釣れすぎると噂のスミス・ボトムノックスイマーⅡ
ボトムノックスイマーⅡとは
スミスから発売されている「ボトムノックスイマーII」、可愛らしいデザインや形状が最大の特徴なルアーです。
フックを取ってキーホルダーにしちゃいたい様相ですが、ネットでは“爆釣ルアー”だったり“餌のように釣れる”といった過激な言葉が目につきます。
ボトムノックスイマーⅡのスペック
渓流ルアーとしては小型の部類に入るボトムノックスイマーは、実際に手に取るととても小粒に感じます。
管理釣り場用を含めて4種類のボトムノックスイマーが発売されていますが、今回はオリジナルとライトウエイトモデルに絞ってご紹介させていただきます。
この2つのルアーはウエイトだけが異なります。購入する際は間違えないように注意しましょう。
オールマイティに使えてオススメなのは、3.2gのボトムノックスイマーⅡです。
ボトムノックスイマーって本当に爆釣ルアーなのか
はっきり言って疑問です。こうしてネットに記事を書かせていただきながら恐縮ですが、実際に自分で体感しないと納得しないもので……。
今回、そんな過激な評価が本当なのか検証してみました!
結果から言っちゃうと、慣れるまではあんまり釣れないルアー。
でも!ちょっと使い込んでみると、ヤマメにイワナ、ブルックまで!
色んな渓流で素晴らしい釣果を得ることができました。なんというか、不思議と釣れるルアーです。
ボトムノックスイマーⅡの購入をご検討されている方の為にも、良い所ばかりではなく、ちょっと気になる点も含めていつもより辛口でインプレいきますよ!
ボトムノックスイマーⅡを机上インプレ
ボトムノックスイマーはとにかく小粒
僕が愛用しているスピアヘッドリュウキ38SやDコンパクト45Sと並べるといかに小さいか良く分かります。
30mmってちょっと大きいペレット(養殖魚用の餌)サイズですからね。(笑)
ボトムノックスイマーⅡのサイズからは、数を釣るためのルアー特有のオーラを感じます。
ボトムノックスイマーⅡは極端な前方重心
手に取っただけで、ルアーの重心が前方に偏っていることが分かります。
そしてオリジナルのボトムノックスイマーⅡは30mmとは思えないずっしりとした重みがあります。
実際は3.2gなのですが、ルアーが小さいだけに比重が重たく感じます。
ミノーで例えるならボトムノックスイマーⅡはヘビーシンキング(ファストシンキング)に該当しますね。
ボトムノックスイマーライト(2.2g)はシンキングと考えて良いでしょう。
価格面でやや不満があります
ボトムノックスイマーⅡのメーカー希望小売価格は1,300円と、渓流用ルアーとしては若干高い印象を受けます。
フックの数も1本ですし、形状も非常にシンプルなため、この作りならばもう少し安く設定できるのでは……と感じます。
ダイワやDUOなどから店頭価格で1,000円を切ってもよく釣れる渓流ルアーが販売されている中でこの価格で勝負するとなると、やはり圧倒的な釣果や使用感の楽しさが必要でしょう。
ボトムノックスイマーⅡのアクションについて
ただ巻きでも泳ぐボトムノックスイマーⅡ
ただ巻きで引っ張ってくると、ヘッドを下に向けた安定感のある姿勢で泳ぎます。
引き感は軽いもののしっかりバイブレーションしていることが分かります。
動きの質としてはウォブリングと言えるでしょう。
形状に惑わされてしまいますが、正直に表現するとバイブレーションよりもクランクベイトに近い感じがします。
トゥイッチすることで大きく綺麗にダートする
ラインスラッグを作りながらトゥイッチすることで「スパッ!スパッ!」と見事にダートしてくれます。
ダートの幅が想像以上に大きく、肌感覚ではありますが横方向(ルアー左右方向)で40cm程度、縦方向(ルアー上下方向)で20cm程度の範囲で動いています。
こんなに小さなルアーがこの距離をダートするなんて正直驚きました。
細かく連続トゥイッチするとシンキングミノーのように使える
Dコンパクトを使うように細かく連続トゥイッチすると、上手くバランスを崩しながら不規則なパニックアクションを演出できます。
ここでようやく気付いたのですが、常にボトムノックスイマーが細かく震えてるんです。
巻いてるときはもちろんのこと、「スパッ!スパッ!」とダートしてる時もチョンチョンとトゥイッチしているときも。
フォールやステイでさえも流れを受けて僅かに震えてるんです。これは凄いかも……。
ボトムでしっかり立ち上がる
これもボトムノックスイマーⅡの特徴ですね。超前方重心だからこそなしえる技でしょう。
確かに見た目はとても釣れそうな姿勢ですね。管理釣り場ならこの姿勢を使って啄むようなバイトを誘えそうです。
アクションを試している間に良い釣果が得られなかった……
僕が初めてボトムノックスイマーを使ったのは、ヤマトイワナの住む源流域でした。
イワナの数がとても少ない沢でしたが、それにしてもバイトが少なかったんです。
一応ボトムノックスイマーライトでも釣れましたが、ハッキリ言ってDコンパクト45Sやリュウキ38Sに釣り負けました。
うーん。このままだと悔しいので日を改め場所を変え、ボトムノックスイマーを使い込んでみることにしました。
使い方が分かってくると爽快!ボトムノックスイマーⅡで納得釣果
ボトムノックスイマーを使い込んでみる
今日は「ボトムノックスイマー縛りで行くぞ!」と決め込み初めての沢をのぼります。
ある程度作りこまれたルアーであれば、製作者の意図が分かってくれば釣れるようになるものです。
まずはボトムノックスイマーを理解することに努めます。
緩やかな流れの中でヤマメが掛かる
緩やかな流れの中で魚の影が猛烈な勢いでボトムノックスイマーに絡んできました。
残念ながら足元まで来てもフッキングに至りませんが、間髪入れずもう一投してみると、着水直後のワンアクションでヒット!
チェイスしたヤマメが、もう一度ルアーが来るのを待っていたかのような動作をしたことに正直言って驚きました。
普通、足元までチェイスしないし、例え絡み続けても次の一投にはスレてるでしょう……。これがボトムノックスイマーⅡの力なのか。
ボトムノックスイマーは完全に新しいジャンルのルアー
同じような出来事が何度か続き、僕の中でボトムノックスイマーⅡの使い方が分かってきました。
ぶっちゃけ、初心者の方にはオススメできませんが、使い込むことで“ダート&ただ巻き”や“一瞬ポーズからのダート”など、様々なアクションの組み合わせが見えてきて使っていて楽しい商品ですね。
工夫と釣り人の腕次第で爆釣するルアーと言えるでしょう。
ボトムノックスイマーⅡは足場の高い場所で活躍する
ボトムノックスイマーだからこそと言ったシチュエーションを上げるとすれば、足場の高い場所でしょう。
勾配がある渓流を遡行しているとこういった場所に良く出くわし、意外と苦戦するんですよね。
ボトムノックスイマーⅡがあれば、ネチネチと左右上下に誘うことができます。
投げ続けることで、スレるどころか逆にスイッチが入るという謎現象も
一部の源流では、数投の間に徐々にイワナの活性が上がってくるといった変わった現象もありました。
フックが1つということもありフッキング率はあまり良くありませんが、何度も果敢にアタックしてきます。
1-2匹釣ると終息するのですが、ボトムノックスイマーを使い続けているとこうした不思議な光景を目にすることもできますよ。
倒木などストラクチャーに潜む魚に効果的
ブルックトラウトを求めて釣行した際にもボトムノックスイマーⅡが活躍しました。
ブルックは倒木などのストラクチャーを好む魚ですが、ボトムノックスイマーの大きなダート幅を活かしてストラクチャーにルアーを出し入れする使い方が効果的でした。
ボトムノックスイマーⅡで渓魚を釣るために意識したい3つのキーワード
Point①:ボトムノックスイマーⅡは、ミノーでもバイブレーションでもクランクでもない。
という意識は精神面で重要ですよ。
Point②:ダートばかりにとらわれず、3次元(縦・横・進行方向)の複合的なアクションをつける。
魚が極端にスレにくくなります。
Point③:ボトムノックスイマーは常に震えている。
着水直後からピックアップまで、ダート中もステイ中も全てがバイトチャンスです!
ボトムノックスイマーⅡは中・上級者向けのルアー
使い慣れるまでは難しいルアーですが、この3つのキーワードを意識していただけるとボトムノックスイマーⅡで渓魚が釣れるイメージが湧いてくるかと思います。
皆さんも、実際に渓魚の反応を見ながらボトムノックスイマーⅡを使い込んで納得してみてください!
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017