チョイ投げ釣りでキスを釣ろう!
キスは、堤防や砂浜からチョイ投げ釣りで手軽に釣ることができます。
本格的な投げ釣りほど大げさな道具は必要なく、軽めのオモリでちょっと投げるだけで、キスがたくさん釣れるので釣り入門にも最適です。
本記事ではキスのチョイ投げ釣りに必要な道具や釣り方などを、元釣具屋の筆者が詳しく解説します。
キスについて
「キス(鱚)」と呼ばれる魚は、スズキ目キス科に属するシロギスのことを指します。
日本では本州から沖縄にかけて広く生息しており、水深20メートルまでの砂底を好む魚です。多毛類や甲殻類を主食とし、30センチ程度まで成長します。
古くから釣りの対象魚とされ、30センチ級の大型個体は釣り人から“肘たたき”と呼ばれることも。身は淡白かつ上品な白身で、天ぷらなどの料理で美味しく食べられます。
キスの釣れる場所
キスは砂地を好むため、砂浜は代表的なポイントです。少し沖の水深に変化のある場所を狙っていくと良く釣れます。
砂浜以外の堤防などからでも狙うことができ、特に砂浜と隣接しているところや、底が砂地の場所は好ポイントです。
逆に、海藻や岩が多い場所はできるだけ避けましょう。
キスの釣れる時期・時間帯
キスの釣れる時期や時間帯を理解しておきましょう。タイミングを逃さないことで釣果に繋がりますよ。
時期
釣れる時期としては、3月から11月頃までが一般的です。
特に6月から10月頃は最も釣れる時期です。地域差はありますが、6・7月は産卵期なので浅い場所に多くの個体が接岸しており、水温が高くて魚の活性も高いため、初心者の方でも簡単に釣ることができます。
また、9月ごろからは「落ちギス」と呼ばれる時期で、冬に備えてキスが荒喰いするので数型共に狙える絶好のシーズンです。
時間帯
キスは早朝と夕方の時間帯が釣れやすい魚。朝夕は多くの魚が活発になる時間帯で、キスもこれに当てはまります。
また、キスは夜でも釣れることがあります。夜釣りは、釣れる数は少ないですが大型が釣れやすいことが特徴です。大型狙いの方は夜にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
チョイ投げのタックル
チョイ投げは本格的なロッドやリールなどは必要なく、釣具店で販売されているセット竿で十分楽しめます。
ここでは、別々でタックルを選びたい方やチョイ投げをより楽しみたい方に向けて、最適なロッドやリールなどをそれぞれ解説します。
ロッド
10〜20グラム程度のオモリが扱えるロッドであれば大半のものが使用可能です。中でも、2.5メートル前後のルアーロッド(シーバス・エギング・メバリング・チニングなど)が特に適しています。
チョイ投げの仕掛けは少し長いため、2メートル以下の短いロッドはキャストがしにくくなります。
シマノ ルアーマチック S80L
継数:2本
仕舞寸法:125.8cm
自重:135g
適合重量:4〜21g
リール
リールについては大きな魚とのやりとりはないため、小型のスピニングリールが最適です。
サイズは2500〜3000番程度のものが良いでしょう。
ダイワ レブロス LT2500S
ギヤ比:5.3
ベアリング数:4/1
最大ドラグ力: 10kg
PE糸巻量:ブレイド 0.6号-200m
巻上長:75cm
ライン
キス釣りには、ナイロンラインかPEラインが適しています。双方の特性を把握した上で選んでみてください。
▼ナイロンライン
ナイロンラインは結束しやすくて癖もないため、初心者の方でもトラブル無く扱えるラインです。
2号程度の太さのものを150メートル程リールに巻いておけば十分です。
▼PEライン
ナイロンラインでも十分に釣りは可能ですが、細めのPEラインを使用することで飛距離と感度が良くなります。
0.8号前後を150メートルほど巻き、先端に2〜3号程度のショックリーダーを1メートルほど接続してください。
チョイ投げの仕掛け
キス釣りの仕掛けは、オモリと“その先に付ける仕掛け”で構成されます。仕掛け選びを誤ると釣れなくなるので、適切な仕掛けを選ぶようにしましょう。
オモリ(天秤)
キスは底付近を泳いでいるため、しっかりと海底まで仕掛けを届けられる重さのオモリを選びましょう。
一般的な砂浜や堤防の場合、3〜8号(10〜24グラム)程度の重さが適しています。これで底がわからなければ、重たいオモリに変更してみましょう。
ただし、必要以上に重いオモリを使うとキスの小さなアタリがわかりにくくなります。
仕掛け
キスのチョイ投げ用仕掛けは専用のものがたくさん発売されているので、「チョイ投げ用」と明記されたものを選べば安心です。
鈎の数は2本か3本のものが多く、小さめの鈎(4〜6号程度)のものを選べば小型も大型も掛かりやすくなります。
仕掛けが海底に引っ掛かることもあるので、2〜3セット用意しておきましょう。
ビギナーには「セット仕掛け」がおすすめ
ビギナーの方には、オモリと仕掛けがセットになったセット仕掛けがおすすめです。
おすすめのチョイ投げ仕掛けを以下で紹介していますので、ぜひ活用してみてください。
▼ささめ針 特選SLチョイ投げライトセット
エギングロッドやシーバスロッドで扱いやすい長さと重さに設定された仕掛けです。
海底で立つ形状のオモリなので根掛かりが少なくなります。
▼ハヤブサ ライトショット 投げキスセット 立つ天秤 瞬速2本鈎
金銀ビーズでキスにアピールできる仕掛けです。早掛鈎を採用しているのでキスが吸い込み易くしっかり掛かります。
▼がまかつ ちょい投げキス 狙い撃ち
少し珍しい胴突きタイプの仕掛けで、伸びが少ない硬いハリスを使っていることが特徴です。
それゆえに、アタリの明確さは抜群! 鈎が1本だけなので絡んだり、根掛かったりすることも少なくなります。
キス釣りの餌
キス釣りには虫エサを用いますが、虫エサの中にもいくつかの種類があります。
イシゴカイ(ジャリメ)
キス釣りでは最もよく使われるエサで、イシゴカイを用意しておけば間違いありません。
イソメより細めなので口の小さなキスでも吸い込みやすく、とても良く釣れます。
アオイソメ(青虫)
イシゴカイよりは太めくて大きいエサです。良く動き、匂いが強いのが特徴。大型狙いの夜釣に有効なエサです。
パワーイソメ
虫エサが苦手な方にはコレ! 虫エサにそっくりな擬似餌です。
虫エサよりも食いは悪くなりますが、キスの活性が高い場合は十分釣れます。本物と比べると千切れにくいため、手返し良く釣ることも可能です。
チョイ投げの釣り方
キスのチョイ投げでの基本となる釣り方を押さえておきましょう。特別な操作は必要なく、とても簡単です。
餌付け
エサの付け方は、頭から通し刺しが基本です。1匹まるごとだと長すぎるため、3センチ程度の長さにカットしましょう。
キャスト
仕掛けを30センチほど垂らして振りかぶって投げます。腕の力で投げるのではなく、ロッドに仕掛けの重みを乗せて投げるのがコツです。
そして、仕掛けが着水する寸前にリールから出ているラインを手で押さえて止めます。これをしないと、仕掛けが絡んでしまいます。
仕掛けが着水したら、着底するまでラインを出し続けます。ラインの放出が止まれば着底した合図です。
誘い
キス釣りでは大きな誘いをする必要はなく、仕掛けを引き摺るだけで十分な誘いとなります。
リールでゆっくり糸を巻き取るか、ロッドをさびくのを繰り返すのが誘いの基本。個人差はありますが、後者の方がアタリを感じ取りやすくておすすめです。
アワセ・やりとり
竿先にピクピクっとアタリがあれば、少しだけエサを喰わせる間(3〜5秒ほど)を与えてラインを巻き取りましょう。
そのまま一定の速度で巻き取ってキスを釣り上げてください。
キス釣りのコツ
キス釣りで釣果を上げるためのコツをいくつか紹介します。釣れない時、もっと釣りたい時のために覚えておきましょう。
砂浜では変化のある場所を狙う
広い砂浜を見渡し、一部だけ波立っているところがあればチャンスです。そのような場所は海底の地形に変化があり、キスの好ポイント。
良いポイントを見つけるために海面を観察しておきましょう。
手前から探る
はじめから遠投はせずに近い場所から探っていくようにしましょう。
近いポイントから釣ることで余計な範囲を探る必要がなく、効率的に釣っていくことができます。
連掛けを狙おう!
キスは群れで行動していることが多いため、アタリのある場所では高確率で他の個体もいます。
キスがヒットしても素早く回収せず、ゆっくり巻いているともう1本の鈎に別のキスが掛かることも。連掛けを狙えば釣果が倍増するかもしれませんよ。
美味しいキスを釣ろう!
キスは手軽に釣れて美味しい魅力的なターゲットです。本記事で紹介したチョイ投げは、そんなキスを誰でも簡単に釣ることができます。
ぜひ、キスのチョイ投げ釣りにチャレンジしてみてくださいね。
筆者の紹介
tsuki
関西出身の元釣具屋。釣具店時代の知識を活かして皆様の役に立つ情報を発信していきます♪
さまざまなジャンルの釣りを楽しんでいますが、その中でも好きな釣りはタナゴ釣り。