの舌は二又に分かれているのに対し、マハゼは分かれていません。
口の中を確認すれば、マハゼとウロハゼを簡単に見分けることができますよ。
マハゼとウロハゼの曖昧な違い①|死んだあとの色合いが違う
魚の体色には個体差がありますので、確実な見分け方とは言えませんが……マハゼとウロハゼは死んだ後の色合いが異なります。
ちなみに、ウロハゼは死んだ後に黒ずむことから『クロハゼ』なんて呼ばれることがあります。
マハゼとウロハゼの曖昧な違い②|体格が違う
同じ体長であってもマハゼよりもウロハゼの方が体格が大きい。というのもマハゼとウロハゼの違いかもしれませんね。
ウロハゼの方が体高があって肉付きが良く、顔も大きい印象を受けます。
大きなウロハゼの釣り方
大きなウロハゼを釣ってみたい方へ
「ウロハゼを狙って釣りたい!」って方は少数派かなと思います……。
とはいえウロハゼも美味しく食べられますし、図体がデカいので釣り味も面白いので、今後ウロハゼ釣りも流行るかもしれませんね(笑)。
基本的には、ハゼ釣りと同じ道具や餌でOKですが、ウキ釣りよりも隠れ家をダイレクトに探れる“ミャク釣り”の方がオススメですよ。
▼釣果に差が出るハゼのミャク釣りについてはコチラの記事で紹介
ウロハゼは身を隠せる障害物の際にいる
砂泥に散らばるように分布することのあるマハゼに対して、ウロハゼは石やテトラなど砂泥にある硬い物の傍に身を潜めています。
大きいウロハゼほど物陰を好むので、ウロハゼを狙ってみたい方は障害物の際を丁寧に探りながら釣りましょう。
ウロハゼは夜行性です
マハゼ釣りの外道で良く釣れるくせに「ウロハゼを狙って釣ろうとすると、なかなか釣れん!」はい。外道の素質がある魚ってウロハゼに限らずそういうもんなんですね。
どうしても、ウロハゼを釣ってみたいんだ。というマニアックな方には、夜釣りがオススメです。
夜行性といわれるウロハゼは、夜になると物陰から出てきて石やテトラの上っ面にピタッと付いていることが多く、昼よりも釣りやすくなりますよ。
ウロハゼの食べ方について
ウロハゼもマハゼと同様に天ぷらがオススメ
真っ黒に変色したウロハゼを見ると、「ちょっと美味しくなさそう……」って感じるかもしれませんが、問題なく美味しく食べられます。
やはり、ハゼの仲間ということもあって油との相性が良く、大きい物は三枚におろして天ぷらがオススメ!
10cm未満の小さなウロハゼは丸揚げにしてもGOODですよ!
ウロハゼの塩焼きも美味!
マハゼと同様に、ウロハゼの塩焼きも香ばしくって意外と旨いんです。
ちょっと面倒ですが、七輪を使って炭火でジックリと焼き上げると最高ですよ!
大きなウロハゼは煮つけでも◎
型の良いウロハゼが釣れたら、煮つけにするもオススメです。
白身魚らしいフワっとした上品な味わいが美味ですよ!
マハゼとウロハゼの食味の違いについて
マハゼとウロハゼを食べ比べてみると……
今回、ウロハゼの記事を書かせていただくことになったので、あらためて真剣にマハゼとウロハゼの天ぷらを食べ比べてみました。
どちらも中骨は取らずに背開きで天ぷらにしてみましたが、13cm程度のウロハゼならば骨ごとたべることができました。
大差なく、ウロハゼも美味しいです
真剣にウロハゼとマハゼの味や食感の違いを探してみると、ウロハゼの方がやや骨が硬く感じますが味はマハゼに劣らず上品な白身魚の天ぷらとして大変美味です。
ややマハゼの方がキメの細かい肉質という印象を受けますが、知らずに食べて気づく人は余程のハゼ通かと思います。
ハゼと見間違う大きなウロハゼをご紹介しました
今回は黒っぽいハゼであるウロハゼをご紹介しました。
一見するとマハゼとそっくりな魚ですが、ウケクチで舌が割れていればウロハゼという見分け方を知ってしまえば一目瞭然です。
ウロハゼも美味しい魚ですので、マハゼと区別せず美味しく食べてみましょう。