カルチャーから生まれる名作たち
気がつけば今年で40歳を迎える、TSURI HACKライター小林です。
ブランクはあるものの、思えば10歳の時からバスフィッシングに興じていまして、その昔に発売されていたルアーを今になって投げてみるのが、ここ数年のバスフィッシングの楽しみ方です。
アメリカの古いカルチャーであるバスフィッシングは、それぞれのルアーのジャンルに「定番」と呼ばれるものが存在しています。
ワームであればゲーリーグラブやスワンプクローラー、トップウォーターならビッグバド、クランクベイトならストームのウィグルワート(ぼくが初めて釣ったルアーです)といった具合でしょうか……。
元祖スティックベイト“スラッゴー”
そんなルアーのひとつに、ランカーシティの『スラッゴー』というワームがあります。
今見るとなんの変哲もないワームのように見えるかもしれませんが、これこそが見事なダートアクションで一斉を風靡した元祖スティックベイトなのです。
3インチ、4.5インチ、6インチなどと豊富なサイズ展開。特に3インチ、4.5インチの使い勝手は最高です。
ノーシンカーでのダートアクションのキレ!
基本的な使い方はノーシンカーでのダートアクション。
マスバリチョン掛けでのダートアクションは、見事なまでにベイトフィッシュのトリッキーな動きを演出してくれ、ダート後の水平フォールもシビれます。
当時のパッケージの裏には“ベーシックリギング”として解説がされています。
昔はバスフィッシングでマスバリを使うという概念が全くなかったのでしょう。オフセットフックが推奨されていますが、ワームの自由度が高いマスバリの方が、圧倒的に艶めかしい動きをしてくれます。
ちょんちょんとダートさせていると、下からギラッとバスが翻す。そのため、サイズを問わず楽しい釣りができます。
スイッチが入って取り合いになることも多く、数釣りを楽しめます。
ワームも小さいため、子バスが釣れる事が多いのですが、この通りナイスサイズも釣れてくれます。
特に朝マズメ、夕マズメ時のシャローをウロウロしているようなバスはイチコロですね。
遠投やボトム攻めにはキャロライナリグで
スラッゴーは塩入りではないため、少々遠投には不向き。基本軽いのでノーシンカーでボトムを攻めることは難しいワームです。
そんな時はキャロライナリグでボトムまで一気に落としてしまいましょう。シンカーの動きと時差が生まれることで、ボトムで怪しく漂います。
ジグヘッドやフリーリグにも最適
個人的には圧倒的にノーシンカーがオススメ。ジグヘッドや、近年流行りのフリーリグとも相性はバッチリです。
特にフリーリグでの縦のストラクチャーを絡めたリフトアンドフォール時の自動ダートアクションは釣れないわけがありません。
フリーリグには根がかり対策としてオフセットフックがオススメです。
スラッゴーは海でも使える!
スティックベイトでダートアクション……ということは当然海でも使えます!
ダートアクションに弱いメッキはとくに有効です。
海なら重めのジグヘッド
海の場合は水深や飛距離を考えると重めのジグヘッドで攻めるのがベター。水深によって重さを考えるべきですが、10gを中心に展開すると良いでしょう。
また、ダートが何よりの魅力なので、ダートアクションを上手く引き出せるジグヘッドを使うと良いでしょう。
カルティバの静ヘッドはダートアクションもさることながら、コスパにも優れている逸品。大物を掛けてもフックが折れることなく使えるため、とってもオススメです。
マゴチも釣れます
ボトムをズルズル……ときどきダートさせ、フォールでアタリを待っているとこの通り。巨大なマゴチも釣れちゃいます。
他にも根魚やタチウオ、シオ、ツバス、カマス、サゴシ、シーバスなどなど、フィッシュイーターならどんな魚でも釣れるでしょう。
おまけ)昔ながらのパッケージがカッコいいんだ…
この手の古いアメリカンルアーの特徴とも言えますが、とにかくパッケージがカッコ良い。
パッケージの中に、そのワームの使い方を印刷をするなど、今では考えられないような手間も多い。
そうした所に「趣」があふれており、エモさを感じながら釣りを楽しむことができるのです。
そのためスラッゴーはなかなか封を開けられずにいます(笑) だってカッコいいんですもの。
ランカー シティ スラッゴー 3"
おわりに
名作スラッゴーのように、古くから存在するルアーは、それだけ釣れる要素を持っているものです。
これを読んでくださっている皆さんのタックルボックスにも、きっと懐かしいワームが残っているのではないでしょうか?
ライタープロフィール
小林大介
愛知県出身徳島県在住。映像クリエイター、フォトグラファーとして地方の限界集落で活動中。山の猟師でもあり、デジタルとアナログの両極端な生活を楽しんでいます。
海、川、ルアー、エサ釣りと限らず、楽しく美味しい釣りはなんでもトライするのが信条です。