現役船長が語る「魚探」の見方と活用法|釣果に繋げるための使い方とは……

2020/04/17 更新

船釣り(オフショア)において重要な装備である魚探。魚探を使えば水深・地形・魚群の有無が分かりますが、意外と「見方がよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。そんな魚探の基本的な見方と活用法を解説します。


アイキャッチ画像提供:岩室拓弥

魚群探知機とは?

魚探の画像
魚探とは魚群探知機の略のことで、超音波を利用して直接目で見ることのできない水中の情報をディスプレイ上に映像として映し出す電子機器のことです。

水深に加えて、障害物の有無や地形の起伏、存在する魚群の位置と量など、水中の様々な情報を得られます。

今回は、そんな魚探の基本的な見方と活用法を解説します!
※魚探メーカーは数社ありますが、今回は筆者が使用しているホンデックスに沿って解説します。

魚探の仕組み

魚探の画像
出典:本多電子
始めに「超音波を利用する」と書きましたが、魚探は皆さんがよく見ているディスプレイだけでなく、超音波を受発信する振動子という機器とセットで構成されます。

この振動子から発信された超音波が海底や魚などの物体に当たって反射し、その反射した音波を振動子が受信、そしてデータを処理してディスプレイに画像情報として映し出すわけです。

周波数によって特徴が変わる

魚探の画像
出典:本多電子
上の画像を見れば分かるように、超音波は円錐状に広がりながら水中(船の真下)を進んでいきますが、ここで覚えておきたいのが周波数による特徴の違いです。

釣りで使用する魚探の周波数は、大きく分けて低周波(50キロヘルツ)と高周波(200キロヘルツ)の2種類があります。以下で簡単に特徴をまとめました。

周波数ごとの特徴

  • 低周波:探知角度が広い(約50度)ので広範囲を探りやすく、伝播距離が長い。
  • 高周波:探知角度が狭い(約15度)のでピンポイントの情報を得やすく、小さな反応も映りやすい。伝播距離は短い。
実際の魚探の画面を使って説明すると……

魚探の画像
画面左:50キロヘルツ/画面右:200キロヘルツ
2つの周波数を同時に表示したこちらの画面を見ると、50キロヘルツの画面は広範囲を探知しているので魚群が多く映し出され、探知範囲の狭い200キロヘルツの画面では魚影が少なくなっています。

魚探の画像
こちらの画面も同じく2つの周波数を同時に表示した画面ですが、どちらの周波数も同じように漁礁・魚群が映っています。

このような場合は、魚探に映っている魚群や障害物に対して、船がほとんど真上に近い所を通過している状態です。

ちなみに、先述したように超音波は円錐状に広がりながら水中を進むので、音波の幅は水深が深くなるほど広がります。

それゆえに反射波も上に広がるので、“深いところにいる魚群ほど画面上では大きく映し出される”ということを覚えておくと良いですよ。

魚探の見方・使い方

それでは基本的な魚探の見方・使い方について紹介していきます。

画面右端が最新の映像

魚探の画像
周波数による範囲の違いはあれど、魚探は船の真下の情報を画像として表示していることが分かったと思いますが、魚探の画像は右から左に向かってコマ送りされていきます。つまり、最新の情報は画面右端部分になるわけです。

上の画像を例にすると、黄色の丸部分で囲ったのが漁礁なのですが、船は漁礁の端の真上にいるということになり、既に漁礁を通過した後だということが分かります。

決して画面全体で最新の情報を表示しているわけではないので注意しましょう。

ちなみに、画像の送り速度は任意で設定することできますが、送り速度が速い場合は小さな群れや物体でも長く表示されるようになります。

反射波の強弱は色別で表示される

魚探の画像
魚群の大きさや密度、底質などは、画面に映し出される色で判断することができます。

“魚群の密度が濃い、または大きい、物体が硬い”ほど、物体に反射した超音波、つまり反射波が強くなり、その反射波が強いほど色は濃く表示されます。

上の画像で見ると赤丸で囲ったのが魚群なのですが、大きくて大部分が濃い色で表示されていることから、魚群はぼちぼち大きくて密度も高いということが分かります。

感度を設定する

魚探の画像
魚探が捉えるものは魚群や海底だけではなく、水中を浮遊するゴミやプランクトン、気泡なども映し出します。そのため、魚探には受信感度を設定する機能が搭載されているのです。

上の画像を見ると、赤丸で囲った50キロヘルツと200キロヘルツのバーの下にそれぞれ赤文字で数字(18と25)が表記されています。

この数字が大きいほど感度は高くなり、プランクトンに反射した微弱な音波すら表示されるようになるわけです。

感度が高いほどより多くの情報を得ることはできますが、“過ぎたるは猶及ばざるが如し”。感度が高すぎると不必要な情報まで表示させてしまい、何が何だか分からなくなります。

必要な情報は最大限に引き出しつつ、不必要な情報は排除できる最適な感度に設定するよう心掛けましょう。その日の状況により、ゴミやプランクトンの量は増減しますので、釣行毎に微調整すると良いですよ。

航跡表示を活用する

魚探の画像
多くの魚探にはGPSプロッター機能(カーナビのようなもの)が搭載されており、航跡(船が通ったルート)を表示させておくと便利ですよ。

航跡を表示させておけば、ポイントを流した時に船がどの方向に流れているかを視認でき、その航跡は記録される(一定時間を過ぎれば自動削除)ので、流すラインを微妙に変えたいときなども調整しやすくなります。

ちなみに、赤丸で囲っているのは船の移動速度、黄丸で囲っているのは移動方向を現しており、上の画像では0.8ノットの速度で南西方向に向かって移動しているということです。

1ノットは時速1.852キロメートル、方位は北が0度で南は180度と表示されます。

魚のサイズ表示は必要なのか……?

魚探の画像
余談になりますが、最近の魚探には魚のサイズを表示する機能も付いています。(任意で設定可)

表示されたサイズの誤差は小さいという話も聞きますが、この機能は果たして必要なのか不必要なのか……。考え方は人それぞれですが、個人的には「必要ない」というのが正直なところ。

筆者の場合、大小関わらずに魚群がどういった映り方をしているかで、釣れる反応か否かを判断しているからです。

上の画像を見て分かるように、魚1匹を表示する分の画面の支配率が高くて魚群の詳細が分かりにくく、サイズが分かったところで釣果が上がるわけでもなく、何の魚なのかも不確かでメリットをあまり感じられません。

とはいえ、「何センチの魚が映っているよ!」と分かれば場は盛り上がりますし、全然釣れない状況では「とりあえず何か分からないけど大きな魚はいる」と言えば気休めにはなるかもしれません(笑)

自分なりに工夫して魚探を使いこなそう


今回は「これから魚探を購入する」「イマイチ魚探の見方が分からない」という方に向けて、初歩的な部分を解説させていただきました。

魚探には多くの機能が搭載されているので、“地形や魚が映る機械”と単純に捉えるのではなく、設定や機能を工夫することでより多くの情報を得られるようになります。

そして、水中の情報を多く得れば得るほど釣果は伸びやすくなるので、自分なりに使いやすいように工夫して釣果につなげていきましょう!
画像提供:岩室拓弥

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筆者の紹介


岩室拓弥
釣具店・釣具メーカー勤務を経て、現在は福岡市東区箱崎港から出船している遊漁船「エル・クルーズ」の船長。

職業柄オフショアがメインとなっているが、元々は陸っぱりがメインでメバリング・エギングなど様々な釣りの経験も豊富なマルチアングラー。

遊漁船 エル・クルーズHP

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    岩室拓弥

    釣具店・釣具メーカー勤務を経て、現在は福岡市東区箱崎港から出船している遊漁船「エル・クルーズ」の船長。職業柄オフショアがメインとなっているが、元々は陸っぱりがメインでメバリング・エギングなど様々な釣りの経験も豊富なマルチアングラー。

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