フロロカーボンラインとは
フロロカーボンラインのフロロカーボンとはポリフッ化ビニリデンというプラスチックです。
フロロカーボンラインはバスフィッシングのメインライン(道糸)としてや、ソルトルアーフィッシングのショックリーダー、海の餌釣りのハリスに多用される釣り糸。
硬く耐摩耗性に優れるため、障害物とのコンタクトが多い釣りにおすすめ。
ユーザーの間では「フロロ」や「フロロライン」などと呼ばれます。
フロロカーボンラインのメリット
比重が高いのでボトムを攻めやすい
フロロカーボンラインの比重は1.78ですので水に沈みます。真水の比重は1程度(水温で変化します)。
その為、流れの影響を受けにくく(流れに負けず)、軽い仕掛けも狙いのタナ(水深)まで、素早く落とし込めるのです。
当然、仕掛けを底に沈める(ワームなどの)釣りとの相性も良く、ワームを多用するバスフィッシングなどで活躍しています。
屈折率が低いので水中で見えにくい
水の屈折率が1.33に対してフロロは約1.42、ナイロンは約1.53。フロロの方が水の屈折率に近いためラインが水に馴染みます。
魚の目にどう映るかは分かりませんが、少なくとも人間の目には、水中では見えにくいラインと言えます。
伸び率が低く感度に優れる
フロロカーボンはナイロンに比べ硬く伸び率が低く、ダイレクトに力が伝わりやすい(感度が良い)とされています。
例えば、自分がパスタの端を持って、友人が反対側のパスタの端を、触っているか否かを当てる遊びをするとしましょう。茹でる前の硬いパスタと、茹でた後の柔らかいパスタ。
どちらが分かりやすいかイメージいただくと分かりやすいかと思います。
耐摩耗性に優れる
耐摩耗性とは、障害物にラインを擦った際に“どの程度耐えられるか”という事。
耐摩耗性は商品毎の差もあるので、一概に言い切れない点でもあるのですが、一般的には、フロロカーボンラインはナイロンラインに比べ耐摩耗性が高いと認識されています。
その為、障害物周辺を果敢に攻めるバスフィッシングなどで、重宝されていると言う訳です。
吸水による劣化が少ない
ナイロンは吸水による劣化が激しいのに対し、フロロカーボンラインは吸水して強度や特性が落ちることはほとんどありません。
フロロカーボンラインのデメリット
ハリが強いのでライントラブルが多い
フロロカーボンラインは硬い(しなやかさに欠ける)ため、巻き癖や折り目が付きやすく、それらはライントラブルを引き起こす原因となります。
例えばスピニングリールでのバックラッシュ(勝手に糸が放出される現象)。同現象はナイロンラインでも起こる事ですが、同号数で比較するとフロロカーボンの方が起こりやすいです。
また、号数が大きく(太く)なればなる程、硬さによるトラブル(扱いにくさ)は増す傾向にあります。
その為、バス釣りで使う2500番台のスピニングリールに、6lb(ポンド)以上のフロロカーボンを巻く人は希少。大半の方が5lb以下に抑えています。
硬さによる扱いにくさがある。フロロカーボンが中級者向けと言われる所以でもあります。
ショック切れの恐れがある
フロロは伸び率が低いと前述しましたが、それはショックを吸収する力が弱いと言う事でもあります。
フッキングといった強い(過度な)力が加わった際には、ショックに耐えられず切れてしまうことも。
ただし、ターゲットや釣り方に合った号数を選択していれば、簡単に切れてしまうようなことはありません。同号数のナイロンと比べた際、ショック切れの可能性が高いといった程度にお考えください。
ナイロンに比べ結束強度が低い
結束強度とは結び目の強さの事。フロロカーボンは硬い(締め込みにくい・折り目が付きやすい)といった性質がある為、しなやかなナイロンラインよりも結束強度が低くなる傾向にあります。
カラーの選択肢が少ない
フロロカーボンのカラーはクリアカラー(透明)が大半を占め、色付きのラインナップは希少。中には視認性の高い色付きタイプもありますが、その分割高です。
ナイロンよりも割高である
フロロカーボンはナイロンよりも割高です。
安いと評判のナイロンライン(500m巻き)の最安値は500円〜。
安いと評判のフロロライン(320m巻き)の最安値は1,200円〜と倍以上の値段です。
フロロカーボンラインの結び方
ハングマンズノット
ハングマンズノットは、ロープワークでも用いられる結束方法のひとつ。
ノットの構造的に加重するほどに結び目が徐々に締まっていくのが特徴で、バスフィッシングのプロにも愛用者が多いノットです。
FGノット
PEラインと結束する(フロロカーボンをショックリーダーとして使う)際は、すっぽ抜けにくく、結びコブの小さいFGノットが定番。
習得に若干の練習が必要になりますが、PEラインを用いる釣りにおいて“必須”とも言えるノットなので、覚えておいて損はありません。
フロロカーボンラインの寿命
製品差や個人(使用環境)差があるので「◯回に1回交換しましょう」と一概には言えない問題です。
交換の目安としては、透明のラインが白濁した時、表面がガサガサしてきた時、巻き癖が強くなった時といった具合。
フロロカーボンラインおすすめ6選
以下では、ECサイトの売り上げ上位、ユーザーから高い評価を得ているロングセラー商品などから、TSURI HACK独自の視点でピックアップしました。
クレハ シーガー フロロマイスター
高コスパがうれしい!頻繁に巻き替えるアングラーへ
フロロカーボンのパイオニアである“クレハ”のハイコスパフロロカーボンライン。3lb〜14lbは320m巻きで、フロロカーボンラインの入門にも、ラインを頻繁に巻き替えたい方にもおすすめ。
値段は控えめですが、基本性能は十分。しなやかさもあるので、フロロカーボンの中では扱いやすい部類に入ります。
80m毎にマーキングシールがあり残m数を表示している点も分かりやすいです。
号数 | 0.8〜5号(3〜20lb) |
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カラー | クリア |
全長 | 320m(※16、20lbは240m) |
クレハ シーガー R-18フロロリミテッド
バスアングラーから絶大の人気を誇るフロロカーボン
圧倒的な強度としなやかさで、多くのバスアングラーに支持されるフロロリミテッド。結束強度、耐摩耗性、感度のどれをとっても優れた性能を持っています。
一見すると単一のフロロカーボンですが、表面と内側の素材に違いがある二重構造になっています。また、屈折率が水と近いため、水中で魚から見えにくいという特性も。
バスだけでなく、様々な魚を相手にしても安心できるラインと言えるでしょう。リーダーラインとしても使用できるので、持っておいて損のないラインです。
号数 | 0.3~6号(1~25lb) |
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カラー | クリア |
全長 | 100m(25lb.のみ80m巻) |
サンライン シューター FC スナイパー
Amazonレビュー平均星4.5!
号数(ポンド数)によって異なる糸質が設定された、「世界基準」がモットーのフロロカーボンライン。
糸質は非常にしなやかでありながら、耐摩耗性・高感度を両立したバランス設計となっています。
Amazonレビュー平均星4.5と、非常にユーザー満足度の高いラインです。
注意点としては、他社のフロロラインに比べて若干太いこと。単純なlb数だけでなく、ラインの直径も確認しておくことをおすすめします。
号数 | 0.3~5号(1~20lb) |
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カラー | ナチュラルククリア |
全長 | 60m/100m/300m |
バークレイ バニッシュレボリューション
トータルバランスに優れていることが特徴
バニッシュレボリューションは、トーナメンターの声も踏まえて企画されたフロロカーボンラインです。
コスト、強さ、感度のバランスが良く、様々なアングラーに合うライン。太糸から細糸まで、しっかりとラインナップされています。
細い番手のラインは、とくに強度を意識してつくられています。適度な張りとしなやかさが両立されているので、ベイトフィネスにも合うラインですね。
号数 | 0.6〜10号(2〜20lb) |
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カラー | クリアー |
全長 | 150m |
ダイワ フィネス ブレイブ Z
フィネス専用のフロロカーボン
フィネスシーンにマッチするように設計された、フィネス専用フロロカーボンラインです。表面硬度を向上させているだけでなく、表面コーティングの技術革新によって、耐摩耗性と結節強度がアップ。
さすがはフィネス専用と言える点が、そのラインナップ。他社では少ない7lbや5.5lbという設定が用意されていて、アングラーの「もう少し太く」「もう少し細く」という声に応えています。
160m巻きなので、40mごとの使用がおすすめ。6〜11lbは、あらかじめ40mごとにマーキングシールが付いていますよ。
号数 | 0.5〜10号(2〜20lb) |
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カラー | ナチュラル |
全長 | 160m |
デュエル CN500™ カーボナイロンライン 500m
筆者も愛用!フロロ×ナイロンの変わり種商品
デュエル独自のフロロカーボン×ナイロン素材のライン。
フロロとナイロンの特性を併せ持ち、適度な柔らかさと伸びを持ちつつ、耐久性にも優れます。
Amazonでは 3,809個の評価を集め、その平均は星4.1/5と高評価。
号数 | 2〜10号(6〜20lb) |
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カラー | ブルー/クリアー/グレー/イエロー |
全長 | 500m |
フロロカーボンライン(リーダー用)おすすめ4選
リーダ用として発売されているものは、糸巻きボビンが薄く、持ち運びしやすいです。
また、糸がバラけないような工夫がされていたり、糸止め用のゴムなどがついています。
クレハ シーガー グランドマックスFX
圧倒的な強さとしなやかさ!
糸ヨレや縮れを軽減するしなやかさの「FNT製法」が採用された、二重構造ライン(0.8号~)。
強さを徹底的に追求しながらも、しなやかさもキープ。直線強力・耐摩耗性ともに抜群に強いため、通常よりも1ランク細い号数も使えます。
より耐摩耗性を求める方には、オリジナルのグランドマックスがおすすめです。
号数 | 0.3~10号(1.2~40lb) |
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カラー | クリア |
全長 | 60m |
ヤマトヨテグス フロロショックリーダー
コスパ◎ショックリーダーの超定番
ラインを引っ張ることで巻き癖が解消する、ソフトタイプのフロロカーボンライン。
2~25lbの製品には携帯性に優れる薄型スプールが採用されており、糸がバラけないラバー製のバンドが付属しています。
号数 | 0.6~22号(2~80lb) |
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カラー | クリア |
全長 | 30m |
シマノ エクスセンスリーダー EX
高分子分子フロロカーボン採用
硬いコアフロロカーボンと柔らかい外装フロロカーボンの2層構造で、ノット強度を向上させたシマノ製フロロリーダー。
フロロ原料の分子・結晶構造を大きくし、直線強度も高めています。
号数 | 3~8号(12~32lb) |
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カラー | クリア |
全長 | 30m |
デュエル ハードコア パワーリーダー™ CN
適度な柔らかさと伸び
デュエル独自のフロロカーボン×ナイロン素材のライン。
フロロとナイロンの特性を併せ持ち、適度な柔らかさと伸びを持ちつつ、耐久性にも優れます。
クッション性が高いのでバラシが軽減するリーダーです。
号数 | 0.8~30号(3.2~120lb) |
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カラー | クリア |
全長 | 30m/50m |
フロロカーボンラインの強度
以下はフロロカーボンラインの号数を・キロ(kg)・ポンド(lb)・太さ(mm)に換算した表。何号の糸が何キロ(何ポンド)まで耐えて、太さが何ミリなのかを表しています。
※号数とはラインの太さを表す単位(目安)で、数字が大きくなるにつれラインも太くなっています。
号(ごう) | キログラム(kg) | ポンド(lb) | 太さ(mm) |
0.25号 | 0.454kg | 1lb | 0.083mm |
0.3号 | 0.544kg | 1.2lb | 0.090mm |
0.4号 | 0.726kg | 1.6lb | 0.104mm |
0.6号 | 1.089kg | 2.4lb | 0.128mm |
0.8号 | 1.361kg | 3lb | 0.148mm |
1号 | 1.814kg | 4lb | 0.165mm |
1.2号 | 2.177kg | 4.8lb | 0.185mm |
1.5号 | 2.722kg | 6lb | 0.205mm |
1.75号 | 3.175kg | 7lb | 0.220mm |
2号 | 3.629kg | 8lb | 0.235mm |
2.25号 | 4.082kg | 9lb | 0.248mm |
2.5号 | 4.536kg | 10lb | 0.260mm |
2.75号 | 4.990kg | 11lb | 0.274mm |
3号 | 5.443kg | 12lb | 0.285mm |
3.5号 | 6.350kg | 14lb | 0.310mm |
4号 | 7.257kg | 16lb | 0.330mm |
5号 | 9.072kg | 20lb | 0.370mm |
6号 | 9.979kg | 22lb | 0.405mm |
7号 | 11.340kg | 25lb | 0.435mm |
8号 | 12.701kg | 28lb | 0.470mm |
10号 | 15.876kg | 35lb | 0.520mm |
12号 | 18.144kg | 40lb | 0.570mm |
14号 | 20.412kg | 45lb | 0.620mm |
16号 | 22.680kg | 50lb | 0.660mm |
18号 | 24.948kg | 55lb | 0.700mm |
20号 | 27.216kg | 60lb | 0.740mm |
筆者の思う“フロロカーボンラインが欠かせない”理由
ここまで、フロロカーボンの様々なメリット・デメリットについて触れてきましたが、それはいわば通説(世間一般に広まっている説)のような物で、※個人個人でも見解が分かれたりしています。
中には「自分のスタイルではフロロにメリットを感じない」と言う理由で、別のラインを使用する方も。
主にバス釣りでフロロカーボンを愛用中の筆者が考える、フロロカーボンライン最大のメリットは“水に沈む”ことです。
ナイロンで沈む仕掛けをキャストすると、糸は水中に斜めに入って、水中に浮いていような状態になります。対して、フロロは水に沈められますので、ピッタリと水底に這わせる事も可能。
・水底に這わせて糸の存在を目立たなくできる
・糸の重さを使って、ルアーをコントロールできる(沈められる)
つまり、底を攻める仕掛けと非常に相性が良い。そう思ってフロロカーボンラインを使っており、筆者のバスフィッシング(ワームの釣り)には、欠かせない存在になっています。