秋に繁殖シーズンを迎えるカネヒラ
タナゴの仲間は繁殖期に色が出る

特別天然記念物や外来種を合わせて、18種類ものタナゴの仲間が日本に生息しています。
彼らの最大の特徴でもある“美しい婚姻色”は繁殖期のオスにのみ現れます。
年中綺麗に咲き乱れている訳ではないところが、日本の魚らしくって風情があるものです。
カネヒラは秋に婚姻色が出る珍しい種類

多くのタナゴの仲間が春に繁殖期を迎えますが、カネヒラは秋に産卵する珍しいタイプです。
カネヒラが色付く季節は地域によって多少差はありますが、おおむね9月下旬から12月上旬までで、この頃がカネヒラ釣りのシーズンといえるでしょう。
カネヒラの特徴

カネヒラはコイ目コイ科タナゴ属に分類され、日本に在来するタナゴの仲間では最も大きく、全長12-15cmまで成長します。
婚姻色は体側に青いラインが現れ、背ビレと尻ビレはピンク色に染まります。控えめにいってめちゃ綺麗です!
エラ蓋後方の逆三角形の暗色斑も特徴的ですね。
カネヒラの生息地や釣れるポイントの探し方
カネヒラは西の魚だった

カネヒラは元々、濃尾平野以西の本州と九州北部に分布していましたが、現在では霞ヶ浦周辺や宮城県でも国内外来種として定着しています。
多くのタナゴ類が生息数を減らす中で、カネヒラは比較的強い種類といっても良いでしょう。
ちなみに、日本産タナゴ類の中でカネヒラだけが環境省レッドリストに記載されていません。
緩やかに流れる小川や水路でカネヒラを狙って見よう

カネヒラは湖や大きな河川のワンドなど大場所に多く生息していますが、いざ釣り狙うとなると大場所と直結する流れの緩やかな水路や小川がオススメです。
大柄なカネヒラは「グングンッ」とタナゴと思えない小気味いい引き味を楽しませてくれますよ!
カネヒラを探すなら“水草”がキーワード

カネヒラは、草食性に偏った雑食性の魚です。カネヒラを狙うならとにかく“水草が生えている水路”を探しましょう!
秋になると縄張りに侵入する他魚を追い払う行動をしているカネヒラを見つけることができるので、目視でもしっかり探してみましょう。
カネヒラを探す場合は、以下の環境を手掛かりにしてみましょう。
■カネヒラ釣りのポイント
- ●カネヒラが確実に生息する大場所と繋がっている水域(例えば琵琶湖や吉井川など)
- ●緩やかに流れる水深30~1m程度の用水路もしくは小川
- ●緑色で状態の良い水草が繁茂し、小魚が逃げ隠れする様子が確認できる水域
- ●二枚貝の生息が確認できる水域
タナゴ釣りの暗黙のルール“釣れた場所をネットに公開しない”

タナゴ釣りはポイント探しが一番難しいのですが、それこそ醍醐味ととらえて頑張りましょう!
釣行前にGoogleMapなどの地図アプリを使って、一日でまわるポイントをピックアップしておくと効率よく探すことができます。
また、カネヒラは生息数が多いこともありネット検索でも大まかな釣り場がヒットしてきますが、無暗に釣れた場所をネット上に公開することは控えましょう。
タナゴの種類によっては高額で取引されることもあり、乱獲に繋がる恐れがあるためです。
カネヒラの釣り方や効果的な餌“黄身練”について
カネヒラは大雑把な人でも釣れる

カネヒラは、アブラボテと並んで簡単に釣ることのできるタナゴといえるでしょう。
▼タナゴ釣り入門種“アブラボテ”に関する記事はコチラ
魚体が大きいこともあり、タナゴ専用の超ウルトラ極小針を使わずともオイカワやカワムツを釣るような針でカネヒラは大丈夫。
仕掛けも小難しいことを考えなくてもOKです。ウキを使った川釣り用セット仕掛けやタナゴ仕掛けで充分楽しめますよ。
カネヒラ釣りの仕掛けはカエシの無い針がオススメ

カネヒラ釣りの仕掛け選びのコツを強いてあげるとすれば、カエシの無い針がオススメです。
タナゴ用の針にはカエシがついている物がありますが、どうしても針を外す時に唇が取れてしまうことが多いんですね。
僕のオススメはハエスレ針と言う緑色の針です。サイズは2号がオススメ!
草食性が強いことが原因しているか分かりませんが、とても食いつきと掛かりが良いですよ!
カネヒラの釣り方

水路でカネヒラらしき魚影が逃げたりヒラを打つ姿を見つけたら、水深よりも5~10cm程度浅くウキ下(タナ)を調整しましょう。
水路が狭く、魚が右往左往逃げまどっているような状態の場合、焦る気持ちを抑えて5分ほどジッと動かず待ってみましょう。
再び定位するようになれば餌に食いついてきます。静かに仕掛けを投入しましょう。
アタリは明快なので迷うことはありません。少々アワセが遅れてもカネヒラなら掛かってくるはずです。
黄身練が効果抜群!赤虫やミミズでもOK

カネヒラを釣る場合の餌は。黄身練と呼ばれる練餌が一番です。
釣り場の流れが強い場合は、赤虫やミミズなど針から取れにくい餌が良い場合もあるので、2種類用意すると万全です。
ちなみに餌を忘れてしまった場合は、コンビニの温泉卵の黄身でも良く釣れます。
黄身練の作り方

少し面倒ですが、釣果にこだわる方は生卵を使って黄身練を自作した方がよく釣れます。
面倒といっても、ホットケーキミックス(無ければ小麦粉でも可)と卵黄を混ぜて練るだけなので超簡単です。

分量は卵黄の大きさに左右されるので一概に表記できませんが、少しずつホットケーキミックスを足していき、お箸の先で黄身練りを引き上げ、 スーっと細くなって最後にツノができそうで……倒れちゃう。そのくらいが標準です。
釣り場の流れが強ければより硬く、流れが無く食い込み重視にしたければ柔らかく仕上げましょう。

できた黄身練はポリ袋に入れて輪ゴムで縛り、先端をほんの少し切り、針につける時に押し出すようにすると便利です。
もちろん、専用のポンプも販売されています。
カネヒラを飼育する上での注意点
飼育もタナゴ釣りの醍醐味です

とても色鮮やかで気品のあるカネヒラですから、飼育してみたいという気持ちもよく分かります。
僕もカネヒラは3年間飼育したことがありますが、比較的高水温にも耐性があり飼育難易度は簡単な部類に入る印象を持っています。
カネヒラを飼育してみたいと考えている方は、水槽など周辺機器をしっかり立ちあげてから釣りに出かけましょう。
カネヒラは比較的温和な性格だが、混泳には注意
タナゴの仲間は縄張り意識が強い魚であるため、多少の小競り合いは必ず起きると覚悟しましょう。そんなタナゴの中でカネヒラは相手をボロボロにするまで喧嘩を仕掛けるといった行動はあまり見せません。
とは言え、大きさが10cm前後と大柄なため、タイリクバラタナゴなど小柄な魚との混泳には注意が必要です。
また、水草が大好物なため、葉先の柔らかな物は片っ端から食べられてしまうので注意です。
コメット 川魚の主食
内容量:80g
タイプ:緩沈下タイプ
粒の大きさ:約0.5mm以下
原材料:フィシュミール、小麦粉、小麦胚芽、酵母、緑藻、イカミール、フィッシュレバー、ミジンコ、糸ミミズ、赤虫
タイプ:緩沈下タイプ
粒の大きさ:約0.5mm以下
原材料:フィシュミール、小麦粉、小麦胚芽、酵母、緑藻、イカミール、フィッシュレバー、ミジンコ、糸ミミズ、赤虫
カネヒラを飼育するために必要な水槽機材
60cm規格水槽での飼育が望ましいですが、45cm規格水槽でも少数でしたら問題なく飼育可能です。日本産淡水魚ですので低水温にも強く、ヒーターは必要ありません。
コトブキ工芸 プログレ450 5点セット
【セット内容】
水槽:W460×D300×H340mm
上部フィルター
LED照明
ガラス蓋
サンプル品(餌・カルキ抜き)
水槽:W460×D300×H340mm
上部フィルター
LED照明
ガラス蓋
サンプル品(餌・カルキ抜き)
コトブキ工芸 プログレ600 60cm水槽セット
セット内容
60cmフレーム付きガラス水槽:「コトブキ プログレ600」(ガラスフタ1枚つき)
-サイズ(約):幅60×奥行き30×高さ36cm(水量:約58L)
LED照明:コトブキ フラットLED SS 600 ブラック
上部式フィルター:コトブキ スーパーターボ トリプルボックス 600
ヒーター:コトブキ ツーウェイオートMD 160W
バックスクリーン(ブルー・ブラックリバーシブル※パッケージなし)
水温計
試供品(フード2種、カルキ抜き)
飼育の手引きLED照明仕様
60cmフレーム付きガラス水槽:「コトブキ プログレ600」(ガラスフタ1枚つき)
-サイズ(約):幅60×奥行き30×高さ36cm(水量:約58L)
LED照明:コトブキ フラットLED SS 600 ブラック
上部式フィルター:コトブキ スーパーターボ トリプルボックス 600
ヒーター:コトブキ ツーウェイオートMD 160W
バックスクリーン(ブルー・ブラックリバーシブル※パッケージなし)
水温計
試供品(フード2種、カルキ抜き)
飼育の手引きLED照明仕様
カネヒラは西の魚といこともあり、比較的高水温にも強い魚ですが、近年の猛暑には注意しましょう。
水温が30度を超えるような場合は、エアコンを使って室温を下げたり、水槽用冷却ファンを購入しましょう。
コトブキ工芸 スポットファン 204
対象水槽:45〜60cm(水量60L以下)
水槽用フレームレス水槽・フレーム水槽両対応(枠幅最大30mm)
水槽の水温を2〜4℃下げることができます。(※気温や湿度により多少異なります。)
サイズ(約)幅9.2×奥行き8.2×高さ15.1cm(スライドストッパー含まず)
水槽用フレームレス水槽・フレーム水槽両対応(枠幅最大30mm)
水槽の水温を2〜4℃下げることができます。(※気温や湿度により多少異なります。)
サイズ(約)幅9.2×奥行き8.2×高さ15.1cm(スライドストッパー含まず)
カネヒラの寿命は2~3年

近年、ペットを野外に放つ飼い主が多くて社会問題になっています。
弱ってしまったから可哀そう、飼いきれない、婚姻色が薄れたなど、一度家に持ち帰った生き物を再び自然へ逃がすことはいかなる理由があっても肯定されません。
これ以上、国内・国外問わず外来種問題を発展させないためにも、生き物を飼育する際は必ず家族としっかり相談し、何が何でも死ぬまで飼い続ける覚悟を決めましょう。
筆者紹介

山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017
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