ミノープラグを使って色んな種類のトラウトを狙ってみよう
管理釣り場=数釣り……だけじゃないはず
管理釣り場といえば、トーナメントなどが盛んに行われていることもあって、少なからず“数釣ってなんぼ!”という風潮がある世界だと思います。
激渋な状況下で、1人だけ一投一匹でドラグをならしっぱなしの達人を羨ましく思ったりして、「あれ?俺は管理釣り場に何しにきたんだろう…?」って疑問に思った時期が僕にもありました。
でも考え方や価値観を変えてみると、あの時以上に今では管理釣り場を楽しめていますし、ワイルドフィッシュと変わらないくらいドキドキしたりもしています!
大型トラウトも狙ってみよう
管理釣り場によっては60cm!70cm!いや、90cmを超える怪物みたいなトラウトを放流している場所もあります。
このような大物達は何年も生きているため、素晴らしい知恵と体格を身につけています。
確かに、生け簀や狭い池で泳いでいるため多少不格好かもしれませんが、それでも生き物として迫力と魅力に満ち溢れていることに違いありません。
毎回そんな大物は釣れませんが、何度も管理釣り場に通っているとそんなのが掛かるんですよ! そりゃもうドッキドキですよ!
たくさんの種類のトラウトを釣ってみよう
トラウトの種類は驚くほど多く、交雑種や品種改良種を含めると国内の管理釣り場で30種以上を釣ることができるでしょう。
管理釣り場ではニジマス以外の魚を「色物」と表現しますが、種類ごとの生態を知っていくと釣り方の違いに気づいたり、自分好みの魚種が出てきたりします。
なかには、スプレイクやロックリバートラウトなどレアな種類を放流している管理釣り場もあったりして、ちょっと遠いけど遠征してみようかな? とワクワクしたりもします。
記録じゃなくって思い出に残る釣行にするのもアリ
もちろん、管理釣り場で数釣りの腕を磨くのもめちゃくちゃ楽しいですし刺激的です。
ただ、管理釣り場の楽しみ方は他にもいっぱいあって、釣り場ごと、そして魚ごとに楽しみ方があるってことをお伝えできれば良いなと思ってこの記事を書いています。
今回は、管理釣り場でもっとも多くの魚種を狙うことができるミノーイングを紹介していこうと思います。
皆さんもミノーを持って、今までと違う管理釣り場の楽しみ方を体感してみてはいかがでしょうか?
管理釣り場で効果的なミノーイングの基本的なアクション
ただ巻き・スローリトリーブ
もっとも基本的なアクションといえるただ巻きは、ミノーのタイプを問わず有効な使い方と言えるでしょう。
スプーンやクランクベイトと同様にミノーでも良く釣れるアクションです。
トゥイッチ・ジャーク
ロッドを鋭く煽ってルアーを左右に飛ばし、魚の興味やリアクションバイトを引き出しましょう。
管理釣り場でミノーイングを行う場合に、もっとも使用頻度の高いアクションと言えますね。
ときには連続ジャーク、ときにはポーズを長く取ったスローなトゥイッチなど。状況や魚種に応じてアクションを変化させましょう。
マジックジャーク(ハイフローティング釣法)
近年流行りのハイフローティング(高浮力)ミノーを使った数釣りテクニックです。
急潜行の後の急浮上でリアクションバイトを狙います。
主な対象魚はニジマスになりますが、スプーンやクランクベイトにスレた魚も反応することがあります。
▼マジックジャークを詳しく解説している記事はこちら!
ストップ&ゴー
バス釣りで良く使うアクションですが、トラウトにも有効です。
ハイフローティングミノーを使用するとマジックジャークに似た動きになりますが、サスペンドミノーやスローシンキングミノーを使ったストップ&ゴーでもトラウトを反応させることができますよ。
魚種ごとの生態を知って釣り方を理解しよう
ニジマス
管理釣り場でもっとも放流量が多く、メインターゲットとなるニジマス。
ニジマスは、一定速度で動くものに対して興味を抱く性質があります。
動く方向は水平垂直関係なく、ミノーではただ巻きとマジックジャークに好反応を示します。
イワナ・ブルック・オショロコマ
イワナ系とも称されるこれらの魚種は、連続的かつ不規則に動く物に反応してチェイスしたりバイトしたりする性質があります。
チェイスした際にルアーの動きを止めてしまうと瞬時に興味を失ってしまうことが多いため、ルアーアクションを継続させることが大切です。
イワナ系を狙う場合は、ジャークやトゥイッチが効果的ですよ!
ヤマメ・アマゴ・ギンザケ
ヤマメ・アマゴ・ギンザケはイワナ系と同様に不規則に動く物に良く反応を示しますが、ポーズを取った瞬間にバイトすることもあります。
ルアーを襲わせる一瞬の“間”を作ってあげることがヤマメやアマゴを狙う際の面白さですね。
また、銀ジャケは表層を泳ぐ性質が強いのでリップの短いミノーが効果的です。
ブラウン
水押しの強いアクションが大好きなブラウントラウトは、ボリュームのあるミノーが効果的です。
アクションはジャークやストップ&ゴーがオススメ!
縄張り意識が強い魚なので、サイトフィッシングができる状況の場合は何度も根気よく口先をトレースしていると急にスイッチが入ることもありますよ!
イトウ
管理釣り場の王様ともいえるイトウは魚食性が強いため、レギュレーションが許す限り大きいミノーで狙いましょう。
アクションとしては、フラッシングの強いカラーを使用し、ポーズを取らないゆっくり目な連続ジャークが放流直後でやる気満々なイトウには効果的です。
対照的に一度釣られたりファイトを経験しスレたイトウは、釣られた動きをするものを極端に嫌うため、ミノーがほとんど動かないようなデッドスローリトリーブやスローテンポなトゥイッチなど、よりナチュラルな動きで狙ったりします。
ロックトラウト
ロックトラウトとは、簡単に表現するとニジマスとイワナを掛け合わせて作られた品種で、個体によってニジマスに近い習性を示す魚からイワナに近い習性を示す魚までさまざま。
あくまで僕の感想ですが……ロックトラウトについては狙っていない時に限って掛かる大物というイメージがありますね。
個体ごとに性質が違うので狙うとなると難しいですが、ボトム付近をゆっくりただ巻きで引いてくるとヒットします。
管理釣り場でミノーイングを楽しむコツ
魚の行動をしっかり観察する
ミノーイングの醍醐味を最大限に感じたい場合は、透明度の高いクリアポンドへ釣行することをオススメします。
魚達をしっかり観察することで、どんな行動をしている魚がミノーへ反応するのか、どんなアクションでバイトするのか目で見て楽しむことができます。
ちなみに、泳ぎ回っている魚は基本的に釣れません。ボトムでジッとしている魚や縄張りを作って他の魚を追い払うような行動をしている魚が狙い目です。
シンキングミノーがオススメ
ひとえにミノーといえども色々なタイプがあり、いきなり全部揃えるのは大変ですよね。
まず手始めにクリアポンドでミノーイングを楽しむ場合は、沈むタイプのシンキングミノーがオススメです。
狙った魚のレンジまでルアーを沈め、ジャークで狙っていきましょう。
ハルシオンシステム 月虫55MD沈 AREA
自重:5g
タイプ:シンキング
フック:VANFOOK PL-51BL #6
ラインスラッグを作ったジャークをする
ミノーをジャークする場合は、しっかりラインスラッグ(糸の弛み)を作ってルアーを左右に大きく飛ばすことを心掛けましょう。
ジャークで管理釣り場の魚を狙う場合は、進行方向に対しての移動距離を抑えながら、左右に大きく素早く飛ばすことがコツです。
リールを一回転する範囲で2~4回ルアーを飛ばすイメージでアクションさせましょう。
▼ジャーキングのやり方についてはコチラの記事
一発大物狙いなら坊主覚悟で(笑)
イトウや巨大なニジマス、ロックトラウトなんかを狙う場合は、管理釣り場といえども坊主を覚悟しながら心にゆとりを持って狙いましょう。
とはいえ、そこは管理釣り場です。怪物級は釣れなくとも色んなトラウト達が癒してくれるでしょう!
「どうしても大物を釣りたい、釣らねば!」となると本末転倒です。釣れない時間はドキドキ感の充電期間と考えましょう!
ミノーイング用のタックルを用意しよう
ロッドは張りがあるものが良い
ダイワ シルバークリーク ストリームトゥイッチャーST 56L
継数:2ピース
仕舞寸法:87cm
標準自重:90g
ルアー重量:2−10g
適合ラインナイロン:2−6lb
いわゆる管理釣り場用の柔らかいロッドよりも、ある程度張りのあるロッドの方がミノーにしっかりと動きを付けることができます。
専用ロッドも販売されていますが、バス用のULクラスや渓流ロッドが意外と使いやすくてオススメですよ!
大型トラウトに備えてラインはPEを選択しよう
大型トラウトに対して余計なダメージを与えないように、使用するラインは想定できる最大魚に合わせた強度を使用しましょう。
60cm前後の魚の場合はPE0.4号にフロロ6lbのリーダー、イトウなど超大型トラウトを狙う場合はPE1.0号にフロロ12lbのリーダーが良いでしょう。
管理釣り場でもドキドキできますよ!
魚種を調べれば調べるほど釣ってみたい魚が増えますし、大型トラウトは何度掛かってもドキドキします。
ギュンッ!ギュンッ!って左右に飛ばしたミノーに狙った魚が反応した瞬間の『食えーッ!』って心の叫びをぜひ皆さんに味わっていただければ幸いです!
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017