都心から“日帰り圏内”で怪魚ハント
今回のターゲットは「ウチワザメ」

ウチワザメは、関東から九州にかけての沿岸域に生息するエイの仲間です。
岩礁地帯の砂地を好むと言われており、関東近郊では伊豆半島に多く生息しています。
サメという名がついていますがエイの仲間です

さらっとエイの仲間とご紹介しましたが、外見としては上半身はエイ、下半身はサメですよね(笑)。
ちなみに触り心地は、ザラザラとしていて所謂サメ肌といった感じです。
実は、エイとサメは分類上とても近い種類の生き物なんですね。
▼明確にエイとサメを区別する方法はこちらの記事をご覧ください!
ウチワザメは狙って釣ることのできる魚です

いつもと違い、今回は打率の高い対象魚です。
春から秋にかけて、ウチワザメの生息する場所さえ外さなければ十中八九釣ることができます。
たまには癒しの怪魚釣行も悪くないでしょう。夏の夜釣りってのんびりしてて色んな魚が釣れるので本当に楽しいんです!
それでは、日帰り圏内の伊豆半島へちょっくら出かけましょう!
ウチワザメが釣れるポイント 磯が隣接する砂地を狙え!
ウチワザメは磯場の砂地が好き

きっと僕のように「変わった魚を釣ってみたい」と、考えている方がいると信じてウチワザメの釣り方を説明させてください!
言わずもがなウチワザメは、エイの仲間なので砂地に潜んでいます。
ところが、湘南地域のようなサーフよりも、伊豆半島のような磯場にある小規模な砂地の方がポイントを絞りやすく釣獲率が高い傾向にあります。
ウチワザメは潮通しのあまり良くない場所が好き

こういった海のゲテモノ……いや怪魚を狙う場合、重要になってくるのは潮通しです。
種類にもよりますが、エイ系は潮通しがあまり良くないつまり普段の釣りでは狙わない場所が良いことが多いんですね。
堤防で狙う場合は、まずは内側から狙うことをオススメします。水深も浅くて大丈夫です。
ウチワザメは夜行性

ウチワザメを狙う場合は、必ず夜に釣行しましょう。
昼間全然釣れないのに、日が暮れたら入れ掛かりになるってのがウチワザメの特徴です。
ウチワザメを釣るための釣り具と餌
通いなれた伊豆半島の堤防にやってきました
夕方、自宅を出発し現場に着くころにはちょうど満潮を迎えていました。
今回は、行きかえり含め8時間程度のお手軽釣行です。
用意した釣り具はシーバスタックル

ウチワザメは最大でも60cm前後の中型の魚なので、タックルは比較的ライトな物で問題ありません。
今回はシーバスロッドに2500番のスピニングリールをセットし、道糸はPE1.5号+リーダー35lbの組み合わせです。
堤防からの場合は30~50mほど投げられれば充分でしょう。ファミリー用の投げ竿セットなんかが最適かもしれませんね!
釣楽セット ちょい投げ・サビキ釣り 竿2.7m+糸付リールセット #チョーラクセット
15号のお多福オモリにハリスは4号を使用し、針は丸せいごです。
がまかつ ケン付丸セイゴ
号数 | 14号 |
---|---|
ハリス | 4号 |
入本数 | 5本 |
ウチワザメが好きな餌はイカとサンマ

実釣時間としては2~4時間程度を予定していたので、餌はスルメイカの短冊と塩で締めたサンマの切り身を各1匹ずつ用意してきました。
夏の夜釣りは餌取りも多いので気持ち多めに餌を用意すると安心ですよ。
浜市 さんま切身
内容量 | 約170g |
---|---|
大きさ | 約8cm |
ウチワザメ釣れ盛る!気軽に楽しむ夏のぶっこみ釣り
のんびり鈴が鳴るのを待つつもりが……

早速、30m程投げ込んだ右の竿に「ジリン♪ジリリリンッ♪」と強いアタリがきました!この鈴の音がぶっこみ釣りの醍醐味です。
アワセのタイミングを計っていると左側の竿にもアタリが……。
左竿のドラグを緩めてから先に当たった右竿を合わせるとズシっとした手応えが! これこれ。アワセが決まるって快感ですっ。

エイ特有の水圧を受けた強い引きをシーバスロッドで受け止めながら存分に楽しみます。
堤防際に寄せてライトで照らすと狙っていたウチワザメの姿が!やりましたー。
一投目で釣れました!

幸先が良いとはまさにこのこと。やっぱりウチワザメは僕にとって癒しの怪魚。
ウチワザメはぬめりも毒針も無いので、とてもハンドリングしやすい魚です。
ヒラタエイ現る

続いてドラグを緩め放置いていた片方の竿を上げると、こちらはさっきより軽い引きです。
一気に釣りあげると小型エイであるヒラタエイが掛かっていました!
最大でも体盤幅30cm程度と小さなエイですが、しっかり毒針があるので要注意です。
美味しいウチワザメの食べ方をご紹介
3時間足らずで7匹のウチワザメに大満足

ちょうど時合に釣行できたようで、この後も入れ掛かりが続きウチワザメ7匹とヒラタエイ4匹という大爆釣になりました。
美味しい魚なので、持ち帰る分だけキープさせていただきました。
今日は日帰り釣行。夜はまだまだ続きますが、沢山釣れて満足したのでこの辺りで帰宅することにします。
意外と美味しいウチワザメ

ウチワザメは匂いや癖が無く、軟骨魚類としてはとても食べやすい魚です。
アカエイのように滑りもないため捌くのも楽ちんですし、ゲテモノに抵抗が無い方は持ち帰って食べてみましょう。
ウチワザメの捌き方

ウチワザメは胴体と尾で身質が異なります。尾はサメ、胴体はエイとイメージしていただければ良いでしょう。
まずは、尾の付け根を切り分けます。

尾はお刺身にするので、マゴチを捌くように3枚におろします。

次いで、アカエイを捌くようにグルっとエイヒレを切り出します。

ウチワザメの皮は加熱調理すると料理全体がサメ肌だらけのザラザラになってしまうので、必ず取ってください。
また軟骨魚類としては骨が硬いので、そぐように骨を取っておいた方が食べやすく仕上がります。
エイヒレは、みりん漬けにした後、干物にするも良し、煮つけや唐揚げにするも良しです。
ウチワザメといえば刺身です!

薄切りにしたウチワザメの尾の刺身は新鮮なイカのような触感、でも白身魚のようなうま味……。
とても不思議な味わいに驚きますが、控えめにいって美味です。僕はいつも食べる分を持ち帰ってます。
マイナーな魚なため流通量が少ないものの、寿司ネタや御造りで出している料亭もあるくらい知る人ぞ知る美味しい魚です。
自宅で作るウチワザメのエイヒレレシピ

ちょっと手間がかかりますが、自宅で作るウチワザメのエイヒレ干しは絶品なんです。
酒・醤油・みりんを各1:1で用意しエイヒレと鷹の爪を入れて冷蔵庫で12時間漬け込みます。

エイヒレにしっかり色がついたら、干物ネットを使って1週間から2週間天日干しにします。
雨などに注意しながらカラッカラになるまで干すのがコツですよ!
皆さんもウチワザメが釣れたら食べてみてはいかがでしょうか。
万能干しかご 3段 Lサイズ
サイズ | 約幅50×奥行50×高さ55(cm) |
---|
筆者紹介

山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017