遂にジョインテッドクローが小さくなった
一気にサイズダウンしたジョイクロ70
ジョイクロの新サイズが発売されたと耳にしたのは、確か2019年11月ごろだったと記憶しています。
70mmという驚異的なサイズダウンは話題になりましたよね。
とはいえ、発売当初は店頭で見かける機会も少なく、渓流はオフシーズンということもあって購入することはありませんでした。
ジョインテッドクロー70には2タイプある
買いはしなかったものの、スペックが気になり調べてみると、フローティングモデルとシンキングモデルの2タイプがリリースされていました。
アイが従来のジョイクロのように横向きはフローティング、今までにない縦向きは浮き上がりを抑えたシンキングモデルとのこと。
それぞれのスペックは、以下の通りです。
▼ ジョインテッドクロー70F
ガンクラフト ジョインテッドクロー 70F
■スペック
- ・全長:70mm
・自重:4.1g
▼ ジョインテッドクロー70S
ガンクラフト ジョインテッドクロー 70S
■スペック
- ・全長:70mm
・自重:4.6g
渓流で使うとなるとウエイトが軽すぎる気がします
フローティングとシンキングのウエイト差はわずか0.5gということで、渓流で使用するとどちらのタイプでもウエイトチューンをしたいところですね。
また、メーカー希望小売価格が2,860円(税抜2,600円)とルアーサイズに対していささか高額……。
ジョイクロ大好きだから渓流でも使ってみたいけど、釣行優先主義の僕のお財布はOKと言ってくれませんでした。
ひょんなことで手元に転がり込んできたジョイクロ70F
春になり、川でウグイを狙っていると貴重な自作ビーズルアーを川底に沈んだ木に根掛かりさせてしまったんです(泣)
ウェーダーを履き回収に向かうと……そこには見覚えのある形のルアーも一緒に引っかかっているではありませんか!
近くに釣り人の姿も確認できなかったので、ありがたく拾わせていただきました。
せっかく僕の手元にやってきてくれたので、渓流や源流での使用感や実釣能力をお知らせさせてください!
※今回はあくまで渓流用としての目線でインプレさせていただきます。
ジョインテッドクロー70Fを机上インプレ
僕の一軍ルアー達と並べて観察してみます
ふだん山岳渓流や源流域で渓魚に遊んでもらっている僕は、基本的にシンキングミノーばかり使っています。
そんなシンキングミノー軍団にジョイクロ70Fを紛れ込ませてみると……やっぱちょっとデカいですね。
本州で一般的な18~25cm程度のイワナやアマゴ・ヤマメを効率よく釣るとなると35~50mmが主力となります。
“思い出の1匹を釣る”という楽しみ方を机上で考える
なにも、釣りの楽しみ方は釣れる魚の数や大きさばかりではありませんよね。
ジョイクロ70を渓流で使う場合は、1匹との価値を噛み締めるような感じになりそうです。
のっけから弱気でスミマセン。そう言えば、初めてジョイクロ178を買った時も同じような印象だったな~と思い出しました。
小さく作ったからといって妥協のない装飾
ジョイクロならではのリアル感は「小さくなっても健在!」というより更に磨きがかかったかのように感じます。
魚を釣るという目的だけでは、小型プラグにリアル感ってそれほど必要性を感じませんが、その部分に妥協しない「ガンクラフトって凄いな!」と素直に感じさせてくれる素晴らしい作りです。
確かにここまでリアル作りこんでいれば2,600円もアリかな……なんて思ってきます。
ジョイクロ70ならではの外観としては、顔に対する目の大きさが今までのサイズのジョイクロよりも大きく、ちょっとした可愛さが感じられるのも良いですね。
不安要素はさておいて、実釣能力を検証してみましょう!
テールがソフトマテリアルなため、リアフックがミノーと違って前方にあることからチェイスしながら食いつく渓魚は乗りにくそう。
アップキャストでS字を描かなさそう。飛ばなさそう……。
と、まぁ渓流釣りならではのマイナス思考は机に置いたままにして、実際に使ってみましょう!
ジョイクロ70Fを鬼ジャークすると沢山イワナがチェイスしてきた!
ジョイクロフローティングタイプに鉛シールでチューニング
やはりフローティングタイプをそのまま使用すると、急流に乗って川下りする小舟のように波に揉まれながら下ってきてしまいます。
これは想定の範囲内。ジョイクロをウエイトチューンするのはもはや一般的なことでしょう。
今回は、0.3mmの鉛シールをルアー前方部の上部と下部に張りました。
アクティブ 強力接着剤付 鉛シール 0.3mm
ジョイクロ70F–ウェイトチューン–のアクション
ゆっくり巻くと流れの中でも綺麗にS字を描いてくれます。
前方重心にしたことでフローティングタイプの横アイでもそれほど浮き上がりは気になりません。
とはいえ、ゆっくりとしたただ巻きではイワナもなかなか反応してくれません。
強制的にファストシンキングにすることで渓流ルアーに!
ジャーキングアクションに対応していただくために、板オモリの幅を更に太くしウェイトアップ。
ここまですると、フォールも「ストンッ」と落ちてくれるようになり、ジャークしても飛び出すことはありません。
「ギュンギラッ!ギュンギラッ!」としたジョイクロらしい平打ちとフラッシングはサイズダウンしても健在!
遠投を必要とするフィールドではありませんでしたが、ここまでウエイトアップすれば飛距離も上がりキャストに対するストレスも気になりません。
これなら勝負できそうです!
素早くジャークするとイワナ達がチェイス!
いかにもイワナが流れてくる餌を待ち構えていそうなポイントへジョイクロ70を投げ込み鬼ジャークすると「ワラワラー!」っと15cm前後のイワナ達がチェイスしてくるではないですか!
なかなかバイトまで持ち込めませんが、集魚力の高さを実感しますし、何より使っていて楽しいですね!
ジョイクロ70Fウエイトチューンにイワナが本気バイト!
ビックベイトで渓魚が釣りたいぞ
机上では「ジョイクロ小さくなったなぁ」って思っていましたが、こうもチェイスだけが続くと僕の脳みそは70mmのビックベイトとして認識し始めます。
とにかくルアーがデカく感じるのです。でも、どうしてもジョイクロ70で釣りたいのでこのままゴリ押し使い続けてみますよ!
アップキャストなのにガツン!と来た!
半ばヤケクソで1つ先の溜まりへ遠投したときでした。
ジャークをしていると「ガツン!」と引っ手繰るような大きな手応えが渓流ロッドを通して手元に伝わってきました。
しっかり竿を曲げてフッキングし、バラさぬよう慎重にランディング。思わず「ヨッシャー!」って叫んじゃいました(笑)。
ジョイクロ70で出会えた嬉しいイッピキ
このイッピキと出会うために2時間も竿を振り続けましたが、そんな小さな苦労があったからこそこの達成感があります。
たくさん釣れるルアーでなくても、こんな感動を味わえるのですから釣りって奥深いものですよね。
釣果に惑わされずに、自分が好きなルアー、使ってみたいルアーを正直に使うこともルアー釣りを楽しむ上では大切だなって改めて感じました。
ジョイクロ70をハーモニカ食い
小さな砂防堰が連続する沢に場所を変え、再びジョイクロ70で遡行を始めると、今度は目の前でジョイクロがイワナに襲われました。
興味本位で追ってくるチェイスと違い、確実に獲物を捕らえる為の素早いイワナの行動。久々に目の当たりにしました!
その後もボチボチと釣れました
雨後で高活性ということもあり、砂防堰の下に入る度にイワナの本気食いを見ることができました!
何匹か釣って気づいたことは、フロントフックへのフッキングが多いことです。
恐らく、じゃれるようにチェイスしてくるような場合は、リアフックがテールより前についているためフックアップし辛いのでは……と感じました。
ジョイクロ70は「ガツン!」とくる渓魚の本気食いを味わいたい方向けのルアーではないでしょうか。
1日の釣行時間の中で、小さなシンキングミノーで満足するまで釣ったら、ジョイクロ70で貴重なバイトを体感するってのもありかもしれませんね!
ルアーサイズが大きいこともあり、最初はやっぱ釣れないな……って感じてしまうルアーですが、使い続けることで迫力のあるバイトが出ますよ!
筆者紹介
山根央之(やまねひろゆき)
初めての1匹との出会いに最も価値を置き、世界中何処へでも行く怪魚ハンター山根ブラザーズの兄。
餌・ルアー問わず、もはや釣りに限らず。ガサガサや漁業者と協力してまでも、まだ見ぬ生き物を追い求め、日々水辺に立っている。
テレビ東京・緊急SOS池の水全部抜くやNHK・ダーウィンが来た、TBS・VSリアルガチ危険生物などに出演したり、魚類生態調査に参加したりと幅広く活躍する。
どえらい魚を獲った!もはや釣りを越えて!色んな人と繋がって!特大天然メコンオオナマズ! 240 cm175 kg 捕獲です!!ホント色んな人に助けられてこの魚と出会うことができました!メコンオオナマズに関わる全ての人に感謝でいっぱいです!! pic.twitter.com/JHWpNdLAvX
— 山根ブラザーズ(兄)@kimi (@chillkimi) September 16, 2017